「おはよー!」
「おはよ!」
「昨日のテレビ番組見た!?あの、怖いやつ!」
「あっ、見た見た!」
「面白いよなー!『夏』って感じがしてよー、俺らも女子とかと一緒に肝試ししたいよなー!」
「めっちゃやってみたい!てか、渚はどうなんだよ」
「なぎも行くよな!あったら」
「えー、俺?」
「渚って言ってんだからお前しかいないだろ!」
「俺は…いいよ…」
「は?マジで言ってんの?」
「田中さんくるって言ったら?」
「え…行く…」
「だよな!こいつ田中さん大好きだし!」
「もーいい、俺もう帰る」
「おい待てって!」
「渚待てよー」
真斗と誠にわざとらしく起こる素ぶりを見せながら渚は帰る支度をし、教室のドアを出た。
(本当なんで、肝試しとかやりたがるんだよ…俺がビビリなの知ってるくせに…)
「俺って何でこんなビビリなんだろ…」
なにか習い事やスポーツ、部活をやって来たわけでもない渚は、何でもできる真斗や誠の事を尊敬もしながら、妬んでもいた。真斗は、バスケ部、誠は帰宅部だが、区のボクシングクラブで優勝経験も持っている。
「俺も何かやりたいなー、でも今からやれるって言ってもなー」
途方に暮れながら自転車の鍵を探している時だった。
「すいませんー、この猫何処かで見ませんでした?」
(ちっ、誰だよこんな時に…)
「どんな猫ですか?)
渚が顔をあげるとそこに立っていたのは、
「田中…さん…?」
「え?あ、渚くん⁉︎全然気づかなかったよー!最近どう?なんかあった?」
「え?最近?特に何もないよ!」
「そっかー、彼女とかできてないの?」
(は?何をこいつはバカなことを言ってんだ、俺みたいな人間にで(ry)
「いないよー!田中さんはいるの?」
「私もいない〜」
「そっか!あと、その猫さっき葉山さんが持ってたよ」
「本当に?」
「うん」
「ありがとう!」
そして田中さんは、葉山さんを探しに走って行ってしまった。
家に帰ると案の定誰もいなく、テーブルの上にはおにぎりと唐揚げが置いてあった。そして、メモ紙に「仕事に行って来ます。帰って来るのは10時くらいかな、」と、書いてあった。少し体調も悪かったので早めに風呂に入り、歯を磨いて寝ることにした。いざ就寝となるとなかなか寝れず、スマホを見たり、小説を読んだりしていた。
ピコピコピコピコピコン!
「んだよ、うるせーな。ん?グループチャットに招待しました?肝試しの会って、まだあの話続いてたのかよ」
メンバーのところを見ると、誠、真斗、田中さん、葉山さんの4人がメンバーとして入っていた。
「いやどう見たってこの中には入れないだろ、俺が入ると場違いだな」
阿呆らしいと思い、招待の誘いを僕はキャンセルした。
だが、僕は後から、このことを後悔することになった。