ぐだ男「サーヴァントをデレさせないと出れない部屋?」   作:ふくちか

4 / 6
霊基召喚したぐだ男君

結果


???「幻夢コーポレーション社長を呼んだのは、君か……」

???「不死身のゾンビの力、目にもの見せてやろうじゃないかァ……!」

???「コンティニューしてでも、クリアする…!」

???「ゲームマスターの私に許可なく、不正な特異点は認めない!」

???「この私を呼んだ君に…最高神の力を見せてやろう……!」


ぐだ男「やべぇのが来た…」




「両儀式」

 

 

「貴方とこうして二人きりになるなんて、何時以来かしら?マシュには悪いけれど、嬉しいという気持ちが大きいわ」

 

そうお淑やかに微笑む着物美人が、今回俺がデレさせるサーヴァントです。

美麗だけど、何処か浮世離れしたような雰囲気を持つ彼女の名は、「両儀式」さん。

 

実は「両儀式」という名前のサーヴァントは他にもいるんだ。

アサシンの霊基で召喚された本来の式さんと、その式さんの内側に存在する別の人格……らしい。

 

良くは聞かされていないから今一分かっていないけど、兎に角言える事は、彼女は本来なら現界しないはずの存在だったんだけど……以前訪れた変異特異点で助けられた縁からか、セイバーの霊基を得て疑似サーヴァントとして召喚されたのだ。

 

存在が特殊だから、他のサーヴァントとは一線を画するんだけど、彼女はサーヴァントとして召喚された今を楽しんでくれてる。

 

「すいません。人理を修復したとは言え、中々多忙なものでして…」

「分かっているわ。でも、こうして肉体を得られたのだから、もう少し構ってね?」

「き、気を付けます…」

「ふふ、お願いね」

 

式さんは柔らかい笑顔で俺を見つめる。

 

「えっと、じゃあ式さん」

「えぇ」

「先ず……何時も有難う御座います」

 

まぁ何時までもここにいる訳にもいかないので、やる事を済ませよう。

いきなりお礼を言われたことに、式さんはきょとんとするが、やがて小さく微笑む。

 

「いきなりどうしたの?それに、お礼を言われる事じゃないわ。私は貴方のサーヴァントなのだから」

「それでも、俺はお礼を言いたいんです。……以前、式さんはこう言いましたよね。自分は一時の夢だって」

 

……彼女は、さっきも言った通り、サーヴァントとしてかなり特殊な存在だ。

夢と称した通り、何時かは消える存在。

 

彼女はこう言った。「自分は一時の夢」だと。

確かに夢かもしれない。覚めれば、得難い虚無感に陥るかもしれない。

 

 

だけど、だからこそ。

 

「俺は、式さんとの日常を大切にしたいんです。それに式さんの存在は夢なんかじゃない、ちゃんとここにいます」

「っ、マスター……」

 

俺が手を握ると、式さんは恥ずかしそうに目を伏せる。

 

「少なくとも夢だけど、現実なんです。俺と貴女が歩む道は、夢が覚めるまでずっと続いていきます。その過程で紡がれた絆は、残された思い出は、決して夢なんかじゃない。だから俺は、貴女ともっと夢を見ていたい」

「……」

「だから俺は、その…式さんがいる夢の果てまで、ずっと俺自身の言葉を、思いを伝えたいんです」

 

式さんに対しそう思っていた俺は思いの丈を吐き出し、一息吐く。

だけど式さんは何も言わない。

 

どうしたんだろうかと不安になると、式さんは――――泣いていた。

 

「し、式さん?!」

 

何か不味い事を言ってしまったのかと慌てる俺を、式さんは繋がれて無い方の手で制す。

 

「…大丈夫よ、マスター。悲しくて泣いてる訳ではないわ。……とても、嬉しいわ」

 

目尻に溜まった涙を拭い、式さんは口を開いた。

 

「私は……怖かった。何時かは覚める夢だと思って、自分に何度も言い聞かせていたわ。でも、貴方との繋がりが深くなればなるほど、その温もりが遠ざかるのが怖くなった。貴方と距離を取ろうにも、そこで絆が途切れてしまうかもしれないのが、怖かった……でも、貴方がそんな事を言うのだったら、私も、一緒に傷付く他ないじゃない」

「…えぇ、一杯、傷付きましょう。覚めても、忘れない程に」

 

その時、彼女の微笑みは雪のようであり――――だけど、とても暖かなものだった。

 

 

 

ーーーー

 

 

 

翌日。

 

 

「マスター、お早う」

「…式、さん?」

 

目が覚めて俺の視界に入ってきたのは、式さんの顔だった。

 

「ふふ、とても可愛い寝顔だったわ。でももう朝よ?早く起きて、食堂に行きましょう?」

「…はい」

 

寝ぼけ眼でベッドから這い出て、礼装を羽織る。

 

「式さん」

「?」

「…まだ、覚めてないんですね」

 

式さんは何のことか分からないと言った顔だったが、直ぐに理解したらしく、俺に微笑んでくれた。

 

「えぇ。まだ、覚めてはくれないわね」

 

そう語る式さんと共に、食堂へと向かった。

 

 

 

 

――――そんな二人の姿を、「一瞬マスターが袴を着ているように見えた」と、赤い弓兵は語る。

 

 

まるで、和装の結婚式だな、とも。

 

 

 

 




式さんのキャラが違うかもしれませんが、ご了承ください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。