METAL GEAR DOLLS   作:いぬもどき

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常夏の島のハネムーン:砂浜乱闘狂想曲

 MSFの主だったスタッフ、戦術人形に至ってはほとんど全員飛び入り参加という無人島リゾート旅行。

 スネークとヴェルを交えて、家族だけで常夏の島でハネムーンを送るという計画は早くもスコーピオンと言う恋のライバルに邪魔をされて打ち砕かれる。

 海パンに目だし帽姿のMSFスタッフたちも珍しい砂浜で遊び回り、AR小隊と404小隊はビーチの陸地側でテントを張って海の家を開く、他にもスペツナズが早速酒を飲もうと阻止されたりMG5とキャリコが水着姿で肩を寄せ合っていたり、スプリングフィールドとエイハヴがはしゃぐみんなに注意喚起したりと…エグゼが思い描いていたハネムーンとは程遠い様子となっていた。

 

 そして当の本人はといえば、せめてスネークだけは手放すまいと固くしがみつき寝転がっていた。

 

「元気を出せエグゼ、せっかくの旅行だろう?」

 

「ハネムーンだよ! スネークがオレを正式に嫁指定しないからこんな事になったんだぞ!? こうなったら強引にでも既成事実を…!」

 

「落ち着けッ!」

 

 いっそ一線を越えてやろうとエグゼがスネークを押し倒そうとするが、するりと躱される。

 エグゼはがさつで男勝りで乱暴者だが、端正な顔立ちで時折愛くるしい仕草を見せるまごうことなき美少女なのだが、MSFのカリスマであるスネークが誰か特定の人物を贔屓にすることは……色々と修羅場が起きて収拾がつかなくなることがあるのだ。

 歳は重ねても、スネークも立派な男性……こうして美女に迫られるのは喜ばしいのだが…。

 

 諦めずにスネークを狙うエグゼであったが、そこは親友のハンターが後頭部を前蹴りで蹴飛ばして阻止する。

 

「発情期のメスネコかお前は!? まったく、娘がいる前でお前は……少しは落ち着いた行動をとれ」

 

「痛ってえなこの…! お前の蹴り強すぎるんだよ…!」

 

「ある程度力を込めないとお前は止まらないだろう」

 

 ハンターの言葉通り、少し強めに成敗しなければ暴走をとめられないのがエグゼの困ったところだ。

 まあそれを上回るのがスコーピオンの謎のタフネスなのだが、あちらは殺す勢いで成敗をしてちょうどいいところ…時々罰を与えるオセロットも、容赦なくぶちのめす。

 

「エグゼ、後で落ち着いた時間はとってやるから、今のところはみんなと一緒に楽しむんだ。みんなの顔を見てみろ、楽しそうに笑ってるじゃないか……エグゼ、お前もあの中に混ざってこい」

 

「うぅ…そう言われると、弱いな。よし、いつまでもぐずぐず言ってるのもオレ様らしくねえし、切りかえていくか!」

 

「それでこそお前だな。ありがとうビッグボス、ちょっとこいつを借りるぞ」

 

「あぁん? なにすんだ?」

 

「フフ、ちょっとしたスポーツさ」

 

 

 

 

 

 ちょっとしたスポーツ、どうやらそれは鉄血のアルケミストが考案したスポーツのようでサッカーボールほどの球体…というより、まんまサッカーボールなのだが、それでビーチバレーをやろうということであった。

 ちなみにサッカーボールでやる理由は、ビーチバレー用のボールがなかったのと飽きたらそのままサッカーをやれるという雑な理由からであった。

 みんなでビーチバレーをやろうと招集をかければ、ほいほい呑気な様子で人形たちが集まってくる。

 

 スコーピオン、キャリコ、SAA、79式、G11の5人がチームとなる。

 急遽飛び入りで参加したWA2000の小隊メンバー、WA2000とカラビーナは後からやってくるとのことで79式とリベルタが先にこの無人島にやって来たのだった。

 

 そして対決するチームはと言うと…。

 

「うし! やるからには全力だよな!」

「ケガさせるなよエグゼ?」

「ビーチバレーなんて初めてだから楽しみね!」

「フフフフ……これは、楽しいことになりそうだね…!」

「…………」

 

 上からエグゼ、ハンター、デストロイヤー、アルケミスト、リベルタドール。

 チーム鉄血、何人か殺意に満ちた表情で対戦するチームを見据えているが気のせいだろうか?

 こうして並ばせるとそうそうたる顔ぶれだ、何人かの戦術人形は"あっ"と何かを察してこれから起こる出来事を予測する。

 じゃんけんのすえに先攻は鉄血チーム、和やかな表情で笑い合いながらボールを受け取るエグゼ。

 

「みんなビーチバレーのルールは知ってるな? G11は分かってるか?」

 

「うんわかるよ。砂浜でやるバレーでしょ? 簡単じゃん…あれ、でも中央のネットはないの?」

 

「ああ、必要ねえからな。じゃあ始めるぞー………というわけで……死ねG11ッ!」

 

 和やかに始まったかに見えたビーチバレー。

 だがエグゼは獰猛な笑みを浮かべてボールを思い切り投げつけ、ボールは呑気に棒立ちしていたG11の顔面にぶち当たり吹き飛ばす…。

 

「なにやっちゃってんの!?」

 

「お互いボールをぶつけあい、最後まで立ってたチームが勝利する! それがビーチバレーだろうが!」

 

「それドッジボールだから! ストップストップ!」

 

 鉄血側の思惑に気付いたスコーピオンが慌ててゲームを中止する。

 楽しいビーチバレーがこんな殺人ドッジボールだと知れば、キャリコもSAAも慌てて逃げだしてしまったしG11もすっかりのびてぐったりしている。

 

「フハハハハハ! どうしたサソリ、尻尾巻いて逃げるか!?」

 

「くっ…このメスゴリラめ! ちょっと待ってろ!」

 

「いいだろう。オレも水着に着替えてないことだし、着替えたらまた再戦だ!」

 

 

 とうわけで、突如勃発したスコーピオンとエグゼのプライドと意地をかけたビーチバレー(ドッジボール)

 スコーピオンが撃沈したG11と逃げてしまった2人に変わる選手として集められたのが、FALとVector、そしてなんとキッドだ。

 ビーチバレー(ドッジボール)参加者の中で唯一の人間ということで心配されるがそれは杞憂だ。

 

「キッド兄さん、負けたら承知しないからね!」

「キッドさん適当に頑張っちゃってね!」

「キッド、頑張って」

「ファイトー!」

 

 マシンガン戦術人形からの黄色い声援が飛び交う。

 それに対し片手をあげて応えるキッドは、海パン一丁に鍛え上げられた見事な肉体を堂々と晒す。

 鉄血の戦術人形にもひけをとらない身体能力…主にパワーだが、それを当てにしたスコーピオンによって急遽飛び入り参加となった。

 

「フフフフ、ジャンクヤードのポンコツコンビじゃないか。お前たちにチームワークを発揮できるかな?」

 

「言われちゃってるよ独女?」

 

「うっさい! フン、アンタの方こそ…相方と身長に差がありすぎて連携が取れないんじゃないの?」

 

「何言ってんのあんた? 誰かがちびだって、そう言いたいの?」

 

 不遜な態度で言ってのけるデストロイヤーであったが、その場にいた全員の視線が自分に集まると途端に泣きそうな顔でアルケミストの影に隠れていってしまった。

 最近ストレンジラブがデストロイヤーのための新しい義体を開発中との情報もあるが、しばらくはこのちんちくりんボディーで我慢して貰うしかないのだ。

 

「リベルタ、今回はセンパイなしですが正々堂々戦いましょうね!」

 

望むところだ

 

 WA2000を隊長とする小隊の79式とリベルタドールは、お互いに良きライバル心を燃やし相対する。

 まあ、正々堂々戦おうとしているのはこの二人くらいで、あとのメンバーは早くもいかに相手をぶちのめすかで演算能力を無駄に酷使している。

 

「そういえばエグゼがいないじゃん。さては怖気づいて逃げたかな?」

 

「誰が怖気づいたって?」

 

「へへ、そうこなくっ……ちゃ…?」

 

 その声に振り向いたスコーピオンは、ハンターと一緒にやって来たエグゼの姿を見て固まった。

 

 スコーピオンを含め、他のメンバーのほとんど…というより戦術人形の全員がビキニの水着に着替えてこのリゾート地を楽しんでいるわけである。

 鉄血の面子も、ちんちくりんのデストロイヤーはともかくとして、アルケミストやリベルタドールなども自慢の肉体美を惜しげもなく晒す水着スタイルだった。

 そんなビキニスタイルの水着が飽和する中でエグゼは…。

 

 

「競泳水着、だと…!?」

 

「驚いたかスコーピオン! これこそが機能性を突き詰めた最強のデザインだ! この勝負、オレたちの勝ちだぜ!」

 

 

 自信満々に競泳水着の有効性を言ってのけるエグゼだが、スコーピオンを含め周囲の者…主にMSFスタッフの野郎どもの着眼点は違う。

 スコーピオンが一旦タイムをかけて招集したのは、そんなMSFの野郎どもだ。

 

 

「誤算だった! エグゼが競泳水着を選ぶなんて!」

「どういうことだスコーピオン同志!?」

「ビキニ水着より圧倒的に肌の露出が少ないにも関わらず、あの競泳水着の方が人々を引きつけてやまないのは何故か!? あの水着から連想するのは何!? 過ぎ去った青春の日々、チラリズム、そして妄想力だ!」

「妄想力!?」

「そうだ! 見ろ、あの競泳水着によってエグゼの鍛え上げられたボディーラインが露わになっている! 素肌を覆い隠されればいやがおうにも生地の下に何があるのか想像をかきたててしまう!」

「つまりどういうことだスコーピオン!?」

「競泳水着はエロい、以上解散」

 

 

 謎のハイタッチでMSFの野郎どもとはその場で別れ、戦線に戻るスコーピオン。

 

 

「水着のチョイスには負けたけど、勝負はこれからだよエグゼ!」

 

「あぁ? まあいいが、覚悟しろよアホども!全員病院送りにしてやるぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところ変わって、ビーチ張られたいくつものテントの一つ。

 水着スタイルに着替えたスペツナズの面子は最初こそ真面目にテントを立てる作業をしていたのだが、誰が最初に飲み始めたのか…水分補給のための水がウォッカやビールに変わり、いつの間にかスペツナズの面子は出来上がってしまっている。

 酒と飲み仲間さえいれば、たとえそこが重度の放射能汚染地帯だろうと酒場となる…というのは言い過ぎかもしれないが、一仕事を終えた彼女たちは一気に酒を飲み始めるのであった。

 9A91を筆頭に真面目に作業をしていたのには、さっさと仕事を済ませてたくさん飲むという目的があったようだ。

 

 隊の仲間と楽しく飲む9A91であったのだが、この日彼女に大きな誤算が起きることとなった。

 

 

「やっほー、9A91」

 

「あれ、この声は…?」

 

 

 懐かしい声、今はマザーベースにいないかけがえのない友だちの声…振り向いた先には、金髪の少女が水着姿で天使のように微笑みかけていた。

 

 

「スオミ!? ど、どうしてここに!?」

 

「私もお誘いうけたんだ! イリーナちゃんも来てるよ!」

 

「な、なるほど……」

 

 

 スオミの視線を辿って見て見れば、軍服姿のイリーナがスネークと固い握手を交わしているではないか。

 なんでもスコーピオンより声をかけられたようで、ちょうどイリーナ自身もビッグボスに相談したいこともあったということで、スオミもこのバカンスに混ざることが出来たのだった。

 9A91は久しぶりの再会に喜ぶが、同時に焦っていた……穢れのないスオミに対し、自分が率いるスペツナズの面子は大いに穢れているからだ。

 

 

「あら、そちらは…隊長さんが言ってたスオミさん? 初めまして、グローザよ」

 

「あら、可愛い子ね。わたしSRー3MP、ヴィーフリって呼んで」

 

「あなたがスオミか……PKPだ、よろしく頼む」

 

「こちらこそ、いつも9A91がお世話になっています。スオミです、よろしくお願いしますね」

 

 

 心の穢れが瞬く間に浄化されていく…そんな天使のような微笑みに癒しと懐かしさを感じていた9A91であるが、視界の端にウォッカの瓶が映ると瞬時に反応する。

 酒瓶を手にスオミに近付こうとしたグローザを阻止し、強引にスオミから遠ざける…。

 

 

「あら隊長さん、私スオミさんとコミュニケーションをとろうとしたのだけど?」

 

「すみませんがグローザ、スオミにそういうことするのは許しませんから…!」

 

「下手ね隊長さん…あなたも私も、骨の髄まで酒でどっぷりよ。あなたが本当に望んでいるのはこれ……あなたも本当はスオミと一緒に酒を飲んで乱れたいんでしょう? 欲望を抑え込んではいけないわ、苦しいだけだもの……ほら隊長さん、我慢しないで」

 

「さ、させません! スオミを穢すのは私が許しません!」

 

「ねえねえ、なに話してるの?」

 

「ちょっと待っててくださいねスオミ、ちょっとこの飲んだくれをやっつけてきます」

 

「の、飲んだくれ…?」

 

 いまいち事態をのみ込めていないスオミには一旦そこで待っていてもらい、9A91はグローザを森の奥へと引っ張って行き成敗するのだが、帰ってくるとびっくり……スオミはヴィーフリとPKPと楽しそうにお酒を飲んでいたのだった。

 9A91は知らなかったことだが、イリーナの晩酌に付き合わされてるスオミはスペツナズに匹敵する酒の強さであったのだ。

 それが分かると9A91も開き直り、やっつけたはずが復活したグローザも混ざって飲み会が始まった……まあ、やはりスオミを巻き込んでの悪酒飲みは自重するのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場面は変わってAR小隊が開く海の家。

 稼ぎのいいバイトがあると言われてほいほいやって来た彼女たちであるが、道具だけを手渡されて後は丸投げ……途方にくれつつもM4のリーダーシップとM16の助言、そしてSOPⅡの行動力によってなんとか海の家を開くことが出来た。

 鋼管の骨組みに日差し避けのシートを被せただけの簡単な造りのテントに、鉄板とかき氷機、ビールサーバーを用意しただけの質素な海の家。

 だが、思いのほか繁盛している……主にMSFスタッフの野郎どものせいで。

 

「あのー416さん? このタコ焼き半生なんだけど…おまけにタコが入ってないし…」

 

「あんたらMSFのスタッフは生肉食べるんでしょ、それくらい我慢しなさい。タコが食べたかったら自分で獲ってくることね」

 

「辛辣ッッッ!! でもそこがたまらないッ!」

 

「どうでもいいから金を寄越しなさい」

 

 不完全なタコ焼きを売られ罵倒されているのにもかかわらず、MSFの野郎どもは嬉しそうにその場を去っていくのだ……しれっとAR小隊に混じって海の家で416はタコ焼き(タコなし)を強気な値段で売り付けるのだが、その態度が一部の客層にうけてそれなりに繁盛している。

 かき氷を担当するSOPⅡの無邪気さ目当てに集まる面子もおり、彼女の無邪気な笑顔に癒されてスタッフたちは帰っていく。

 

「M4、調子はどうだ?」

 

「M16姉さん…うーん、焼きそばなんて初めてつくるのでよく分かりません」

 

「ここでの稼ぎは全部貰っていいってスコーピオンが約束してくれたからな、頑張って売ろうな!」

 

「はい、そうですね。取りあえず姉さんは商品のビールを飲まないでください、いい加減蹴り上げますよ?」

 

 強制的に水着を着せられたM4であるが、鉄板作業のために今は水着の上からパーカーを羽織っている。

 作ったことも馴染みもない焼きそば作りに、あまりやる気を見いだせない彼女であるが、売れればそれだけMSFから早く解放されるので仕方なく取り掛かる。

 

 そんな風に、MSFの野郎ども相手に食べ物を売っていると、FALとVectorがやってくる。

 二人ともエグゼたちがやり始めた乱闘ビーチバレー(ドッジボール)の参加者であったはずだ、そう思い見上げると、FALが鼻をおさえて尋常でない血を流しているではないか。

 

「商売中ごめんね、ちょっと冷やす氷もらえない?」

 

「構いませんけど、どうしたんですかFALは…!?」

 

「この独女ったら、試合開始早々にデストロイヤーを狙ったもんだからアルケミストを怒らせてね……アルケミストのオーバーヘッドキックのボールが顔面直撃してこの通りなんだ……バカだよね?」

 

 くすくすVectorは笑っているが、FALはそんな余裕もなさそうで、氷の塊を鼻にあてて患部を冷やし始める。

 先ほどから聞かないようにしていたが、あのビーチバレーが行われている場所から阿鼻叫喚の声と罵声、物騒な言葉が飛び交っていたのは海の家にも届いていた。

 

「まったく、野蛮ですね……あ、終わったんですかね?」

 

 どうやら戦いが終わったらしい、スコーピオンやエグゼ、アルケミストなどが意気揚々とやってくる……みんな身体のあちこちにあざやら切り傷を作っている、どうやら砂浜で戦闘が勃発したらしい。

 

「――――それにしてもキッドがあそこまでタフなのは驚いたぜ!」

 

「味方ながらあたしもびっくりだよ! まあアルケミストの急所攻撃には耐えられなかったみたいだけど…」

 

「玉潰れてないよな、あいつ? 一応加減したんだけど…」

 

 そんな物騒な会話にM4は早くもげんなりしていた。

 

「おうニート隊長、腹減ったぜなんか寄越せ」

 

「礼儀を知らないメスゴリラですね、お金を寄越しなさい」

 

「ツケにしとけ」

 

「寝言は寝て言えメスゴリラ」

 

 早速バチバチと火花を散らす二人、相変わらず仲の悪い二人の間にスコーピオンが割って入る。

 とりあえずビールと焼きそばを人数分頼み、お金はスコーピオンがまとめて支払う。

 

「いやーひと汗流した後のビールは格別だね!」

 

「ああ、同感だ」

 

 青い海と砂浜を眺めながらのんびりビールを飲む、これ以上の贅沢はない。

 つまみがあまりないのが惜しいが、それは夜に向けて準備を進めているスプリングフィールドに期待することにしよう…ということで、出来上がったM4お手製の焼きそば。

 限られた具材で作ったため見た目は華やかでなく、盛り付けの悪さも相まって……あまり美味そうには見えない。

 

 みんなの表情にM4はムッとする。

 

「ま、まあ見た目なんて二の次肝心なのは味だもんね!」

 

「別に気をつかわなくていいですから、スコーピオン」

 

「とりあえず一口、いただきまーす…………んん?」

 

「おい、どうした? 毒でも入ってたのか?」

 

「美味い………いや、美味いなんてもんじゃない……美味すぎるッ!!」

 

「なにぃ!? こんな素人が盛り付けた残飯みたいな焼きそばが美味いだって!? ふざけんなM4のくせに………!」

 

 半信半疑で焼きそばを口にしたエグゼであったが、不意にピタリと動きを止めた。

 それから何を思ったのかその目に涙を浮かべ、悔しそうに涙をぬぐう。

 

「ちくしょう……本当にうめぇ……なんなんだよこれ!? なんかヤバい薬でも入ってんのか!?」

 

「入れるわけないじゃないですか!」

 

「まあ冗談はともかく、美味い焼きそばだな。何か工夫を?」

 

「いや、大したことは……きちんと麺をほぐして、ソースも自分なりにアレンジしてみただけです」

 

 ハンターの裏表のない称賛にM4は気を良くしたらしい、常日頃嫌ってやまないエグゼが涙ぐみながら焼きそばを食べている姿に微笑を浮かべていた。

 

 早くも濃厚な時間が流れつつあるエグゼのハネムーン?旅行、だがまだこのバカンスは始まったばかりだ。




エグゼが競泳水着だったり、怒血暴琉(ドッヂボール)だったり、スオミの登場に9A91が慌てたり、416が悪徳商売したり、キッドが玉潰されかけたり、意外にM4が料理上手だった今回の回……うん、詰め仕込み過ぎたねw

まだまだ続くぞMSFのバカンス編!

次は夜の部だおらー!
キャンプファイヤーだおらー!

でも夜はちょっとしんみりする展開かな?
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