行き当たりバッタリイフライブ!   作:山本富士

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第32話 絢瀬絵里の妹その二

 

 

〈穂乃果の家…〉

 

 

『ジャ〜ン ジャ〜ン ジャ〜ン ♪♪』

 

 

雪穂 「おね〜ちゃん!ご飯だよ〜…ってあれ?」

 

姉の部屋を開ける雪穂。

すると見慣れない光景が目に映る。

 

穂乃果 「いや〜ギター久々に弾いたけど…やっぱり難しいね〜 ニガワライ 」

 

雪穂 「お姉ちゃんまたギターやろうとしてるの?

アセ 前に『難しいから穂乃果にはムリ〜!』…って諦めなかったけ? ジト 」

 

穂乃果 「…そうなんだけどさ。真姫ちゃんが穂乃果のために作ってくれた曲があって…それに詩をつけたら…何となく弾き語りかな〜って! ジャラ-ン♪ 」

 

雪穂 「へ〜!お姉ちゃん作詞出来たんだ…」

 

心底意外そうな顔をする雪穂。

 

穂乃果 「し、失礼な! アセ 穂乃果だってたまには…っていつもは海未ちゃんに頼んでるけど〜… アハ 」

 

雪穂 「大丈夫なの?その弾き語り アセ 」

 

穂乃果 「あはは…うん、でもこの曲は…どうしても穂乃果の気持ちを歌にしたかったから…」

 

目を閉じて微笑む穂乃果。

 

雪穂 「そっか…。私も楽しみにしてるね!お姉ちゃんの弾き語り! ニコ 」

 

穂乃果 「う、うん!…ジャ-ン♪…あ〜!ゆ、指が痛い〜 アセ

 

雪穂 「…ご飯早く食べに来なね!(頑張ってね…お姉ちゃん!)」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

〈同じ頃、秋葉原のケーキカフェ…〉

 

ことり 「えへへへ〜」

 

絵里 「ど、どうしたのことり?」

 

ニコニコ笑顔でじっと見つめられて少し戸惑う絵里。

 

ことり 「…だって〜… ことり絵里ちゃんと2人でお出掛けなんてほとんどしたことないから…嬉しくって♡」

 

絵里 「…たしかに…そうね…ことりと2人きりって初めてかも!」

 

絵里も嬉しそうに微笑む。

 

絵里 「それはそうとことり…。」

 

ことり 「?…どうしたの?(・8・)」

 

絵里 「あなた…そのケーキ1人で食べるの? アセ 」

 

ことり 「?…そうだけど?(・8・)」

 

絵里 「………ハラショー。(チーズケーキワンホール…私も死ぬまでには! グッ )」

 

ことり 「あ!そっか アセ …ハイ!ど〜ぞ!一切れあげるね♡」

 

ワンホールケーキから切り分け小皿に乗せて絵里に渡すことり。

 

絵里 「…あ、ありがとうことり!(1/16切れ……)」

 

ことり 「ハムハム…あ〜〜幸せ〜〜♡」

 

ほっぺに手を当てて幸せを噛みしめることり。

 

絵里 「フフ、 見てるこっちが満たされるわね! ニコ (何でことり太らないのかしら…)」

 

ことり 「ハムハム……あ!そうだ絵里ちゃん!ことりに話しがあるんだよね?つ、ついケーキに夢中になっちゃった! アセ 」

 

絵里 「そ、そうね アセ …でもいいのよ!せっかくのことりとのデートだもん! ニコ 」

 

ことり 「そっか…じゃ、じゃあ先にケーキ食べちゃうね! ニコニコ ハムハムハムハムハムハム…あ〜美味しい〜♡

 

絵里 「フフ。(夢中でケーキ食べてることり可愛いすぎ!ハラショー♡)」

 

貰った小さなケーキを口に運びながら嬉しそうにことりを見つめる絵里。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ことり 「ふ〜!…ことり今が一番幸せかも…」

 

ケーキを食べ終え満たされた表情で呟くことり。

 

絵里 「…それじゃそろそろ話してもいい?ことり

ホホエミ 」

 

ことり 「うん!…ごめんね アセ さすがに大っきいから食べるのに時間かかっちゃって…」

 

申し訳なさそうに言うことり。

 

絵里 「ううん!平気よ ウィンク (見てるだけで癒されたわ♡)」

 

 

ことり 「絵里ちゃん…それで話しって何?」

 

コーヒーを一口飲んでから話し出す絵里。

 

絵里 「…まぁ察しはついてるだろうけど…穂乃果とのことね。空港でも聞いたけど…仲直りは出来たのよね?」

 

ことり 「…うん!」

 

微笑んで返事をすることり。

 

絵里 「…でも…穂乃果から…その…聞いてないのよね?ことり達と遊んだり出来ないほどたくさんライブをしていた理由は…」

 

ことり 「うん… 海未ちゃんとかμ’sのみんなは知ってるみたいだけどね。」

 

絵里 「その事は知ってるのね アセ …じゃあなんでことりだけ…?」

 

 

お茶を一口飲むことり。

 

ことり 「……なんとなく…かな?」

 

絵里 「な、なんとなく…。

…どういうこと?」

 

ことり 「まぁ…わからないよね アセ 」

 

絵里 「ええ…出来ればもうちょっと説明してほしいわね。」

 

困り笑顔で言う絵里。

 

 

ことり 「ことりね…思い出したの…。」

 

絵里 「思い…出した?」

 

ことり 「ことりね…本当は穂乃果ちゃんに色々聞こうと思ってたんだ。…もう我慢しすぎるのも良くないと思ったから…どうして中々会ってくれなかったのか…どうしてアメリカにまで来てくれたのにほとんど一緒にいられなかったのか…どうしていつもLINE既読スルーなのか…どうしてディズニーランド…ドタキャンしたのか…ことりのことどんな想いで叩いたのか…どうして…突然いなくなったり戻ってきたりするのか…」

 

絵里 「…聞けばいいじゃない。我慢強いのはことりの良いところだけど…し過ぎるのはことりの良くないところよ?」

 

ことり 「そうだよね…さすが絵里ちゃんはことりのことわかってくれてるね!」

 

笑顔で言うことり。

 

絵里 「…じゃあ何で何も聞かなかったの?」

 

ことり 「え…」

 

絵里 「…ことりのことだからどうせ穂乃果に何も聞かなかったんでしょ?…良かったの?ことりはそれで…」

 

ことり 「良く…なかったのかも。…でもね絵里ちゃん…ことり…ことりね…突然いなくなっちゃった穂乃果ちゃんが…ちゃんとことりの前に帰って来てくれたのを見たら…凄くホッとしちゃって アセ ことり…本当は凄い心配でしょうがなかったから… グス 」

 

涙ぐみながら本音を話すことり。

 

絵里 「ことり…」

 

ことり 「 グス…それでね…穂乃果ちゃんのバツの悪そうな笑顔を見てたら…色々考えてたモヤモヤの代わりに…5年前穂乃果ちゃんがことりのこと空港に迎えに来てくれたこと…その時何があっても穂乃果ちゃんを信じよう!って決めたこと…思い出しちゃって…だから…」

 

絵里 「だから何も聞かなくていいや!…って思っちゃったんだ…」

 

ことり 「…うん。」

 

絵里 「もう!ほんとにことりは穂乃果に甘いんだから!(ほんと…天使なんだから フフ )」

 

困り笑顔で言う絵里。

 

ことり 「あはは。海未ちゃんにも良く言われるよ アセ 」

 

絵里 「そっか… でもね?ことり…」

 

ことり 「?…何?絵里ちゃん ニコ 」

 

絵里 「多分…いずれ穂乃果の方からことりに何もかも話してくるだろうから…その時はちゃんと聞いてあげるのよ? ウィンク」

 

ことり 「…はい!絵里お姉ちゃん♡

 

絵里 「ちょっ アセ …ハイハイ!全く…私の妹はマトリョーシカみたいに増えていくわね…」

 

苦笑いしながら言う絵里。

 

ことり 「え?…どうゆうこと? 」

 

絵里 「まぁ…それはそうとことり!ことりってお酒は飲めるの? ニコ 」

 

ことり 「あ…飲めるけど〜…」

 

微妙な表情を浮かべることり。

 

絵里 「けど?」

 

ことり 「ちょっと禁酒中というか…自粛してるというか…(・8・) アセ 」

 

絵里 「少しくらいいいじゃない!これからにこと希とウォッカの美味しいお店で会うからことりも少し付き合って!」

 

ニコニコしながら言う絵里。

 

ことり 「やっぱり絵里ちゃんウォッカ好きなんだね アハハ …じゃあソフトドリンクでいいなら…」

 

絵里 「えぇ〜ダティチョ〜?

 

 

ことり「絵里ちゃん…空港の時から気になってたんだけど…それどういう意味? アセ 」

 

絵里 「日本語だと…『まじで!?』…かな!」

 

そう言うと絵里はパチっとウィンクした。

 

 

ことり 「…マジですか?(汗)」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 





いつの間にか妹が3人(亜理沙・穂乃果・ことり)になってしまったエリーチカ。
このまま第4、第5の妹がマトリョーシカの如く増えていくのか!?

そしてこの後元μ's三年生トリオによってことりは自粛中のお酒を飲まされてしまうのか!?

次回、「黒澤ダイヤの初恋」

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