「さすが私、召喚に成功したわ」
「いいえ、召喚に成功したのは私です」
(ハッ、ここはいったい、私はフリーザ軍の幹部を集めて、作戦会議をしていたはず)
意識を取り戻したフリーザの目の前には、金髪のエルフの美少女と豹人族の美少女がなにやら言い争っていた。
(スーパーサイヤ人のような髪色の女と獣人の女か…ここは、地球か…いや、孫悟空やベジータ、地球人どもの気を感じない)
フリーザは悟空やベジータ、ピッコロ、クリリン達地球の強者達の気を索敵するが一人の気も感知することができなかった。悟空達が自分たちの気を消すことができることを知っていたが、
(地球の環境に似た星ですが、ここが地球なら孫悟空が瞬間移動で、すぐにでもやってきそうなものですが)
ナメック星以来の宿敵である孫悟空の性格を熟知しているフリーザ。悟空やその仲間たちがやってこないことでここが第七宇宙の地球ではないと確信する。
(さて、ここがどこなのかこの二人から聞き出しますか)
目の前でどちらが召喚したと言い争っている二人に意識を向ける。
「お黙りなさい、このフリーザの前で騒々しい。殺されたいのですか」
フリーザの言葉と共に、圧倒的な闘気と覇気が込められたものが二人を包むが、
「「召喚獣がしゃべったあああ」」
召喚獣が言葉を話したこと事実がそれをまさった。
(やれやれ、私の闘気を浴びて震え上がらないとは…相当な実力者かそれとも、どこぞのサルみたいなおバカさんか……ここで、この二人を殺すのは簡単ですが、この場所がいったいどこなのかわからないいじょう、しばらく生かしておき様子見ですね)
二人は自分達が召喚した召喚獣がしゃべったことに驚く中、フリーザは冷静に今後の方針を練っていく。
「ここがどこなのか知っていることを全てこの私に話してもらいましょうか」
召喚獣が言葉を話したことに呆然としている二人。そして、その時、二人の首の周りが光り光が消えたと同時に二人の首に隷従の首輪が出現した。
「「ええええええ」」
「ほう、これはいったい」
星降の塔頂上で再び美少女二人の絶叫が響き渡る。
「隷従の首輪をつけるのは召喚獣のほうなのに」
「隷従の儀式は成功したはずなのに」
発動した隷従の首輪を外そうと二人は試みるが、外れる気配はない。
「この私を獣扱いとは」
自分の事を下等生物扱いすることに怒りを超えて呆れるフリーザ。彼の強さや恐ろしさをを知る第七宇宙の宇宙人たちが知れば命知らずな発言だと思うだろう。
(隷従の首輪?、パラガスがあのスーパーサイヤ人の力をコントロールするために使っていたもののようなものか)
数か月前、戦った新たなサイヤ人のことを思い出す。身勝手の極意を極めた孫悟空に匹敵する力を持ったサイヤ人を。
「あなたたちが異世界から私を召喚した召喚術とやらはたいしたものですが、如隷従の首輪とやらは私を支配するには力不足だったようですね。それに、隷従の首輪は私の気で反射されあなた達二人に効力が発動したのでしょう」
「そんなの反則だよー」
「同格や格下の相手ならともかくこの私にそんなものが通用するわけありません」
シェラが無駄に胸を揺らしながら嘆く。一方、レムはシェラの無駄肉に少し嫉妬しつつ、首輪の解除方法や今後の事について思考する。
(それにしても、私も甘くなったものです。以前の私なら、こんな無礼な連中は即始末していたはずですが。これもあの孫悟空の影響か、ベジータや破壊神ビルスだけでなく、この私までもが、あのサイヤ人の不思議な力にやられましたか)
「とにかく、ひとまずファルトラに戻りましょう。詳しい話はそこで」
星降の塔の頂上から降りた三人は、現状確認と隷従の首輪の解除の方法を行うため、ファルトラへと向かうことにした。
(ここが、どこの宇宙のどこの星なのかもわからない以上、この女達からこの世界の事を知ることが得策でしょう)
「まだ自己紹介してなかったね。私はシェラエル・グリーンウッド。冒険者を目指しているんだ。よろしくね」
「レム・ガレウです。私は冒険者として強さを示し続ける必要があるのです」
「私は宇宙の帝王フリーザですよ」
フリーザの自己紹介に凄い人物を召喚したとシェラが狂喜する。なお、宇宙という概念はあまりわかっていないもよう。
(孫悟空とベジータの二人と似た凸凹コンビといったところですか)
「自己紹介も終わったところで、シェラさん、レムさん、さあいきますよ」
フリーザは二人の先頭に出てファルトラへと向かい歩く。
「待って、フリーザ。街の方角知らないでしょ」
レムはフリーザがファルトラの場所を知らないことを指摘する。
「あちらの方向に千人以上の数の人間の気を感じます。おそらく、そこがあなたたちのいうファルトラでしょう」
フリーザは振り向かず前を向き進みながら街の方向の気配を探りだし右手で指さした。ゴールデンへの進化のための修行や地獄での精神修行によってフリーザは悟空達と同じ気に関する能力を習得した。今では、気の上限下限のコントロールや気の探知技術等悟空達にも引けを取らないレベルに極めていた。
(街の中に数人と街の近くに百人以上の強い気を感じますが、まあ、私の敵ではありませんね)
「そんなことまでわかるなんてますます反則だよー」
今日何度目かのシェラの嘆き声が上った。
一方、その頃 第七宇宙 破壊神の星
フリーザが突如第七宇宙から消失した事を知っているのは現時点でフリーザ軍の幹部達と破壊神の付き人である天使のウイスだけであった。
「あらあら、フリーザさんどこに行ったのかと思えば、なにやら楽しそうですね」
フリーザが異世界の美少女二人を連れて歩く姿を杖越しにウイスは観察していた。
「何か面白い神チューブの番組でもあったか」
お昼寝を終えてウイスのところにやってきたビルスがウイスに言った。
「ええ、ビルス様これをご覧ください」
「フリーザが映っているが、いったいどこにいるんだ」
ウイスの杖を覗き込みながらビルスは尋ねた。
「第十八宇宙の地球です」
力の大会でMVPとなった17号のスーパードラゴンボールの願いにより力の大会で消滅した七つの宇宙は復活した。そして、かつて、全王様によって消滅させた第十三から第十八までの六つの宇宙も同時に復活を遂げていた。
「どうやってフリーザが別の宇宙にいるんだ。いくらあいつでも他の宇宙に行くのはまだ独力で無理だろう」
本来、宇宙間の移動を行うためには今回のような例外を除き、天使や界王神のサポート、神が持つ神具の移動手段がなければ不可能である。
「どうやら、いくつもの偶然が重なって第十八宇宙の地球に召喚されたようです。本来なら復活した第十八宇宙の界王神や破壊神が他の宇宙同士の接触を防ぐための調整を行っているはずですが、宇宙復活から一年も経ってもませんからいろいろ忙しいのでしょう」
「全王様にもう一度消されないように必死だと聞いたな」
復活後、第十八宇宙の神達と連絡を取って話をした界王神シンからの話を思い出したビルス。
「とにかく、フリーザが別の宇宙で何かしでかす前に迎えにいくとするか。」
他の宇宙へ出向くことはビルスにとって面倒なことであったが、性格が以前より多少マシになったとはいえどフリーザほどの実力者を他の宇宙で放置する危険性を鑑み、ビルスは重い腰を上げることにした。
「わかりました。フリーザさんのこともありますが、ビルス様その前に顔を洗うのと身だしなみはしっかりしてください。復活した宇宙の神々と会うことにもなるのですから」
緊張感と危機感のないウイスの指示にわかったわかったと渋々応えるビルスであった。
※この作品はドラゴンボール超劇場版後のお話です。
※フリーザ様の形態は第一形態です。
※今後の劇場版やドラゴン超二期(仮)、ゲームなどによって設定が変わることがあります。