短編小話集であるこの章で括った物語は、そのほとんどが蛇足ストーリーだと思っているのですが…。
この話は中でも余分な話です、という位置づけ。
いわば正当な物語ではない、ありえるのかもしれない三人の将来の話…みたいに思ってください。
元々のキャラ、原作の設定要素から大きく離れて行ってしまうような話になるかと思いますので。
…閲覧注意?
まさかと思った。
そろそろ来るはずだと思っていたーーがこなかったから、おかしいなって…。
ーー陽性反応。
…。
ああ、逃げるなって…言うことなのかな。
犯したその罪からーー。
私たち三人の歪な関係は、そのままを長く保つことができず、ある日を境に破綻してしまった。
結果私たちは各々が絶縁状態となり、それぞれの道を歩んでいった。
…そういう、運命だったんだ。
ーーー。
僕たちが付き合い始めて2年が経ったーー…。
バシャッ…ジャパッ…シュコーッ…シュコーッ
海から上がってくる3人のダイバー。
重たい体を持ち上げて、浜にどっしりと足跡を付けながら歩く。
マスクを外しBCDの中の空気を排気する。
シューッ…。
カナン「二人とも、お疲れ様。」
主人公「綺麗だったね~海。」
チカ「うん!お魚たくさん見れて、よかったね〜。」
長かった大学生活もラストスパート、就活を終えて内定ももらい、これで一安心…そんな頃。
僕とチカちゃんは、カナンのダイビングショップに遊びにきていた。
器材を脱いで一息。
チカ「ふー!重たかったあ…。」
主人公「あはは、やっぱ陸に上がるときついよねえ。」
カナン「ふふふ、器材はその辺に置いておけばいいよ。」
カナン「私が片付けておくから。」
主人公「毎度毎度、ありがとうカナン。」
カナン「いえいえ、こういうお仕事ですから。」
スーツを少しだけ脱いだ状態のままカナンはテキパキと器材を分解させていく。
カナン「二人ともよく潜りに来てるんだし。」
カナン「お金ができたらライセンス取りにおいでよ。」
カナン「そうしてくれれば、もっといろんな海を見せてあげられるからさ。」
主人公「いろんな海か~。」
カナン「たとえば沈船とか。」
チカ「ロストシップ…っ!」
チカ「ロマンを感じるね…!?」
主人公「あははは。」
カナン「レックダイビングっていうんだけどね。」
カナン「人気のツアーだよ。」
主人公「へー、魚を見るだけじゃないんだね~。」
カナン「もちろん、それだけがダイビングの醍醐味じゃありません。」
カナン「ダイビングは、奥が深いんだから。」
チカ「楽しそうだねー。」
カナン「そしたら私は、向こうで器材洗ってくるから。」
カナン「スーツは…いつものところに行って脱いで、裏っ返しにして浮かべておけばいいよ。」
主人公「うん。」
カナン「シャワーとか…まあ、もう数回来てるんだから大丈夫だよね。」
チカ「うん。」
カナン「あ、そういえばチカ。」
チカ「ん?」
カナン「お母さんが呼んでたよ。」
チカ「カナンちゃんのお母さんが?」
カナン「うん。久しぶりに帰ってきてるんだったら少しお話がしたいって。」
チカ「ええ~?何のお話だろう~。」
カナン「着替えたら行ってきなよ。」
チカ「うん、わかった。」
そう言ってカナンは器材を持って自宅裏のほうへと向かった。
僕たちはひとまずウエットスーツを脱いで、それからシャワーを浴びて更衣室のほうへ。
チカ「そうしたら…私は着替えたら、カナンちゃんのお母さんのところにいってくるから。」
主人公「うん。」
チカ「主人公君もとりあえず着替えて待っててね。」
主人公「わかった。」
チカ「じゃあね。」
主人公「いってらっしゃい。」
チカちゃんは更衣室へと入っていった、一人取り残された僕は…さて、どうしよう。
そうだ、まだ水着のままだし…カナンの手伝いとかできないかな、器材を洗っているカナンのところへと向かった。
主人公「お疲れ様、よかったら手伝うよ。」
カナン「ありがとう、でもこれあとは真水で流すだけだから。」
主人公「そっか。」
風呂釜大のプールに真水を張った中へと器材を浸けて、一つ一つ丁寧に潮抜き。
スーツを脱いで水着姿のまま作業をしているカナンの傍に座って話かける。
主人公「あ、そういえばカナン、この間また彼氏ができたって言ってたけど。」
カナン「ああ…、そういえば言ってなかったね。」
カナン「別れたよ?」
主人公「そっかあ~。」
主人公「…え?」
またか…そう思った。
主人公「今回は…どのくらいもったの?」
カナン「んー、2週間?」
主人公「…これで何度目?」
カナン「まだ3,4回程度だよ。」
主人公「まだ…ね。」
主人公「最長記録は?」
カナン「3週間?」
主人公「や、やるね~。」
日本に帰ってきてからしばらくして。
カナンは積極的に新しい出会いを求めているんだとか…。
だが…なかなかうまくはいっていないらしい。
カナン「…だって、どいつもこいつも子供って言うのか。」
カナン「告白してくるまではしっかりしてる風なくせして。」
カナン「その後はなよなよしてるっていうか、まったく頼りない連中しか居ないっていうか…。」
主人公「その、目を付けるタイプを変えてみたら…?」
カナン「タイプね~…。」
カナンはこちらをジロジロと見ながら言葉を濁す。
主人公「何、僕のせいだっていうの?」
カナン「別に~?」
不服そうな表情で口を尖がらせるようにする、いぢらしくて可愛いそんな様子を眺めていたら。
カナン「えいっ!」
バシャッ!
カナンは突然ホースの口を絞って、こちらに水をかけてきた。
主人公「うわっ!」
まだまだ気温の高い時期ではあるが、水道水が直接あたるのは少し冷たいような気がする。
主人公「ちょっと!やめっ…卑怯だってば!」
カナン「にひひ。」
いつまでもカナンは水を止めないので、足元にあったバケツを拾って水を受ける。
ある程度その中に溜まった水をカナンに向かってぶちまけるようにーー。
カナン「ひゃっ?!」
主人公「お返し!」
カナン「…やったなあー!」
お互いにふざけあう。
カナンは意外とこういうのが好きなんだろう、いつもノリよく遊んでくれる。
そういうところが、普段の様子からは伺えないというか…、ちょっとギャップを感じるようなカナンの魅力、可愛い一面…なんて。
ーーああ、楽しい。
しばらくそうやって水を掛け合って遊んだ僕らはお互い髪までビショビショ。
微笑み合いながら、一息ついて。
カナン「さ、真面目に仕事に戻りますか…。」
主人公「はい、ちゃんと仕事してください。」
カナン「さっきまで一緒に楽しんでたくせに、監督気取らないでよ~。」
カナン「あ…。」
カナンが何かに気づいて周囲を見回す。
カナン「ごめん、主人公君。」
主人公「ん?」
カナン「器材脱いでもらったところに、ウェイトベルト置き忘れてこなかったかな?」
主人公「あー、取ってくるよ。」
カナン「ありがとう、ウェイトは全部こっちに置いてるからさ。」
僕は言われた通りウェイトベルトを取ってきて、カナンへと渡そうとする。
カナン「ありがと…。」
カナンが立ち上がろうとした時、思いがけずホースを踏んでしまった足を滑らせて…。
カナン「うわっと?!」
すぐ傍にいた僕のほうへと、抱き着くようにもたれかかった。
僕もまた、そのカナンを抱えるように、反射的に彼女の体に触れて。
水着姿のままだったカナンの肌の感触が…とても生々しく、人肌のぬくもりが…。
ドキッとしたーー。
主人公「うっ…大丈夫…?」
…沈黙、事故とはいえ、お互いに抱き合うような恰好になったことに、ドギマギ。
カナンは姿勢を正しながらも、僕から離れようとしないで、暫く腰に手を回したまま…。
頬を赤らめる、彼女、僕らは自然と見つめ合っていて…、カナンが背伸びをしかかったその時。
パタパタパタッ…。
サンダルの足音がする。
ハッと我に返って、お互いに少し距離を置くと。
ーーそこにチカちゃんがやってきた。
チカ「あ、居たっ!二人とも。」
元気に近寄ってくるその姿を見て。
少しぎこちなくそれを迎える僕らの違和感に、チカちゃんが。
チカ「あれ?二人ともどうかしたの?」
主人公「えっ?!」
主人公「あ~…カナンの~…手伝いしようとおもってたんだよ。」
主人公「それでこっち来たんだけど、カナンが要らないっていうからさ…。」
ちらり、横目にカナンを見る。
カナン「え?…ああ、うん。」
カナン「だ…だって、片付ける場所とか、2人とも知らないでしょ?」
主人公「そういうわけだっていうからさ…。」
チカ「ふーん?」
言葉の行き先が怪しくなってくる…、不自然だ…話の転換をしなくては…。
カナン「あ、そうだチカ、お母さんと何話してきたの?」
ナイス、カナン。
チカ「あー…えっとね、お祭りのことだね~。」
チカ「実家にはなかなか帰ってこないのに、ここには遊びに来てるみたいだから~って。」
チカ「しまねーから言伝されてたみたいで~。」
チカ「言伝して言うくらいだったら、メッセージでも送ってくれればいいのに~って思うんだけど。」
カナン「よくわかんないけど、直接言うタイミングがあったら言っておきたい、くらいだったんじゃないかな?」
チカ「たぶんそんな感じなのかな~?」
チカ「あ、あとはー大学生活のこととか聞かれたかな~。」
チカ「どんなこと勉強してるのー?とか。」
チカ「大学生活を楽しんでるかー?とかって。」
チカ「私とお話できるのは久しぶりだしって。」
カナン「ふふふ、そっか。」
カナン「そーしたら。」
自然な会話をしてから、カナンは再び作業を始める。
カナン「ほら、お二人さんはあっちいったあっちいった。」
カナン「私の仕事の邪魔、しないでよ~?」
チカ「ふふふ、ごめんねー。」
チカ「行こっ主人公君。」
主人公「うん、じゃあ僕も着替えてくるよ。」
カナン「いってらっしゃい。」
ーー危うく誤解を招くところ…と言いたいのだが。
ちょっと危なかった、それが本心かも。
カナンと別れてからしばらく経った今でも、友人以上の存在のように感じている心があった。
だからこそ、互いの距離が近くなってしまうと…つい、彼女に心奪われそうな瞬間がある。
僕にはチカちゃんがいる…そのはずなのに。
カナンもカナンで、僕のことを諦めていないようなので、尚更ーー。
気を付けよう…そう思う自制心と、今日のような直接的な触れ合いがあると。
つい、下心が求めようとしてしまう、彼女という存在を…。
そんな曖昧に、僕も甘えたままーー。
月日は、過ぎていった。
つづく。
続編というか、小話諸々いろいろ考えました。
…その中でも一番なんとなくしっかりと妄想できた物語なのですが…。
悲恋です。(ネタバレ
今までの感想なんかでいただくのが、思いのほかそういう方向性…?
なにやらひと悶着というか…ちょっと、もっとアグレッシブな戦いが…。
そういう期待感があるのかも(?)とちょっと汲み取ってみたつもりのような…。(
まあ、つまるところ私の筆で書くものなので…と、そんな感じですね。
冒頭の一文でだいたい結末見えてますが(笑
あ、あれぇ~…もとはといえば、ちかなんちゃんとキャッキャウフフ~みたいな…。
甘酸っぱい恋愛的なものを思い浮かべる物語だったんだけどな~(笑
まあ、こういう感じも楽しいかなって思ってます。
あと今回物語が物語っていうこともあって…ちょっと音符マークだったり、ハートマークだったりを使わないようにして書いてます…。
雰囲気が結構変わってくるんじゃないかなーなんておもいつつ。
読み手がいろいろ勘ぐって、考察できるようなものっていうのも当然いいとは思うんですけど、やっぱりわかりやすいほうがいいかな~、なんて思う私にとっては、わりと挑戦的なような…。(どうでもいい
なんか面白い言葉の間違いがまたまたありましたので修正。
風呂桶大のプールって…小さすぎでしょう(笑
ちなみに、今回の話もいくらか続く予定です。
どのくらいになるか~は、結構行き当たりばったりな書き方しているので。
未定ですね~、完結すればいいな~なんて(無責任
まあ、そういうことですので…またまた、よろしくお願いします。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
[数日間のみこっそりアンケート]ep2やっぱり…
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消したほうがいい
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残しておいて欲しい
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書き続けて欲しい
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筆者の好きにすればいい