ちかなんとーーー。   作:黄昏虎おじさん

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ep4-1 穏やかな2人のday by day

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四角い枠の中、流れて行く風景をみていた。

 

ぼんやりと眺める視線の先で、時間とともに移ろいゆくそれは、どこか既視感のある場所だった。

 

ピンポーン。

 

不意に鳴った音に驚いて辺りを見回すと、そこは車内。

僕は今、バスに乗っているのだと認識した。

 

僕の隣には人、女性。

しばらくしていると車窓の景色が止まり、席に座っていた女性は立ち上がって、出口の方へと向かって行く。

その後ろ姿、なんとなく見とれていると女性は、出口の前で突然振り返り、僕に向かって手を差し伸べた。

 

…知ってる、その手、その顔、優しいその声で僕を呼ぶ君は。

「ーーー。」

 

僕は思わず、彼女の手を取るように手を伸ばして、立ち上がろうとした。

その瞬間ーー。

 

 

ーーー。

 

 

キィィー…。

 

耳鳴りがする…。

 

キュオオオオオ!!

 

耳鳴り…?

明らかに異常な甲高い音が、部屋の中を鳴り響いていることに気がついて、僕は思わず飛び起きた。

 

主人公「へ?!何事?」

 

僕が起きた途端に、音は突然静かになると。

くすくすくす…と静かに何者かの笑い声が聞こえてきて。

半分パニック状態のまま、重たい瞼をパチクリさせて、声の主へと顔を向けると。

 

「おはよ。」

 

掃除機片手に、ニヤニヤと笑みを浮かべている女性が立っていた。

 

主人公「…か、カナン?」

カナン「ごめんね、いたずらしちゃった、ふふふ。」

 

ぼんやりとぼやけていた視界が、徐々に輪郭を象ってゆくと共に。

僕は眼前の状況を飲み込んで、ほっと胸をなで下ろす。

 

主人公「びっくりした…。」

カナン「うふふ。」

カナン「珍しくゆっくりしてたんだね、今朝は。」

主人公「あー…。」

 

そう言われてちらりと時計を見ると、短針が12時近くにあり、すでにお昼なのだと今気がついた。

 

主人公「ああ、うん。」

主人公「おはよう、カナン。」

カナン「うん、おはよう。」

カナン「…もう”こんにちは”だけどね。」

 

彼女はそう言って、ニヤニヤしたままこちらを凝視する。

僕のだらしない寝起き姿は、彼女にとってはよほど愉快なようだ。

 

主人公「本当はもう少し、早く起きるつもりだったんだけどね…。」

カナン「ん?今日、何か予定でもあったの?」

主人公「ううん、何も。」

主人公「だからつい夜更かしが過ぎちゃって、ご覧の有様。」

カナン「ふふふ。」

カナン「なんだか、遅くまで勉強してたみたいだね。」

 

机の上に積み重ねてあったプリントを手に取りながら、彼女は呟く。

今朝終わらせた、僕の大学のレポート。

 

主人公「あはは、なんだかね…。」

主人公「期限が迫ってたわけでもないのに、手を付け始めたら…なんとなく止まらなくなっちゃって。」

主人公「気がつけば明け方になってましたー…みたいな。」

 

一枚二枚とページをめくる彼女は、だんだんと眉間にしわを寄せながら、大して中身を読みもせず、そっとプリントを元に返してこちらを向いて微笑んで。

 

カナン「さすがだね、真面目くん。」

主人公「ははは…。」

カナン「偉い偉い。」

 

ぽん、と手を乗せられて、彼女に頭を撫でられる。

褒められるのは、嬉しいんだけど…そこまでされると少し照れくさいような、気恥ずかしい気分だ。

 

主人公「よ、よしてよカナン、まるで僕を子供みたいに…。」

カナン「うふふ、ごめんごめん、つい、ね。」

 

でも実は…満更でもなかったりする…。

 

ーー。

 

高く昇った太陽を横目に見ながら、僕は身支度を始めた。

まだ少し頭はぼんやりとしている。

幸い今日は、特別な用事が何もなかったから、のんびりしようと思っていたのだけど。

そういえば、カナンは何か…僕に用事でもあったのだろうか?

 

主人公「今日は、どうかしたの?」

 

問いかけると、彼女は虚空を見つめるように、すこし考えごとするふりをしてから。

 

カナン「どうかしたってわけじゃないんだけど、今日は何もなくて…退屈だったからさ。」

 

はにかんで僕に向かってそう言う。

その言葉、僕にはなんとなく思わせぶりに聞こえてしまって。

…少しだけ、ニヤついてしまった。

 

主人公「そっか。」

 

ぐうぅ…。

僕のお腹から、ふと思い出したかのように、お昼の時報が鳴る。

そっか、もう12時だったんだよね…。

 

カナン「お腹すいたね。」

主人公「う、うん。」

主人公「お昼ご飯…カナンもこれから?」

カナン「うん。」

カナン「作ってあげよっか?」

主人公「あー…っと。」

 

念のため冷蔵庫を開けてみる、うん…そうだったよね、空っぽ。

 

主人公「ご覧の通り…。」

カナン「ありゃあー、綺麗に使い切ってるね〜。」

主人公「うん、今日買いに行くつもりだったんだ。」

カナン「そっか。」

カナン「じゃあ、一緒に食べに行こっか、お昼ご飯。」

主人公「そうだね、今日はお出かけしよっか。」

 

身支度を済ませた僕は、外出用のバッグを手にとって玄関へと向かう。

 

彼女と付き合い始めて、しばらく経って…二人でこうしていることも、1つの日常のようになった今日この頃。

隣にいる彼女にちらりと視線を向けると、微笑みを返してくれる…僕らの関係。

木枯らしが吹き荒ぶこの季節になっても、僕の日常は彩に溢れていた。

 

つづく。




.
大変ご無沙汰しております…。

最終投稿から約半年かかって、ようやく次話です。(
しかも今まで書いてた話の続きとかじゃなくて、また余分な話です。

何か書いてアップしようかな…って、しばらく思っていたんですけど、なんというかすこしブランクの期間ができると、創作賢者タイムが発動してしまうんですね。(何
いろいろ思い浮かべて、書いては消して…みたいな、そんな感じの繰り返しを長らくしてました。
まあ、それでも何かしら上げないと続けられないのかも?と思って、今回すごく短いですが投稿した次第です。

今回の話もカナンちゃんです、なんだかやっぱりカナンちゃんの方が話を作りやすくって…しばらく贔屓気味です。(
この話もここで終わっていないので、続きを書く…予定ではあるのですが。
前述の通り、なかなか書けないでいる〜ので、ちゃんと続けられるのか…は不明です、無責任で申し訳ない。
その他諸々含めて、あまりにも蛇足が過ぎるような気もしているので、この”ちかなんとーーー。”としての続き話は、この話あたりを境に、ひょっとすると書かないかも(?)しれませんので。
…覚悟しておいてください。(何を

また、筆者の活動報告のほうに、こっそり書いていたのですが、ep2の話を分離させるかもしれない〜という件について。
私なりの考えとして、やはり趣旨が180度違うような話が混在して、わけがわからなくなっているように感じたので…。
ひとまず、この投稿から数日後にでも、この“ちかなんとーーー。"の話からは削除しようかと思います。(保留中)
未完作ですが…これの続きは、するかしないか…おそらく、書くとすれば頭っからの書き直しで、作り直していく方針かと思います。

そんなわけで、今後この”ちかなんとーーー。”や、その他の新規投稿についても、執筆を続けていくのか…ちゃんと続けられるかについては諸々不明、という形でもやもやしてしまうくくりとなっているのですが…。
毎度名物のダラダラあとがきも、あまり続けても仕方がないかと思うので。(
ここまでで…。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

[追記]
久しぶりに投稿したら、何度も読み返して書いてるつもりが、今まで以上に文章が雑なような気がします…。
ちょこちょこ修正してゆくかと思います…。

[数日間のみこっそりアンケート]ep2やっぱり…

  • 消したほうがいい
  • 残しておいて欲しい
  • 書き続けて欲しい
  • 筆者の好きにすればいい
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