バカ達と死神と召喚獣   作:檮原

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はい、第16話投稿です。

今回は遂に、奴らが登場します。

やっと、明久達以外を出せたーとは言っても2人だけですがね

お気に入り登録が増えUAも7000近いということで少し舞い上がってます。では、どうぞ


第16話 尸魂界からの刺客と本当の目的

尸魂界の方で、明久達を捕縛の命を受けた者達が現世に向かっていることに明久達は気付いていなかった

 

尸魂界が動き出した数時間後、雄二は目を覚ました。周りはまだ寝ている

 

「ここ・・・は?」

 

「ここは、浦原商店だよ」

 

「浦原商店・・・そうか、助けてもらったんだな」

明久の言葉を聞いて雄二は直ぐに察した。あの後、自分達を助けてくれたのだと

 

「俺は・・・結局強くなっていなかったんだな・・・」

 

「雄二・・・」

 

「あの時、明久と木下姉を救えなかった時から強くなった気でいただけなんだ!」

 

「雄二・・・死神としての力を何の為に使うの?」

 

「それは、勿論お前達と一緒に闘うためだ。あの時のようにはしたくないからな!」

 

「そう・・・それなら強くなれないかもね」

 

「なっ・・・」

 

「雄二、強くなりたいなら何の為に誰の為に使う力なのか間違ってはいけない。だから教える・・・死神の闘い方を」

 

「死神の闘い方・・・?」

 

「うん、丁度みんな起きたしね」

明久がそう言ったので周りを見ると康太達も目を覚ましていた

 

「おはよう、みんな」

 

「「「おはよう(じゃ)、明久(君)」」」

 

「さてと、病み上がりで悪いけどこれから雄二達には訓練を行うよ」

 

「なんの、訓練だ?」

 

「・・・話が読めない」

 

「どういうことかな、明久君」

 

「どういうことじゃ、明久」

雄二達はイマイチ話が掴めなかった

 

「辛辣なこと言うけど、今のままでは到底勝てない。そして、足でまといになる」

明久が、そう淡々と述べた

 

「「「「なっ!?」」」」

いきなりの辛辣な言葉に雄二達は驚いていた

 

「だから、雄二達にも始解を習得して貰う」

 

「「「「始解?」」」」

 

「・・・始解って何?」

丁度聞いていたのか翔子も聞きなれない言葉に聞き返した

 

「始解っていうのは死神が持ってる刀・・・即ち、斬魄刀の名前の事だよ」

 

「この刀に名前なんてあるのか?」

 

「うん、あるよ。て言うか雄二達は見てるんだけどね。1度は」

 

「・・・俺達、いつ見た?」

 

「そんなの見た覚え無いのじゃが・・・」

 

「僕も覚えが無いなぁ」

 

「・・・私も無い」

雄二達は、何時見たのか考えたが出て来なかった

 

「じゃ、見せれば早いかな」

明久は、刀を出し手を離した

 

「満開に咲け・・・秋桜!」

明久がそう言うと、床一面に秋桜の花が咲いた

 

「これは・・・!」

 

「・・・試召戦争の時と同じ!」

 

「あの時使ったのは、これじゃったのか!」

 

「・・・凄い」

 

「これは、驚いたなぁ」

雄二達は、試召戦争の時に使ったのが斬魄刀の始解ということを理解したのだった

 

「こんなの俺達も習得出来るのか?」

 

「出来る出来ないじゃないわ。やらなきゃいけないのよ」

雄二の問いかけに答えたのは、優子だった

 

「優子・・・来たんだ」

 

「明久が任せて欲しいって言ってたから別室にいたけど、暇だからね」

 

「出来なきゃ闘いには連れてけない。明久が言ったことは本当よ?闘いにおいて足でまといはいらない。だから、覚悟を問いたいの・・・やる気はある?」

優子の答えに雄二は鼻で笑って答えた

 

「ふっ・・・当たり前じゃねーか。やられっぱなしはゴメンだからなぁ。やってやるよ!」

 

「・・・俺もやる。次は勝つ!」

 

「儂も同意見じゃ!やってやるのじゃ!」

 

「僕だってやるよ!」

 

「・・・私も皆に同じ」

 

「分かった・・・じゃ早速はじめ・・・!?」

始めようか、と言おうとした瞬間、かなりデカい霊圧を感じた

 

今まで相対してきた霊圧よりも更に大きな力だった。その霊圧だけで気圧されそうなくらいに・・・

 

「これは・・・この霊圧って!?」

 

「まさか・・・でも、そんな!?」

明久と優子は、この霊圧に覚えがあるようだ

 

「なぁ、これって、この前の彼奴か?」

 

「違うよ・・・遂に来たんだ」

 

「遂に・・・って、なにがだ?」

 

「僕達は掟を破ってるからね。そろそろ、来るんじゃないかって思ってた」

 

「そうね、重罪だから刑も重いかもね」

明久と優子は刑を受け入れた、そんな顔をしていた。でも、それは雄二達からしたら怒るには十分すぎるものだった

 

「ふざけんなよっ!」

 

「雄二・・・?」

 

「俺達を強くしてくれんだろ!なのに、今帰るのかよ!」

 

「それは、そうだけど・・・来ちゃったものは仕方が無いからさ」

 

「諦めんなよ!俺達だってお前の・・・お前らの力になりてぇんだよ!」

 

「・・・そうだ、今帰られるのは困る!」

 

「儂も同感じゃ、強くなりたいのじゃ!」

 

「僕もだよ。せっかく友達になったのに!」

 

「・・・優子、吉井お願い!」

5人は明久と優子に想いをぶつけた。それを聞いた明久と優子は顔を見合わせて微笑んだ

 

「確かに訓練するって言った手前、帰る訳にはいかないか・・・」

 

「そうね、無謀だけど足掻いてみましょう?・・・明久」

優子の問いかけに、明久は頷いた

 

そして、先程の霊圧を感じて明久と優子に合流したルキア達は霊圧を出している者の場所に向かうことにした。

 

近づく度に、霊圧が大きくなっていき雄二達はキツそうだったが、それでも必死に明久達に遅れないように着いてきていた

 

そして、その場所に着き明久達の考えは確信に変わった

 

そこにいたのは───────

 

「久しぶりだな、ルキア、吉井、木下、御旗、伊原」

話しかけてきたのは、赤髪の現代風に言うと不良みたいな死神だった

 

「恋次・・・」

 

「腑抜けた面になったな、ルキア」

 

「どういう意味だ?」

 

「どういう意味って、そりゃ・・・死神としての凛々しさが無くなったって意味だ!」

そう言うと、恋次と呼ばれた男は斬りかかってきた。

 

それを、ルキアの前に立ち雄二が防いだ

 

「待て坂本!恋次と闘うには、お前ではまだ!」

 

「うるせぇ!刀も何も持ってないお前に斬りかかって来たんだぞ!ムカつくに決まってんだろ!」

そう言い、雄二は刀を振るうが当然の如く避けられてしまう

 

「てめぇが、ルキアの力を奪った奴か・・・お前を殺して力をルキアに返す!」

恋次が刀を構え雄二に斬りかかるが、雄二も相手の太刀筋を読み防ぐ

 

「雄二、手伝うよ!」

明久が参戦しようとすると雄二がそれを止めた

 

「大丈夫だ・・・こいつ1人俺だけで抑えられる」

雄二が明久にそう言ったが、その言葉が恋次に火をつけた

 

「へぇ、俺を抑えられるだと?・・・お前、刀に名前あるのか?」

 

「まだねぇけど?」

 

「ふっ・・・刀に名前聞けねぇ奴が俺を止めれると思うなよ!」

恋次は、刀に手を当てた。この時、少し雰囲気が変わったのを雄二も気付いた

 

『吠えろ蛇尾丸!』

恋次がそう言うと、刀の形が変わった

 

「それがアンタの斬魄刀の名前か?」

 

「ああ、そうだ・・・言っとくが気ぃ抜くと死ぬぜ」

恋次がそう言うと、すかさず斬りかかってきた。

 

雄二は今までと違って、恋次の猛攻に押され始めた。恋次は、蛇尾丸で雄二を翻弄していた。雄二が離れると刀身を伸ばし追撃したり、躱して近付いてくるとすぐさま縮ませ雄二の攻撃を防いだ

 

「くそっ!面倒いな!」

蛇尾丸の攻撃を避けたり、刀と鞘を使って弾いたりして、攻撃を入れられる時は恋次に近付き入れようとするが中々一撃入れる事が出来ない

 

「俺とお前とじゃ場数が違うんだよ!」

恋次は、そう言うと蛇尾丸で雄二を吹き飛ばした

 

「雄二・・・!」

翔子は心配して名前を叫ぶ

 

「心配すんな・・・俺は負けられねぇんだ!」

翔子を安心させるように力強く言い放った。その時、雄二の体から今までよりも強い霊圧が放出されたのだ

 

「こいつ・・・まさか、吉井と同・・・!?」

「吉井と同じ」と言おうとした瞬間、雄二が恋次に斬りかかったのだ。そして、恋次は今までよりも重い斬撃に対処が遅れ吹き飛ばされたのだ

 

廃屋の壁が後少し打撃を入れたら壊れる程に恋次はめり込んだ

 

だが、その程度で恋次が殺られるはずもなく顔を少し顰めたが大してダメージを負っていないようだった。恋次が、蛇尾丸を構え直し戦闘態勢に入った。だが、そこに割って入ってきた人物がいた

 

その人物を見て、明久達は「やっぱり・・・」という顔になった

 

「やはり、貴方も来てたんですね・・・朽木隊長」

明久の言葉に雄二達は「隊長?」という疑問符を浮かべた

 

「気づいていたか・・・吉井明久」

 

「はい・・・あの霊圧は明らかに貴方の物でしたから」

 

「なら、どんな理由で来たのか分かっているな」

 

「はい・・・でも、今は帰れません。まだやらなきゃいけない事がありますから」

 

「卿らが行った事が、どれ程の重罪なのか分からない訳では無いな」

 

「分かってます。掟に背いたのは自分自身が1番・・・」

 

「なら、掟に背きなお尸魂界に戻らないのなら斬るのは私の役目だな」

朽木白哉は、そう言うと刀を抜き明久に斬りかかった

 

「っ!?」

明久は咄嗟に刀を抜きギリギリで防いだ

 

「隊長と3席との差を分からない訳では無いはず。それでも、闘うか」

 

「はい!まだやらなきゃいけない事があるんです!」

明久は刀を振るい朽木白哉から距離を取った

 

雄二は、この時に気になった事をルキアに問いかけた

 

「朽木隊長とか言ったが、まさか彼奴は・・・」

 

「あぁ、私の義兄様だ」

 

「そうか、同じ朽木だからもしやとは思ったが・・・」

 

「・・・ルキアのお兄さんって、あんな感じなんだ」

 

「あぁ、義兄様は掟には厳しい人だからな」

 

明久と朽木白哉の闘いを見ながらルキアたちは話していた。明久と朽木白哉との闘いは火を見るより明らかだった。明久も必死に食らいついているが、朽木白哉の猛攻には耐えられてなかった

 

倒れた明久の近くに行き、白哉は問いかけた

 

「もう一度言う。尸魂界に戻れ」

 

「まだ、戻る訳には・・・いきません」

白哉の問いかけに明久はそう返した

 

「そうか・・・なら、私の手で斬る」

白哉は、刀を明久の喉元に向けた

 

「「「「「「明久!!」」」」」」

雄二達は、明久の元へ行こうとするが恋次が立ち塞がった

 

「行かさねぇ、重罪を犯したんだ。これは、正当な処罰だ!」

 

「恋次・・・」

 

「お前ら、人間への力の譲渡がどれほど重罪なのか分かってるはずだ!」

 

恋次が声を荒らげルキア達にぶつける

 

そして、白哉もまた問いかける

「最後の通告だ・・・尸魂界に戻って来い!」

そう言うと、明久もルキア達も決心がついたみたいだった

 

「ごめんね・・・雄二、帰らないと」

 

「何言ってんだよ!?明久!」

雄二は、明久の胸ぐらを掴んだが払い除ける力は残ってたのか雄二の手を払い除けた

 

「力の譲渡をした時点で、何時かはこうなる運命だったんだよ」

 

「お前、ついさっき「戻らない」って言ってたじゃねえか!なんで、いきなり・・・」

 

「・・・明久、何でだ!?」

 

「そうじゃ、なんでなのじゃ!?」

 

「僕達、まだ別れたくないよ!?」

 

「・・・吉井、優子もどうして!?」

雄二達は、納得がいかないと言った表情で明久達を見る

 

「仕方ないんだ・・・」

 

「そうよ、何時かはこうなるはずだったんだもの」

 

「私はー皆と居れて楽しかったよー」

 

「私も貴方達との少ない思い出は、少なからず楽しいと思えるものでした」

明久達は、雄二達と過ごした1、2ヶ月程を振り返り懐かしんだ

 

そして、皆で頭を下げ

「「「「「ありがとう」」」」」

お礼を言ったのだった

 

「お礼を言うくらいなら、帰るんじゃねえよ!」

 

「・・・全くだ」

 

「儂も楽しかったのじゃ」

 

「僕もだよ」

 

「・・・私も吉井と優子にもう一度会えて嬉しかった」

 

そして、雄二達も明久達を引き留めるのに諦めがついたのか頭を下げて『こちらこそ、ありがとう』とお礼を伝えたのだった

 

そして、恋次が尸魂界への扉を開き明久達と帰ろうとした瞬間───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこからともなく攻撃されたのだった

 

これには、雄二達も一瞬呆気に取られたが我に返り『明久!』と叫んだ

 

土煙が晴れると明久達がそこに居た

 

「大丈夫か!?明久!」

 

「うん、大丈夫だよ雄二」

 

「くそっ!なんだってんだ!」

 

「恋次・・・構えろ!」

白哉が恋次にそう言い、恋次は白哉が見ている方向を向き刀を構えた

 

そこにいたのは、雄二達を斬った青龍という男だった

 

「卿は、何者だ?」

白哉は、男に問いかけた

 

「私ですか?私は青龍・・・簡単に言えば貴方方の敵・・・ですよ」

 

「なぜ、今頃攻撃を仕掛けてきた?攻撃をする隙なら吉井と闘っている時にもあったはずだ」

 

「まぁ、その時は近くに居なかったものでね」

 

「てめえの、狙いはなんだ?」

 

「今、彼らに帰られては死神代行を作らせた意味が無くなってしまうじゃないですか」

 

「どういう意味だ?」

 

「私の・・・いや私達の悲願にはどうしても死神代行の力が必要でしてね。彼らを鍛えて頂かないと困るのですよ」

 

「なるほどな・・・朽木隊長!」

 

「ああ、行くぞ。恋次!」

 

「了解!」

恋次と白哉は、青龍に向かって攻撃を仕掛けた。これには、いきなりのことで青龍も驚いていた

 

「まさか、いきなり仕掛けてくるとは思いませんでした」

 

「いや、お前が掛かったんだ・・・罠にな」

 

「私と恋次は、元々連れ戻しに来た訳では無い」

恋次と白哉の言葉に、明久達は頭が真っ白になった。『連れ戻しに来た訳では無い』なら、では何故『尸魂界に戻って来い』と言ったのか。明久達は、白哉と恋次の真意が分からなかった

 

「貴様ら・・・どういう事だ!?」

 

「どうもこうも、俺と隊長は最初からお前を誘き出すために吉井達と闘ったんだよ!」

 

「卿は、それに掛かっただけのこと」

白哉と恋次は、2人で青龍に猛攻を仕掛ける

 

「ちっ!味な真似を!掻き消せ!無名」

青龍は、斬魄刀を始解させた。とは言っても見た目は変わっていないのだが

 

「それが、卿の始解か?別段、変わってはいないようだが・・・!?」

白哉は、そう口にしたが気付いたのだ。周りの音が聞こえないことに

 

「私の斬魄刀は、見た目が変わるのではなく周りが変わる系統ですよ。能力までは話せませんが・・・ね!」

青龍は、そう呟くと白哉に向かっていった。だが、音が聞こえなくなっただけで白哉が雄二達みたいになるはずもなく、青龍の刀を防いだ

 

「やはり、隊長ともなればこれくらいでは何も感じませんか」

 

「これが卿の刀だと言うなら、大したことも無い斬魄刀だな」

 

「そうでしょうね、これくらいなら!」

青龍が、そう言うと雰囲気が変わった

 

「ならば見せましょう。無名――姫離崩し!」

青龍がそう唱えると、いきなり無数の斬撃が白哉に降り注いだのだ

 

「朽木隊長!」

恋次が、そう叫んだ時

 

「散れ!千本桜」

降り注ぐ斬撃の雨の下から白哉の声でそう聞こえた。斬撃の雨が止み、煙が晴れるとそこには無傷の白哉が立っていた

 

「流石は朽木隊長、咄嗟に始解し防ぎましたか」

 

「無数の斬撃の雨を降り注ぎ辺り一面を切り崩す・・・そういう技か」

 

「流石は朽木隊長・・・まさか、1発で見抜かれるとは」

 

「この程度、大した技ではない」

 

「なら、これはどうでしょう。無名――煉獄の咎人」

青龍が、そう唱えると出てきたのは真っ赤に燃え盛る鎖で繋がれた人だった

 

「いけ、全てを焼き払え」

青龍がそう言うと、鎖で繋がれた人は白哉に飛びかかった。白哉は、それを千本桜で散り散りにした

 

「この程度で、私は倒せない」

 

「それは、どうでしょう?」

青龍は、白哉に余裕そうな顔で答えた

 

白哉は、青龍に斬りかかったがあと数センチのとこで刃が当たらなかった

 

「どういう事だ、これは?」

 

「よく見てくださいよ。私の前をね」

そう言われ、白哉は前を見た。そして、そこに居たのは

 

「なぜ、私が斬った奴がそこにいる」

青龍の前にいたのは、先程千本桜で切り刻んだはずの咎人だったからだ

 

「だから言ったでしょう。それはどうでしょう、とね」

 

「さあ、殺りなさい。煉獄の咎人よ、全てを解放し朽木白哉をねじ伏せろ!」

青龍がそう命令すると、先程とはうって変わり咎人の動きが俊敏になった。その変わり、白哉は先ほどよりも自分の動きが鈍くなっていることに気付いた

 

「まさか、卿の斬魄刀は!?」

 

「朽木隊長、何か気づいたんですか?」

 

「ああ、奴の斬魄刀は解合を掻き消せと言っていた。あれは、多分相手の動きや攻撃パターン等を消す能力なのだろう」

 

「なっ!?」

恋次も、そして明久達も驚いた。青龍の持つ斬魄刀の能力は相手の能力を大幅に下げることが出来る刀だったということに

 

「そう、私の刀である無名は発動当初は大したことは無いが相手と対峙することで学習し元々そいつが持っている能力を更に下げる斬魄刀だ。そして、その能力を咎人に与える事で咎人は強くなっていく。それが、隊長格ともなれば咎人は急激に成長する。感謝するよ、朽木白哉・・・お前のおかげで私の斬魄刀は更に能力が上がったのだから」

 

「卿は、ここで斬る!」

白哉は、それでも臆さず青龍に刀を向ける

 

「いや、今日はここまでのようです。迎えも来ましたしね」

 

「逃がすと思うのか?」

 

「ええー逃げますよ。では・・・」

青龍が、そう言い踵を返した瞬間、白哉は斬りかかったが能力が落ちてる為に速く動くことは出来ず咎人に吹き飛ばされた

 

そして、そのまま青龍は消えたのだった

 

明久達は、朽木白哉と阿散井恋次から話を聞くことにした。さっきの説明ではよく分からなかったため改めて聞くことにしたのだ

 

「あの・・・僕達を連れ戻しに来たのでは無かったのですか?」

 

「ああ、最初は重罪を犯したお前らを連れ戻そうと思った・・・だが」

 

「どうしたのだ、恋次」

 

「お前らが力の譲渡をする事になった要因の映像を涅隊長が解析した所、妙なことが分かってな・・・」

 

「勿体ぶらず早く言わぬか!・・・それが、どうしたというのだ」

 

「普通なら刀で振り払えたはずの虚の速度なのに全員が噛まれて負傷してるのが可笑しいと思い、調べたら明らかにお前らの速度が下げられた事が分かったんだよ」

 

「それって・・・まさか!?」

 

「そう、あの青龍とか言う男が斬魄刀の能力で移動速度を下げて死神代行が生まれるように仕組んだってことだ」

恋次から知らされた事実に、明久達は言葉を失った。最初から青龍は、自分達と関わりのある人物を襲えば駆け付けて助けようとするだろう、と。そして、そこに駆け付けるスピードを斬魄刀の能力で操り、わざと死神代行が誕生するように刀で防げる攻撃を防げないようにした事に

 

「それを知り、総隊長に報告した。すると、総隊長は『即刻、吉井明久達を連れ戻せ』という建前の作戦で本当の狙いは、あの青龍とか言う男を捕縛しろと伝えてきたんだ」

 

「だからこそ、私と恋次がきた。捕縛なら、6番隊が的確だと思っての判断だ」

 

「これで分かったか?ルキアも吉井達も」

 

「ああ、説明ごくろうだった。恋次・・・バカなお前にしては分かりやすい説明だったぞ」

ルキアは、恋次に向かってそう言った

 

「そうだろうな・・・って、一言多いぞルキア」

 

「なに、ゴリラも学習するんだなと、思ってな」

 

「てめえ、頭に来た。表へ出ろやボケナス!」

 

「上等だ、やるかゴリラ!」

何故か低レベルな言い争いが始まり、明久や優子はたまに見たことがあるからか「またか」みたいな眼差しを向け、初めて見た雄二達は「ルキアは子供っぽくなるんだな」と頭が良さそうなイメージを持っていたルキアの意外な一面を見て驚いていた

 

その言い争いが激しくなってきたところで白哉が2人に辞めるように言ったことで2人は落ち着いた

 

「所で僕達の罪って、どうなるんですか?それに、映像を見たのならもう少し早めに此方に来てるはずでは?」

 

「明久の言ってることは最もです。映像解析にかなり時間を割いたって事ですよね?」

 

「それは、私も気になりました」

 

「どうなんだ、恋次」

 

「映像を見て早く来れなかったのは、涅隊長が四十六室に伝えるのを先延ばしにし、何度も確認作業を行っていたため何でも直ぐに違和感には気付いたらしい。そして違和感の正体を突き止め、総隊長に報告した。当然の如く総隊長は重罪であるため、刑罰は免れないと言っていたが文月学園の学園長が総隊長に連絡し総隊長を説得したらしい」

 

「それで、どうなったんですか?」

そう、明久が問いかけた

 

「今回の事件の首謀者を打ち倒せば、無罪放免にする。との事だ」

 

「それなら、やることは1つですね」

 

「やります、僕達で・・・ねえ、みんな?」

明久が、振り返り問いかけると皆が一斉に頷いた

 

「それなら、私と恋次は総隊長に報告しよう」

 

「また、会おうぜルキア」

 

「ああ、恋次」

ルキアと恋次は、握手を交わした。そして、恋次は尸魂界へ続く扉を開き白哉と共に戻って行った

 

「さて、今日は色々あったし明日から訓練始めますか」

 

「ええ、そうしましょう。今日は、何もしてないのに疲れました」

真奈の言葉に、皆頷き家へと帰ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、明日からは始解の訓練が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告──────

 

康太と明久が本気でぶつかり合う!

 

「・・・俺は、強くなって明久も守る!」

 

『僕の名前はね─────だよ。まだ、君には届かないんだね』

 

「康太、誰の為・何の為に闘うのかもう一度考えて!」

 

「・・・誰の為・・・何の為に・・・俺は、俺は!」

 

遂に康太の斬魄刀が本領を発揮する!

 




まずは、読んで頂きありがとうございます。

恋次と白哉が来たのは、こういう理由だったんです

まぁ、次回予告せずに書けば短く出来たかもしれない。久々に8000字こえてしまった。次回からは、遂に考えて貰った斬魄刀名を出せます。なんか、敵の斬魄刀の名前も技もダサいですが気にしないでください

1話1話で雄二達の始解を書いて行こうと思います。そして、報告がありますが今のとこブリーチとバカテスでクロスオーバーしてますが、もう一作品混ぜます。というより、尸魂界側の人達は明久達の過去を振り返る時とかにしか出ないしこの首謀者との闘いには参加しないからです。そして、もうひとつの作品とは『討鬼伝』です。この小説を書き始めた時から構想として混ぜることを決めてました。途中での報告になりましたが、よろしくおねがいします
では、また次回

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