METAL GEAR DOLLS   作:いぬもどき

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暁の開戦

 静かな一夜を経て東の空がうっすらと明るくなりかけて来た頃に、ついにそれは始まった。

 一夜続いた静寂は、突如として響いた砲撃の音で撃ち破られる。

 鉄血陣営より放たれる無数の砲弾は、AR小隊が身を隠す廃墟に次々と着弾し、崩壊しかけていた廃墟をさらに破壊し更地にする勢いで爆風を巻き起こす。

 今までのような、探りを入れるような小規模の砲撃ではない。

 鉄血が用意した砲の全てがAR小隊を廃墟ごと破壊するべく火を吹いている、そう思えるほどの大規模で、徹底した砲撃だ。

 

「大変、大変だ…!」

 

 夜間の見張りを当番していたSOPⅡは大急ぎで隠れ家へと戻る。

 もうどこに隠れていようと砲撃からは身を守ることは出来ず、ただ全力で路地を走り抜ける。

 砲弾に吹き飛ばされた家屋の廃材が勢いよく飛んできては、危うく鋭利な先端に身を傷つけられることもある…些細な擦り傷、切り傷程度は度外視し、降り注ぐ砲弾の雨の中を走り抜けて地下への扉に向かう。

 

「SOPⅡ! 急げ!」

 

「急いでるってば!」

 

 地下室への入り口ではM16が待ち構え、SOPⅡを地下室へ引き入れるべく手を伸ばしていた。

 そこへSOPⅡはめいいっぱい手を伸ばしてM16の手を掴む、そのまま彼女に地下室へと引っ張られ、地下への階段をM16と共に転げ落ちていく。そのすぐ後に、砲撃によって地下室への入り口は木端微塵に吹き飛ばされる…間一髪の出来事だ。

 

「うぅ、いてて…大丈夫かSOPⅡ?」

 

「うーん…死んだんじゃないかな…?」

 

「まだ生きてるよ」

 

 階段下まで転がり落ちたせいで身体のあちこちが痛む二人だが、痛みに悶えているわけにもいかない。

 駆けつけたM4と合流し、三人はすぐさま荷物をまとめこの地下室から出る準備を行う。

 貯蔵庫として機能していた地下室には下水道につながる排水溝が一つあり、そこを辿れば廃墟の外へ出られることは把握していた。

 

「SOPⅡ、敵はどう動いていた?」

 

「一瞬しか見えなかったけど、奴らの歩兵部隊が塹壕を越えて坂を下ろうとしてるのが見えたよ!」

 

「そうか。M4、脱出の準備はできたか!?」

 

「はい、いつでも行けます!」

 

「よし。M4、部隊のリーダーはお前だ。ここからはお前が指揮をとるんだ。大丈夫、お前は一人じゃない…私たちも全力でサポートする」

 

 誰も一人で戦ってるわけじゃない、M16の言葉に強く励まされたM4はこの窮地に覚悟と隊のみんなを全力で守ることを固く決意する。

 砲弾が着弾するたびに地面が揺れ、地下室の天井は軋みをあげていつ崩れ落ちるか分からない。

 世話になった地下室へ別れを告げ、外へ出るための排水溝を進む。

 どぶ水が溜まり嫌な匂いを放つ下水道には、ネズミやゴキブリなどが徘徊しているが、命の危険の前にそんな存在は気にも留めず、どぶ水に半身を浸からせながら出口を目指す。

 

「ねえM16、MSFは助けてくれるの?」

 

 背後からSOPⅡのそんな問いかけに、M16は思案する。

 MSFの中にいた協力的な人物からの連絡はつい先日まであったのだが、それが前日になってピタリと止まった。

 MSFの中で何か状況が変化したと予測すると、M16は直ぐに作戦の変更を余儀なくされた…助けてくれないと分かった以上、いつまでも頼りにすることは出来ない。

 だが打つ手は非常に限られ、今は外に出ること以外にはない。

 

「今は脱出することに専念しよう」

 

 その場しのぎのセリフしか言えない自分を酷く嫌悪するM16であったが、SOPⅡはそれ以上聞くことは無い…些細な気遣いが、彼女にはありがたかった。

 

「姉さん、もうすぐ外に出れます」

 

「注意しろM4、出口は見晴らしが良い場所だ。出たらすぐに川につながる斜面に出るはずだから、そこを下ろう。そこなら敵の砲撃も斜面で防げるだろう」

 

「夜中にこっそり探っておいた甲斐がありましたね! 戦線から離脱できる方法は見つかりませんでしたが…」

 

「気にするな。そこに行けば鉄血から身を隠せ、逆にMSFからは良く見える。そこでもう一度連絡をとってみよう!」

 

 唯一の脱出路である下水道は以前から調べておいたため、どの道を通ればよいかは分かっていた。

 崩壊して塞がれた道が多い中で見つけた出口を行けば、それは無人地帯を流れる川につながる…そこを越えればMSF側の領域になるが、まずはそこに到達することが先決だ。

 そのことを共通の認識として三人は走る…そんな時、先頭を走るM4は目の前に何かの気配を感じて立ち止まると、次の瞬間眩い光に照らされる。

 

「さすが私、やっぱりAR小隊ならここを通ると思ったんだよね」

 

「誰だ!?」

 

「私だよM16、忘れちゃった?」

 

 対面する人物は、ライトの明かりで自分の顔を照らしてみせる…ライトに照らされたその人物は、M16がよく知る人物であった。

 

「UMP45…! そうか、ヘリアンがお前たちを寄越したんだな…?」

 

「そう、あなたたちの救援はちゃんとグリフィンに届いてるから安心して」

 

「そうか……お前が出てきたということは、何か勝算があるのか?」

 

「うん? ないわよそんなの、あんな師団規模の敵相手に私たちだけでどうしろって言うの?」

 

「じゃあ何故ここに来たんだ? よほど高額の報酬を約束させたのか? UMP45、お前は任務を成し遂げられる見込みがあるから来たんじゃないのか? ヘリアンも、それを了承してお前たちをAR小隊の救出に回したんじゃないのか?」

 

 404小隊とUMP45についてはM16もよく知っている。

 グリフィンの存在しない部隊として表には決して出ずに、極秘任務や汚れた任務に従事する部隊…経験豊富なM16は以前からその存在を認知し、そして味方であろうとも決して油断できない存在であることを知っている。

 拝金主義的な面もあるが、何より任務からの生還を第一に考える以上何か考えがあるはずだとM16は睨む。

 

「かつてないほど困難な任務よね、これ。調べれば調べるほどうんざりするような敵の規模、知ってる限りでハイエンドモデルが二体以上、鉄血は完全包囲の構えを見せている精強な部隊……はっきりいって、どんだけお金を積まれても死んだら意味がないから引き受ける気はなかったんだけどね」

 

「だが受けた……金の問題じゃないなら、なにでお前は動くんだ?」

 

「うーん、しいて言うなら仲間のためかな?」

 

「仲間…だと? お前からそんな言葉が出るとは思いもしなかったぞ。グリフィンにそんな奴がいるのか?」

 

「グリフィンじゃないわ、もちろんあなたたちAR小隊のためでもない……そうね、こんな腹黒い私を"家族"と呼んでくれる仲間のため。その仲間のためにも、M4、アンタには絶対生きててもらうわ」

 

 そう言ってライトをM4へと向ける。

 眩い光に照らされて眩しそうに目を細めるM4にクスリと笑い、UMP45は踵を返す…彼女がライトで照らした先には、待ちくたびれた様子で睨むHK416とやる気に満ちた様子のUMP9、そして立ったまま寝ているG11がいる。

 

「45、ちなみに聞くが作戦はあるのか?」

 

「あまり多くは語るつもりはないわ。私はある賭けに出るつもり……ここを飛び出して鉄血の地上部隊を迎撃、その間ひたすらMSFに救援を求め続けるの」

 

「MSFにか? だが彼らは助ける気はなさそうだが…」

 

「そりゃアンタたちあいつらに嫌われてるでしょう?」

 

「お前たちなら上手くできると? まさか、お前MSFにもちょっかいをかけてたのか?」

 

「ちょっかいかけたりかけられたり、それなりにね。あいつを試すみたいでほんとは嫌なんだけどね…あいつには、ここできっちり決着をつけてもらいたくてね。さて、そろそろ行こうか? 戦う準備はできた? 敵は電磁シールドを展開させた…つまりもう誰とも通信はとれないの、はぐれないでね」

 

「腑に落ちないが、いいだろう……M4、お前もそれでいいか?」

 

「はい…!」

 

 M4はまだ状況をしっかり把握していないようで、姉とUMP45を交互に見ていたが、最後には力強く頷いてみせた。

 UMP45はM4のどこか迷いを見せながらも、力強い彼女の瞳に優れたリーダーの素質を見る……こっちのリーダーは大丈夫そう、あとはあっちのリーダーだけ…そんなことを呟きつつ、彼女は下水道の出口へと歩を進める。

 

「45、あんたバカよ。こんなクソみたいな任務を引き受けるなんてね…」

 

「でも、仲間を信じて死ぬなら別に悪いもんでもないでしょう?」

 

「ふん……あんたが情に流されるなんてね……でもそうね、悪くないかもね」

 

 416は静かに笑みをこぼす…。

 

 AR小隊、そして404小隊は下水道を辿り外へと打って出る。

 空は明るく、風に紛れて硝煙の香りが流れていく。

 視線を鉄血陣営に向ければ、おびただしい数の歩兵部隊が坂を下り迫る……。

 

「訂正、小隊二つが師団規模にぶつかるのは狂気の沙汰よ…!」

 

「覚悟しなさい416、死んだらちゃんと葬式あげてあげるから」

 

「なにちゃっかり生き残ろうとしてるのよあんたは…!」

 

「無駄話は終わり、迎撃開始よ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜明けと共に始まった鉄血の猛烈な砲撃。

 MSFは塹壕の中でそれをじっと静観し続けていた…。

 それは異様な光景だった…鉄血の凄まじい砲撃が廃墟を跡形もなく吹き飛ばしていく恐ろしい光景を、他人事のように見つめているという状況。

 戦争に関係する立場であるのに、今はただ傍観者として鉄血による破壊をただ見続けている。

 

 先日まで、AR小隊を密かに助け出そうとしていた作戦は急遽中止、全部隊が塹壕にこもり目の前の破壊をじっと伺う。

 鉄血の攻撃はMSF側にはこない、誤爆すらも一切無い。

 鉄血側の配慮すら感じるその攻撃は、完全に無人地帯のAR小隊のみに向けられている。

 

 

「なんで……どうしてだ…!」

 

 

 見つめる先で起こる破壊行為を睨み続けていたスコーピオンは、拳を固く握りしめる…指の隙間から血が滲むほどに…。

 それから無人地帯の光景から目を背けると肩をいからせながら塹壕を離れ、連隊司令部へと大股で歩いていく。

 司令部入り口前でヘイブン・トルーパーの兵士がスコーピオンを引き止めるが、彼女はそれを押しのけ乱暴にテントをめくり中へと入る。

 

 

「エグゼ……! これで、こんなんで本当にいいの!?」

 

 

 スコーピオンは中へと入るなり、地図を広げていたテーブルを勢いよく叩きエグゼを睨みつけた。

 AR小隊の救出作戦を突如中止させたのはエグゼだ……あれほど心を込めて説得した後に見せたエグゼの心がわりにスコーピオンは納得がいかず、回答を求めるがエグゼは少し憔悴したようにスコーピオンを見据えるだけだ。

 

「そんなにAR小隊が憎いのか!? アンタは変わらなくちゃダメだ…だからみんなで、アンタのためになるようしてたのに! このままあいつらを見殺しにしたら、一生エグゼが変わるきっかけが無くなっちゃうんだよ!?」

 

「そうは…思わねえよ。姉貴には、アルケミストにはお前の動きは筒抜けだった…もしもAR小隊を助けていたら、今奴らを攻撃している部隊がこっちに牙をむいていた」

 

「それがなんだ…! あの時ならまだやりようがあった、白を切っていればなんとでも言えたはずだ!」

 

「そんな手が通用すると思うか…あのアルケミストに…? お前が考えることは、アイツは数手先に考えている……知略、戦略、策略に長けた存在なんだよアイツは」

 

「アンタが鉄血にいた頃、アイツはアンタを確かに面倒見てくれたはずさ。だけどアイツは…あの悪魔は憎しみで97式を破壊してその仲間を皆殺しにして、今度はエグゼを憎悪に引きずり込もうとしてる! そんな奴の言うことを聞いちゃダメだ!」

 

「姉貴がどうかはこの際関係ねえ! 考えてみろ、AR小隊を助けるメリットがどこにある!? 現実が見えてないのはお前だろスコーピオン! 丘を下って攻撃している鉄血の部隊を見ろ……あれでまだ一握りだ、おそらく奴らは師団規模の部隊を展開させてる! 数で劣るオレたちは轢き潰される!」

 

「数で劣勢だったのは今に始まったことじゃない、ユーゴでもアメリカでも同じ状況だったじゃないか!」

 

 二人の激しい口論に気付いたWA2000、スプリングフィールドらが司令部へと駆けつける。

 今にも取っ組み合いのケンカになりそうな雰囲気に固唾を飲んで見守っていると、テントの外から息を切らした様子のキャリコが駆けつける。

 

「大変だよエグゼ! 無人地帯に、404小隊の姿があるよ!!」

 

「なんだって!?」

 

 キャリコの報告に驚いたのはエグゼだけでなく、他のみんなも一緒だ。

 404小隊とはあの日以来連絡も取っていなかった…何かの間違いかと疑うも、キャリコと複数の者から、川沿いでAR小隊と共に鉄血を迎撃しているという情報が寄せられる。

 

「404小隊が救難信号を打ち上げた…! エグゼ、あいつらを助けるんでしょう!?」

 

「そうだよエグゼ、もうAR小隊がどうとかは関係ない! UMP45たちはあんたも仲間だって、家族だって認めた存在でしょう!? 助け出すのに理由なんて必要ない!」

 

「待て、待てよ……何故、404小隊が…!? UMP45はどうしてこんな事を…!」

 

「理由なんてどうだっていいでしょう!? 今すぐ助けに行かなきゃ!」

 

 404小隊はMSFに正式に所属していないとはいえ、育んだ絆から全員が仲間と認める存在。

 そんな大切な仲間を助けるべく行動に移そうとするスコーピオンらであったが、エグゼの決断は予想外のものであった…。

 

 

「全員、この場に待機だ……一人も塹壕を越えて無人地帯に行くんじゃねえ…!」

 

「エグゼ…!? あそこにいるのは404小隊のみんなだ、見捨てるつもり!?」

 

「黙れッ…! SAA、聞こえるか! いまから座標を送る位置に砲撃しろ…! あぁそうだ、無人地帯に向けて砲撃だ!」

 

 さらにエグゼは有線電話を用いて、後方の砲兵大隊を指揮するSAAに対し砲撃命令を下す。

 これはもう完全に予想外の展開だ、唖然とする一同…。

 

「正気なのエグゼ!? 404小隊ごとM4を殺すつもり!?」

 

「狙うのはあいつらじゃない…! あくまでAR小隊を助けるつもりはないという、オレの意思表示だ……404小隊も、UMP45なら…助ける気がないと知れば、AR小隊を見捨てて離脱してくれるだろうさ!」

 

「エグゼ、お前…! いつからそんな汚い奴になったんだよ…何が怖いんだよ、なにに怯えてるんだよこの臆病者!」

 

「スコーピオン、テメェ…オレが臆病者だと!?」

 

「ああ、お前は臆病者だ! あたしが知ってるあんたは、仲間が助けを求めてるなら、どんな危険の中でも飛び込んでくバカ野郎だ! 今はただの意気地なし、臆病者の卑怯者だ!」

 

「黙れ! テメェ、それ以上ふざけたこと言いやがったらぶち殺すぞ!」

 

「殺せるもんなら殺してみろ、このバカ野郎!」

 

 先に拳を振り上げたのはエグゼの方だ。

 だがスコーピオンはその拳が自分を殴りつけるよりも前にタックルし、エグゼを床に押し倒す。

 マウントポジションをとったスコーピオンは、激しくエグゼを殴りつけるが、エグゼは下からスコーピオンを殴り飛ばす。

 

「二人ともやめなさい!アンタらどうしちゃったのよ!?」

 

 二人が離れると、即座にWA2000などが仲裁に入る。

 息を荒げながら、二人は睨みあう…。

 その時、司令部の電話が鳴り響く…相手はSAA、どうやら砲撃命令の再確認をしに来たようだが…。

 

「つべこべ言ってないで、さっさと撃ちこめばいいんだよ!」

 

「は、はい…そのように…!」

 

 電話をとったヘイブン・トルーパーに怒鳴りつけると、ヘイブン・トルーパーは恐怖に震えながらエグゼの指示をSAAに伝える。

 その様子に周囲が気をとられていた隙に、スコーピオンは飛び出し、エグゼに再び殴りかかる。

 狭い司令部内で繰り広げる激しい乱闘、相手の頭を掴んでテーブルに叩き付け、椅子を掴んで放り投げる…技も技術もへったくれもない、ただの殴り合い。

 そのうちテントを突き破って二人は外で再び殴り合う。

 

「いい加減にしなさい二人とも、こんな時に何やってんのよ!」

 

 WA2000の声も、二人には届かない。

 両者とも血走った眼でぶつかり合い、罵り合う。

 そして、二人のケンカはエグゼが強烈な回し蹴りを浴びせて倒したスコーピオンに馬乗りになったところで止まる……エグゼの手にはナイフが握られ、スコーピオンの首筋につきつけられている。

 

 

「バカ…! 仲間にナイフを向けるなんて…!」

 

「止めるなわーちゃん! エグゼ、やりなよ……それでアンタの気が済むならね」

 

「何言ってんだお前…?」

 

「憎しみに囚われたあんたをまた見るくらいなら、今ここで死んだ方がマシだ……。親友のアンタに殺されるなら、文句はない。だけど約束してよ……あたしを殺したら、代わりにUMP45を助けて」

 

 押し倒されたスコーピオンは、ただ真っ直ぐにエグゼの瞳を見つめる。

 何の迷いもなく、純粋なスコーピオンの瞳を真っ直ぐに見ていられず…エグゼは目を逸らし、そっとナイフをしまう。

 それから少し、頭を抱えた後にエグゼが下した命令は…事態の傍観、エグゼ指揮下のヘイブン・トルーパー隊全員がその瞬間通常任務へ戻っていく。

 スコーピオンは悔やむ様にうなだれ、そんな様子をWA2000はただ茫然と見ているしか出来ないでいた…。

 

 そこへ、再び司令部への電話を受けた兵士が報告へとやってくる。

 

 

「隊長、お電話です」

 

「もう誰とも繋ぐな、オレたちは動くつもりはない…」

 

「ですが、隊長をお呼びでして…」

 

「うるせえな! 命令は下したはずだぞ、口答えするんじゃねえ!」

 

「申し訳ございません……! ですが…」

 

 やけにあがくヘイブン・トルーパー兵に違和感を感じるエグゼ。

 普通エグゼが命令をすれば、何の疑問もなく受けるはずだが、様子がおかしい…。

 

 

 

「相手は、誰だ……?」

 

「はい……旧合衆国アラスカより連絡…ビッグボスから、隊長へと……」

 

 

 




シ、シリアス……。

次回、電話越しのエグゼとスネークの対談……きっと、スネーク相手なら、エグゼも本当の気持ちを話すと思うんだ…。

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