やっと完成…
この小説では初の2000字突破です!
〜明久side〜
ー南十字男子修道院:食堂ー
獅郎「あー、いきなり風呂覗いたのは謝る…だが、黙って出て行くのは止めてくれ」ボロッ
明久「は、はい…」
あの後、燐君が獅郎さんをボコボコにしている所に雪男君が仲裁に入り、騒ぎは収まった
今は修道院の皆さんと食卓を囲み、獅郎さんから注意を受けている所です
獅郎「それと燐、職安行って朝帰りたぁ…随分勤勉になったなぁ?仕事でも決まったのか?」
燐「ゔ…そ、それは」
獅郎さんに言われ口ごもる燐君
流石に喧嘩してたって言いたくないよね…
でも…
雪男「また喧嘩したんでしょ…怪我してるじゃないか!」
雪男君は見逃さなかったようだ
獅郎「何っ!?燐!お前はどうしてそう喧嘩っ早いんだ!手ぇ出す前に考えろって言ってんだろ!!」
獅郎さんは燐君を怒鳴りつけると、箸を投げつけた
その箸は、燐君の額に命中する
燐「痛ぁ!?人の事言えんのかよ!!」
涙目になりながら獅郎さんに反論する燐君
僕はただ見てるしか無かった
獅郎「全く、情けねえ!…これを回せ」
獅郎さんは席に着くと一枚のメモを取り出し、隣の人に回すよう言った
恐らく、燐君に渡すつもりなんだろう
案の定、燐君にメモが渡される
燐「…なんだコレ?」
獅郎「知り合いの料亭が見習いを欲しがっててな…お前、どうだ?その気があるなら今日面接してくれるらしいぞ?」
凄い…料亭の人と知り合いの獅郎さんもそうだけど、燐君料理上手なんだ
燐「りょ、料亭!?無理だろ!俺にそんな、まともな仕事出来る訳ねえ…自分の事は自分で良く解ってる」
獅郎「馬鹿野郎!学歴も無えのに仕事選り好みしてんじゃねえ!お前は自分に自信が無さ過ぎる…その事も含め、料亭でキッチリ学んでこい!」
はたから見れば口喧嘩にしか見えないけれど、獅郎さんの言葉には燐君を心配してる事が良く分かる
獅郎さんは、親として厳しい事を言っているんだ
燐「わ、わかったよ…」
燐君も冷静になったのか、先程より表情も良くなっている
獅郎さんの方を見ると、スタッフの人と軽く話をして席を立った
その後は朝食を食べ終え、食器などを片付けた
燐君は雪男君に治療してもらうらしい
明久「…外に行こう」
僕は玄関に向かう為、廊下を進む
明久「……ん?」
廊下の隅に黒い影が見えたので立ち止まる
何だろう…
あ、まっくろくろすけ?
「何やってんだ、明久?」
声をかけられたので振り向くと、燐君が居た
明久「ううん、何でもないよ?…燐君はどうしたの?」
燐「ああ、これから面接行くんだ。それでスタッフがスーツ貸してくれてよ…まあ、ネクタイの結び方分かんねえが」
そう言って、手に持っているネクタイを見せてくれた
明久「…良かったら僕が結んであげるよ?」
燐「マジで!?頼む!」
明久「うん、じゃあネクタイ貸して?」
僕は燐君からネクタイを受け取ると、テキパキと結んでいく
燐「明久凄えな…どこで覚えたんだ?」
明久「前通ってた学校の制服に必須だったから…」
文月学園の制服にもネクタイがあったから、僕にとっては簡単なのだ
明久「はい、出来たよ」ニコッ
燐「お、おう…サンキュー///」
明久「…?」
顔が赤いけどどうしたんだろう?
燐「…?」
燐君が一瞬、廊下の隅に目をやった気がしたけど気のせいかな…?
ー南十字男子修道院:玄関ー
僕らが外に出ると、獅郎さんが小さな女の子に手を振っていた
多分、お客さんなんだろう
燐「…大変だな、神父兼祓魔師も。いもしない悪魔(もん)祓わされて…ただの悩み相談だろ?」
燐君が獅郎さんに話しかける
獅郎「バーカ、悪魔はいるんだよ。俺達の心の中にな…それより、どした?その格好」
燐「…色々考えてさ、面接行こうかなって借りたんだ」
獅郎「…そうか」フッ
そう言って、獅郎さんは優しく微笑んだ
獅郎「おっと、エリは立ててボタンは留めとけよ?」
燐「お、おう…」
燐君は獅郎さんに指摘された所を直していく
獅郎「さて、そろそろ時間だろ?さっさと行け!」
燐「わ、分かったよ!」
獅郎「っと、悪い明久。燐が迷子になんねえよう着いてってくれ」
獅郎さんはそう言うと、ニヤッと笑う
燐「な…1人で行けるわ!」
燐君はそう言うけど、僕もどうせ暇だしどんな料亭なのか興味があるんだよね
明久「分かりました。修道院に居ても用事とかありませんし、行ってきます」
獅郎「そうかそうか!おい燐、ちゃんと明久の事守れよな!」
燐「あ、当たり前だ!行くぞ明久!」
明久「わ…!」
燐君に手を引かれて僕も歩き出す
顔が赤いから、きっとからかわれて恥ずかしいのかな?
そんな事を考えながら歩いていると、黒い塊(?)みたいな物が前からフヨフヨと近づいてくる
燐・明久「「…?」」
僕らはその黒い塊を避けて修道院を出た
〜明久side out〜
〜獅郎side〜
俺は息子同然のあいつらを見送り、修道院に戻ろうとした
だが、俺は見ちまった…
魔障も受けず、覚醒して居ない筈のあの2人が…悪魔の一種、魍魎(コールタール)を見て怪訝そうにしながら出て行ったのだから
俺は目の前に来たコールタールを握り潰し、手を開く
俺の掌からは黒い煙が立ち上っていた
獅郎「…燐、明久」
俺はあいつらが歩いていった方を見ながら、人知れず呟いた
〜獅郎side out〜