Another Century's Episode:The X 作:天羽々矢
エースって言葉を知ってるか?
どっかの誰かさんは、この人間には3つのタイプがあるって言ったらしい。
強さを求める奴
プライドに生きる奴
戦況を読める奴
この3つだ。
でも、俺はそんな連中がエースなんて思わないね。
何故なら、この世界は腐り切ってる上に誰もそれを変革しようとしない。
どんなに強くても、プライドが高くても、今の状況が分かってても動きやしない。
消されるのが怖いからだ。
――――――とある少年の言葉より抜粋。
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世界は混沌に満ちている。
新暦99年、脆弱化した時空管理局に代わり各世界の大企業が集結。時空管理局を吸収し新たな1つの組織が立った。
『時空統治連合』
時空連や連合とも呼ばれるこの組織は最初こそ治安と秩序の維持に貢献したが、形骸化が進みかつての管理局の理念を捨て各次元世界へと侵攻、その殆どを手中に収めた。
その手段に反発した人々はこれに対抗・打倒すべく各々の反動勢力を組織。連合を衝突を繰り返していた。
誰もが正義となり、誰もが悪となる。
そして誰もが被害者にも、加害者にも成り得る。
平和とは、秩序とは何か。
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第3管理世界と呼ばれる世界ヴァイセン。この都市の廃棄された地下鉄路線。廃棄されたとだけあり中は1部崩落していたり天井のパイプに亀裂が入りそこから水が漏れ出ていたりする。
その廃線を進む1つの影。
それは人の形をしたロボットであった。
脚部のジェットエンジンを吹かし床を滑走するように移動している。
そしてそのロボットの操縦席に居座る1人のまだ年端も行かない青年。
綺麗に梳かれた黒色のショートヘアに黒茶色の瞳を持った男、
そして彼のかるロボットは「VF-19A エクスカリバー」。時空統治連合が開発した可変戦闘機と呼ばれるカテゴリーに属する機動兵器であるが、どういう訳か今は連合に属していない彼の手にある。
【上手くいきましたねトーヤ様】
「あぁ、一先ずはなリン」
青いランプが点滅する携帯端末から女性の声が聞こえ青年に声をかける。
その声は青年をトーヤと呼んだ。
青年の名は羽切トーヤ。そして声をかけた女声の主はリンと呼ばれた。
だが、そんなトーヤの背後から接近する影が。
《隊長、トンネル内でターゲットを発見しました》
それは鋼鉄の装甲を纏った5~7メートル程の逆関節の巨人。
左手には左側面に弾倉が付けられたライフル、右手には上部に弾倉が付いたライフルをそれぞれ持ち、胴体に付いているブースターを吹かし左隣のレーンへ移動する.
《地下のテロリストめ・・・。秩序を乱す汚物は消去されるべき。それが我々、警備部隊の役目だ》
《了解、撃破します》
隊長と呼ぶ男の指示を受け、巨人はブースターを更に吹かしVF-19Aを猛追する。
それにトーヤも気づいた。
「警備部隊の
トーヤの言ったアーマード・コア。
これは連中が管理世界から発掘した古代技術をベースに作り上げた汎用機動兵器であり、胴体をコアに頭部、腕部、脚部等と言った各部位をユニット化する事で地形を選ばない高い汎用性を実現できている。
それが自分の背後から猛追してきている。
「ここで逃げても埒が明かない、リンは先に行け、後で合流だ!」
《了解》
先にACを片付ける事にしたトーヤは、ヴァイセン上空で待っている2ローターの大型ヘリコプターを操作するリンに指示を飛ばし、リンは指示通りヴァイセン上空から移動を開始。
トーヤは機体を反転させ、バックしながら滑走し出口を目指す。そしてその視線の先には追い付いてきた警備部隊のAC。逆関節脚は追加ブースターにより高い推進力を得る上に全高はロボットであるVF-19Aよりも小型であり狙いずらい。
だが、事は単純でなく、VF-19Aにはエンジンで発電した電気を用いて強化されるエネルギー転換装甲が用いられており通常の兵器より強固だ。
お互いの長短所を比べれば、アドバンテージはより小型なACにあるだろうが、最終的な結果はパイロットにゆだねられる。
トーヤが逃げ、ACが追う布陣での戦闘になる。
柱を遮蔽物に互いに銃の打ち合いになる。だがパイロットの腕ではトーヤの方が勝っているようだ。
敵は狙ってはいるものの弾は壁や柱に当たってばかりいる。対してトーヤは柱間を縫うように移動しながら的確に狙っていく。
そしてお互いに同一レーンに飛び出した時にトーヤが勝負に出た。
脚部のエンジンナセルに当たる部分のカバーが開き、そこからCHM-2 高速機動ミサイルが発射される。
ACはブースターを使って回避しようとするがトンネルという閉所である上に辺りには瓦礫も散乱している。
その瓦礫に足を取られバランスを崩した所にミサイルが迫る。
そしてミサイルが直撃しAC各所から炎とスパークが上がる。
それでも執念でVF-19Aを追おうとするACだったが爆発が起きて右腕が外れる。そしてバランスを崩して左に流され壁に接触。何メートルか引き摺って左腕も外れる。そのまま進み正面の瓦礫の山に突っ込み転倒。そのまま動かなくなった。
トーヤはそれを見届けた後にその場を後にする。
「リン、追っては片付いた。すぐ行く」
《分かりました》
リンと軽い会話をし、丁度出口らしき光も見えてきた。
そこでトーヤはVF-19Aを戦闘機の姿へ変形させ空へ飛び立っていった。
・・・え~また性懲りもなく新作投下です。
ただ今回はガス抜きレベルですので。
それとこの作品に関するお知らせを活動報告欄に上げました。