『ログ・ホライズン』 幻獣記   作:Kaisu

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ここから書いてた時の2話。





訓練してみる

 牧歌的とは言えないが燕都(イェンドン(北京))の外は木々が茂り、清々しいと感じられる程度には、朝の日差しで揮発する緑の匂いが鼻腔をくすぐる。

 中国に単身赴任2年目でこの騒動に巻き込まれたが、北京の都市部で過ごすことが多く実家も関西の都市部で、緑が溢れるという環境に身を置くのはいつぶりだろうか。

 まあ……都市部っていっても、中心部から見れば山育ちだとか田舎って言われるレベルの場所だったけれども。

 

 

 おそらく午前8時から9時の間ぐらい、索峰(さくほう)崔花翠(さいかすい)郭貂麟(かくてんりん)の3人は、燕都から少し離れた極低レベルのモンスターゾーンに出向いていた。

 

 『エルダー・テイル』世界への転移4日目、索峰としてはだいぶ時間が掛かった印象のある、戦闘の初体験である。

 『エルダー・テイル』というゲームの根幹を担うコンテンツであり、争いごとが苦手であろうとなかろうと転生している以上は避けられないこと。

 どうしても戦えないという人もいずれは出てくるとは思うが、今は抵抗感があっても拒否はさせられない。女2人を戦わせることに思うところはあるが、火急的な必要性もまた感じていた。

 それらは崔花翠も郭貂麟も考えは同じである。

 

 

 どこにでも顔を出す中衛アタッカー盗剣士(スワッシュバックラー)の崔花翠、後衛寄り中衛で支援タイプの吟遊詩人(バード)の索峰、回復支援タイプ後衛の森呪遣い(ドルイド)な郭貂麟。

 最前列で体を張る職業がおらず、この3人で組む場合は索峰が援護歌スキル2曲を発動し、〈舞い踊るパヴァーヌ〉で移動速度と回避率を上げ〈猛攻のプレリュード〉でスキルの再使用時間を短縮し、ひたすら動き回り逃げ回りながら、3人の中距離攻撃を主体に引き撃ち気味に戦うことになる。

 

「では、索峰、一番手いきます」

 相対しているのは、〈小牙猪〉というLv5のモンスターである。索峰のLvは90で装備も充実している。

 ダメージ計算上は、比較的防御力の薄い索峰であっても〈小牙猪〉の持つ最大の攻撃でもごく稀に1ダメージが入る程度。

 そもそも、ゲーム時代では相手の攻撃が当たらないことの方が多い。

 

「うおぉお獣臭っ。そして怖っ!」

 〈小牙猪〉といっても、秋田犬の成犬ぐらいの大きさはある。

 それでも冒険者の身体能力と援護歌を持ってすれば、避けようとすれば一瞬で距離を取れるし適当な攻撃呪文でも一撃必殺。逃げることなど造作もない。

 それをわざと避けない。ゲーム時代は回避及び命中の数値から自動で被弾または回避が計算されていたが、今はわざと当たることができる。

 

 しかし悲しいかな、小牙猪が懸命に噛み付いている右足は布防具であるにもかかわらず全く痛みを感じない。ちょっと落ち葉が当たったかな程度のもので、痛みですらない。

 実際、噛み続けられているというのにHPは1も減らない。

 

 

 しかし、生物的嫌悪感と、明確に向けられる害意というのもそれはそれ。

 全く痛くないことと、恐怖はまた別である。

 

「怖いし噛まれてもいるけど、痛みすらない。ダメージも入ってない」

「計算式は同じなのかしらね」

 

「もういいよな、ほいっ、っとおぉ!?」

 噛み付かれているのを振りほどくつもりで、右足でボールを蹴るような感じで足を振った。

 小牙猪はそれこそボールのように飛ばされ、遠くの木立に落下してしばらくガサガサやってから遠ざかるような音が聞こえてきた。逃げられたようだ。

 

「索峰さん、今のはちょっと……」

「いや、レベル差の逃走扱いだと思うよ今のは。まさか武器攻撃でもない行動で戦闘終了させられるとは思ってなかったけども」

 郭貂麟がそれこそドン引きに近い様子で肩を竦めた。

 

 

 その後崔花翠と郭貂麟それぞれでも試し、崔花翠は小牙猪を腕を突かせてみたら逆に牙の方が折れてしまった。

 一方で郭貂麟にけしかけた小牙猪は、郭貂麟が向かってくる小牙猪に怯えて木製の杖で追い払おうとしたらそれがヒット、攻撃となり、一撃で撃破になってしまった。

 

 事切れた小牙猪が残したのは、散らばった少額貨幣とドロップアイテムの小さな肉塊と毛皮。

「ご、ごめんなさい……」

 郭貂麟の謝罪は小牙猪へのものだった。モンスターといえども、ゲームで倒した時とはまた感じが違う。

 

「死なせてしまったものは仕方ない。というか慣れていかないとこれからやっていけない。感傷は大事なことだが、引きずらないように」

「索峰、それはちょっと酷くない?」

「事実は事実。冷徹にもなるよ。翠姐(すいねえ)こそ、斧で斬ったときに血が出ることを覚悟した方がいい。出血エフェクトカット機能はどの程度働いてるのかまだわからん」

 

 

 『エルダー・テイル』はR-18Gゲームではない。月額料金制が主なので平均年齢層は20歳以上とやや高めではあったが、グロ描写とは基本縁遠いゲームだった。

 攻撃命中時には出血描写ではなくヒットエフェクトと呼ばれる光に差し替わっており、状態異常として出血は存在したが、その程度とも言える。

 PKが可能で出血描写もないわけではないので、日本では15歳以上推奨のゲームではあったが。

 そして現在、索峰らの体は確かに血が通っている。小牙猪でも、それは同じに思える。

 

 

「鑑定、するまでもないか。意外や意外。ドロップの毛皮が血生臭くないな」

「本当ですね、しかも毛皮の剥いだ面も普通の裏地みたいですし」

 〈小牙猪の毛皮〉のフレーバーテキストは、「牙猪の毛皮。短い毛が生えている」のみ。低レベル帯ではこんなもの。

 燃えるように熱いとか、刺激臭がするとか、そんなフレーバーテキストであれば、素材化した時にまた変わるのだろうか。

 

「貂ちゃん、肉と毛皮、要る?」

「……ありがとうございます、貰います。最初の戦果ですね」

「呪いのアイテムじゃないから気負わないように」

 

 ゲーム時代とは、明らかに違う部分を求められている。

 試行錯誤を繰り返して戦闘にも慣れていくしかない。

 戦えなければ、やっていけない。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 試しのために全力全開の武器を使うのももったいない。

 高価な武具ともなると、修繕費も馬鹿にならない。

 そんなわけで、現在の武器は店売りの安物短斧二刀流。

 

 盗剣士(スワッシュバックラー)のあたしではあるが、短斧、片手斧、トマホーク、斧二刀流というのは、あまり見かけないスタイルである。

 盗剣士の二刀流そのものはポピュラーと呼べるもので、攻撃速度重視のレイピア二刀流、ある程度の攻撃速度と攻撃力を両立させる片手直剣二刀流、攻撃範囲を拡げるシミター系曲刀二刀流、攻撃範囲を犠牲に威力がやや高めな、あたしがメインで使う片手斧二刀流。左右の剣のジャンルが違うこともまた多い。

 

 

 ただし、崔花翠(さいかすい)というキャラクターは、片手斧二刀流の弱点である攻撃範囲を克服している。

「〈トマホークブーメラン〉っ!」

 斧2挺そのものを投げる、という荒技でもって。ランクは最高の〈秘伝〉。

 あたしの所持する唯一の秘伝級スキルで、中国サーバーを見渡してもこのスキルを最大の位階である秘伝まで上げて実践運用している人は両手両足の指があれば足りるだろう、そんな優先度の低いスキルである。

 

 会得、初伝、中伝、奥伝、秘伝、等級が上がるにつれ、必要な出費や要求されるイベントの難度は高くなるが、〈トマホークブーメラン〉のスキルはあまり人気がないに分類されるものだった。

 廃人に体半分突っ込んだ中の上か上の下程度の身でも、上限解放アイテムを欲していると主張して大規模イベントを走れば知り合いに譲って貰えるレベルの価値だったのも幸い。

 

 

「〈ストリートベット〉ぉ!」

 武器を投げてしまえば当然両手は空く。そこを、あたしは投擲武器で埋める。

 索峰(さくほう)から渡された投擲武器のアーミーナイフを一挙に10本。ランクは奥伝。

 10本もどうやって一気に投げるのかとゲーム時代は思ったものだが、使用を選択すればちゃんと体が投げてくれるから驚きである。

 

翠姐(すいねえ)、戻って来てる!」

「うぉわ、こっわあ!」

 〈トマホークブーメラン〉、ブーメランとつくからには、投げれば戻ってくる。

 広範囲の敵を削りながら飛び戻ってきた斧はなかなかの恐怖である。

 しかし手元で減速してスポッと手の中に収まったので、なんとも不思議な感触。

 

 

 太陽は中天をとっくに通り過ぎ夕方が近づいていて、現在相対しているのはLv50そこそこのトロール3体。

 武器はともかく、なにがあるかわからなかったので防具はレベル相応の防御力のもので固めており、ダメージを受けはするが、貂ちゃんの回復力が受けるダメージを上回っている。

 

 しかし、HPが減らないといっても私は苦戦している。

 トロールは2m以上の巨体ではあるが元々移動速度が鈍く、更に索峰が行動速度にデバフをかけているので普段ならただの的でしかない。

 

 理由はひとつ。近接攻撃が当てられない。

 だって怖いもの。

 

「翠姐頑張れ!」

「また転ばせますね、〈ウィロースピリット〉」

 (てん)ちゃんのスキルで足元の草地からツタが伸び、トロール3体の足を絡め取った。

 

 

 あたしの盗剣士ビルドは、一般的に投擲職人に分類されるものである。

 相手から距離を保ち何かを投げて攻撃を行う、いわば引き撃ちを主とする、卑怯者と罵られることもあるそれ。

 

 中距離シューター型吟遊詩人(バード)の索峰と、森呪遣い(ドルイド)の貂ちゃんがパーティにいると、こちらの移動速度が上がり、かつ〈ウィロースピリット〉のような行動速度阻害も与えてくれるので、友人からは「私たちにはしないでね」と言われるような嫌がらせ戦術としてひとつ極みにあった。

 たまには索峰も最前線に立って近接攻撃するし、あたしに至っては最前線と中衛を行ったり来たりしながら攻撃し続ける簡単に真似できないと評された忙しない盗剣士で、直接殴れないと話にならないのだ。

 

 

「ほら、動き止めましたよー」

 3人の中で、意外にも一番最初に近接戦に慣れたのは貂ちゃんだった。

 最初〈小牙猪〉に腰が引けたのはなんだったのかと思うほどアグレッシブに、援護を受けながらもLv67体高150cmほどの〈灌木大蜥蜴〉をしこたま金属杖で殴り、範囲魔法で焼いた。

 曰く「魔法使うの楽しいです!」だそう。殴打行為よりも、魔法の感動が上回ったようだ。

 

「〈ウォーコンダクター〉は感覚変わるからまだ使わないからなー」

 それから遅れること約1時間、索峰も壁を超えた。

 こちらは〈岩大蜥蜴〉の群れを相手に、これまた店売りの安物チューバを掲げ振り回しガインガインと凄まじい音を立てながら〈岩大蜥蜴〉を殴り、最後は範囲音波攻撃で一網打尽にしてみせる余裕まで見せた。

 

 

「自分でこいつらなら倒せるって言い出したんだからちゃんと守れよ翠姐〜」

「索峰の鬼!」

 

 トロールの棍棒やキックは直撃してもダメージは大きくなく、逃げれば簡単に回復が間に合う程度。

 痛みもせいぜい大きなゴムボールを当てられるぐらい。痛みの問題ではないのだが。

 実際、相手の攻撃は見えている。巨体が3体いるのでなかなか視界は通らないが、視界に入ってさえいれば所作から相手がどうしたいかはなんとなくわかる。索峰もたびたび位置情報を教えてくれる。

 

 

 しかし体が竦む。

 痛くないとはいっても振り回される棍棒の風圧と重量感は本物で、はだけたトロールの肌から漂ってくるむさくるしい臭いは生物である実感を、それこそ五感で感じるのだ。

 片手斧のリーチは短く、間合いを取って攻撃はできず、至近距離でないと刃の部分は当たらない。

 

 加えて困ったのが、ゲーム時代は自動で計算されてクリティカルが起きたものが、相手にとっての急所に攻撃を与えないとクリティカルが発生しないようになっていたこと。

 より精緻に攻撃を当てなければいけなくなっていた。

 

 斧の刃で斬っても血ではなくヒットエフェクトだったのは救いだが、わかっていても最後の数歩分を踏み込めず、ダメージ覚悟で斬り伏せるといったことができない。

 攻撃チャンスを逃したとはっきり理解できているだけに余計歯がゆい。

 

「〈クイックアサルト〉、〈デュアルベット〉!」

 突進攻撃で距離を詰め、斧2挺で乱れ斬り。

 しかし心理的躊躇で距離を詰め切れず、いくつかが相手を掠めただけだ。

 

 

 スキル選択及び発動では、根本的な変化が起きていた。

 ディスプレイから指で起動することもできるがそれよりも、念じたり、動作から後追いでスキルを発動することもできた。

 体の反応である程度指向性を持たせられ、たとえば〈クイックアサルト〉であれば、左右どちらかの足を一歩踏み出して念じながら力を込めれば発動できる。

 

 投擲武器を懐から取り出して投げる〈フラッシングドロウ〉では懐に入れた覚えのないアーミーナイフや〈破壁玄珠環(げんしゅかん)・撥〉を念じながら取り出せたし、袖に隠しているつもりで投げられないかなーと試したら、見事〈フラッシングドロウ〉が懐ではなく袖からアーミーナイフを出現させた。

 

 スキル発動条件は相当自由度が高いらしく、貂ちゃんの〈アースクエイク〉による地震攻撃では、金属杖の石突を地面に突き立てるようにして発動したかと思えば、杖上部の打突部分を地面に叩きつけても発動した。武器で能動的に地面に衝撃を与えるのが発動キーらしい。

 索峰の〈レゾナンスビート〉による音響蓄積打撃は特定のモーションに依存せず、念じながら殴りつければ上下左右どんな打撃の打ち込み方でも発動したという。

 

 

「翠姐、そろそろ帰らないと日没なんだけども」

「うるっさいわね! 終わらせるわよ今すぐ! 〈ダンスマカブル〉!」

 ステップ数歩と共に発動させたのは、次の攻撃を1撃のみダメージアップさせる一発もののスキル。

 

「そこからの〈トマホークブーメラン〉ッ!」

 手持ちスキルでは最大威力の攻撃ではない。が、接近せずに当てられる攻撃の中で最大の威力がこれ。

 赤い波形オーラエフェクトで強化状態を表した斧が、続けざまに2本飛んでいく。

 

 

 〈トマホークブーメラン〉のスキルもまたゲーム時代と大きく自由度が変わり、ある程度狙いを決めて溜め、それから武器を投げる動作を行えば、軌道は右から左、左から右の横薙ぎだけに留まらない。

 真正面から真上を通過して背中側から戻らせる、真横から頭上を通過して戻らせるΩのような軌道も可能。

 地形にぶつからない軌道であればいろいろな投げ方が可能になり、かなりの遊びを得たスキルに化けていた。

 逆に、狭い場所だとゲーム時とは異なり使えなかったのだが。

 力を溜める動作の長短(一瞬か数瞬かぐらいの差)で飛距離も多少融通が利き、投げた後に戻ってくる軌道に対して逸れた移動を行えば、半自動追尾で戻ってくるため軌道を曲げられるところも変化である。

 

 

「〈ライトニングステップ〉ッ!」

 足から電光が閃き、右下からアンダースローで投じた斧を追いかけるようにしてダッシュ。

 既に斧はトロール2体を貫通し、45度ほどの角度で空中から戻ってこようとしている。

 

 3体目のトロールを背にするように走り抜け、斧が戻ってくるのを待つ。

 トロールがこちらを振り向いたのと、その肩口から胸を斧が貫通して斧戻って来たのはほぼ同時だった。

「終わりっ!」

 近接攻撃が当てられないといっても、数撃ったなかでは直撃ではないにしても当たったものもある。

 次手1回強バフで強化した私の秘伝攻撃であれば、半端に残ったHPは十分刈り取れた。

 

 

「どうよっ」

「お疲れ様です」

「投げ武器の扱いは、半日で相当手慣れたな。投げ武器は」

「含みがあるわね索峰」

「そりゃあるよ。結局至近距離での斬り合いできてないじゃん」

「いいでしょー、とりあえずはこれで」

「貂ちゃんも接近戦で殴り合いできたのにそれはどうよ」

 そこを突かれると痛い。最年少ができていて、ギルドマスターであるあたしがまだできないのは、居心地が悪い。

 

「索峰さん、まだ最初の日ですし。攻撃はちゃんとできているんですから、ね?」

 そこまで歳は離れていないが、歳下の貂ちゃんにフォローされると自尊心がしくしく痛む。

 

「索峰の鬼教官!」

「なんとでも言え。早く慣れるに越したことはない」

「索峰の薄毛、獣臭、陰険、性悪、白痴」

「ホンットになんとでも言いやがったなオイコラ。あとどこが薄毛だ、モッサモサじゃねえか」

「あ、確かに毛むくじゃらだわ」

「毛むくじゃらって……」

 

 貂ちゃんに遅れを取ったのは悔しい。

 でも索峰には全くそんな気持ちは起きなかった。付き合いはそこそこ長い。

 陽は山並みにかかろうとしていて、急がないと燕都に着くより日没の方が先に来るかもしれなかった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 戦闘訓練は4日目に突入していた。

 2日目の時点で、ゲーム時代と同様に索峰(さくほう)さんが全方位に気を配り指示を出す、ということははっきり無理だと結論付けられた。

 

「ミニマップないし、視界の高低の概念が増えたし、頭の処理が追いつかない。全部コントロールとか無理。いつか慣れるかもだがしばらくは無理」

 

 これが6人パーティであったなら、索峰さんをフリーの援護に専念させることもできたのだろう。3人ではそれもできず。

 索峰さんそのものもこのパーティでは第2位の貴重な火力で、かつ翠姐(すいねえ)さんと息の合ったコンビネーションで、人数以上の破壊力をゲーム時代では見せていた。

 郭貂麟(かくてんりん)の目から見る限りでは、連携習熟度の高さはこの世界に来てからもあまり変化がないようには思える。

 しかし翠姐さんの接近戦嫌いが矯正できておらず、索峰さんがやきもきしているのははっきりわかる。

 

 翠姐さんよりも索峰さんが前衛で楽器武器を振り回していることの方が多いぐらいで、指示を出せない理由のひとつでもあった。本来の索峰さんは弓兵なのだが。

 

 

 

 戦闘訓練3日目、転移より6日、索峰さんと話した時、こんなことを言っていた。

 

吟遊詩人(バード)でよく言われる指揮者やコンサートマスターじゃないんだよね。観測手(スポッター)気質なんだよ、自分は」

「どう違うんですか?」

「指揮者は、ここでこれを使えとか、こうすれば相手はこう来るだろうからこうしようとか、予測と計算を合わせて組み上げて指示を出すもの。観測手は、相手の弱点、ウィークスポットを探して、そこを狙わせるようにするもの」

 

「あまり変わらなくないですか?」

「結構違うと思うけど。指揮者の場合は中長期でも戦闘の組み立てを考えて戦闘全体をコントロールするけど、観測手(スポッター)は、まあ自分が考える観測手だけど、弱点や攻め所を見つけてそこを即座に狙わせるための援護をすることかな。

 あと、全体を見渡して弱点を突いた後に退き時を判断して味方の速やかな離脱を可能にすること。指揮者よりはもっと現場寄りの考えだね」

 

「たとえば、どんなことをしてましたか?」

「そうだな、主戦場を迂回して魔法職や回復職を狙う相手の裏取り勢の監視を行なって裏を取れないようにしたり、逆に、味方が裏を取りにいくときにそっちに注意が向かないように注意引きつけたり鈍足つけて追えないようにしたり」

「支援職してますね」

「翠姐が突っ込む先に〈バトルコンダクト〉置いてヘイト上昇阻止しつつ翠姐に狙わせる的を用意したり、〈ウォーコンダクター〉で高速攻撃と高速離脱を狙わせたりするのが主だけどね。

 こっちの再使用時間気にせず連続で突っ込んだりしてたから、スキル回しが大変だった。時々翠姐追っかけて自分も突撃したり」

 

 

 その後、索峰さんは援護のコツを教えてくれた。

 初めて聞くこともあったし、ゲーム時代に索峰さんが指示したタイミングでのスキル使用の意図の解説になったこともあった。そしていくつかは崔花翠さんを援護するためのコツでもあった。

 

 とはいえ索峰さん流のコツと理論を説明されたからといってすぐに身につくものでもない。

 スキルとして名のあるものではなく、経験に基づく技術だから。

 その場の最適解を導き出せるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだと郭貂麟は思う。

 

 

 

 それとは別に、郭貂麟には悩みが生じ始めていた。

 

 自分の手から魔法が出せるということが楽しすぎた。

 

 自然を操る、すなわち五行を行使することのなんという衝撃。

 落雷で粟立つ肌、炎の熱風、水流がもたらす湿度、氷片の冷気、地より湧き立つ土の匂い、それらが自らの力で意のままに生み出せる素晴らしさ。

 

 『エルダー・テイル』プレイ開始から通算50日ほど、プレイ時間は200時間ほど。

 そのゲーム時代は思ってもみなかった感覚。

 森呪遣い(ドルイド)の遅効性HP回復にやきもきし、エフェクトは派手だが威力がそこまでではない魔法攻撃は、あまり興味を引かないものだった。

 

 つくづくゲームとは違うと痛感する。

 森呪遣いを諦めてもっと爽快感のある職でキャラクターを作り変えようとすら思ったこともあったほどだがとんでもない。翠姐さんにも索峰さんにもないこのスケールの大きさは、体感しないとわからない。

 仙人が厳しい修行の末に会得する秘術の一端がこれならば、使いたがる伝承が多いのも頷ける。

 これは、凄い。

 

 しかしその代償が悩みである。MPの消費が本当に痛い。

 豪快であるがゆえMPもそれ相応に要求され、HP回復をおろそかにもできないので、見境なしに乱発していると装備やスキル習熟度による補助が薄い郭貂麟ではあっという間にMPが枯渇する。

 回復に専念してくれる人がいればもっと楽しそうなのにとも思った。しかし代わりはいない。

 

 

(てん)ちゃん、シャーマンタイプ目指す? それともアブソーバー?」

 そんなことをMP回復の為の休憩で2人に打ち明けると、翠姐さんは面白がった。

 

「なんですか、それ?」

「後方からの魔法攻撃特化で速攻殲滅、回復の仕事を切り捨てるのがシャーマンタイプ。武器攻撃命中時にMP回復系の装備で武器攻撃魔法中心に戦いながらHP回復もするのがアブソーバータイプ、だったわよね索峰?」

「その説明で合ってるよ」

「で、どっちの方が良さそう?」

「聞いた限りでは、シャーマンタイプの方が好きかな、と感じます」

 

 自然現象を意のままに操るところに大いに魅力を感じている。だとすれば好みが近いのはシャーマンだ。

 

「どちらかを目指すとして、難易度に差はありますか?」

「わからないから索峰よろしく」

「こっち振るのかよ。まー、どっちが難しいか、と言われると、ゲームの頃はシャーマンの方が難易度が高かったはず。

 後衛から遠距離魔法で攻撃するからMP回復の手段が乏しいし、広範囲で高威力な魔法が多いはずだからどうしても短期決戦型のビルドになるからね。それに、攻撃範囲が広く威力があるということはそれだけヘイトを稼ぎやすい」

 

「ゲームの頃は、なんですね」

 言葉に固形物を混ぜた、含みのある言い方だった。

 

「アブソーバーはさ、自分でも殴りながら支援魔法や回復魔法使うよね。それって、今の索峰ってキャラクターとほぼ同じでしょ」

「……そういえばそうね、回復はないけど」

 

 言われてみればその通りで、中距離から音波による支援に加え、翠姐さんと肩を並べ時に前線にも出ることがある索峰さんのやっていることは、それに近い。

 

「だから思うところがあってね。ゲーム時代は周りのHPって一覧やログで見れたじゃない。同じエリア内であれば物理的に見えなさそうな場所にいる人でも。でも今は1人のおおまかなHPですら集中しないと見れない上に、視線通らないとわからない。

 たとえば、大柄なトロールやホブゴブリン辺りが間に割って入られただけでだいぶ視界狭まるでしょ。その状態で味方前衛のHPを気にしながら、実際に接近戦して、ってなると、明らかに難しいと思わない?」

 

 索峰さんの現在の戦闘での位置どりは、翠姐さんと郭貂麟の中間地点でやや前寄り。

 2人に前後で挟まれる位置で繋ぎ役で動き回ることが多く、敵を含め全体を見る位置には移動し辛い。

 索峰さんが指示が出せない、と早々に根を上げた理由のひとつだった。

 ベテランの域に達している人が2人分の情報処理を抱えただけでこの始末だから、人数が増えればどうなるかは想像に難くない。

 

「最前線で戦い続ける理由は必ずしもないけど、アブソーバーって回復を周囲に撒きながら前線を維持するコンセプトが元で、両立できないならやる意味はあまりないよね。

 敵に背中を向けるのも危険だし。全員近接攻撃型ってなら、固まって動けば管理は多少楽にはなるけど。回復欲しい時に声上げれば済むし」

「でも、そういう戦闘タイプではないですよね」

「そうなのよねー、あたしも索峰も」

 

 同格のLv90のモンスターを相手に、防御に長けた前衛職である守護戦士(ガーディアン)武闘家(モンク)のように身を張っていては、2人とも長くは戦えない。

 前線を維持するという概念がなく、常に引き回し。相手の攻撃は受けず、流し躱す。

 場合によっては流しすらせず全逃げを行う2人よりもさらにレベルも装備も弱く後衛職の郭貂麟が体を張ることの意味はあまりない。

 

「貂ちゃんがアブソーバー目指すなら、それを前提として動くことはできると思うし応援もする。でもこの3人でやっていくことを考えると、編成上不要ではある。せめて完全な前衛職が1人いれば、意義も多少生まれるけど」

召喚術師(サモナー)ではないですが、召喚生物も使えます、それを前衛職の代わりにできませんか?」

「対人なら、まず召喚生物が集中攻撃されてあっさり撤退しちゃうわ。貂ちゃん自身の能力補強か、緊急避難手段に使う方が、今のところは賢明だと思うわよ」

 

 

 森呪遣い(ドルイド)は、行動を補助してくれる召喚獣を使う人がほとんど。索峰さんの援護歌のように、召喚している間は半永久的に補助効果を受けられる。

 回復能力を伸ばしたり、攻撃補助を行なったり、召喚者を守ってもらったり、人によって好みが分かれる。

 

 それを行使し援護をもらうためには、特定のクエストを経て召喚生物と契約する必要がある。

 パワーレベリングによる養殖を受けた郭貂麟は、召喚生物はチュートリアルの範囲で契約できる種類しかおらずそれも時代遅れな生物しか召喚できない。

 

 

「シャーマンだと、どうなります?」

「シャーマンの方が好みだっけ? 攻撃魔法バシバシ」

「そうです」

「なら目指していいんじゃないと思うわよ、あたしは。好みって大事よ、練習に身が入るから。それに、索峰がいうには、アブソーバー目指すよりはハードル低いでしょ?」

「MP管理に明け暮れることを除けば、ね。メイン12職全体で見ても、要求されるMP管理能力は最高難易度に近いよ。基本は敵から離れて動くことになるから、敵味方を見やすくはあると思う」

 

「パーティの邪魔にはなりませんか?」

 思考放棄ではあるのだが、2人についていけば、新たに関係先を見つけて世話になるよりも安定した暮らしができるのでは、と郭貂麟は思う。

 個人として暮らしていけるゲーム知識が、郭貂麟には致命的に足りない。

 それを理解した上で手を回してくれるのだから、好意に甘えたい。

 

「アブソーバーよりは活かしやすいかな。ただ短期決戦仕様になるから、翠姐が武器攻撃を当てられるようにならないとどうしようもないね」

「うぐぅ」

「じゃ、私シャーマン目指したいです。大魔法楽しいんです」

「焦って育成方針決める必要はないからね。装備整えるところから始めないといけないし。翠姐も自分も魔法職武器は集めてないから融通できない」

 

「買える装備はすぐにでも買えばいいと思うわよ。ただ、その買った装備を更新していけるのは相当先になると思うわ。これはプレイヤー全体に言えることだけど、どこまで組織立った行動ができるか、どこまで戦える人が残るかが未知数だもの。

 レベル90前提の大規模戦闘をプレイヤーが突破できるようになるのはいつになるかしらね。3人だけじゃ、たぶんクエスト起動もできないし」

 すぐにシャーマンの真似事ができるようになる、とは郭貂麟も思っていない。これは長期的目標なのだ。

 

 

「私、頑張りますね!」

「それでやる気が出るなら、なによりね。魔法道具や素材はあたしも索峰も使わないから、優先的に貂ちゃんに回してあげるわ。そうそう、パラメータ未確定の面白い装備かなにか手に入れたら、索峰に見せることね。良いものになるかもしれないから」

「どういうことですか?」

「サブ職がカンスト〈鑑定士〉なのよ、索峰は。あたしの〈破壁玄珠環(げんしゅかん)・撥〉も、索峰の鑑定でいい効果と数値引いたから幻想級に負けない性能になったんだから」

「サブ職が今どこまで機能残ってるかわからんがな。倉庫に未鑑定品残してなかったし」

 

「〈鑑定士〉ってどんな効果なんですか?」

「ステータスや名称未確定の武具とかたまに見かけない? 錆びた謎の剣とか、傷んだ謎の手甲とか。

 それを普通に装備して能力確定させてもいいけど、鑑定士がそれを鑑定すると、いいステータスで確定しやすくなって、更に追加で特殊能力が付与されることがあるんだよ。

 〈魔法級〉の装備品は能力にブレ幅のある装備もあるからね。いい装備欲しいのは皆同じだから、鑑定代行でお金稼ぎもしたよ。〈秘宝級〉の首飾りや腕輪みたいに全職使用可能でかつ能力未確定で所有者未確定のものは結構よく鑑定依頼されたよ。

 もし面白い効果がつけば、再現性の難しい唯一無二な自慢できる装備になる。〈秘宝級〉なら、最低ひとつはなんらかの特殊効果を追加付与できるし」

 サブ職業のことはすっかり忘れていた。郭貂麟のサブ職業は〈薬師(くすし)〉であるが、熟練度は非常に低い。

 

「索峰の装備って大体変な性能よね。武器も防具も、ジャンルも等級もめちゃくちゃだし」

「そりゃまあ、アバターで見た目上書き前提だからな。トライアンドエラー繰り返して自分に合った性能のもの選んだし。作ったとも言えるけど」

「作った、とは?」

「ああ、さっき言った、錆びた謎の剣系の、性能や名称未確定の装備やアイテムをとにかく大量に買い集めたりレイドで拾い集めたりして、ひたすら自家鑑定して逸品探しするんだよ。

 大概は鑑定士の効果があっても平凡だけど、たまにオーバースペックの物が出て、それの性能を更に高める効果がある。適正レベル50そこそこの謎の〈魔法級〉武器がレベル90クラスでも通用する性能になったりするし」

 

「強くないですか? その性能。武器生産職が泣きますよ」

 レベル及び等級の垣根を超えて装備を用意できる、というのは、生産職とはまるで違う方向で装備を生産できることになりはしないか。

 

 郭貂麟の〈薬師〉は生産職で、書いて字のごとく素材アイテムから薬品の生産が可能なサブ職業。同時に自分が使う薬品系アイテムの効果を増加させる効果もあった。生産能力よりも、回復アイテム強化効果を目的に選択している。

 

「いや、ぶっちゃけ趣味の領域。オーバースペックの大当たり品って、未鑑定300個中1個がいいところだったし、小あたりと言えそうなのが20個出れば多い方かな。残りはアイテムレベル相応の平凡な性能になる。

 運任せだし、90レベル用の〈製作級〉の方が強くて欲しい性能に合致しやすい。それにオーバースペックとはいっても本来の性能に噛み合わない能力になることもある。ステータスは高くても魔道書にヘイト集める効果がついても意味ないでしょ?」

 

 それはそうだろうと郭貂麟は思う。

 魔道書を使うのは魔法攻撃職、概ね防御の薄い職である。

 敵が向かって来てくれない方がありがたいし、ヘイト上昇効果が欲しいのは最前列で戦う〈守護戦士〉らの装備だ。

 

「どっちかと言えば、〈魔法級〉〈秘宝級〉の未ロックアイテムに追加効果を付与することがメインかな。それに、カンスト届かせるのに5桁は余裕で鑑定したんじゃないかってぐらい成長の伸びが悪い。結構真面目に育てたのにカンストまで1年近くかかった。

 それに、未鑑定品集めるのも結構な出費で、買って鑑定して使わない良い品売り払って、鑑定代行して、で収支が黒字になったのはかなり後期だし。通算で見れば大赤字もいいところだよ」

 

 

 そういう索峰さんは『エルダー・テイル』の一般基準で見てもかなり重症な廃人であった。

 翠姐さんも廃人と呼べる域ではあるがヘビープレイヤーの域は脱しきれておらず、それこそ年季が違うのだ。

 その重症な廃人をもってして1年というのであれば、星の数ほどもあるだろうサブ職業の中で好きで育成する人も少ないだろう。もっと単純で、育成も楽で、汎用性のあるサブ職業はいくらでもある。

 審美眼・鑑定眼という意味では、数をこなして勉強してようやく得られる地位なのだから必要な経験値が多いのも当然で、これはこれで生産職とのバランスは取れているのかもしれない。

 

 

「……もしかしてですけど、〈花石綱商船〉に卸してました?」

 中国は広く、プレイヤーも多い。

 人海戦術によって各地のコンテンツが踏破されていく中で、アイテム生成乱数の妙により「なにこれ?」というなにかに使えるかもしれない変な性能、尖った性能のアイテムはたびたび発見される。

 

 そんなひと癖もふた癖もある珍品の類を集めて販売するのがプレイヤー経営商店の〈花石綱商船〉。

 癖があるだけに万人受けはしないが、物好きや特殊ビルドの構築者にとって覗いておいて損のない商店だった。

 郭貂麟もレベル上げ過程で世話になっており、最前線コンテンツでは役に立たずとも育成段階で有用な繋ぎの装備は少なからず出品されていたのだ。

 

 たとえば適正レベル80なのに攻撃性能はレベル60相当しかし特殊能力はレベル90相応というアンバランスな武器であったり、レベル50相当の特殊効果しかない防具なのに防御数値と耐性はレベル90でも通用するものであったり、レアと言われる特殊効果のついた低レベル装備であったり。

 

「手早かったから、よく鑑定済みの上物買ってもらってたよ。〈花石綱商船〉はよくお世話になったし、お世話したとも言えるかな」

「もしかしたら索峰さんが売り払った装備買って使ってるかもしれません」

「世界狭いわねー」

 翠姐さんは呆れたようだった。索峰さんは何も言わず、ただ苦笑していた。




用語解説とか




サブ職業
〈吟遊詩人〉や〈森呪遣い〉といった戦闘用メインジョブとは別のカテゴリの職業。
武具生産系のジョブがあれば装備を作ることも可能。
薬師であれば薬品調合が可能であるように、多種多様な職業をつけることができる。
サブ職業は生産職に限られず、貴族・英雄といった名誉職や、忍者・グラディエーター・バーサーカーといったロールプレイング系職業も。



アイテムのレアリティは
〈通常品〉(ノーマルアイテム)〈魔法級〉(マジックアイテム)〈製作級〉(クリエイトアイテム)〈秘宝級〉(アーティファクト)〈幻想級〉(ファンタズマル)
の順で右に行くほど入手難易度が高い。

〈幻想級〉に至っては入手が計算に入らない。アップデートごとに総排出個数が決められているそうな。
希少価値が極めて高いことから、プレイヤーの代名詞となり得るレベル。

〈秘宝級〉は6人パーティで2週間ダンジョンにこもりっぱなしで1個入手できるぐらいだとか。
よくこんな絞り設定のゲームが世界レベルで売れたなオイ。

〈製作級〉以下は現実的に入手可能なラインとなる。



スキル等級
いわゆるスキルレベルと形容されるもの。
〈会得〉<〈初伝〉<〈中伝〉<〈奥伝〉<〈秘伝〉
の順で等級がスキルごとに上がる。

〈秘伝〉級は90レベル時点で上限4スキルまでしか上げられない。
加えて〈秘伝〉段階になにかのスキルをひとつ上げるだけでも莫大な労力と出費を要求される。
そのため実質〈奥伝〉が最高位に近い。〈奥伝〉にするのでも相当苦労するそうだが。

原作においてはやや独立した等級として〈秘伝〉の上に〈口伝〉がある。
当作品では出ないため関係ない。
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