Another Century's Episode:The X   作:天羽々矢

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グレンデル一家を退け無事に物資の強奪を完了したトーヤとレナ。
そんな2人に反動勢力ラインアークからの依頼が入る。

OP:DREAMS/ROMANTIC MODE


Episode07 Battle ground(バトル・グラウンド) ACT1

第34無人世界と呼ばれる次元世界「マウクラン」。

 

その世界の宇宙空間にて大艦隊同士が激しい戦闘を行っている。

だがその一方の勢力の艦隊が追い詰められていた。

 

その艦隊の旗には白地に一本の黒い横線。それがラインアークのシンボルマークだ。

 

「敵機、右舷より接近!数4!」

 

「対空迎撃!!」

 

一隻のラインアーク艦の乗務員が慌ただしく動く中、その艦の右側から4機のMSが編隊を組んで接近してくる。

ゴーグル状のカメラアイを備え右肩にキャノン砲を備えた機体「ジム・キャノン」。

 

ラインアーク艦は迎撃の為に機銃を掃射するが戦艦からすれば小さいMSを狙うのは難しく接近を許し4機一斉に右肩のキャノン砲を発射。

キャノン砲が直撃した艦は各所から炎上し始め遂に爆発、轟沈する。

 

それを見たジム・キャノン4機は踵を返し戻ろうとしたがそこに背後からビームが撃たれ4機とも撃墜される。

そしてその近くを1機のMSが駆け抜ける。

白を基調とし胸部やスラスター部は濃紺のカラーリング。機体には両肩部に追加のブースターユニットであるフルドドⅡを装備したガンダム、「ガンダムTR-6」。

 

「・・・間に合わなかった・・・」

 

そのTR-6のパイロットの青年、レイ・ムラサメは撃沈された味方艦の残骸を見て悔しげな表情を浮かべながらそう呟いた。

 

《ライン2-2、現在こちらへ向かっているバルチャーがいます。彼らと合流してください》

 

「了解」

 

味方の指揮官から連絡が入りレイはレーダーを確認。現在ラインアーク艦隊後方より接近するバルチャーの機体2機を確認し合流すべく機体を進める。

 

 

***

 

 

時空連艦隊からの砲撃を回避しつつ艦隊へ向け進行する2機の機体。

 

ラインアークからの援護依頼を受けたトーヤのVF-19Aとレナのテオドーラだ。

 

今は2人共宇宙戦用の装備を施しており、VF-19Aはブースター兼増槽のファストパックと主翼ハードポイントにHMM-111CSハイマニューバミサイルを装備、レナは宇宙用のパイロットスーツを着用している。

 

「ラインアーク艦隊に加勢するぞ!」

 

《分かってる!》

 

トーヤとレナは機体を加速させ時空連艦隊へ突入。

そしてそれを阻止せんと正面から5機の連合軍の可変戦闘機「VF-171」が接近してくるが、トーヤは真っ先にその5機をロック。搭載しているマイクロミサイルを発射し5機全てを撃墜。

 

更にトーヤの左前方からも3機のジム・クゥエルが接近するがテオドーラのビームライフルで撃破された。

 

ジム・クゥエルを撃破したレナがVF-19Aの左隣に着き、お互いにサムズアップをした所で2人に近づく1機のMS。

レイのTR-6だ。

 

《こちらラインアーク所属、レイ・ムラサメです。これよりそちらの援護を開始します》

 

「仲介人の話にあったガンダムのパイロットさんか?了解した、よろしく頼むぜ」

 

簡単に挨拶を済ませるとレイはすぐさま時空連艦隊へ突入。トーヤとレナも加速し艦隊へ突入していく。

 

《いけない!トーヤ!連合の艦がラインアークの戦艦を狙ってる!!》

 

ここでレナが叫びに近い声を出し、彼女の先には今まさに主砲でラインアークのL級次元航行艦に止めを刺そうとしている。

 

「させるかよ!」

 

トーヤはVF-19Aの兵装をCHM-2高速機動ミサイルに変更。エンジンナセルのカバーが開きミサイルが主砲へ向け発射。

ミサイルは吸い込まれるように連合艦の主砲に直撃し、チャージしていたエネルギーが誘爆。

それは艦体を巻き込み大爆発を引き起こした。

 

「ラインアーク艦、大丈夫か?」

 

《本艦は健在。応援に感謝する!》

 

トーヤの声にラインアーク艦から返答が来た。どうやら無事なようだ。

だが、

 

「やべ!奥にもう1隻いやがる!」

 

更に奥に連合艦がもう1隻、ラインアークのL級次元航行艦を狙っている。

今のトーヤの位置からでは間に合わない。

 

《任せて、私がやる!》

 

そこで名乗りを上げたのはレナ。発砲寸前の連合艦から位置が最も近い。

テオドーラが敵艦へ向かいビームライフルを発射。敵艦の主砲を貫き発射を阻止。続けざまにビームを敵艦の艦橋へ発射。

艦橋を失った連合艦は制御を失いあらぬ方向へ航行していく。

 

《すまない、助かった・・・》

 

「よかった・・・」

 

援護が間に合った事にレナは安堵するがそれが隙となった。

レナの背後から3機編隊を組んだジム・クゥエルが接近。それにレナが気づいたが迎撃が間に合う距離でない。

それにレナが気づき背後を向いたがもう間に合わない。

 

だがそこでジム・クゥエルの頭上からビームが3発放たれジム・クゥエルを頭から撃ち抜いた。

上を見れば、レイのTR-6が右腕に装備される主兵装「コンポジット・シールド・ブースター」のロング・ビーム・ライフルの銃口を構えていた。

 

「あ・・・」

 

《・・・周辺の脅威を排除。任務を続行します》

 

レイはレナが謝礼を述べる前に淡々と台詞を口にしすぐに戦闘に戻る。

 

「レナ、大丈夫か?」

 

「大丈夫だけど、何あの態度・・・?」

 

テオドーラの下にガウォーク形態のVF-19Aが接近。トーヤがレナに無事を確認する。

どうやらレナは先程のレイの態度が気に食わないようだ。

 

「あの感じ、多分コミュニケーションが苦手なんじゃねぇのか?」

 

「そう・・・?」

 

トーヤの仮説をレナは疑問に思う。

だがその思考も近くにいたラインアークのマゼラン級宇宙戦艦の轟沈により中断される。

 

「やべっ!俺たちも行くぞ!」

 

「うん!!」

 

味方艦の撃沈により状況を再認識したトーヤとレナは機体を変形させ時空連艦隊へ突っ込む。

その道中でレイのTR-6が連合のVF-1718機に足止めを食らっていたが、トーヤとレナの射撃により6機が撃墜され、それにより陣形が崩れたVF-171をTR-6のビームライフルが撃ち抜いた。

 

《援護に感謝します》

 

「これでさっきの借りは返したから」

 

2人の援護に謝礼を述べたレイにレナは無愛想にそう返す。

 

そこから先は3人で編隊を組み、突破を試みようとしている連合軍のVF-171やジム・クゥエル、更に艦隊直掩のギャプランを相手に敵艦隊を突破していく。

 

「このまま艦隊中央を突破するぞ!」

 

『了解!』

 

トーヤの号令にレナとレイが返答し、3機は連合艦の主砲を潰しながら連合艦隊旗艦を目指す。

時空連艦隊の艦と艦の間を抜け艦隊の後方へ抜けていく」。そして遂に見つけた。1隻だけ他と違う。明らかに後方に陣取る駆逐艦や巡洋艦よりも大型の艦。

 

「何だあの船?随分変な形してるな」

 

素直な感想をトーヤが述べる。

艦の中央上下に設けられた開放式カタパルト計2基、これも同じく艦上下に設置された2連装主砲計4問。

その答えはレイが出した。

 

《艦種データ照合完了。連合軍艦隊旗艦のアマルテア級に間違いありません》

 

淡々と答えたレイの言葉に、トーヤとレナがその戦艦、アマルテア級戦艦を見やる。

だが、目の前の船が旗艦だという事はそれをどうするかは決まっている。

 

「ならあの艦を沈めりゃ勝ちって事だろ?分かりきってんならいい!」

 

言うや否やトーヤはアマルテア級戦艦に向け加速。

 

《・・・はぁ、やるしかないか》

 

レナは溜め息をつきながらも、レイは何も言わずに愛機を加速させる。

 

 

***

 

 

《敵機の接近を確認!》

 

一方、アマルテア級では3機の接近を探知し緊急発進準備を行っている。

他の機動兵器の運用データから新開発された新たな機動兵器・・・。

 

PT(パーソナルトルーパー)ビルドシュバイン、ゲシュペンストMk-2、発進!》

 

そして3機を迎撃する為、新型兵器2機が宇宙にその翼をはためかせる。




BGM:セクターα宙域/スターフォックス ゼロ

ED:トリカゴ/リーナ・レヴェントン(CV:水瀬 いのり)、イチゴ・テスタロッサ(CV:市ノ瀬 加那)、レナ(佐倉 綾音)


体調を崩した上に自分で納得できる文が書けなかった為に2か月強かかった上にかなりの妥協と2パートに分けるという・・・

今回もこの駄文にお付き合いくださりありがとうございました。

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