魔法科高校の劣等生 妖精に魅入られし愛し仔   作:アトコー

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今年最後の投稿、遅くなりました。
もう一話投稿出来るかな?


第11話 ブランシュ支部強襲

 

 

 

高校前の道路はFBISWATによって交通規制され、校内にもFBISWATの車両が何台か止まっていた。

其処に、5台のランドクルーザー、3台のベンツが現れる。全車黒塗りだ。

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

高機動車に乗って、司波達が来るのを待つ十文字と飛び入り参加した桐原先輩は唖然としていた。

まさか、本腰入れていると言って特殊部隊のうちでSATが来ていたとは聞いていた其処にGIGNが投入されていた。驚愕に唖然とする2人を他所に高機に千葉と西城が乗り込み、ベンツの方に智世と輝夜、司波兄妹が乗り込んでいた。

 

 

「高機が先に行きます。全車、後に続いてください。」

 

十文字会頭が運転する高機の後に黒塗りの8台の車両が続き、

廃棄された工場に来るまでに邪魔が入って来ることはなかった。

高機が、工場の門を硬化魔法を纏ってブチ破るとその後に8台が続いた。

十文字会頭らが降りると、コチラも車両から降りた。

GIGN所属の隊員たちがモンターニュ、トゥイッチ、ドク、ルークの前に立ち、4人が私の後ろに立つ。

私は、ルークから戦闘服を受け取り、車両の後ろで着替えるとGIGN隊員から火器を受け取り、達也たちに合流した。

 

「それで、どう動くの?」

 

「ああ、会頭は桐原先輩と裏から回ってもらい俺達は正面から行く。

エリカとレオは此処で退路の確保だ。」

 

「分かったわ。ドク、この場で待機。ルーク、私と来て。モンターニュ、会頭と一緒に行ってあげて。トゥイッチ、中の敵の索敵お願い、その後2人に合流。各班それぞれ状況開始行くわよ!」

 

「『『了解!!』』」

 

迅速な指示の元、GIGNの隊員たちが動く。モンターニュの身の丈ほどある楯が先頭を行き、モンターニュの2/3の大きさの楯を持つ隊員たちが後に続く。

達也と深雪が突入した方向に隊員たちが雪崩れ込み、トゥイッチが索敵の為ドローンを建物内部に侵入させる。そして、あらかた索敵した後、達也たちに合流したのだった。

そして、

 

「さて、智世、準備は良い?」

 

「うん、行ける。」

 

「なーんか智世が、実は超攻撃的だとは思わなかったなぁ~。」

 

「ふふ、忘れてた?身の回りのことについては攻撃的になるだけだよ。後は大体エリアスがやってたし。」

 

「そうね、それじゃ行きますか。」

 

裏口でもなく、正面でもなく、何も無い筈の鋼鉄の壁にテルミットから拝借したヒートチャージを仕掛ける。

彼曰く、C4との併用が、最強の組み合わせなのだとか。

けど、ここは

 

「智世。」

 

「ええ、  イオグランド  」

 

焔の妖精と地の妖精の力を借りて可燃物を、ヒートチャージを終えた鋼鉄の壁にぶつける。

すると、可燃物が2000℃までに熱された壁に当たり、魔法が発動し、その壁が一瞬にして吹き飛んだ。

中に居た敵兵を10m以上吹き飛ばして

 

「突入!!」

 

ルークの号令と共に隊員たちが突入していく。

構成員らが小火器を以って抵抗するが、国家の精鋭特殊部隊を前に容赦なく頭部を撃ち貫かれ死んでいく。

 

「ムーブ!」

 

ルークが、数人の隊員を連れ、内部を捜索する。

 

「さて、達也たちはこっちか。」

 

私は、通路に潜む構成員たちに対し、一部空間だけくり抜きその空間内に高濃度の可燃性水分を充満させ、サブガンから火炎弾を撃ち出す。

火炎弾は、その空間へと突き進み狙った壁に当たると、大爆発を引き起こした。

本当は魔法でも出来るのだけど、それをすると隊員たちが巻き添えを食らうため、限定空間に留めて行っている。

爆発で建物が揺れるが、気にせず進軍した。

 

 

 

輝夜たちが進軍していく頃、

モンターニュの方はというと

 

ダダダダダダダダダダダダダッ!!

 

激しい銃撃戦に見舞われていた。時折軍用対魔法師アンチライフルが飛んでくる為、魔法障壁がガラスのように砕け散る。

十文字と桐原は攻めあぐねていた。どうやっても大怪我は免れないからだ。

しかし、モンターニュらは確実に前進していた。

アンチライフルをモノともせず、しゃがみの状態で前進しながら後ろの隊員たちがアサルトライフルで援護・牽制射撃する。

 

「どうするか?これでは・・・」

 

「心配するな。既に動いている。」

 

「どういうことだ?」

 

裏口から攻めて行き、1階を制圧した後2階に上がっているのだが、突如建物自体が揺れた。

 

「な、なんだ?」

 

何が起きたか分からないと言った感じなのは2人だけでなく、敵側も同じらしい。

しかし、その衝撃によって生じた隙を見逃す彼等では無かった。

数人の隊員が、グレネードを両手に突入し、敵がいる通路と部屋に投げ込まれ、通路の窓から飛び出た。

そして、激しい音と閃光が構成員を襲う。

眼と耳をやられた構成員らが地面に伏し、容赦なく、飛び出たはずの隊員たちが窓外からサブガンで銃撃を加える。

ドタバタと倒れる構成員らを尻目に、突き進む隊員たち。

一切の容赦のかけらも無い彼らの行動に十文字は唖然とするが、桐原は半分怒りに染まっているためか、隊員たちと共に先に続いて行く。

 

 

 

銃撃と爆発が起きる工場の外では

 

 

「こりゃ、凄まじいな。」

 

「ああ、何時にも増して・・・相当溜まっていたんでしょうね。」

 

「だろうな。だが、こんだけ爆発があると当然・・・来るよな。」

 

退路確保のGIGNの隊員たちが、入って来た出入り口を見ると、

予想していたものとは違う車両が出入り口を塞いだ。

 

「悪いドク、遅くなった。」

 

「エコー、どうした?・・・・というより、出入り口塞いじまったら・・・」

 

「ああ、これで公安も警察もこれんよ。この広さなら・・・着陸は出来そうだな。」

 

「ヘリでも着陸するのか?」

 

「ああ、イェーガーがお二人の出迎え用ヘリで今向かってる。」

 

「だが、塞いだの意味無かったようだぞ。」

 

出入り口に止めていた装甲トラックが魔法によって動かされ、出入り口に多数の機動隊員と警察魔法師が現れた。

 

「貴様ら!何者だ!」

 

「あーあ、来ちゃったよ。メンドクサイ奴らが」

 

「構うものか。ドク、そっちの隊員は動かさなくていい。」

 

「いいのか?そっちは10人程度だろ?」

 

「質の落ちた警察の練度などタカが知れている。」

 

警察組織の機動隊を前に10人のSATが立ち塞がる。

エコーを中心としたSAT隊員がMP5やTYPE-91を構える。

 

「警察機構は帰ってもらおうか。此処から先はこちらの領分だ。」

 

「ふん、武装組織に聞く耳は持たん!旧式装備で何が出来る!食らえぇ!」

 

そう言って、指揮官格の警察魔法師がCADを使って魔法を放とうと操作して、そのCADが弾き飛ばされる。そいつの指と一緒に

後からダダァーン・・・という銃声が聞こえたように感じただろう。

エコーの銃口から硝煙が立ち上っていた。

そして、その指揮官格が撃たれた手を持って叫び転ぶ

 

「指がぁ!俺の指がぁ! くっ、貴様ぁ」

 

「随分と質が落ちたな、日本の警察は。」

 

「なんだと!?」

 

「あの頃は、まだ精鋭と呼べる隊員たち居たが、今となってはそれも形も無いか。」

 

「エコー隊長、魔法が全てと考える霞が関に一発お見舞いしますか?」

 

「馬鹿言え、そんなことをすれば後々面倒だ。それに、この事態にSATやSITを派遣しないところを見ると、余程魔法が有能だと見えるが、果たしてそうなのか?」

 

機動隊員らは驚愕していた。彼等も魔法がそれなり使える方だが、指揮官格の警察魔法師はやり手に入る部類。多くの事件を解決してきたのだ。が、それは所詮銃器を相手にしていない場合であって、今回のような最精鋭だった元SAT隊員が相手となれば話が違ってくるのだ。

拳銃型CADで撃とうとして、放たれた弾丸によってCADは破断し、薬指と小指が千切れた状態。

魔法であれば直ぐであればくっ付くのだが、状況がそれを許さない

其処に機動隊員の一人がエコーたちに向けて話す。

 

「何をごちゃごちゃと!SATもSITもとっくに解散されてんだよ!」

 

SATとSITが解散されているという事実はエコーたちは知っていた。だが、敢えて言ったのは知名度が如何ほどだったかを確認する為だった。

 

「ああ、知っているよ。魔法師の体形を護る為に解散させたってな。」

 

「なぁっ!?」

 

「知っているぜ、SATの隊員と魔法師でどちらが強いか部隊を組んでやらしたそうじゃないか。結果、魔法師側が惨敗したんだったな。あれは、酷いもんだった。」

 

「何故!何故だ!あれは秘匿事項だぞ!何故知っている!」

 

「俺達がそのSATだからに決まってるだろ、バァカ。」

 

煽るエコーに笑うSAT隊員達、そして、機動隊員たちは気付く。

一時期国防軍特殊部隊に次いで最強と言われた警察組織の特殊強襲部隊SAT

その実力が魔法師部隊1個大隊に匹敵するのではと囁かれたほどだ。

それが、目の前にいる。という事実に、列は大いに乱れた。楯を捨て、CADを捨て、我先にと逃げ出す機動隊員と警察魔法師。

あまりの無様さに、エコー達は武器を下げて爆笑していた。

 

外でそんな騒ぎになっている頃

正面から突入した達也たちは、GIGNの隊員たちに雑魚を任せ、日本支部支部長司一を追って中に入っていった。

 

「側面と裏側より敵を押し込んでいるようです。」

 

「だが、予定より数が多いな。達也殿を先に行かしたとはいえ、退路確保組がどこまで持つか・・・」

 

 

「私にお任せを」

 

GIGNの隊員たちは、逃げた司一を追う為に達也だけを先に通していた。

そして、数人の隊員らが達也が通った道に敵を行かせない為に死守していたが、じり貧になっているのが目に見えて分かっていた。其処に深雪が動いた。

CADを操作して振動・減速の系統魔法としてニブルヘイムをブランシュ構成員らのみに向けて発動させた。

室内が一気に冷気で包まれ、ニブルヘイムによってブランシュ構成員らのみが氷像如く物言わぬ塊と成り果てた。

 

「流石ね、これは見事としか言いようがないわ。」

 

「トゥイッチさん。」

 

「皆、止めを射して行って。私たちはこの場で逃げて来る構成員らを待ち構えるわよ」

 

『了解です!!』

 

GIGNの隊員たちがトゥイッチの指示に従い、氷像となった構成員らに1発ずつ弾丸を正確に確実に当てていく。そして、立ったまま動かなくなったそれらを端っこに移動させるのではなく、通り道の部屋の前に置いていった。

 

「さて、こんなもんでいいでしょう。」

 

「隊長、外に公安が現れたと、ドクから」

 

「大丈夫でしょ、SATが居るし、彼らを前に今の警察機構で勝てる者なんて一握りよ。」

 

「え?エコーさんや火花さんってそんなに強かったんですか?」

 

驚く隊員に対し、トゥイッチはジト眼になりながらも続けた

 

「そうね自衛隊が解散して以降、日本の最強の部隊っていったらSATしかなかったの。それをどう考えたのか、SATを解散させて魔法師を取り込んだMSATなんてもの作り上げて10日後に元SAT部隊によって存続の危機に立たされるほど壊滅的打撃を負ったのよ。」

 

「それって、実弾でですか?」

 

「そうよ。向こうが魔法使ってこっちが模擬弾じゃ割に合わないって言ったら通ったらしくてね。後は・・・・・・ね。」

 

「じゃあ、今の日本の警察機構で有力な部隊ってのは・・・」

 

「無いに等しいわ。今慌てて元SAT隊員たちを招集しているみたいだけど、そもそも機密部隊だからSATに関する名簿は向こうが破棄しているの。だから、焦っているわけ。」

 

「それでは、今回の警察機構がやってきたのも・・・」

 

「そう、名誉挽回の為。ブランシュの構成員を捕まえて国内にそう云う組織を入れないように頑張っているみたいだけど。」

 

「ノウハウが無いと」

 

「そう言う事ね、深雪さん。」

 

 

 

達也は、逃げ込んだ司一が居る部屋をエレメンタル・サイト(精霊の眼)で見て構成員が持つ武器を部品サイズに分解した。

構成員たちは、いきなり武器が分解したことに浮き足立ち、混乱していた。

其処に達也は部屋へと飛び込んだ。

 

「終わりだ、司一」

 

拳銃型CADを片手で構え、司一を見る

 

「ふん、ならこれはどうだね!?」

 

武器が破壊されたが、彼ら構成員は指輪に嵌めていたアンティナイトを起動し、達也に浴びせた。

 

「どうだね!神聖なるアンティナイトの味はぁ!」

 

だが、達也からすれば撫でられている程度の威力しか持っていなかった。

元々、こういう耐性は付いていたが、それ以前に輝夜・智世の家に行った時にアンジェリカさんから受け取った対アンティナイト防御石が非常に高い効果を発揮していたことになる。

 

「はぁ、やはり情報通りか。ベラルーシ当たりが採掘したのを大亜連合経由で送られてきたというところか。」

 

「なぁ!?」

 

図星だったのか驚愕の顔に染まる一だが、

 

「構うな!奴は一般人と変わらん!やれ!」

 

形振り構わず、構成員らに指示を出しナイフで襲い掛かろうとするが、達也が部分分解魔法で腕や足を弾丸で撃ち貫いたかのように刳り貫いた。

彼には理解出来ないだろう。アンティナイトが発動する空間で達也がどうして魔法を使えるのか分からなかった。

達也は、脚や腕の神経が通っている箇所を正確に撃ち貫き、戦闘不能にしたところで視線を腰を抜かした司一に向ける。

 

 

「う、うわぁぁあああ!!」

 

司一は、目の前にいる達也が化け物か何かに見えただろう。逃げようとして、彼の背後の壁が突然割れた。

いや、壁から剣が生えてきて人が通れる大きさに刳り貫かれている。

慌てて、その場から離脱した一だったが、壊れた壁から出て来たのは・・

 

「よう、司波兄。」

 

「桐原先輩」

 

後ろにGIGNの隊員を伴って、桐原武明が剣を持ってやってきていた。

桐原は、達也を見てから地面に転がるブランシュ構成員を見た

 

「これ、全部司波兄がか?」

 

「ええ、そうです。」

 

「やるじゃねーか。それで、こいつは?」

 

腰を抜かして地面を這いずり回っている男をみながら桐原は達也に聞いた。

 

「それが、司一です。」

 

それ、と呼ばれた男が司一だと分かった桐原は即座に激昂した。

 

「こいつが、てめぇが司一かぁ!!」

 

「ひ、ひぃぃぃぃいいい!!」

 

「壬生を誑かした野郎がぁ!!」

 

激昂した桐原の剣が司一の腕に当たる直前に

 

ドゴォォオオン

 

桐原が入ってきた壁の正面の壁、達也にとって右側の壁が爆発した。

 

「ああ!?何だこれは!!」

 

「これは・・・」

 

邪魔された桐原にとって、怒りのやり場をもう一度向けようとして止めざるを得ない状況に至った。

 

「へぇ、こいつが司一ねぇ~。」

 

「お、お前は、・・・!?」

 

爆発した壁からやって来たのは、三千院輝夜と羽鳥智世の二人

しかも、輝夜に至っては血濡れだ。

 

「散々、ストーカー紛いなことをした上に智世を浚おうだなんて考えていたみたいねぇ~。」

 

達也はこの時、どうしていいか分からなくなっていた。輝夜は味方なのだが、その輝夜から猛烈な殺気が部屋を覆っていたからだ。激昂した桐原先輩も今となっては顔を青褪めている。そこに返り血を浴びたのか真っ赤になった輝夜が刀を手にし、刀から垂れ落ちる血を払い、その刀を桐原先輩の足元に投げた。

 

「うぉっ!?あぶねぇ!つかヤべェ」

 

彼がそう言うのも無理はない。切れ味が半端なくいいのだ。高周波ブレードなど目じゃないくらいに実体剣でコンクリートの床に半分以上切れ込みを入れて埋まるなど有り得ないのだ。

 

「桐原先輩、そいつの腕削ぎ落しちゃってくださいな。」

 

「お、おう。」

 

輝夜から投げられた刀を引き抜いて桐原は感じた。

軽い、と。

そして、再び湧き立つ怒り任せに司の腕目掛けて刀を振った。

 

「?外したか?」

 

「いえ、確かに斬りましたよ。」

 

「そうか?感触がねぇんだよな。」

 

「そうですか?斬られた本人もまだ気づいてないようですよ。」

 

そう、桐原先輩と達也の問答の間、斬られた司一自身何が起きたのかよく分かっていなかった。

しかし、腕に痛みが走り出し見た時には左腕が肘から無くなっていた。

 

「ギャァァァぁアアアア!!!!!

うわぁぁあああ!!

オレノウデガァぁぁ!!」

 

あまりの予想外ののたうち回りに、後続から到着した十文字会頭やGIGNの隊員達、輝夜に智世、桐原先輩、達也は唖然とした。

大の大人がこうも泣き喚くとは思ってもいなかったからだ。

 

「これ、削ぎ落して良い?」

 

「駄目ですよ。一応、ブランシュの幹部でもあるんですから、」

 

「酷い泣き喚き方ねぇ。」

 

「取り敢えず止血して黙らすか。」

 

「それなら俺が。」

 

十文字会頭が、魔法で切断された腕を焼いて塞ぎ止血した。

焼いたことによってか、司一は無様に泡を吹いてその場に倒れこんだ。

 

「各員、拘束。身柄は段ボール箱に入れて公安に宅配しとけ。」

 

「「「(なんで段ボール箱???)」」」」

 

達也や桐原先輩、十文字会頭の他私も智世も疑問に思ったがその場はGIGNに任せることにした。

後から合流した深雪に真っ赤になった輝夜を見て、冷静に達也が

 

「深雪、輝夜の返り血、落としてやってくれ。」

 

「彼処参りました。輝夜さん、少し動かないでくださいね。」

 

そう言って、深雪は発散系の魔法で輝夜の返り血を吹き飛ばすと、智世が

 

「輝夜、もう少し動かないでね。」

 

と言って、

 

「鎮め、鎮め、夜の森唄。

癒せ、癒せ、エドヒガンの子。

忍ぶ蹄を、お前の枝が包むように。」

 

エリアスに教えてもらった魔法を智世なりにアレンジした回復魔法を私に掛けた。

その魔法は、私の身体に出来たちょっとした切り傷を全て塞ぎ、傷そのものが無かったかのような状態にしたのだった。

 

「智世、それは・・・」

 

「これが智世の魔法。そこの十師族が喉から手が出るほど欲しがるわけだ。」

 

「な!?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「手出しすれば、家はおろか三代に渡るまでの血筋を途絶えさせ、存在そのものを消すからね。覚えておきなさい、十文字」

 

「・・・・・・・・」

 

冗談を言っているようには見えない。現に相手が十師族だというのに、GIGNの隊員は皆銃口を十文字に向けていた。

 

「・・・・・分かった。」

 

十文字がそう言うと、全員が銃口を下げた。流石の十文字とて、多方向から多数の銃口が覗けば冷や汗なんてものでは済まなかっただろう。現に彼の背中は汗でべったりと濡れていた。

工場を出ると、ヘリコプターが1機待機していた。

GIGNのメンバーは車で移動し、智世と私はイェーガーが操縦してきたヘリで帰ることになった。尤もそれは誰にも気づかれずにだが。

工場でお開きのような形となり、司波兄妹は、GIGNの隊員と途中まで送ってもらい、帰路に着いた。

他の人達は十文字が運転する高機に乗って大学まで行ったのだがその間、十文字に対する冷たい視線が絶えなかったのだとか。

 

 

同時刻

2か所のブランシュ拠点に一斉攻撃が為されていた。

デルタフォースとスぺツナズ合同部隊による夜間急襲により、ブランシュ支部の構成員らを含むほぼ全員が死亡。建物内に化学兵器が開発されていたため、最後には兵器破壊の為に空母から発艦した無人攻撃機XFA-36ゲイムから放たれたAGM-65マーベリックの集中運用で建物ごと爆破した。更にサーモバリック誘導爆弾により、両部隊撤退後、辛うじて生き残った構成員らをコレが襲った。

地下に基地を作り、車両移動用のエレベーターが基地の真ん中にあるため、エレベーター本隊が一番下にある状態で、上部隔壁が事前に破壊されている為、障害物無く、初弾の通常弾が基地に命中し、基地機能を破壊すると、後から発射されたサーモバリック誘導爆弾によって大爆発を引き起こし、化学兵器に熱衝撃で圧力を掛け破壊。更に破壊された化学兵器の衝撃波と合わさってサーモバリック爆弾の爆風衝撃波が基地内部全てを襲い酸素を燃焼により消費しつくす為、一酸化炭素中毒・酸欠・呼吸困難を引き起こし窒息死させるのだ。

この大爆発は、周囲に地震のような揺れを引き起こしたが、震度1程度の極めて弱い地震であった。後日、警察がこの場の調査に訪れた時には、基地に入る為の出入り口が熱よってひしゃげて、軍を出動させてこじ開けなくてはならない事態になった。

 

更に、基地内部に入った警察官4名が体調不良を訴え、病院に搬送された。

駆け付けた警察のレスキュー隊によると、基地内部の酸素濃度が極めて低く、外部から空気を入れるか、酸素マスクを付けて行動しなければ死に至る可能性があるという状況下であったため、基地内部へ空気を送るホースを設置して後日調査に入る事が決まった。

魔法を使いたかったが、アンティナイトが有る為か、魔法が発動しないというのが度々あった為、アナログ作業となった。

 

しかし、調査した結果窒息死した死体や銃殺された死体で溢れ、そのどれもが公安がマークしていた人間であった。化学兵器を開発していた機器があったのだが、熱で溶け使い物にならなくなっていた。化学兵器も爆発した後だったらしく中身が何なのか分からないのだとか、しかも汚染の心配が無いというもので。

 

国は、反魔法組織による暴走と位置付け、基地を襲撃した勢力も何もかも不明なまま終わった。

あの日、撤退した警察部隊の隊長らの異動が行われていたが、彼等(RAINBOW)には知る由もなかった。

 

 

 

 

 




レインボーシックスシージは未プレイなんですけどね。
youtubeとかでMADとか聞いて見ているとどれもカッコイイんですよね。


物語完全なご都合主義ですいません。


それではまた。

今回の投稿が平成最後の投稿となるか!?
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