Another Century's Episode:The X 作:天羽々矢
彼女の駆るデルフィニウムにトーヤは苦しめられていく時に少女は赤い機体テオドーラを呼びそれと融合した。
OP:DREAMS/ROMANTIC MODE
少女と融合したテオドーラは、トーヤのVF-19Aの隣に降り立った。
《ここからは私も戦う》
「そりゃありがたい!」
テオドーラと融合した少女からの援護の声を受けトーヤは気合を入れる。
その正面では先程のVF-19Aのピンポイントバリア・パンチで殴り飛ばされたデルフィニウムが再び起き上がっていた。
《やったねトーヤ、もう遠慮しないよ!?》
「最初からそのつもりだ!」
エンジンを吹かし地面を滑るように突撃するトーヤのVF-19Aと、ブースター全開で滑走してくるイチゴのデルフィニウム。
両者がそれぞれ右手の武装を突きつけ同時に発砲。イチゴはVF-19Aのガンポッドを、トーヤはデルフィニウムのショットガンをそれぞれ破壊した。
だがイチゴにはまだ左手の突撃ライフルがある。すかさずそれをトーヤに向けるがそこでデルフィニウムの右からビームが発射され突撃ライフルを破壊する。
「くっ!」
至近距離での爆発で僅かに機体が煽られるがすぐに持ち直しビームを撃った張本人を見やる。
それはビームライフルをデルフィニウムに向け構えているテオドーラ。
続けてデルフィニウム本体にビームを発射するがそれは何かのバリアのような物に阻まれた。
ネクスト級ACにはジェネレーターから発生する特殊粒子を安定還流させる事で、それを一種のバリアとするPA(プライマルアーマー)と呼ばれる機能がある。
これは小口径弾であれば無力する事は可能だが、貫通性の高い火器やレーザー等の光学兵器には効果が薄く、かつ小口径弾であろうと何度も受け続ければ還流が不安定となっていき効果が減衰していってしまう。
先程のビームを防げたのは単に兵装を破壊する為の出力だった為威力不足だった事だろう。
次は通常出力に戻して撃つはず。そうなればPAはほぼ役に立たなくなる。
《次は撃たせないよ!》
当然それはイチゴも承知。そこで腰部に格納されていたレーザーブレード「EB-0600」を2機取り出しそれを両腕に装備。そしてテオドーラへと突撃していくがそこに割って入ったのはトーヤのVF-19A。
再び右腕にピンポイントバリアを発生させ殴る体勢に入る。そして右拳を振るうがデルフィニウムも右腕のレーザーブレードを発生させ真っ向から激突。両者は弾かれる形となったがそこへビームライフルを構えたテオドーラがVF-19Aの背後から飛び出しビームを発射。
「くっ!」
すぐにブースターを駆使し後退するがビームが掠っただけでPAがかなり削がれてしまった。
そこに付け入るようにVF-19Aが最接近し、
「喰らえ!!」
今度は両手にバリアを展開。両腕で突き飛ばすようなパンチを繰り出す。PAの剥がれたネクスト級の装甲は大きなダメージを受ける。それが軽量機のであれば尚更だ。
「ぐぅっ!!」
衝撃に歯を食いしばりながら耐え、デルフィニウムは再び遠くへ飛ばされる。
一方のトーヤは今の一撃で勝利を確信したか背中を見せテオドーラと向かい合う。
「お前ともまともに話しておきたいからな、場所変えるぞ」
トーヤはテオドーラの少女にそう言った後に機体をファイターへ変形させそのまま上昇。
《あ、待って!》
それに少女もテオドーラのスラスターを吹かしてトーヤを追う。
「待ってトーヤ!」
イチゴもデルフィニウムを起こし後を追おうとするが、そこで突然デルフィニウムが機能を停止してしまう。
その理由はすぐに彼女のデバイスのアステリアが教えてくれた。
【ジェネレーターに損傷を検知。これ以上の経戦は不能です】
デルフィニウムの心臓部に損傷があり、それが原因で動作を停止していたのだ。
これによりイチゴは行動不能。遠ざかる2機の背を悔しさと悲しみがこもったような瞳で眺めるしかなかった。
***
デルフィニウムを退け、無事逃げきる事が出来たトーヤ達は一先ず森の中に身を潜めていた。
コクピットから降り、テオドーラ内の少女に呼びかける。
「追っては来てないんだ、そろそろ降りたらどうだ?」
それに応えるようにテオドーラが右膝を追って片膝立ちになる、そこで力尽きたかのようにカメラアイから光が失せたかと思ったらコクピットが開きそこから少女が降りてきた。
幸いな事に着せた手術服は融合の際に消失しなかったようで着たままだった。
「さて、どっから聞いたもんか・・・」
右手を顎に当て思案するトーヤ。
如何せん聞きたい事が山ほどある。だがまずは1番重要な事を問う事にした。
「お前、さっき自分が人間じゃないって言ったな?」
「そう、そのままの意味・・・」
そう言った後に少女は自分の正体を話し始めた。
彼女の名はレナ。
彼女は現在は製造されていないとされる「ユニゾンデバイス」と、かつて世間を震撼させた
その機能はユニゾンデバイスやシュトロゼックシリーズと同じ、所有者と融合しその所有者に驚異的な能力の向上をもたらすが、このリンク・デバイスはそれだけにとどまらず機動兵器とも融合でき融合したその兵器を動かす事ができる他その性能を各段に引き上げる事も可能という。更にその真価は所有者と機動兵器を、自身を介し繋がる事で有機端子を必要とせずに機体がそのまま身体になったかのような練度や技術を問わない動作を実現させるという。
その所有者と兵器を
だが重要なのはこの先。
レナ自身は今よりずっと昔に死に体となっているそうで、その時の蘇生措置としてユニゾンデバイスとして転生されたらしい。
元々はある国で妹と共に暮らしていたがその国は現在連合に侵攻され資源を搾取されているらしい。
だがレナにはユニゾンデバイス故か有効活用できるという事で彼女と引き換えに侵攻を止めると連合は言い出した。
当然彼女の身辺の人は拒否したがレナ自身はその要求を呑み連合に着いていき、その後はリンク・デバイスとしての改造を施されそして今に至るらしい。
話を終えたレナは悲痛な表情を浮かべていた。
「ごめん・・・私が一緒にいたらあなたも・・・」
だがレナが言葉を続ける前にポンと頭に手を置かれた。
「バーカ、子供が気張るなよ。1人は嫌だって顔に出てるぞ?」
そう言いつつレナの頭をなでるトーヤにレナはむくれた。
「それを言ったら、あなたもまだ子供の方でしょ!」
「まっ、そりゃそうなんだがお前がいなくとも連合に追っかけられるのにゃ変わらねぇよ。あいつらから
すぐ後ろにあるVF-19Aを軽く叩きながら言うトーヤにレナは溜め息をついた。
「何でそんなに・・・」
「俺だけじゃねぇよ連合と衝突してる連中は。奴らのやり方が気に食わないから自分達の生き方をしてる連中が大半だぞ、バルチャーって」
「バルチャー?それじゃあなたも・・・?」
トーヤのバルチャーという言葉にレナが反応した。
トーヤの言ったバルチャーとは連合の方針に賛同せず各地で物資の強奪や薬物、人身売買といった犯罪に手を染めたならず者の総称である。
だが最近では傭兵を始めとした放浪者も一括してバルチャーと呼ばれている。
「そ。俺もバルチャーさ。だからお前も連合からの戦利品って事で。いつまでか分からんがよろしくな」
そう言ってトーヤはレナに右手を差し出す。
それをレナは取ろうとするが、何かためらっているのか右手を引く。
「でも、私は人間じゃ・・・」
「人間じゃなかろうがなんだろうが、お前がお前って事には変わりねぇよ」
そう言って再びレナに右手を差し出すトーヤ。
それにレナは涙を浮かべながらも笑顔を浮かべ、その右手を取った。
BGM:あんなに一緒だったのに(真・ガンダム無双ver)/真・ガンダム無双
ED:トリカゴ/リーナ・レヴェントン(CV:水瀬 いのり)、イチゴ・テスタロッサ(CV:市ノ瀬 加那)、レナ(CV:佐倉 綾音)
今回もこの駄文にお付き合いいただきありがとうございました!