行き当たりバッタリイフライブ!   作:山本富士

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第28話 高海千歌と渡辺曜の面影

 

 

海未 「おかえりなさい穂乃果!」

 

 

約二週間ぶりに秋葉原に帰って来た穂乃果を海未と真姫は駅前で待っていた。

 

 

穂乃果 「海未ちゃん…真姫ちゃん? アセ ど、どうして…穂乃果誰にも今日帰るって…」

 

真姫 「…全く!てっきりロシアから直接帰ってくるのかと思ったら…どれだけ寄り道してるのよ! アセ 」

 

穂乃果 「…あれ?何でそんなことまで…」

 

真姫 「私の情報網を舐めないでほしいわ!」

 

穂乃果 「…真姫ちゃん怖いねぇ ニガワライ 」

 

海未 「…それで?もう歌い歩くのは満足したのですか?」

 

微笑んで尋ねる海未。

 

穂乃果 「うん… ロシアの人みんないい人だったんだけどやっぱり日本の人達の前で何か無性に歌いたくなっちゃって…ホームチック?にかかったのかな? エヘヘ 」

 

真姫 「ホームシックでしょ! アセ …たく…よくそれで海外行こうなんて気になるわね!

でもまぁ…それで大阪から東京までブラブラしてたのね。」

 

穂乃果 「…さっきまで沼津駅前で歌ってたんだけど ニコ 」

 

真姫 「…さっきまで!?…今日『A-μ’s』の練習あったのよ?千歌たちに会わなかった?」

 

穂乃果 「…うん!会ったよ!」

 

嬉しそうに言う穂乃果。

 

海未 「…まったく…Aqoursのメンバーもみんな穂乃果のことを心配していたのですよ?…ちゃんと謝ったのですか?」

 

穂乃果 「うん…千歌ちゃんに怒られちゃった テヘ …でもやっぱり穂乃果…

 

Aqoursの子達が大好き♡

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜数時間前、沼津…〜

 

 

千歌 「果南ちゃん、鞠莉ちゃん!じゃ〜ね〜!」

 

笑顔で果南と鞠莉に手を振る千歌。

 

果南 「三人とも!じゃあまた来週学校でね!」

 

鞠莉 「チカっち!曜!リコ!グッバイするのは嫌だけど…また会える日まで

チャオ〜〜!

 

涙目で二年生トリオに手を振る鞠莉。

 

果南 「だからまたすぐ学校で会えるって! アセ 」

 

曜 「果南ちゃん鞠莉ちゃん!バイバイであります! ケイレイ 」

 

梨子 「果南ちゃん!鞠莉ちゃん!また来週学校で! ニコ 」

 

 

『ブロロロ〜…』

 

 

小原家の車で走り去る鞠莉と果南。

 

千歌 「ほんとあの二人仲良しだよね!」

 

曜 「これから鞠莉ちゃんちが経営する新しいレストランで食事なんて…羨ましいね!」

 

梨子 「…私達も家にご飯の用意がなければね〜…」

 

残念そうな表情になる二年生トリオ。

 

千歌 「今度は絶対私達も鞠莉ちゃんちの高級レストラン連れてって貰おうね!」

 

曜 「…それじゃ丁度バスの時間だし帰るでありま…す?」

 

何かに目が止まる曜。

 

梨子 「曜ちゃん?どうしたの?」

 

曜 「な、なんかあっちに人だかりが… ジ- 」

 

千歌 「なんか面白いことやってるのかな?私達も行こうよ♪」

 

梨子 「ち、千歌ちゃん!もうバス来ちゃうよ? アセ 」

 

千歌 「まだ時間早いからヘーキだって!ね!曜ちゃん! ウィンク 」

 

曜 「私も気になるであります! ケイレイ 」

 

梨子 「もう! アセ 全く二人とも…(早く帰ってアキバで買った同人誌ゆっくり読みたいのに〜!)」

 

 

 

『ありがとうございました〜!』

 

『キャー 可愛い〜! キャー』

 

 

千歌 「……あれって アセ 」

 

人だかりに向かってマイクでお礼を言う人物を見て驚く千歌。

 

曜 「う、うん…なんで? アセ 」

 

梨子 「帰って来たんだ…ロシアから!」

 

 

 

チカ曜リコ 『穂乃果さん!!!』

 

 

穂乃果 「…あ!…千歌ちゃん…曜ちゃん…梨子ちゃんも…

 

三人ともただいまー♪

 

三人に笑顔で手を振る穂乃果。

 

 

曜リコ 『おかえりなさ…』

 

千歌 「穂乃果さん!!」

 

笑顔で穂乃果に答えようとする二人を遮り大声で穂乃果の名を呼ぶ千歌。

 

 

『ザワザワザワザワ』

『あれって…』

『Aqoursの? アセ 』

 

 

千歌 「一体今まで何してたんです!?私達が…『A-μ’s』のみんながどれだけ心配してたと思ってるんです!!?」

 

 

『ザワザワザワザワ』

『な、なんで怒ってるの? アセ 』

『A-μ’s仲悪いの? アセ 』

 

 

曜リコ 『ち…千歌ちゃん! 』

 

 

穂乃果 「千歌ちゃん…曜ちゃん梨子ちゃん!ご、ごめんなさい!! アセ

 

三人に頭を下げて謝る穂乃果。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

〈喫茶店…〉

 

千歌 「さてと…ここなら静かに話せます。それで…なんで急にいなくなったんですか!?

 

曜 「ち、千歌ちゃん!そんなケンカ腰にならなくても アセ 」

 

梨子 「そうよ! アセ 穂乃果さんに向かってそんな態度は… 」

 

穂乃果 「曜ちゃん、梨子ちゃん!…穂乃果が悪いんだから気にしないで…アハハ 」

 

千歌 「そうですよ!ダイヤちゃんだって穂乃果さんの変わりに必死に『A-μ’s』のリーダーやってるんですよ!?」

 

穂乃果 「ダイヤちゃんが…そっか。確かにダイヤちゃんなら安心だね! ニコ 」

 

千歌 「穂乃果さん!」

 

穂乃果 「す、すいません… アセ 」

 

梨子 「千歌ちゃん! アセ …でもやっぱり穂乃果さんもダイヤさんを認めてくれてるんですね!」

 

穂乃果 「…うん!冗談抜きで『A-μ’s』のリーダーは穂乃果よりダイヤちゃんがいいと思うよ!」

 

ニコニコしながら言う穂乃果。

 

曜 「穂乃果さんに認められるなんて…さすがAqoursで一番器の大きなダイヤちゃんであります!」

 

千歌 「穂乃果さん! アセ ダイヤちゃんの話しもいいけど…今は…」

 

穂乃果 「あ、ああそうだったね。

 

…穂乃果ね…お姉ちゃんに会いに行ってたんだ!

 

嬉しそうに言う穂乃果。

 

 

チカ曜リコ 『お、お姉ちゃん?いたんですか? アセ 』

 

驚く二年生トリオ。

 

 

穂乃果 「あ、その…ほんとのお姉ちゃんじゃなくて…まぁ絵里ちゃんなんだけどさ ニコ 」

 

千歌 「な、なんだ〜 アセ ビックリした〜…」

 

曜 「で、でも何でわざわざロシアまで?『A-μ's』の練習に合流するため来月絵里さん帰国するんじゃ…。」

 

梨子 「…穂乃果さんには穂乃果さんの事情があるんですよね?」

 

千歌 「…事情って!?

 

梨子 「い、いやそこまでは…てゆーか私に聞かないで!目の前に本人がいるんだから アセ 」

 

穂乃果に注目する三人。

 

 

穂乃果 「……………」

 

 

千歌 「…穂乃果さん?」

 

曜 「あ、あの…話したくなかったら無理に話さないでも…千歌ちゃんも…いいよね?」

 

千歌 「え?………うん…まぁ…」

 

釈然としない顔の千歌。

 

梨子 「穂乃果さん…すいません。なんか無理やり話を聞き出そうとしてしまって…」

 

穂乃果 「…ううん。ごめんね…隠したいわけじゃないんだけど…まだ…うん…ごめんね。」

 

下を向いて言う穂乃果。

 

 

店内の時計を見る梨子。外はもう暗くなって来ている。

 

梨子 「…それじゃ穂乃果さん。ほんとに引き止めてすいませんでした ニコ 」

 

曜 「でもわざわざ付き合ってくれてありがとうであります!…長旅で疲れてるのに アセ 」

 

穂乃果 「ううん!穂乃果こそごめんね…ちゃんと答えてあげられなくて…」

 

 

千歌 「……………」

 

一人押し黙る千歌。

 

梨子 「千歌ちゃんも!ほら!」

 

曜 「…千歌ちゃん?」

 

 

千歌 「……………

 

穂乃果さん!やっぱり私!

 

 

穂乃果 「千歌ちゃん!」

 

 

千歌 「え? アセ 」

 

 

穂乃果 「それから…曜ちゃんも!」

 

 

曜 「え?私も? アセ 」

 

梨子 「? 」

 

 

穂乃果 「…まだ…まだね!…まだ全部は話してあげられないけど…だけど…これだけは二人に言っておきたくて…」

 

千歌と曜に優しい眼差しを向ける穂乃果。

 

 

千歌 「…なんですか? アセ 」

 

曜 「穂乃果…さん? アセ 」

 

 

穂乃果 「穂乃果ね…千歌ちゃんと曜ちゃんにはじめて会った時びっくりしたの!…穂乃果が大好きなある女の子に二人ともそっくりだったから…」

 

千歌 「ある女の子…って…」

 

 

穂乃果 「きっとね…その子は千歌ちゃんと曜ちゃんを見て…自分も本当はこうなりたかったんだって思って…それで穂乃果に二人を…Aqoursのみんなを出会わせてくれたんだと思うんだ。」

 

梨子にも視線を向ける穂乃果。

 

 

曜 「その子が穂乃果さんに…私達Aqoursを教えてくれたんですか?」

 

穂乃果 「………うん!そうだよ! ニコ 」

 

梨子 「…会ってみたいですね。千歌ちゃんと曜ちゃんに似ていて…穂乃果さんが大好きなその女の子に。」

 

微笑んで呟く梨子。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

千歌 「……私も…会ってみたい! ニコ 」

 

曜 「私もであります! ケイレイ 」

 

 

穂乃果 「フフッ。そうそう!…そんな感じで敬礼するんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……唯ちゃんも。」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

数時間後、秋葉原…

 

 

〈秋葉のファミレス…〉

 

穂乃果 「…そう言えばダイヤちゃんが今『A-μ’s』のリーダーやってくれてるんだよね!」

 

笑顔で言う穂乃果。

 

真姫 「そうよ!穂乃果なんかよりよっぽどしっかりしてるわよダイヤは!」

 

穂乃果 「穂乃果もそう思う!『A-μ’s』のリーダーはこのままダイヤちゃんでいいんじゃない? ニカ 」

 

真姫 「え?本気で言ってるの? アセ 」

 

穂乃果 「うん!…ダイヤちゃんならいいと思う♪」

 

真姫 「…全く!相変わらずリーダーにこだわりがないんだから アセ 」

 

穂乃果 「あはは。そうかもね!」

 

 

海未 「…ところで穂乃果?約束をちゃんと果たしてもらいますよ?」

 

黙っていた海未が口を開く。

 

 

穂乃果 「約束?な、何だっけ? アセ 」

 

真姫 「とぼけないで!…忘れたなんて言わせないわよ!」

 

海未 「クリスマスパーティーでことりが寝てしまった後約束したではないですか! アセ 」

 

 

穂乃果 「……うん…覚えてるよ。」

 

コーヒーを飲みながら呟く穂乃果。

 

 

真姫 「…どうしても行きたい所って…絵里のとこだったのね…帰ってきたら全部話すって約束…果たしなさいよね!」

 

海未 「そうですよ…穂乃果。」

 

 

穂乃果 「………ズズ」

 

 

海未 「希からのスーパー銭湯に行く誘いを断って来たのですから…帰ってそうそう疲れてるとは思いますが話してもらいますよ? ニコ 」

 

 

穂乃果 「ス、スーパー銭湯? ニガワライ

 

………海未ちゃん…真姫ちゃん…

 

わかったよ。」

 

そう言うと穂乃果は被っていた黒いキャスケット帽を脱いでジッと見つめた。

 

 

 

 

 




千歌と曜にずっと唯ちゃんの面影を感じていた穂乃果。
実は曜ちゃんの敬礼を見るたびウルッとしていたのでした…

クリスマスの夜に海未と真姫にどうしても行きたい所から帰って来たら全てを話すと約束していた穂乃果。
クリスマスの前日ことりと海未との約束をドタキャンして穂乃果は何をしていたのか?

次回、「世界の果てから這ってでも」
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