Another Century's Episode:The X   作:天羽々矢

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ヴァイセンで連合の新型機の撃破に成功したトーヤとカズマ。
ミッションから戻ったトーヤを待っていたのはオーメル社に属する少女イチゴ。
イチゴはトーヤを連合に入るよう促すがトーヤの決意は鈍らずおのまま立ち去っていった。

OP:DREAMS/ROMANTIC MODE


Episode03 Link On(リンク・オン)

ヴァイセン襲撃の翌日、トーヤはVF-19Aのコクピット内で目覚めた。

あの後どっと疲れが来たトーヤは夕食を済ませた後安全そうな場所を探しそこに機体を停め眠りについたのだ。

 

資金は先日の依頼で入った為今日はどうするか考えている時だ。

 

【トーヤ様、ネットワークに侵入を試みた結果、今日はルヴェラにて反動勢力ラインアークとミリシアによる連合軍施設への威力偵察が慣行されます】

 

「反動勢力が?何でまた」

 

【不明です】

 

リンの言葉に頭の中で状況を整理するトーヤ。

理念や理想が違ってくる反動勢力同士が手を組む事は珍しい。そうまでする価値があるという事なのだろう。

・・・次の行動が決まった。

 

「リン、準備だ」

 

【と、言いますと?】

 

「ルヴェラに行くぞ。反動勢力と連合を出し抜けるかもしれない」

 

トーヤはVF-19Aの後部スペースにある銃のチェックを済ませ出発した。目標は第23統治世界ルヴェラ。

 

 

 

***

 

 

 

次元航行船に機体と自分達を紛れ込ませルヴェラに着いたトーヤとリン。

目指す目的地はルヴェラの都市部から遠く離れた山間部。だが空路でなら大してかからずに着く。

 

山間部では既に連合とラインアーク、ミリシアが戦闘を開始していた。今なら両軍の眼を欺き施設へ忍び込める。

 

「今連合の目は反動勢力の連中に向いてる。リン、このまま低空で施設に向かうぞ」

 

【了解】

 

トーヤのVF-19Aとリンが操るヘリ「F21C STORK」が高度を下げ山岳地帯へ突入。施設へ向け高速で向かう。

 

 

 

***

 

 

 

施設に接近したトーヤは少し離れた場所に機体を留め、後部スペースから自身の武器であるCARサブマシンガンを取り出し更にマガジンを6つ、P2016セミオートピストルとマガジン5つ、サバイバルナイフを装備。

リンには非常時に備えVF-19Aに転送、要請があればすぐに向かえるようにさせた。

 

フェンスをよじ登り敷地内へ。扉は電子ロックになっているがトーヤは冷静に端末を取り出し扉の端末の端子につなぐ。すると扉の解錠コードが解読されそれを扉の端末に入力。

扉を開き施設へ侵入。

警備は手薄。恐らく大半が反動勢力の迎撃に駆り出されたのだろう。そのお陰で気づかれる事なく施設の奥へ。その中で特に厳重に隔離された部屋を発見。

 

「・・・何かありそうだな」

 

元々は連合を出し抜くつもりで来たトーヤ。もし何かを発見できれば連合にとっては大きな痛手になるに違いない。

部屋のロックを解除し部屋へ侵入。目の前には培養カプセルがありその中には、

 

「・・・女の子・・・?」

 

まだ9歳くらいだろうか、黒髪の幼い少女が培養液の中で眠るように瞳を閉じ浮かんでいた。

様子から察するに彼女は何かの被験体なのだろう。

 

ヴィー!!ヴィー!!

 

「っ!!」

 

施設内に鳴り響く警報。どうやら侵入がバレたようだ。

脱出しなければならないが、カプセルに入れられている子も放っておいたら良からぬ事に利用されるかもしれない。

カプセル前のコンソールに端末を繋ぎハッキング。ロックを解除した後にコンソールを操作しカプセルの培養液を排出。カプセルを開ける。

少女がカプセルから落ちそうになるがトーヤがそれを受け止める。

少女は気を失っているままだが何とかここから連れ出さなければならない上に彼女はカプセル内にいた為に服はおろか下着すらもつけていない。

幸い着る物は部屋の中に手術服のような白いワンピース型の服があった為それを着せればいい。

 

トーヤは服を着せてすぐ少女をおんぶし、最短ルートを通って施設の外へ。

比較的広い所へ出てリンに回線を繋いだ。

 

「リン、今すぐこっちへ来い!」

 

【要請了解】

 

トーヤの指示を受けリンがVF-19Aを起動させ急行する。

トーヤの上に到着した所でVF-19Aがガウォークへ変形し降りてくる。その時のエンジンからの排気風で多少煽られるもすぐにコクピットへ。少女を後部座席に乗せた後に操縦席に座りすぐにキャノピーを閉める。

この場から離れるべく上昇を開始した時にリンから警告が。

 

【警告。VOBによる敵性ネクスト級ACの接近を感知】

 

その警告にトーヤが舌打ちする。

VOB、「ヴァンガード・オーバード・ブースト」はネクスト級ACの背部に取り付ける外付けの大型ブースターで、使い捨ての上に効果も短時間ではあるが、2000キロ級の速度を叩き出せる為ACでの強襲や突撃、長距離輸送に用いられる。

VF-19Aでなら最大速力であれば振り切れるだろうが少女はおろかトーヤ自身も無事で済む保証はない。

 

やむを得ずその場でネクスト級ACを迎撃する選択をしたトーヤは少しでも施設から離れるべくファイターへ変形させるが、そこで轟音が背後から迫ってくる。間違いなくVOBの物だろう。

そしてVF-19Aの頭上を何かが飛びこし向き直り、それを見たトーヤも機体をバトロイドに変形させる。

 

前に降り立ったのは戦闘機のような鋭いボディが前傾姿勢を取った特徴的な白とアクアブルーの機体。トーヤにはすぐ分かった。

 

「白青のライールって事は、お前かイチゴ」

 

《トーヤ・・・》

 

トーヤの言葉に正面のネクスト級のパイロット、イチゴから返答がある。恐らくオープン回線を使っているのだろう。

イチゴが駆るのはオーメル・サイエンス・テクノロジー社の最新ネクスト級AC「TYPE-LAHIRE」をベースとし、左腕に突撃ライフル「AR-0700」、右腕には同社製のショットガン「SG-0700」を装備。背部には一瞬で間合いを詰められる追加ブースター「ACB-0710」を装着した近接機動戦仕様機。

その名は「デルフィニウム」。

 

その時VF-19Aの後部座席に座らせた少女が起きた。

少女は周囲を見回し現在の状況を確認する。

 

「ここは・・・」

 

「起きたか?」

 

少女が起きた事を確認した事を確認したトーやは後ろに顔を向ける。

始めて見たトーヤの顔に少女は困惑するが、トーヤは現状を簡単に説明する。

 

「わりぃ、今お前は俺が施設から引っ張り出してきたとこなんだ。これからかなり揺れるが我慢してくれよ?」

 

少女にそう言った後すぐにデルフィニウムに向き直る。

 

《トーヤ・・・今連れてる子を降ろして退いて》

 

通信機越しに聞こえるイチゴの声は少し震えていたが、トーヤはそんな事では動じない。

 

「わりぃが、そいつは無理だな」

 

《お願い!トーヤを撃ちたくない!》

 

「お互い分かってたはずだろ?俺は連合に就かないバルチャーでお前は連合加盟企業オーメル社の所属。なら今やるべき事は一つなはずだぜ?」

 

《それでもっ!!・・・》

 

どうあっても2人の立場は相容れない。つまり必然的に対立する事になってしまう。

イチゴはそれでもトーヤを撃ちたくなかったが、トーヤは既に臨戦態勢を取っている。

 

《・・・分かった。それなら無理矢理にでも連れて行く!》

 

イチゴの決意とも取れる言葉を最後に通信は切れた。ここからは本気だ。

 

 

 

***

 

 

 

「ごめんね、付き合わせて」

 

【お気になさらないでください、お嬢様】

 

通信を終えイチゴはコクピット内で一独り言を呟いたかと思いきや女性らしき何者かがイチゴの言葉に返答した。

それはコクピット内で計器にセットされている青い総角錐の結晶。それが点滅し声を発している。

 

その結晶こそが魔導士の魔法の杖である「デバイス」。そしてその名は「アステリア」。

 

「それじゃ頑張ってトーヤを連れていかなくちゃ。サポートお願い!」

 

【仰せのままに】

 

イチゴの言葉にアステリアはすぐに反応。

デルフィニウムの足元に二重の正方形を中心に配置した真円形の魔法陣が出現。

そして下から上へとデルフィニウムを通り抜けていき通り切った所で魔法陣は消えた。

 

 

 

***

 

 

先手を仕掛けたのはデルフィニウム。左手に持つ突撃ライフルを真っ先に発砲するがVF-19Aは直上へ跳躍。そのまま上下反転し右手のガトリングガンポッドをデルフィニウムへ発射。

デルフィニウムはサイドブースターを吹かせ跳ぶかのように回避。そのまま地面を滑るように移動しガトリングガンポッドを回避していく。

そこでデルフィニウムが右手のショットガンを向け発射。VF-19Aは仰け反るようにしてギリギリでかわすが無理矢理回避した為にバランスを崩しそのまま落下する。

どうにもネクスト級相手では分が悪かったようだ。更にデルフィニウムを通った魔法陣。どうやらあれは機体の反応性を底上げするような魔法を仕込んでいたようだ。

 

「やっぱ素直に逃げときゃよかったかな・・・!」

 

次第に苦悶の表情を浮かべるトーヤ。

それを後部座席から見ていた少女はトーヤを見て何かを思ったのか決心したような表情を浮かべ目を閉じる。

 

「お、おい・・・?」

 

その様子に思わずトーヤが問いかけるが、

 

「コネクト・・・EM-CBX004テオドーラ」

 

少女が唱えるかのように言葉を呟いた。

すると逃げて来た施設の方で爆発が起こり、そこから赤色の装甲で包まれ背中に翼のようなスラスターを持ったロボットが飛翔してくる。

そしてVF-19Aの近くまで来ると胸部のコクピットらしき箇所が開く。

 

「あれは・・・」

 

「私をあれに乗せて」

 

突然の事にトーヤは困惑し、少女からは少女がテオドーラと呼んだロボットに自分を乗せてくれと頼まれた。

戸惑うままだがここは少女の言う事にかけてみる事にした。

トーヤはVF=19Aのコクピットを開け少女をテオドーラへ移そうとした。

 

《させないよ!》

 

そこへでが猛スピードで正面から接近。両手の武装を2人へ向けるが、

 

「そりゃこっちの台詞だ!」

 

トーヤが少女をテオドーラへ投げるように移した後に右腕にピンポイントバリアを展開。

接近してきたデルフィニウムを思い切り殴った。

 

「うわぁ!!」

 

咄嗟の事にイチゴは反応できず、拳の直撃を食らいそのまま後方へ飛び倒れる。

トーヤはテオドーラを見ると、少女は無事に乗り込みコクピットを閉めた。

 

少女はテオドーラのコクピット内で再び目を閉じ、そして操縦桿を握り、

 

「EM-CBX004テオドーラ・・・リンク・オン」

 

そう唱えた直後少女の身体光り出し、機体に溶けるようにその身体が消えていく。

そしてテオドーラのカメラアイが一際強く光り、スラスターを起動しその身体を宙に浮かべた。

 

「お前・・・」

 

その様子を見たトーヤにテオドーラから通信が入った。

 

「・・・私は人間じゃない。私は戦う為に造られたデバイス・・・リンク・デバイスだから」

 

テオドーラと融合した少女は自身をデバイスと言った。




ED:トリカゴ/リーナ・レヴェントン(CV:水瀬 いのり)、イチゴ・テスタロッサ(CV:市ノ瀬 加那)

先週金曜に落雷でネット回線が死んで、今日やっと復旧しました・・・
それとこの作品に関する案件を再び活動報告に上げました。

今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました!
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