〈モスクワ・空港…〉
穂乃果 「絵里ちゃん!本当に色々お世話になりました!…絵里ちゃんのお婆ちゃんのボルシチほんとに美味しかったよ!絶対また食べに来るね♡」
絵里 「ええ!おばあさまも喜ぶわ!…じゃあ今度は私のボルシチも食べさせてあげるから楽しみにしてなさい! ウィンク 」
穂乃果 「ほんとに!?…帰るの明日にしようかな…」
真剣に悩み出す穂乃果。
絵里 「な、何言ってるのよ! アセ 早く帰ってみんなを安心させてあげなきゃ駄目じゃない!」
穂乃果 「そ、そうだね!」
絵里 「ほんとに世話のかかる妹なんだから…」
穂乃果 「じゃあ穂乃果行くね!…先に帰って日本で待ってるから!
…絵里おねぇ〜ちゃん♡」
絵里 「な、何言ってるのよ!…早く行かないと飛行機行っちゃうわよ!」
白い肌の顔を真っ赤にして言う絵里。
穂乃果 「絵里ちゃんが先に妹とか言ったんじゃ……って飛行機動きそう!?」
絵里 「ほ、穂乃果! アセ 」
穂乃果 「じゃ、じゃあほんとに行くね!絵里ちゃんまたね〜〜アイラビュ〜♡………」
絵里に投げキッスをしながら慌てて搭乗口に入って行く穂乃果。
絵里 「……な、何がアイラビューよ…カオマッカ…お土産のマトーリョーシカ人形2019年ver(×19)渡しそびれちゃったじゃない…
…全く!ほんと世話の焼ける妹なんだから!」
言葉とは裏腹に嬉しそうな顔で呟く絵里。
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〜1年半前 夏 アメリカ…〜
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〈ロサンゼルスの路上…〉
穂乃果 「セ、センキュー!」
『パチパチパチパチ…』
穂乃果 「…や、やっぱりいきなりアメリカの路上で歌ってもあんまり反応よくないな…でもせっかくことりちゃんと観光したい気持ちを我慢して来たんだから…頑張らなきゃ!
…よし、じゃあ次は…ア〜ア〜、ンンッ…
ネ、ネクストソングイズ…
『ユメノトビラ』!
♪♪ ♪♪♪♪♪
……………………
ユメノトビラ ずっと探し続けて
君と僕とで旅立ったあの季節 ♪♪
青春のプロローグ ♪
……………………
♪♪♪♪♪♪♪
……セ、センキュー!」
『パチパチパチパチパチパチパチパチ!』
歌い終わって目を開けたら突然大きな拍手の音が聞こえたので驚く穂乃果。
穂乃果 「セ、センキューベリーマッチ!」
少女 「あ、あの〜…高坂…穂乃果さんですよね?ミュ、μ’sの…」
大きな拍手をしていた少女が穂乃果に近づいて来て恐る恐る尋ねる。
穂乃果 「え?…あぁ〜はい!元μ’sですけど アセ …って穂乃果のこと知ってるの!?しかも日本語!?」
少女 「…はい!私日本人なので…私スクールアイドル大好きなんです!てかμ’s大ファンです!まさかこんなとこで会えるなんて…神様っているんですね!」
目に涙を浮かべて感動を伝える少女。
穂乃果 「そ、そうなんだ…でもありがとう♪実は私も初めて1人で外国で歌うから凄い心細かったんだ…だからあなたに会えて私も嬉しい!」
穂乃果も目に涙を浮かべて少女に感動を伝える。
少女 「そ、そっか…前にアメリカで歌った時はμ’sのみなさんも一緒でしたもんね!」
穂乃果 「よ、よく知ってるね〜…ほんとに私たちのファンなんだ!…今は観光で来てるの?」
少女 「…観光というわけじゃないんですけど。」
少し困った笑顔をする少女。
穂乃果 「?…そっか。名前はなんて言うの?年はいくつ?」
ニコニコしながら聞く穂乃果。
すると少女は笑顔で敬礼しながら自己紹介した。
少女 「…年は15歳で高校1年生であります!
名前は…
『長月唯』であります!」
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〜翌月〜
〈福島ライブ会場…〉
穂乃果 「福島の皆さん!今日はチャリティーライブイベントに呼んで頂いて本当にありがとうございます!…あの大災害を乗り越えてここまで復興してるなんて福島の皆さんの生きる力を見ることが出来て本当に感動しています!…私に出来ることはこうして歌うことだけなのですが……今この時は皆さんと楽しい時間をすごせるよう心を込めて歌います!
…聴いてください!
『僕たちは一つの光』!
♪♪ ♪♪ ♪ ♪ ♪ ♪♪
………………
夢の中で描いた絵のようなんだ
切なくて時をまきもどしてみるかい?
No no no いまが最高! ♪♪♪
……………………
♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪
……………………
ありがとうございました〜!!」
『ワ〜! ワ〜!穂乃果ちゃ〜ん! みゅ〜ず〜!』
〈舞台裏テント…〉
『ワイワイ ガヤガヤ』
『ほ〜の〜か〜さん!』
歌い終わって一息ついていた穂乃果に誰かが声をかける。
穂乃果 「…あ!あなたは…先月アメリカで会った…唯ちゃん!」
唯 「エヘ!覚えててくれたんですね!嬉しいです!…穂乃果さんが見えたから立ち入り禁止だけど…入って来ちゃいました! ケイレイ 」
穂乃果 「ま、まぁ大丈夫じゃない?で、でもなんで!?…もしかしてこの近くに住んでるの?」
唯 「はい!唯は福島県民であります!」
穂乃果 「そうだったんだね…私たち縁があるんだね!」
ニコっと笑って言う穂乃果。
唯 「は、はい!…憧れの穂乃果さんにそう言って貰えるなんて…ゆ、唯は嬉しいであります! グスン 」
嬉し泣きしながら敬礼する唯。
穂乃果 「アハハ…あ!そうだ…次のまたこっちの方でやるライブの予定なんだけど…」
唯 「え!?また福島に来てくれるでありますか!? ヒトミキラキラ」
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〈九州 福岡…〉
穂乃果 「ありがとうございました〜!」
『パチパチパチパチパチパチ!』
唯 「穂乃果ちゃんお疲れ様! ニッコリ 」
穂乃果 「唯ちゃん…こんな遠い所までわざわざありがとね…」
ウルウルしながらお礼を言う穂乃果。
唯 「穂乃果ちゃんこそいつも唯のリクエストした曲歌ってくれて…めちゃくちゃ嬉しい!唯は穂乃果ちゃんの歌が聴けるなら日本中、世界中這ってでもかけつけるであります!! ケイレイ 」
穂乃果 「う〜ん!唯ちゃんは穂乃果の天使だよ〜! ギュ〜〜〜♡」
唯を思い切り抱きしめる穂乃果。
唯 「ほ、穂乃果ちゃん!ひ、人が見てるであります! カオマッカ 」
穂乃果 「関係ないも〜ん♡」
唯 「ほ、穂乃果ちゃん…
…あったかい。」
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〈東京…〉
唯 「こ、ここがあの伝説の和菓子屋『穂むら』でありますか!?」
目を丸くして驚きながら「穂むら」の前で立ち尽くす唯。
穂乃果 「そうだよ〜♪遠慮しないで上がって!」
唯 「も、もしかして…『duet's』の高坂雪穂さんもいらっしゃるのでは…」
穂乃果 「あぁ〜…雪穂は今出掛けてていないんだ。」
唯 「そ、そうなんだ…残念であります…」
シュンとする唯。
穂乃果 「ほんとはことりちゃんと海未ちゃんにも紹介したいんだけど二人とも今日は都合悪いみたいで…ごめんね!」
ペロッと舌を出す穂乃果。
唯 「い、いえいえ!穂むらに来れたうえに穂乃果ちゃんのマブダチのお二方に来られたりしたら…唯意識を保っていられないよ!」
アワアワしながら言う唯。
穂乃果 「ま、マブダチ…アハハ …そしたら穂乃果と唯ちゃんもマブダチだね♪」
唯 「ほ、穂乃果ちゃん…!本当でありますか!? グスン 」
嬉し泣きする唯。
穂乃果 「うん!穂乃果と唯ちゃんはマブダチだよ〜!ギュ〜〜〜♡」
唯をハグする穂乃果。
唯 「ほ、穂乃果ちゃん! アセ 」
照れる唯。
『プップ〜!♪』
その時突如ラッパの音が鳴り響く。
穂乃果 「あ!…お父さん…」
ほのママ 「あんた達!店の前で何やってるのよ!
アセ 」
穂乃果 「あ、ああ…紹介するね!この子は唯ちゃん…」
唯 「は、初めまして!!…カリスマアイドルの高坂穂乃果さんと雪穂さんを立派にお育てになられたお母様とお父様ですよね!?お会い出来て本当に嬉しいです!!」
羨望の眼差しをほのパパ・ママに向ける唯。
ほのママ 「あ、ありがとう… テレ 今日はゆっくりしていってね♡」
ほのパパ 『プップ〜!♪♪♪♪♪』
〈穂乃果の部屋…〉
唯 「ここが伝説の名曲『START:DASH!!』が誕生したお部屋…か、感動であります…泣 」
穂乃果 「唯ちゃん…いちいちそんなに感動してたら心臓に悪いよ? 」
苦笑いしながら言う穂乃果。
唯 「…………そうだよね。」
穂乃果 「…?…ところで唯ちゃん!」
唯 「は、はい!何でしょう?」
穂乃果 「唯ちゃんそんなにスクールアイドルが好きなのに自分ではやらないの?」
笑顔で尋ねる穂乃果。
唯 「じ、自分で、でありますか? アセ 」
穂乃果 「そう!…唯ちゃん凄い可愛いし…凛ちゃんみたいに元気一杯だし…絶対向いてるよ!」
唯 「…………」
何も言わず下を向いてしまう唯。
穂乃果 「あ、あれ?唯ちゃん?」
予想外の唯の反応に戸惑う穂乃果。
唯 「…元気一杯に?……見えるだけだよ。」
下を見ながら言う唯。
穂乃果 「え?」
唯 「穂乃果ちゃん…私ね…実は生まれつき身体が弱くて…あんまり激しい運動とか出来ないんだ…。」
穂乃果 「え?……そう…だったの? ぜ、全然そんな風には…」
唯 「一応お薬飲めば普通にはしていられるから…アメリカにしかない特殊なお薬だから年に一回検診がてら受け取りに行かなきゃなんだけど…」
穂乃果 「そ、それであの時…」
唯 「大丈夫!穂乃果ちゃんの追っ掛けくらいなら唯の身体でもやれるであります! ケイレイ
…だから次のライブも…楽しみにしてるね!」
ニッコリ笑って言う唯。
穂乃果 「唯ちゃん……うん!じゃあ…唯ちゃんの分まで穂乃果…頑張るよ!」
拳を握りながら言う穂乃果。
唯 「…うん! ニコ じゃあ次のライブもいつものあの歌を…
穂乃果 「唯ちゃん! ギュ〜〜〜」
唯 「ほ、穂乃果ちゃん? アセ」
突然穂乃果に抱きつかれ戸惑う唯。
穂乃果 「…あの歌を?」
唯 「う、うん …唯いつものあの歌、
『………』をまた聴きたいな。」
穂乃果 「うん!…穂乃果…頑張って歌うね!
…グス…」
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜冬…〜
穂乃果 「ハァ〜…」
秋葉原駅前で路上ライブをしていた穂乃果。
白い息を吐きながら今日はそろそろ切り上げようかと考えていた時…
『穂乃果ちゃんお疲れ様!』
久しぶりに聞く声がして驚いて声がした方に目を向ける穂乃果。
穂乃果 「あっ!唯ちゃん!?良かった…暫くライブ来てくれなかったからどうしたんだろうって…」
心配そうな顔で言う穂乃果。
唯 「ごめんなさいです!(・ω<) テヘペロ…実は『A-RISE』の追っ掛けが忙しくて〜…」
穂乃果 「え?…そ、そっか アセ『A-RISE』じゃ穂乃果勝てないな〜…」
苦笑いする穂乃果。
唯 「嘘であります!(・ω<) テヘペロ…唯は穂乃果ちゃん一筋であります♡」
穂乃果 「もう! アセ からかわないでよ!…穂乃果…唯ちゃん身体の具合悪いのかなって心配してたんだから!」
少し怒って言う穂乃果。
唯 「ご、ごめんね(・ω<) テヘペロ」
穂乃果 「テヘペロはもういいから! アセ 」
唯 「…ねぇ穂乃果ちゃん?」
穂乃果 「ん?」
唯 「…ハグ…しよ?」
穂乃果 「え?…あ、ああ、うん。珍しいね!唯ちゃんからハグしようなんて… そ、それじゃあ…」
『ハグッ』
唯 「フフッ やっぱりあったかいな…」
穂乃果 「フフフ〜穂乃果の唯ちゃんへの愛が溜まってるからね〜♡」
唯 「…穂乃果ちゃん今日も『ユメノトビラ』歌ってくれてたね…」
穂乃果の腕の中で嬉しそうに言う唯。
穂乃果 「…うん!唯ちゃんがいつ来てもいいように必ず歌ってるよ?…だから良かった!今日来てくれてて…」
唯 「…ねえ穂乃果ちゃん?」
穂乃果 「…どうしたの?」
唯 「唯ね…
病気になっちゃったんだ…
……………………
……………………
唯 「…穂乃果ちゃん!今日は久しぶりに穂乃果ちゃんの歌を聴けて良かったであります! ケイレイ 」
穂乃果 「唯ちゃん!…アメリカからはいつ戻って来れるの?」
唯 「…わからないけど…1ヶ月なのか半年なのか…1年なのか…」
困った笑顔で答える唯。
穂乃果 「唯ちゃん!……穂乃果…ずっと歌い続けるから!…グス…唯ちゃんがいつどこに来てもいいように…日本中で歌って待ってるから!…グス…アメリカにも行くから…グス…だから…ズズッ」
唯 「穂乃果ちゃん!」
穂乃果 「…え? ズズッ」
唯 「じゃあ約束ね!」
穂乃果 「…約束? ズズッ」
唯 「来年の夏…また福島のチャリティーライブがあるでしょ?」
穂乃果 「う、うん…ズズッ」
唯 「唯…必ずそのライブには行くから…絶対元気になって行くから…だからまた穂乃果ちゃんの『ユメノトビラ』聴かせてね!」
ニコッと笑って言う唯。
穂乃果 「…唯ちゃん!」
『ガバッ』
唯を抱きしめる穂乃果。
唯 「穂乃果ちゃん…泣かないで…」
困った顔で言う唯。
穂乃果 「…うん!…グス…穂乃果待ってるから…グス…唯ちゃんが来てくれるまで何度でも…グス…
『ユメノトビラ』歌って待ってるから!」
唯を抱きしめて泣きじゃくる穂乃果。
そんな穂乃果を優しく抱いて唯も涙を流しながら答えた。
唯 「…うん!…グス…
ありがとう…穂乃果ちゃん。」
Aqoursと穂乃果が出会う約一年前の夏、アメリカでμ'sの大ファンの少女「唯ちゃん」に出会っていた穂乃果。
病気になってしまった唯ちゃんは穂乃果との約束を果たせるのか?
次回、「Aqoursって知ってる?」