Another Century's Episode:The X   作:天羽々矢

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ミッションを受けMS乗りである朝倉カズマと共にヴァイセンの次元港を襲撃するトーヤ。
そこで2人の前に立ちはだかるは、連合の新型機であるSガンダム。

OP:DREAMS/ROMANTIC MODE


Episode02 激闘 ヴァイセン

《覚悟しろバルチャー共!!》

 

Sガンダムがオープン回線で煽ってくると同時に右腕に持つビームスマートガンをVF-19Aとジェガン改に向け発射。

2機はそれぞれ別方向に回避するが、そこへ準備を終えた連合のMS,スタークジェガンやジム・クゥエル、ジェスタ・キャノンも参戦してきている。

 

「やべぇ、このままだとじゃ共倒れだぞ!」

 

《ここは一旦散るぞ、後で落ち合おう!》

 

「了解、くたばるなよ!」

 

トーヤとカズマは別方向へ散り、それぞれMSの相手をする。

だが、トーヤの乗機は可変戦闘機。MSが携行するビームライフルはとてもではないが防ぎきれない。1発でも掠れば致命傷になりかねない。

だがそれはMSも同様のはずだ。トーヤは追ってきたスタークジェガン1機とジム・クゥエル1機、ジェスタ・キャノン1機を相手に徹底的に動き回る。幸い大気圏内の為に活動時間に制限は無い。

 

《クソ、ちょろちょろと逃げんじゃねぇ!》

 

逃げてばかりで攻撃が当たらない連合のパイロットは徐々にフラストレーションが溜まっていく。

そこへVf-19Aが1機のジェスタ・キャノンの背後で止まる。

 

《そこかぁ!!》

 

それに気づいたジェスタ・キャノンがすぐに振り向きビームライフルを向けるが、その前にVf-19Aが回避すると同時にジム・クゥエルが撃ったビームライフルがジェスタ・キャノンの右腕に命中し持っていたビームライフルを腕ごと落としてしまう。

 

《なっ!?おい何やってんだ!?》

 

《し、仕方ねぇだろ!?そこに突っ立ってる方が悪いんだ!!》

 

《んだとぉ!?》

 

フレンドリーファイアを起こし仲間割れしている所にトーヤのVF-19Aがビームライフル目掛けダッシュ。

ジェスタ・キャノンのビームライフルはエネルギーパック方式である為VF-19Aでも使用できる。

 

Vf-19Aがビームライフルを取り、右腕を失ったジェスタ・キャノンへ肉迫。

 

《や、やめろ!来るなぁぁぁっ!!》

 

ビームライフルをコクピットへ突きつけそのまま発砲。ビームがジェスタ・キャノンのコクピットを貫き糸が切れた人形のようにその場に倒れる。

 

《この野郎!よくも仲間をやりやがったな!!》

 

味方が撃破された事に更に激昂したジム・クゥエルのパイロットはビームライフルとビームキャノンをVF-19Aの足元へ連射するが、トーヤはそれを巧みなペダル操作で回避続け隙を見て一気に懐へ飛び込む。

そして左脚部でジム・クゥエルを蹴って体勢を崩した所へ再びビームライフルを発射。肢体を撃たれそのまま転倒、行動不能となった。

 

《おい冗談だろ、バルチャー1人に2機もやられたってのか!?》

 

残ったスタークジェガンのパイロットは現状況に理解が追いつかない。

だがそれでもトーヤだけでも撃破しようとビームライフルを向ける、しかしVF-19Aは倒れたジム・クゥエルを盾にするように起こしその影に入る。

 

《や、やめろ、撃つなぁぁぁ!!》

 

ジム・クゥエルのパイロットが味方のスタークジェガンに叫ぶが無線が壊れていた為に届くはずもない。

無慈悲にもスタークジェガンから閃光が放たれジム・クゥエルのコクピットを貫いた。

コクピットを貫かれたジム・クゥエルはしばしのスパークの後に爆散。

 

《やったか・・・!?》

 

思わずスタークジェガンのパイロットは安堵するがそれが致命的な隙だった。

爆炎の中から何かが飛び出しこちらに向けて飛んでくる。

それがビーム刃が展開されたビームサーベルだと理解した時にはビームサーベルの刃がスタークジェガンのコクピットを貫いた。

スタークジェガンの眼から光が失われその場で倒れこんだ。

 

そして収まってきた炎の中にはVF-19Aの姿が。

ジム・クゥエルのビームサーベルにはグリップにエネルギーCAPシステムが搭載されておりエネルギーの貯蔵が可能になっている。それにより短時間ではあるがVF-19Aでも使用できたのだ。

 

トーヤはそれをスタークジェガンに向け投げたのだ。ほとんど賭けだったが上手くいったようだ。

 

カズマの方も何とか3機とも片付いたようだが、両肩のミサイルポッドは空になった為にパージされていた。

 

「無事だったか」

 

《そちらもな。お互いしぶといな》

 

トーヤとカズマ、互いに軽口を叩き合う。

残るは新型機のSガンダムのみだが、当の機体本体がない。

 

「・・・逃げたか?」

 

トーヤはが周囲を警戒するが、何処にも見当たらない。

とうとう逃げたかと未だに持っていたビームライフルを降ろそうとした時だ。

 

《!上だっ!!》

 

カズマが叫んだ。

上空から太陽を背にSガンダムが急降下してきている。

 

Sガンダムは持っていたビームスマートガンを発射。標的はトーヤ。

2機はそれを回避しSガンダムは2機の間に割り込む形で着地。そして頭部から何かが出てくる。

オールレンジ攻撃兵装のインコムだ。

 

トーヤはそれに気づき、機体を捻らせ紙一重でインコムから放たれたビームを回避。

 

《インコムの攻撃を読んだってか!》

 

ビームを撃ったインコムはSガンダムの頭部に戻る。

だが、その際中に光る糸のような物をトーヤとカズマは見逃さなかった。

 

「ワイヤー?」

 

《有線操作か。ならワイヤーを切断すれば終わりだ》

 

《何話してるか知らんが、終わりだ!》

 

再びSガンダムの頭部からインコムが射出され標的をトーヤに設定。インコムがVF-19Aの背後に回ろうとする。

しかしそこでカズマのジェガン改が右腕に内蔵されているビームサーベルを展開。そのままインコムのワイヤーへダッシュしビームサーベルでワイヤーを切断。それにより制御を失ったインコムは地面に落ちる。

 

《クソ、よくもやったな!》

 

Sガンダムのパイロットはジェガン改にビームスマートガンを向けるが、そこでジェガン改の背後からVF-19Aが飛び出し、構えているガトリングガンポッドでビームスマートガンを撃つ。

兵装は構造上、強固に設計できない。可変戦闘機の武装でもMSの兵装を破壊する事は可能だ。

ガンポッドから放たれた銃弾がビームスマートガンを撃ち抜き手元で爆発。それに煽られSガンダムが体勢を崩した。

 

そしてその爆炎からカズマのジェガン改が飛び出し、右脚でSガンダムを蹴り仰け反らせ、そこにビームライフル下部のビームガトリングを叩きこむ。

 

《うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!》

 

パイロット断末魔が響き、コクピットに多数の風穴が空いたSガンダムは後ろへゆっくりと倒れていく。

その後動く事はなかった。

 

それを確認し一息ついたトーヤにリンから通信が入る。

 

【敵の新型MSの撃破を確認。素晴らしい戦果です】

 

「・・・今回はカズマのお陰だ。俺だけだったらヤバかったぜ」

 

《俺も同じような物だ。礼をいう、ありがとう》

 

トーヤの言葉を聞きカズマが謝礼を述べる。

しかしSガンダムと他のMSに気を取られていた為に残っていた連合の艦船には逃げられてしまった。

トーヤはすぐに機体をファイターに変形させようとしたが、

 

【作戦時間終了。ただちに撤収してください】

 

リンから撤収の指示が入った。時間切れだ。

溜め息をつき仕方なく操縦桿から手を離すトーヤ。

だが部隊の8割を撃滅し新型MSまでも撃破した。戦果(リザルト)としては上々だ。

 

帰ろうとした時にカズマが撃破したスタークジェガンやジェスタ・キャノンの残骸を漁っている事に気づいた。

つい気になりカズマに問う。

 

「何してんだ?」

 

《戦利品をいただいてるんだ》

 

戦利品という言葉にトーヤも悪知恵が働いたか、VF-19Aから降りSガンダムの残骸へ。

コクピットは完全に潰れていたが他の部位が無事な為、そこに使われている電子部品を探っている。

 

 

 

***

 

 

 

ミッションを終え仲介人に報告をしに酒場へ戻った2人。

部隊8割の撃滅と新型機の撃破による報酬は512000クレジット。だがSガンダムを最終的に撃破したのはカズマである為、取り分はカズマが6割、トーヤが残りの4割となったが別段不満はなかった。もしもの時はSガンダムから抜き取った電子部品を売ればいい。

 

「また会う事があったら頼むぜ、MS乗りの傭兵カズマさんよ」

 

「こちらこそ。敵として会わない事を祈っていよう」

 

簡単に挨拶を済ませトーヤは酒場から出ようとした。

 

「あ、トーヤ!」

 

そこで青色で右側が顔にかかり気味のアシンメトリーのボブカットをしたエメラルド色の瞳のトーヤと近しい歳の少女と会う。

彼女の名はイチゴ・テスタロッサ。

かの金色の閃光の異名で知られるテスタロッサ・ハラオウン執務官の苗を名乗っているが、実際上彼女は血縁ではなく養子縁だ。

だが今ではすっかり数も少なくなった魔導師でもある。

 

「イチゴか、何だ突然?」

 

「あ・・・ここじゃ話せないから裏で話すよ」

 

そう言ってイチゴはトーヤの手を引き酒場の裏手へ。

そこで改めてイチゴがトーヤに振り向いた。

 

「・・・トーヤ、本当に連合に入らないの?私から話して悪いようにはさせないから・・・!」

 

イチゴの言葉にトーヤは内心「またか」と思い溜め息をつく。

トーヤにとってイチゴはリーナ程ではないが毛嫌いしてる部類の人間だ。

その理由は、

 

「何度でも言うが、俺はお前の仕事先、オーメルとは関わる気ねぇぞ」

 

トーヤの言うオーメル・・・オーメル・サイエンス・テクノロジー社。

時空統治連合に与する総合軍事産業企業で特化技術だけでなく政治力にも長けた企業だ。

 

だがトーヤにはオーメル、ひいては連合の下に就くつもりはない。

しかしイチゴは魔導師としての素質等を買われオーメル社に就いている。これがトーヤがイチゴを嫌う理由だ。

 

「連合に逆らって生きていけると思ってるの!?私はトーヤに死んでほしくないから・・・!!」

 

「わりぃなイチゴ、とっくに決めた事だ。じゃあな」

 

イチゴの説得に耳を貸さずその場を立ち去るトーヤ。

その背をイチゴは追う事ができなかった。




BGM:Ignited(A.C.E:R ver)/Another Century's Episode R

ED:トリカゴ/リーナ・レヴェントン(CV:水瀬 いのり)、イチゴ・テスタロッサ(CV:市ノ瀬 加那)

募集はまだ継続中です!
詳しくは活動報告へ。

今回も趣味全開の駄文にお付き合いいただきありがとうございました!
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