バカ達と死神と召喚獣 作:檮原
今回は秀吉の始解が出ます。いったいどんな能力なのか・・・
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頑張って書いていくのでよろしくお願いします。それではどうぞ
康太と明久が戦闘を始める数分前のこと─────
修練場の南側では優子と秀吉が闘いを始めていた。移動したその瞬間から、優子は秀吉に攻撃を仕掛けた
いきなりの攻撃に秀吉は、防ぐことも躱すことも出来ずぶっ飛ばされた
「ゆっくり話してる時間なんて惜しいから攻撃の手は休めないよ!」
優子は、ぶっ飛んで行く秀吉に瞬歩で近付き更なる攻撃を加えた
「かはっ」と吹き飛ばされたダメージで声を出し吐きそうになった。立ち上がっても、優子が攻撃を仕掛けてくる為に喋る暇が無かった
「あんたも坂本君や土屋君と同じ・・・私の為、明久の為にって思ってるんでしょ?そんな考えでしか死神の力を使わないのなら、姉として力の使い道を教えてあげるわ!」
「姉上・・・確かに儂は明久と姉上を守りたいからと死神代行になった。儂の考えは間違っておるというのかの?儂はただ、明久と姉上の事を想って・・・「それが間違っているのよ!」・・!?」
「明久も私も誰かに守られるほど弱くない!昔とは違うの!あんたは気付いてないだけ、本当に守りたい物、守りたい人のこと」
「儂が・・・本当に守りたい・・・人」
「そう、それに気付けたらあんたはもっと強くなる。だから、この闘い・・・手は抜かない!」
「儂自身、まだ良く分かっておらぬが姉上の心意気しかと受け止め必ず、始解を手に入れてみせるのじゃ!」
そう覚悟を決めると秀吉は優子に向かって刀を振るった。すかさず優子は、受け止める
「さあ、ここからが本当の勝負よ。氷で凍らせ攻撃を防ぐ防の槍、雷で敵を貫く攻の槍 2つの槍で穿ち守る!氷雷槍」
優子は、2槍の槍を振るい猛攻を仕掛ける
「氷雷槍 雷纏 雷撃斬」
優子は、槍に雷を纏わせ秀吉に斬撃を飛ばした。その斬撃で秀吉は岩山に叩きつけられた
それでも、秀吉は自力で岩山から出ると諦めず優子に突っ込んで行く
「次行くよ!氷雷槍 氷纏 氷柱徹貫」
優子は、突っ込んでくる秀吉に向かって氷の柱を作り投擲する
秀吉は、急に降ってきた氷柱に驚くも何とか避けている。が、優子は何本も氷柱を秀吉に投擲する
そして、流石に避けきれなくて氷柱が当たり地面に落とされる
土煙で、秀吉がどうなってるか分からないが優子は躊躇わず追加攻撃を仕掛ける
「氷雷槍 氷雷纏 氷雷悪鬼貫徹」
氷で槍を作り雷を纏わせて手を上から下に振ると、秀吉が居るであろう場所に向かって雨のように降り注ぐ
土煙が晴れると、辺り一面は凍り雷を纏わせていたので凍った地面の所々で放電しているのが見て取れる
優子は、いっとき休むために近くの岩山に降りて座った。だが、優子の目は秀吉が倒れているであろう凍った地面に向けていた
優子の氷柱で地面に落とされ、更に雷を纏わせた氷の槍の追撃で秀吉は完全に意識を手放してしまった
秀吉は、夢を見ているようだった。目を開けると周りには何も無く只真っ直ぐに道が続いている。起き上がり歩いているが一向に、人とも会わないし建物もない
歩いてどれくらい経っただろうか。目の前に漸く人が1人立っていた。秀吉は、その人に尋ねた
「ここは何処じゃ?」
『ここ?君の精神世界っていうのかな。つまり君の心の中で私と話せる唯一の場所だよ。私はずっと貴方の闘いを見ていたけど、本当に守りたい人が分からないの?』
「儂は明久と姉上を守りたいと思って死神になった。それ以外に考えたことなどなかったのじゃ、だから本当に守りたい人は姉上と明久じゃと思っていた」
『ふーん、じゃあ義妹さんは大切じゃないの?それと、貴方が好きな姫路さんでしたっけ?』
「そ、それは大切じゃ。勿論、明久から預かった大切な義妹じゃし姫路も好きじゃ・・・あ・・・」
『大切な友達とお姉さんだからとはいえ、それ以外が分からなくなるなんてね』
「儂は・・・今まで・・・こんな当たり前の事を忘れてしまっておったのか?・・・いや、守るのが当たり前じゃと思っておったから気付かなかっただけかの」
『じゃ、改めて聞くよ。貴方にとって守りたい人ってだあれ?』
「決まっておる!姫路・・・そして何より義妹の萌花じゃ!そのために儂は強くなりたいんじゃ!」
秀吉は、力強く歳が変わらないくらいの女性の質問に答えた
『あははっ、何だ分かってるじゃあん。それなら、もう闘えそうだね』
「所で聞き忘れておったがお主は?」
『私?・・・うーん今言わなくても本当に目を覚ませば分かるんじゃないかな?だって、貴方と一緒に闘ってきたんだもん。今の貴方なら私の名前分かるはずだよ。本当の強さって奴を知った貴方ならね』
秀吉は、女性の最後に話した言葉を聞いた後、現実で目を覚ました。体は優子にやられた傷で痛むが、目には、まだ闘志が宿っていた
秀吉は、自分の上の氷を力一杯に刀を振ることで割って出たのであった。勿論、優子はその様子を岩山から見ており、闘いの準備のため立ち上がった
「漸く出てきたのね。秀吉・・・中々出てこないから終わりかと思ったけど」
「儂にも負けられぬ理由があるのじゃ、その為にも此処で終わる訳にはいかぬのじゃ!」
「じゃあ、本当に守りたい人が分かったのね?」
優子は、秀吉の強い眼差しを見ながら問いかける
「儂にとって守りたい人は、姫路と萌花じゃ。当たり前すぎて気付かなかったが、何よりも守りたい人じゃ!」
「そう・・・やっと分かったのね。なら、貴方の守りたい人への思いの強さ、見せてみなさい!」
優子は2槍を構え、秀吉を見据える
「行くぞ!姉上」
秀吉は刀を構え言葉を口にする
『拙者の道、皆の道拙者が切り開かん! |道未来里』
秀吉がそう口にすると持っていた刀が変化し槍になった
「それが、あんたの斬魄刀・・・双子って顔だけでなく武器も似るのね」
優子は、呆れるように言う
「似てはおるが、1槍と2槍では違うじゃろうて・・・」
「まぁ、槍は槍でも形も似てないからいいけど、いくよ!」
優子は、秀吉に向かって突っ込んで行く
「姉上、これはどう防ぐかのう?道未来里 道魔開眼」
秀吉は、そう言うと優子の方まで続く道を真っ直ぐ斬り裂いた
「なるほど、私に攻撃が当たる道筋を見つけ槍で一閃する・・・それがあんたの斬魄刀?・・・刀を振るった時を見て、その道筋から外れれば避けられる!」
優子は、秀吉の槍を振るう時を見て瞬時に判断し避けた
「まさか、あの攻撃を避けるとは思わなかったのじゃ」
「何となくよ、でもあの攻撃は私の言ったことで当たってたみたいね。まだまだ、決めさせないわよ」
「なら、これでどうじゃ!道未来里 道心天鱗」
秀吉が、そう口にした瞬間に優子は体に異変を感じた。心の奥底を誰かに見られてるような感覚・・・そして、優子は思い出したくもないような光景が甦った。5年前の忌わしい記憶・・・優子と明久が死ぬ事となったあの事件を
それを思い出してか優子は、精神が可笑しくなった
「悪いのう姉上、儂も勝つために大切な人を守るためには手段を選んでおれんのじゃ・・・これで儂の勝ちじゃ」
秀吉は、槍を振るい優子を斬りつけた
そして、道未来里の道心天鱗を解除すると汗を膨大にかいて膝を着いている優子がいた
「まさか、あんな攻撃もあるなんて知らなかったわ」
「すまぬ、姉上・・・辛い記憶を思い出させてしもうたのじゃ」
「構わないわよ、闘いにおいては生きるか死ぬかですもの。この場合、あんたが生きて私は死んだ・・・そういうことよ」
「儂は・・・勝てたんじゃな。姉上に」
「ええ、もちろん。あなたの勝ちよ」
「そうか、それなら良かったの・・・じゃ」
そう言うと、今までのダメージが出たのか秀吉は倒れてしまった。優子は、倒れてる秀吉の頭を撫でながら・・・
「よく頑張ったわね、秀吉」
と、呟いたのだった
次回
瑠海と愛子の訓練の行方は─────
はい、読んで頂きありがとうございます。
秀吉の始解の話どうでしたでしょうか
多分、他の人も同じような形になると思うので悪しからず
では、次回もよろしくお願いします