真剣で一年に恋しなさい   作:薫る☆

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辛い現実は忘れたい


ツヨイオモイ

 

 

「?どうした薫怖いのか?震えているぞ」

 

「ははは、武者震いですよ!」

 

「そうか、いくぞ!川神流・無双正拳突き!」

 

「ははは!龍形気功・単針功!」

 

お互いの拳がぶつかり合い、辺りの地面が盛り上がる。

 

「とうとう本気を出してきたな薫!」

 

「まだまだ!ここからは俺のターンです!」

 

残りの気を全て体に巡らせる。

 

「な!?消え……ぐぁ!?」

 

一瞬で後ろを取り、蹴りとばす。

 

「うぉおおおおお!!!!」

 

さらにガードされていない部分を連撃していく。

 

「くぅ……川神流・人間爆弾!」

 

耐えきれなくなったのか、モモ先輩は自爆するが、間一髪のところで避ける。

 

「瞬間回復!」

 

「せいっ!」

 

回復しているモモ先輩の頭を蹴り飛ばそうとするも避けられる。

 

「まだ!」

 

体をひねり、反対の足で踵落しを放つがまたも避けられた。

 

「ははっ、強いな薫!」

 

モモ先輩の拳が唸りをあげて近づいてくる。逃げようとするが

 

「っ!?」

 

踵落しが予想以上の威力だったのか地面に足が嵌っていた。

 

「これで終わりだ!」

 

因みに足が嵌ったと気づいたと同時に身体強化が切れた。

 

(俺おわったな……)

 

「ここからは私がお相手します」

 

と思ってたらまゆっちが参加してきた。

 

「助かったまゆっち!もう一度気を溜める後は頼んだ!」

 

「任せてください!」

 

「今度はまゆまゆか!だが一人で止められるかな?」

 

「どうやら私一人ではないようです」

 

「ハハハハハハ、我、顕現なり!」

 

「久しぶりだなぁ、私に負けて以来か?揚羽さん」

 

「であるな」

 

「弟の敵に回ったのか?」

 

「お前も舎弟の敵に回っているのだろう?お前を止めてくれと頼まれてな。我もうずうずしていたのだ、ちょうどいいと思ってな」

 

「大和…確かに見上げた政治力だな」

 

「ところで、お主が剣聖黛十一段の娘。黛由紀江か」

 

「は、はい!」

 

「百代は強い。全力で行け!」

 

「はい!」

 

「いくぞ!川神流・無双正拳突き!」

 

「九鬼雷神金剛拳!」

 

「腕は落ちてないようだな揚羽さん!」

 

「鍛錬自体は欠かしておらんからな!」

 

「せやっ!」

 

「まゆまゆ、いい攻撃だ!」

 

「ならこれはどうだ!禁じ手・富士砕き!」

 

「避けろ黛!」

 

「はわわわ!」

 

まゆっちはギリギリでしゃがんだことにより、攻撃をよけることができた。

 

「あっぶねー!まじパネェよあの先輩!」

 

「今のでお前は一度負けた。全力中の全力で戦え!それでも危うい!」

 

「はい!」

 

「九鬼家決戦奥義・古龍掌低波!」

 

「遅い!」

 

「せやぁぁぁぁ!」

 

「見切った!」

 

まゆっちの神速とも呼べる斬撃をモモ先輩は親指と人差し指で止めた。

 

「初見で十二斬全てを!?」

 

「はぁぁぁぁ!」

 

硬直していたまゆっちとモモ先輩の間に割り込むように揚羽さんが攻撃を仕掛ける。

 

「ちっ……」

 

モモ先輩は舌打ちをすると距離をとった。

 

「段々とパターンが見えてきたぞ、揚羽さん」

 

「はっ!」

 

「せやっ!」

 

「捕まえた!」

 

二人の攻撃をよけると同時に、モモ先輩は腕を掴んでいた。

 

「くっ…」

 

「右手、川神流・炙り肉!」

 

「左手、川神流・雪だるま!」

 

「これで終わりだ!」

 

すると突然ヘリから人が飛び降りてきた。

 

「あなたであったか!?」

 

「調子に乗っている後輩がいると聞いてな!」

 

口元を隠しているがあの気、そしてあの容姿。間違いない鉄乙女さんだ。

 

「川神流・無双正拳突き!」

 

「積み重ねを知れ!」

 

「川神流・星殺し!」

 

「ぐぁっ…なんという超威力。デタラメだな」

 

「いきます!」

 

隙の出来たモモ先輩をまゆっちが追撃していた。

「っ!?強いなぁ、まゆまゆ!」

 

「全力でぶつかります!」

 

「乙女、無事か?」

 

「ぐっ……私は百代に1つ教えることを見つけたぞ」

 

「うむ、我もそう思っていたところだ」

 

「百代は強い。だからこそ敗北を教えてやろう」

 

「それが我らが先輩として出来ることだろう」

 

そう言って二人は再び空中に飛び交って行った。

 

「これが高みか…」

 

気はもう十分に溜まっている。

 

が、俺は武道四天王の戦いに見蕩れてしまっていた。

 

「三対一で実力が拮抗しているなら、1人減らすまでだ!」

 

「へ?」

 

「楽しかったぞ、また遊ぼうな。バイバイ!」

 

モモ先輩はまゆっちを蹴り飛ばした。

 

「きゃあ!?」

 

飛んできたまゆっちを受け止める。

 

「悪いまゆっち、見惚れてたわ」

 

「薫さん……」

 

「あとは俺に任せろ」

 

「はい」

 

まゆっちを下ろして、俺はモモ先輩に近づいていった。

 

「モモ先輩!」

 

「薫か」

 

「まゆっちに変わり、俺が相手します!」

 

「あぁ、来い!私を楽しませろ!」

 

「いいですよね。九鬼揚羽さん、鉄乙女さん?」

 

「構わぬ!気を抜くでないぞ!」

 

「苑宮、来るぞ!」

 

「川神流・無双正拳突き!」

 

先ほどと同じ攻撃だが、とてつもなく速くなっている気がした。

 

「引きつけてから避ける!」

 

「っ!?見切りか!」

 

すかさずガードのない腹部に手を当て

 

「八卦・双撞掌!」

 

回しながら押し込むように両手を突き出した。

 

「ぐぁっ!?」

 

「逃すか!」

 

揚羽さんが追撃する。

 

「川神流・星落とし!」

 

「やらせん!」

 

モモ先輩が放ったエネルギー波を乙女さんが打ち落とす。

「はぁっ!」

 

「くぅ…力が足りないか」

 

モモ先輩の拳に揚羽さんの拳が押されていて、しばらくすると吹っ飛ばされた。

 

「揚羽さん!」

 

「心配するでない!我は無事だ!」

 

「苑宮は攻撃に徹しろ!百代に隙を与えるな!」

 

わかりました。そう言って俺は気持ちを切り替えた。

 

「烈脚!」

 

足を払い切り

 

「龍拳!」

 

指を立て広げた手のひらでモモ先輩の腹を打ち抜く。

 

「回転肘!」

 

浮かんだモモ先輩をくの字にし

 

「回し膝蹴り!」

 

ガードの消えた頭を掴み、側頭部に膝を入れる。

 

「顎砕き!」

 

下がった顎に拳を振り抜き

 

「下流山!」

 

上がった体を踵落としで沈める。

 

「瞬…間………回復……」

 

「厄介な技だな本当に!」

 

「いい連続技だったな薫。死にかけたぞ!」

 

「まゆっちに任せろと言った手前、負けるわけにはいかないんすよ!」

 

「今度はこちらからだな!川神流・無双正拳突き 乱打」

 

モモ先輩の拳を受けきるが、あまりの強さに硬直してしまう。

 

「そらっ!」

 

その隙にモモ先輩は距離を詰め、回し蹴りをモロにくらってしまう。

 

「素手・顎!」

 

揺れる視界の中で見えたのは両手で握られた拳。

 

「川神流・天の槌!」

 

訳もわからず地面にぶつかり、体が反動で浮いている。

 

「禁じ手・星殺し!」

 

宙に浮いている事を自覚した時には眼前に目を覆うほどの極太の光線。

 

「苑宮(薫さん)!?」

 

光が体を覆ったと思えば一瞬で暗くなってしまった。

 

もう痛みなど感じられていない。

 

体が動かない。よく見ると俺は岩の間にいるらしく、体が埋まっていることがわかった。

 

「も………止め…力も…い……う」

 

モモ先輩は俺の方を向いていない。

 

「なかな…楽し……たぞ」

 

待てよ。

 

「だが、これでおしまいだ」

 

勝手に終わらせんじゃねぇ。

 

俺はまだ…

 

「負けるわけには……いかねぇんだよ!」

 

気力で岩をどけ、立ち上がる。

 

「薫さん……」

 

「もう無理だ薫。お前は戦えない」

 

「決め…つけてんじゃ……ねぇよ」

 

もう川神大戦なんて知るか、S軍とか、F軍とか、そんなのはどうでもいい。

 

負けたくない。

 

そう強く思ったら体が自然と動いた。

 

「本当に最後まで楽しませてくれる!」

 

「らぁぁぁっ!」

 

「川神流・無双正拳突き!」

 

俺の拳とモモ先輩の拳が交差する。

 

モモ先輩の拳が俺の体を吹き飛ばすのと、俺の拳がモモ先輩の脇腹に突き刺さるのは同時だった。

 

「かはっ!?」

 

「ぐぁっ!?」

 

地面をバウンドしたあと、自然と目が閉じてしまった。

 

 




書き溜め以上です。これからもよろしくお願いします。
ちなみに技とかちょっとコラボってますが、わかりますかね?
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