ちかなんとーーー。   作:黄昏虎おじさん

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大学2年の春、新入生らが入る頃に主人公は偶然チカと出会い、ひょんなことから2人の付き合いが始まる。
やがて仲良くなる2人は友人から恋人になり…、
彼女と過ごすクリスマスの夜。


オリジナル短編一話
本編


チカ「あ、今からだね。」

主人公「?」

チカ「今日はこれから”せいのろくじかん”って言うらしいよ!ふふん♪よく知ってるでしょ!」

主人公(ぶっー!!)

主人公「…チカちゃんそれ意味わかって言ってる?」

チカ「さあ?」

主人公「…」

主人公「…チカちゃん、それはね。世の多くのカップルがその時間にーーー。」

チカ「ふぇええ!?!そういう意味だったの!?」

主人公「うん。」

チカ「っー///」

主人公「ちなみに、僕達もカップル…。」

チカ「…あー!ちょっと暇だよねぇ!!あ、そうだ!トランプでもして遊ぼうよ!!」(タジタジ)

主人公「チカちゃん!」

チカ「ひゃ!ひゃい!」

主人公「チカちゃんは、さっき言ったようなこと…どう思ってるの…?」

チカ「あー…えっとぉ…そのぉ…うーん///」

主人公「…ごめん、つい。」

主人公「トランプして遊ぼっか。」

チカ「まっまって!」

チカ「えっとね…実は少し…、そういうことも…きょうみあるなー…なんて…。」(オロオロ)

主人公「ははは…無理しなくていいんだよ。」

主人公「つい僕も話題を振られちゃったから、聞いてみたかっただけだし。そういうことはやっぱりお互いに…」

チカ「あのね!」

チカ「えっと…上手く…言いにくいだけなの…。」

チカ「そういうことって…、チカは経験ないし…私にはそう縁がないことだろうなーって思ってたから、なんだか夢物語のような気がしてて…。」

チカ「でもあなたのこと、好きになって…デートして。」

チカ「最近たまに思うんだ、別れる時にもっとあなたを、愛してあげられないのかな…って。」

主人公「…」

チカ「キスだけじゃなくて…、もっと…2人じゃなきゃできないようなこと…。」

主人公「チカちゃん…。」

チカ「…ねぇ、主人公君…私に、少女以上の恋を…教えて欲しいの。」

主人公「…」

 

主人公「チカちゃん、じゃあ少しだけーーー。」

チカ「うん…♡」

 

ーーー。

 

チカ「あなたをこんなに愛せるなんて、初めての気持ち…。」

チカ「ねえ、主人公君は今どんな気持ち?」

主人公「犯罪だったかなって…焦燥感。ほら、チカちゃんまだ…」

チカ「もー!なんでそういうこと言うかなぁ〜。っていうか、それを言ったらお互い様でしょ!!」

主人公「ふふっ、そうだったかな。」

 

ベッドに向き合って横になっている2人。

少しだけ…いつもよりその距離は近く、深く。

 

主人公「不思議な気持ちだよね、こういうのって。」

チカ「…主人公君って、こういうこと…初めてじゃないの?」

主人公「あぁ、まあ…そうだね。しばらく前に彼女がいてね。」

チカ「そうだったんだ…。」

主人公「でもその時の彼女は、自分にはやりたいことがあるからって。遠く離れてしまうのに寂しくなるのは嫌だからって言われて。それで別れたんだ。」

チカ「なんだか、かっこいい人だね。」

主人公「うん。」

主人公「いずれは話すことだろうと思ってたけど。こんなに早く聞かれるとは、意外と察しいいよね、チカちゃん。」

チカ「あなたの考えてることはもうお見通しだよ!…心はひとつになれたんだから♡」

 

ニンマリと頬を赤らめながら笑う、彼女の無邪気な笑顔。

つい眩しいような気がして僕は…

 

主人公「なんかいやらしい言い方するよね。」

チカ「えー、そんな言い方しないでよ!もうロマンチックなこと言えたと思ったのに…。」

主人公「ごめんごめん。真剣なこと言ってると思ったら、つい茶化したくなっちゃって。」

 

冗談めいた言葉を交わし、笑い合い。

少し間をおいて彼女は神妙な面持ちで話し出した。

 

チカ「…主人公君って元カノさんのこと、嫌いになって別れたわけじゃないよね?」

主人公「あんまりはっきり言いたくないけど。たぶん、お互いにね。」

チカ「…今でも元カノさんのこと好き?」

主人公「ううん。」

主人公「…まあ、好きか嫌いかと言われたら好きだろうけど。今愛してるのはチカちゃんだけだから。」

チカ「えへへ♡嬉しい♡」

チカ「ごめんね、意地悪なこと聞いちゃって」

主人公「いいよ、やっぱり気になるよね、そういうことって。」

主人公「気持ちはわかるから。」

チカ「うん♡」

 

優しいピロートークを交わして僕らは、その日は共に夜を越して、翌朝に少し名残惜しさを感じながらも、お互いの私生活へと戻っていった。

 

 

正月を迎え数日の時が過ぎて、チカの元にひとつのメッセージが届いた。

それは幼馴染のカナンからだった。

海外へ渡航していた彼女が正月で帰国していたらしく。

数日後、機会があるというので久しく会うことにした。

 

ーー当日。

 

チカ「あ!カナンちゃん!おかえりー!」(ギュッ)

カナン「あはは♪チカ、ただいま。元気にしてた?」

チカ「うん!あ、とりあえずお店行こっか?」

カナン「うむ!」

 

彼女たちは喫茶店へ行き、会えないうちに積もり積もった話をした。

大学生活のこと、海外生活のことー。

 

チカ「ーーーってな感じで色々あってね〜!」

チカ「あ!そうそう!ふふん♪ついに私にもできたんだよ!カナンちゃん!!」

カナン「どうしたのそんなに誇らしげに…ふふっ♪」

チカ「カ・レ・シ!だよ!!いや〜憧れだったんだぁ♡」

 

(ガタッ!)

勢いよくカナンが立ち上がった。

突飛な彼女の行動にチカもつい飛び上がって驚いてしまう。

 

チカ「うわっ!?びっくりしたぁ!カナンちゃんどうしたの?」

カナン「え?あ…あぁゴメンつい…。そっかぁ…ついにチカにも彼氏が…」

チカ「えへへ♪本当に、この人だーって思える素敵な人に出会えたんだよ♡」

カナン(幸せそうだし…まぁいっか、ちょっと不安だけど)

カナン「へぇ〜」(ニヤリ)

カナン「で、どこまでいってるの?実はもうシちゃったとか…?」(悪い顔)

チカ「えっ…///」

カナン(あれ、反応が…)

チカ「そ、その…えっと…。」

チカ「ちょっと…耳…貸して」

カナン「う、うん!?」

チカ「(ボソボソ)つい、この間…人生初?…な、なんちゃって♡」

 

(ガタン!!)

再びカナンは勢いよく立ち上がった。

 

チカ「うわぁ!カナンちゃん、落ち着いて!!」

カナン「…あ、ごめん」

 

しばらく沈黙が流れた…。

やけに動揺しているカナンと頬を染めたチカ。

悩んでいるように腕を組んでいたカナンが、ため息混じりに声を漏らす。

 

カナン「はぁあ〜…。そっそっかぁ…いくところまでいってるかぁ…。」

チカ「あ、あんまり声に出していわないで///まだ少し恥ずかしくって♡」

カナン「付き合ってどのくらいなの?」

チカ「うーん、出会ったのは4月で…告白したのは8月だったから5ヶ月くらいかなぁ…。」

カナン(結構しっかり…)

カナン「…チカからいったんだね。」

チカ「うーん…、そのつもりで挑みかかったら。」

チカ「察してくれてたのか、彼の方から告白してくれて…♡」

カナン「ふーん。わかってくれる彼って感じなの?」

チカ「うん。私よりひとつ年上で頭が良くてね。とっても優しいの♡」

チカ「最初はお兄ちゃんが居たら、あんな感じなのかな〜って思ったくらいに!…えへへ♡」

カナン「へぇ〜。」

カナン(まぁ…大丈夫なのかなぁ…)

カナン「そっか、優しい彼か〜チカの好きになった人ってちょっと興味あるね。どんな変わった人なのか…。」

チカ「もう!チカが変な人好きみたいじゃん!」

チカ「違・う・よ!普通の優しい人だから!」

カナン「あはは♪わかってるって♪」

チカ「あ、そういえば聞いたことなかったけど。カナンちゃんは彼氏とかいるの?」

カナン「うーん、昔はいたんだけどねぇ。ちょっと色々あったから別れて…それ以来今までずっと1人かなあ…。」

カナン「ほら、私しばらく海外いたし。なかなか現地の人を好きになる〜ってこともなかったしね。」

チカ「へー、っていうか彼氏居たんだね!?初耳だよ!」

カナン「チカ、調子乗ってるでしょ?バカにしないでよ〜?チカが経験しているようなことは、私のほうが先に経験してるんだからね?」

チカ「もう、カナンちゃんこそ私のこと自分より子供って見下してるでしょ。」

カナン「ふふふ♪ごめんごめん、話聞いてたらちょっと妬いちゃってさ♪」

チカスマホ(ティロリン♪)

チカ「….あっ、メッセージだ。」(スマホチラッ)

チカ「あれ?休講になったんだ、なんでだろ?」

チカ「…あ、そうだ!…ふふん♪」

カナン「?」

チカ「カナンちゃん、私の彼、会いたくない?」

カナン「あ、さては自慢する気だな〜?」

チカ「させてよ〜♡私はこんっっなにも大人になったんだってところ!見せつけてあげるから!!」

カナン「ふふっ♪まあいいよ、会うだけだったらね♪」

チカ「えー、せっかくだし一緒に遊びに行こうよ〜。」

カナン「いいの?だってチカより大人な私が居たら、チカの彼。私が取っちゃうかもしれないよ♡」

チカ「ええー!ひどい!そんなことないもん!チカの彼は、私にゾッコンだもん!」

カナン「あはは♪うそうそ、まぁとりあえず会ってみるだけ会ってみよっか♪」

カナン「たしかにチカの彼って、一体どんな人なのか気になるし♪」

チカ「ふふふ♡きっと驚くよ〜♪こんなに素敵な人がいるなんてーって!」

(ティロリン♪)

チカ「あっ!メッセージ!!うん、今からこっち来てくれるって!はぁあ♡早く会いたいなぁ♡」

カナン「ふふ♪可愛いねチカは。」

 

待ち合わせ場所で主人公を待っている2人

仲良く談笑をしながら待っているそこに主人公がやってくる。

 

カナン「…んんっ!??」

カナン 「え?チカの彼って…もしかして…あの人?」

チカ「うん?あ、そうだよ!」(手フリフリ)

チカ「え、すごいね。カナンちゃんなんでわかったの!?」

カナン「い、いやぁ…すごいも何も…」

 

講義が休講になり、今日の予定が空いた僕は、彼女の呼び出しで待ち合わせ場所へと向かった。

そこにはチカちゃんと、あともう1人…チカちゃんの友達だと聞いていたのだが…。

その女性を見て、僕の表情は少し複雑な気持ちにくぐもって、眉を潜めていた。

 

主人公「え…カナン?」

カナン「やっ…やっほ…、久しぶり…。」

 

チカがキョトンとする。

 

チカ「!?!?」

チカ「なんで主人公君もわかるの!?もしかして親戚だったー!とか?」

カナン「はっはは…まさか…。」

主人公「…いや、チカちゃん…えっと…。」

 

ちらりとカナンの方を見ると、プイッと顔をそらされた。

どうやら助け舟は出してくれないらしい…。

 

主人公「突然になっちゃうけど、こないだ話した元カノって、この…カナン…のことなんだよ…。」

カナン「こら、人に指差すな。」

チカ「そうだったんだ!?へー…。」

 

チカ「えっ?えぇええええ!??」

 

 

その日は結局、そのあと特別何かをするでもなく、少しだけ話をしてその場で解散した。

特に言い合いなどになったわけでもなかったが、なんとなく縺れ気味の関係ができた僕らは、自然と各々が少しだけ疎遠になったように振る舞った。

 

数日後、気持ちが落ち着きはじめた頃。

僕はカナンに呼ばれて、待ち合わせ場所へと向かった。

 

カナン「ごめんね、急に呼び出しちゃって。」

主人公「いいよ。」

主人公「この間はびっくりしたよ、こっちに帰ってたんだね。」

カナン「まあ、ちょっとだけ…お正月だったしね。」

主人公「そっか…。」

 

カナン「…あの日別れたこと、私の方から切り出して決めたことだけど…。実は少しだけ後悔してた。」

カナン「あなたみたいな人…、なかなか出会えるわけじゃないのにって…。」

カナン「あなたはどう思った?」

主人公「僕は…あんまり突然だったから、最初はよくわからずに君のこと、応援してるだけのつもりだったけど。」

主人公「後から痛感した、君のいない日々は寂しかったよ…。」

カナン「そっか…。」

主人公「海外に行ってどうだった?」

カナン「すごく刺激的だよ、毎日。」

カナン「言葉がなかなか馴染めなかったのには、結構悩んだけどね。慣れたらなんてことはなかったよ。」

主人公「やっぱり強いよね、君は」

カナン「こういう無鉄砲な勇気は…高校の時にしっかり身につけられたからね。」

主人公「よく話してくれたスクールアイドルの話のことだね。」

カナン「うん、ちなみに。そのグループのリーダーがチカなんだよ。」

主人公「チカちゃんが?驚いた…。」

カナン「あれ、話してなかったんだね。ちょっと意外かも。」

カナン「チカは普段はあんな感じだけど、心からやりたいって思ったことにはひたすら打ち込むタイプだからね。」

主人公「なんとなくわかるかも…。」

カナン「ふふっ、まさかあなたとチカの話をすることができるようになるなんて。思っても見なかったな。」

カナン「あの子はとっても純粋だよ。きっとあなたのこと、この世の誰よりも愛してるって思ってくれてるはず。」

主人公「うん、そうだね。僕も…」

カナン「あぁ〜妬けちゃうなぁ〜」

主人公「ははは…。」

カナン「まさかあなたを手放したら、それをチカに取られるだなんて…、想像もしなかったよ。」

カナン「世の中不思議な出会いってあるんだね…まあ、そういうこと感じるのも初めてじゃないけど…。」

カナン「…でもあなたでよかった。チカに彼氏ができたって聞いた時は正直もう気が気じゃなかったよ。」

主人公「ふふっ」

カナン「あのチカに彼氏がー!?なんて、騙されてんじゃないかってね。」

主人公「チカちゃんのこと、妹みたいに思ってるんだね。カナン。」

カナン「まあね、チカとは生まれた時から一緒だったような仲だから」

カナン「そういうあなたも、チカ”ちゃん”なんて随分可愛らしく呼んじゃって。わたしと同じように妹みたいに思ってるんじゃないの?」

主人公「たしかにそうだったかも、でも最近は少し違うかな。」

主人公「チカちゃんと一緒にいることが長くなるほどに、あの子のこと…パートナーとして、すごく心強く感じるようになって、いつのまにかチカちゃんのことを、頼ってる自分がいるように感じることがある。」

カナン「…」

 

少し切ないような表情を浮かべるカナンは、

いたずら気味に意地悪な問いを主人公に投げかけた。

 

カナン「…ねぇ、チカのこと好き?」

主人公「うん、そうだけど。」

カナン「あなたと私、別に嫌いになってお互い別れたわけじゃないよね。」

カナン「きっと私はそうだろうと思ってた。さっき君に聞いても、そんな風に言っていたから、君は…私が想像していた通りの君で、間違い無いって思った。」

カナン「じゃあ、もし私が…やっぱりあなたのことが好きだからと言って。今ここであなたに告白したら。」

主人公「えっ…」

カナン「あなたはチカと私…どっちを選ぶ…?」

主人公「…」

 

少しだけ悩むようなそぶりを見せるも、主人公はキッと口を結んで決意をあらわにする。

 

主人公「…それでもやっぱり、僕はチカちゃんのことが好きだ。今はあの子のことだけを愛している。」

主人公「…ごめんね」

 

主人公の言葉にカナンは大きなため息を漏らす。

 

カナン「あぁあ…、謝らなくていいんだよ。」

カナン「そんな風に言われると、その弱みに付け入って、チカからあなたを掠め取っちゃおうとか。考えちゃうじゃない…やらないけど。」

カナン「それに断られることは確信してたからね。」

カナン「安心したよ、脇目も振らず、あの子のことを愛してくれそうで。」

主人公「試したのかい?」

カナン「そのつもりだけど?」

主人公「…君も君で、相当に意地悪だね…。」

カナン「ぶい」

主人公「はぁ…なんか疲れた…」

カナン「じゃあちょっと癒してあげるよ。」

 

距離を詰めてくるカナン

 

カナン「ほら、ハグ。」

主人公「わっ!?」

 

背後から抱きついてきたカナンを一瞬、振り解こうとした主人公だが、動きが止まる。

 

カナン「これが最後にするから…、もう一度だけ…あなたのことを感じさせてよ…。」

 

弱々しい声で懇願するカナン、主人公は何もできず。

複雑そうな表情を浮かべたまま、時が過ぎるのを待った。

 

 

買い物袋を片手にルンルンと歩くチカ

いつも通りの道を行くその足取りで、風景を眺めていた。

 

チカ「…?あれ、主人公君…っ!?」

 

目に飛び込んできたのは、主人公とハグをしているカナン

 

チカ「カナンちゃんと…一緒に…。」

チカ「…邪魔しないようにしなきゃ…。」

 

チカは気づかれないようにと早足でその場を去った。

その後ろ姿に主人公は気づく。

 

主人公「っ!?チカちゃん!?」

カナン「えっ?チカ?」

主人公「うん、さっきあそこにいたような…」

カナン「あちゃー、まずいところ見られちゃったね。」

主人公「ひどいなカナン…。」

カナン「ははは、ちょっとくらい報いられてもいいんじゃないかなって思っちゃった。」

カナン「君が変に優しくって、簡単に私を受け入れちゃうからだぞっと!」

 

(バシッ)

勢いつけてカナンは主人公の背中を叩く

 

主人公「痛っ!」

カナン「ほら行きなよ。愛しの彼女が泣いてるぞ〜」

カナン「あっ!」

主人公「えっ…何…っ!?」

 

(ちゅっ)

カナンが主人公の頬に軽く唇を当ててから耳元で囁く

 

カナン「…チカのこと、よろしくね。」

カナン「あの子は繊細なところもあるから…。」

主人公「…」

カナン「行ってきなよ。」

カナン「大丈夫、効いてくれるかわかんないけど…あとで少しだけフォローしてあげるから。」

主人公「ありがとう。また君とこうして話が出来て良かった、嬉しかったよ。」

主人公「カナン、またね。」

カナン「バイバイ…」

 

カナン「…ちょっとだけやっぱ心配かも、隙だらけだし、本当優しすぎるんだよ。君は。」

 

しばらくしてカナンは急にヘタリ込む。

頬を赤らめて、さっきまでのことを思い出しながら。

少し涙を隠しながら…。

 

カナン「…失恋しちゃった…。」

 

カナン「あぁあぁ〜私も私で未練タラタラで…、恥ずかし…。」

カナン「当分は会わない方が身のため、チカのため…だね。」

 

 

チカちゃんの見えた方角へと僕は走った。

どこに彼女が向かっていたのかはわからない。

このまま走ったところで、彼女と鉢合わせられるとは限らないのに。

ましてや、遠くに見えたその後ろ姿が、本当にチカちゃんだったのか。

それすらもわからないのに…。

はやる足を止めることなく、僕はひたすら走った。

 

曲がり角を曲がったその先で、彼女の姿を見つけた僕は。

少し安堵したような気持ちになって、歩みを止めて。

それから決心を固めて、彼女の元へと再び走って向かった。

 

主人公「…はっ…はぁっ!…チカちゃん!」

チカ「あれ!?…主人公君…。」

チカ「どうしたの?息なんて切らせて焦っちゃって〜♪」

主人公「さっき…チカちゃん…いたの…見えて…。」

チカ「えぇ〜どこで…」

主人公「ごめん!」

主人公「誤解させるようなこと…。」

 

チカ「…ううん、いいの。」

チカ「気づいてたんだね。私が見たの…。」

主人公「うん、それで…急いで…」

チカ「あのね。…私ちょっと思ったんだ。」

主人公「…えっ?」

チカ「やっぱり主人公君はカナンちゃんと一緒にいるべきじゃないかなって…。」

主人公「そんな…。」

チカ「だって、カナンちゃんは大人で…私よりも魅力的で…。あなたみたいなステキで大人な人は…わたしには不釣り合いなような…気がして…」

主人公「まって…」

チカ「だって!あなたのことを…最初はお兄ちゃん見たいって思っちゃって!…つい…この間…あんなことがあったから…対等になれたのかな?なんて思ったけど…。やっぱりわたしは…あなたの恋人じゃなくて…、あなたの妹のような存在でいられればいいって…。」

チカ「だから…あなたはわたしとじゃなくて…カナンちゃんと一緒に居るべきじゃ…」

主人公「チカちゃん!!」

チカ「!?」

 

主人公「本当、繊細なんだね…。」

主人公「さっきカナンと会って話してた…、別れた日のこと、海外のこと、それからチカちゃんのこと…チカちゃんとの関係のこと。」

主人公「それから、…カナンにさっき言い寄られたんだ。」

チカ「!?」

主人公「お互い嫌って別れたんじゃないから…。もしカナンが僕に告白したら…僕がチカちゃんとカナンの、どっちを選ぶのかって…。」

チカ「それで…」

主人公「断った、カナンのこと。僕が今好きなのはチカちゃんただ1人だからって。」

チカ「でも…さっきはハグして…」

チカスマホ(ティロリン♪)

主人公「カナン…じゃないかな…。」

チカ「メッセージ…カナンちゃんからだ…」

メッセージ[カナン:さっきは意地悪してごめんね。]

チカ「カナンちゃん…。」

主人公「突き放せば良かったんだろうけど、出来なかったんだ…。」

主人公「本当にごめん、カナンにも言われた。変に優しくするから誤解を生むんだって。」

チカ「うん…」

主人公「あ、あと。カナンが僕を揺さぶったのは、チカちゃんへの気持ちが本当かどうかを、試したかったからだって言ってた。」

主人公「安心したって、チカをよろしく…って。」

 

チカ「…なんだか私、混乱してきちゃった…ははは」

 

(ギュッ)

僕は出来る限り優しく、チカちゃんの手を包むように握った。

 

主人公「ごめんね、色々と…僕も同じで、もうてんてこ舞いで」

チカ「ふふっ」

主人公「そんなあとだから、あまり説得力はないかもしれないけど。チカちゃん。」

主人公「もう一度君へ、僕の気持ちを伝えるね。」

チカ「はい。」

主人公「僕はーーー」

 

チカちゃんは僕の言葉に答えてくれたように、ハグをしてくれた。

僕もそれに応えて強く抱きしめて。

 

チカ「ーーーありがとう。これからもよろしくお願いします。」

 

2人は静かに、キスを交わした。

END




…。

カナン「け〜っきょく見ちゃった。」
カナン「2人とも…あんな往来の場で、堂々と見せつけちゃって。」
カナン「…離しちゃダメだよ、大切な人を。」
カナン「お幸せに、チカ…。」




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ちょっとカナンちゃんが寂しい結末の物語ですが
3人仲良く…なっても良かったのだけど。
恋愛ならこうかなーって。
3P発展っぽいのはあまり好まないタチなので!(蹴

ちなみに主人公君は妄想上の筆者…
ではなく、筆者の妄想上のイケメソな友人みたいな感じで創作してます。
チカちゃんたちみたいな子には、やっぱりふさわしいような人たちとくっついて欲しいって思うからね!(

物語の発端というか、こんなこと考えたのもきっかけは、まとめSSで見た小話とかから由来してるので。
「どっかで見たセリフだな…」みたいなのはちょいちょいあると思います。
(冒頭のそれなんかがまさしく…)
あとは少女以上の恋がしたいとかの歌詞を、少しもじったり。
一部、都合の悪い表現を省いたり、直接的に書かないようにしてます。
本当は漫画とかそういうのにしたいよ!

大学の話みたいなのがちょろっと出たりしましたけど、エアプなので変なこと書いてるかもしれません(
その他、セリフ前の名前付けとか、誤字脱字とかあれば教えていただければ嬉しいです。。。

最後に、初投稿+文章書きの知識なんて全くないようなもんだから。
句読点だとか云々カンヌン、いろんな文書表現は荒かったかと思いますけど、だいたい雰囲気とかで楽しんでいただけたのなら幸いです。

以上、改めて最後まで見てくださって、ありがとうございました。

[数日間のみこっそりアンケート]ep2やっぱり…

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  • 残しておいて欲しい
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