METAL GEAR DOLLS   作:いぬもどき

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今回は記録者Sさんとのコラボ案件や、アーマードコアを知らないワイが好き勝手するコラボやぞ!
覚悟しろ!


緊急合作案件! 異界の兵器が持ちこまれたよ

「面白い名前だな、気に入った。もし戦場で会ったら、殺すのは最後にしてやる」

 

 MSFの前哨基地への訪問客であるアリスのその一言で、その場の空気がぴしっと軋む様な錯覚を受ける。

 ことの始まりはエグゼが来訪者であるアリスの名を"女みたいな名前"と言ったことに起因する。ようするに最初に無礼をやってのけたのはエグゼの方であるが、元々エグゼは自分が認めた相手以外には敬意を欠片も示さないことで知られる。

 そんなエグゼが、冒頭の挑発とも言えるような言葉をアリスにかけられた瞬間、それまで興味がなかったかのような態度を一変させる。

 

「なんだテメェこのやろう……ケンカ売るつもりならもっとマシな言葉使いな」

 

 あくまで無関心を装っているが、さっきまでの態度に比べたらエグゼは真新しいおもちゃを見つけたかのように目をいきいきとさせている。

 対するアリスは、自分の名を侮辱されたと感じたために割と本気にエグゼを睨みつけている。

 

「殺したい、そう思ったんならさっさとやりな。オレが忘れちまう前によ?」

 

「エグゼ、客人に失礼だろうが。落ち着けよ」

 

「うるせえよ、引っ込んでろキッド」

 

 仲裁に入ろうとするキッドにも暴言を吐き、いつの間にかキッドもイライラし始める。

 場の空気が悪くなっているのに気付いたのか、警備のヘイブン・トルーパー兵が様子を見に来るのだが…争いの渦中にいるのがエグゼだと分かった瞬間、彼女たちは距離をあけて成り行きを見守る。

 

「キッドは優秀な兵士だと思えるが、お前はそうは思えないな」

 

「テメェの物差しでなんでも測れると思うなよ? テメェとオレと築き上げた死体の山の差が――――」

 

 そんな時、ズシンズシンという振動が近付いてきたのでそちらを咄嗟に見ると、流線型のボディを持つ巨大な兵器が軽快な足取りで近付いてくるではないか。先ほどまでアリスを挑発していたエグゼは、その巨大な兵器を目の当たりにすると途端に狼狽する。

 

「やっほ~皆さん、ただいまメタルギアRAYの歩行テスト中ですんで踏み殺されたくなかったら2メートル以内には近づかないでね~!」

 

 巨大兵器メタルギアRAYに追走する形でジープが一台走る。

 運転を担当するスコーピオンの隣では、スピーカーでメタルギアに踏まれないよう注意を喚起するアーキテクトの姿があった。

 どんどん近付いてくるメタルギアRAYを見て、エグゼはわなわなと震え出したかと思えば、尻尾を巻いてその場から逃走していった。

 

「なにがあったんだ?」

 

「あぁ……エグゼは昔、別なメタルギアにボッコボコにされた経験があってな。それっきり巨大兵器を見るとあの通りなんだよ」

 

 そのメタルギアというのが今はないZEKEという名の史上初めてメタルギアの名を冠したMSF独自の兵器だ。

 今は後継のサヘラントロプス、そして現在開発途中のRAYがMSFが所持するメタルギアとなる。

 

「あんたのあの……なんだっけ?」

 

「アーマードコア、ジャヴバウォックだ」

 

「そうそうそれ、そいつもメタルギアとはまた違った設計思想だが、なかなかのものじゃないか。怪物との戦いではあんたの兵器の方が役に立ってたよ」

 

「あの時は必死だったからな。それにしても、無人機のグラートといいあのメタルギアといい、MSFの技術力は高いな」

 

「マンハッタン計画の研究員が軒並み揃ってるようなもんだからな! まあ、奴らへの研究費が上がるせいでオレの給金がいつまでも増えねえ……ちくしょう」

 

 何か研究開発班への不満があるのだろうか、キッドは肩を落とし、元気に基地の敷地を闊歩するメタルギアRAYを眺めていた…。

 

 

 

 

 

 

 ところ変わって前哨基地内の整備場内にて、アリスとグリフィンD17地区基地指揮官のシェリルが持ちこんできた兵器、アーマードコアの解析と修復依頼を請けていた。あとは、先日アリスらが捕獲に成功した雷狼竜ジンオウガが運び込まれ、重厚な檻の中で麻酔によって眠らされていた。

 ジンオウガに関しては、環境が落ち着いた怪物の島の自然に返すつもりだ。

 モンスターを捕獲してくれた報酬として、MSFは彼女らに無人機のグラートを一体譲渡する約束だった。

 

 グリフィンD17地区基地指揮官のシェリルが持ちこんだ異世界の兵器と言われるアーマードコア、これの解析と修復をお願いされたわけではるが…当たり前だが持ちこまれてすぐ解析結果を出すことも作業に取り掛かることも不可能で、少し時間はかかるということはお互い了承済みだ。

 

「私たちもこの兵器についてはよく分かっていないんだ、あなた方の技術力を見込み解析をお願いしたい」

 

「美しい……」

 

「ああ、とても美しい…」

 

「あの…ミラーさん、ストレンジラブ博士? どこをみて言ってるんです?」

 

 未知の兵器の解析ということで呼ばれた副司令のミラーとストレンジラブ博士。

 損傷したアーマードコアよりも、その前に立つシェリル指揮官を見ながら感想を述べる二人に、彼らを呼んだエイハヴは何とも言えない表情を浮かべていた。 

 

「美しい、か……戦争を生業とするMSFの人間から見ればこの兵器もそう見えるのか」

 

「いや、シェリル指揮官この二人は……まあいいか」

 

 ミラーとストレンジラブの個人的感想があくまで兵器に向けられているものだと疑っていないシェリル指揮官。

 エイハヴはその勘違いに気付かせてあげようと思うが、色々と話がこじれてしまいそうなので止めにした。

 

 その後さりげなくお茶に誘おうとするミラーとストレンジラブを阻止し、ひとまずエイハヴはこの交渉が穏便に済むよう努めるのであった。




こ、これでええんか…?

ルーク・スカイウォーカー「素晴らしい全て間違っている」


唐突なSWネタ申し訳ない…(ネズミ三部作で唯一印象に残るセリフ)






※アンケートについて
カズヒラ・ミラー殺害事件について、推理物(ガバガバ推理)になると思うので、今しばらくお待ちを…。
具体的には、金田一くんとコナン(ザ・グレートじゃないよ)を読ん勉強してるから待ってクレメンス。

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