……流石に冒頭から怒られそうな気がしてきた。
説明しよう!
守矢教とは!!オンバシラという男根のメタファーを崇拝する神代から伝わるカルト集団である!!!
守矢神社では恒例行事として御柱祭という男性器に見立てた柱へ征服者の如く跨り市中引き回しにするというものがあるのだが、世界の奇祭を紹介する海外番組で取り上げられてしまい、世界中へ拡散してしまった。その結果、『男性の身体を物として扱っている』『蛮族の所業』等と評され、過激派の男性権利団体などの標的にされてしまい、世間からポリコレ棒で袋叩きにされて邪教集団扱いされるに至ってしまった。元より祭りの度に事故で死者を出していたことも相俟って、行政からの禁止措置が成され、長きに渡る伝統は終止符を迎えることになった。
そのような経緯と関係があったかはさておき、外の世界では神徳の多い神様でさえ信仰する人間が激減していた。神奈子も押し寄せる時代の波には抗えず、信仰が薄れて神としての実体を維持できなくなりつつあったのだ。
時は2006年
八坂神奈子はある重大な決定を下した。
“守矢神社の幻想入り”
喪われた神徳を延命するためのその決定が
妖怪の山を魔境へと変えたっ・・・!!
☆
守矢神社の風祝、東風谷早苗は博麗神社へカチコミに来ていた。
「あれが博麗神社ですね。ここさえ押さえてしまえば幻想郷の信仰は全て守矢の物、ちょろいものです!」
早苗は幻想郷の人間をなめていた。唯一の神社を脅せば簡単に思い通りになると考えていたのである。
早苗が降り立った境内には静寂に満ちていた。ゆるやかな秋風が紅葉した落葉を舞わせ、揺れる木々のざわめきが自己主張している。夕日に照らされる石畳の上には一つの人影があった。早苗よりも頭一つ低い身長を紅白の装いに包み、フリルをあしらった大きなリボンを結ぶ頭からは背中の中ほどまで届く濡鴉色を垂らしている。その容貌は美しくも愛らしい少女でありながら、美少女とはまた別の概念を人の形に具象化したような、どこか妖しい魅力を備えていた。
彼女は掃除用の箒を手にアンニュイな表情で揺蕩う落葉を眺めている。秋色に色付いた神社を背景に自然体で佇む姿は、まるでそうあれかしと作られたように場と調和しながらも、どこかその存在が世界から浮いているようで、それがまたある種の神聖さと超越性を醸し出していた。
早苗は己が見たこともないにも関わらず、その光景に喪われた日本の原風景を見出し、理由の分からない郷愁を感じていた。幻想郷はここにあった。
「……か、かわいい」
何故だろうか、彼女を見ていると胸のときめきが止まらないのだ。漫画ならきゅん♡きゅん♡とハートマークが飛び交っていることだろう。端的に言って一目惚れである。身体は正直だな。
無言で霊夢に近づいた早苗は言葉を発するよりも早く霊夢の頭を自身の胸に埋めるように愛おしく抱きしめると頬ずりしながら髪に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。押し寄せる陶酔感に表情はだらしなく歪んでいる。
「こんな寂れた神社なんて潰してうちの子になりましょう(スーハ―スーハ―)」
「ちょっとアンタ誰よ!?」
突然の組み付きに動揺する霊夢。それでも相手を突き放し距離を執る事も出来ただろう、しかし己を包む柔らかさは無意識の内に鼻で深呼吸を行う選択をさせた。
(女の子の匂いがする)
霊夢は今までにない新たな感覚にもかかわらず不思議とその様な感想を覚えた。服の上からでも胸に吸いつきたくなる衝動を抑えながらその匂いを堪能する。
一頻り互いの呼吸音が続いた後、ようやく早苗は返答した。
「お姉ちゃん……早苗お姉ちゃんと呼んでください!」
「はい!?!?!?!」
流石に霊夢も混乱している。
「あなたをウチの子にしてみせます!理由はもちろんお分かりですね?あなたがこんなにも愛くるしく私を魅了し、理性を破壊したからです!覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに迎えに来ます。養子縁組もします。守矢神社にも問答無用できてもらいます。引っ越しの準備もしておいて下さい!貴方は義妹です!一緒の布団にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!いいですね!」
ビシィッ!と霊夢を指差し、言いたい放題に欲望をぶちまけた早苗は去っていった。
残された霊夢は疑問を漏らす様に呟く。
「……おっぱい」(何だったんだろう)
考えても分からなかったので、取り合えず霊夢は寝所へ戻って抜くことにした。
一方、守矢神社では実に満足気な笑顔で帰宅した早苗を神奈子が出迎えた。
「おかえり早苗、首尾はどうだい?」
「良い匂いがしました」
「何の話!?」
☆
早苗の襲来から数日後、霊夢は儀式に励んでいた。
「しゃなえっ♡ さなえおねえちゃんっ♡♡」
霊夢はこれまでに母性や包容力を兼ね備えたママやお姉さん系の相手と向き合ったことはあったが、同年代で年上の親しみやすい"お姉ちゃん"と呼べる存在を相手にした経験はなかった。外の世界出身の栄養状態がもたらす発育の良さ、柔らかさとハリのある胸の感触。巫女(風祝)故に人の身で在りながら具えた神聖さが、女子高生特有の華やかな香りと谷間で蒸れた汗の匂いが綯い交ぜになった匂いというリアリティによって引きずり落とされ、女であるということを強く意識させられた。霊夢は神聖なものを己の欲望で穢すということに名状し難き興奮を覚えていた。新たな性癖の芽生えである。
新たな刺激に儀式は捗っていた。いつもなら明け方には終えるところだが既に日が昇っている。そうなると当然人が来ることもあるわけで。
「お~っす、霊夢居るか~?」
「くぁwせdrftgyふじこl;p!?」
突然の魔理沙の来訪に霊夢は声にならない声を上げる。慌てて脱ぎ捨てた寝間着で身体に付着した汚れをふき取り汚物をくるむと布団の中に押し込み素早く巫女服を纏う。布団は丸めて押し入れに叩き込み戸を閉じた。その速度は今までの戦闘中の速度を越えた最高速を記録した。
表に出ると魔理沙がこちらを窺うように問うてくる。
「おいおい、どうしたんだ霊夢、変な声なんて出して。らしくないぜ?」
話題を逸らすべく先日の出来事を話す。怪しい人間の来客があったこと。神社を潰すとか山の神の傘下に下れと言われたこと。
「うーむ、胡散臭いな。そいつは全く見たことない顔だったんだろ?妖怪かなんかの偽物か、邪神かなんかじゃないか……異変の匂いがするな」
「そうね、行くわよ魔理沙」
異変とかそんな感じではないと霊夢は思ったが、早苗お姉ちゃんの顔を思い浮かべるとお祓い棒が疼くのを感じたので、山の上にいるという神様に会いに行くことにした。
☆
妖怪の山へ踏み込んだ霊夢は進むほどに強くなる不穏な空気を感じていた。ついでに遠吠えも聞こえてくる。
「人間がこの場所に現れたのは初めてだけど、ここは人間ごときがくる場所ではないわ」
立ち塞がるはクルクル回るゴシックロリータ、妖怪の山最後の良心こと鍵山雛である。
新手のお姉さんの登場に霊夢は身構える。
「悪いことは言わないから帰りなさい。特に今は山全体が荒れていて危険が危ないの」
その声色には敵意はなくこちらへの気遣いが窺える。
「あの喘ぎ声は白狼天狗ね、普段のあの子達は侵入者がいないか見回りをしてくれてるのだけれど、貴女が来る少し前からどうも様子がおかしいみたいね」
白狼天狗の哨戒部隊は妖怪の山から部外者を排除するというよりも、部外者に被害を出さないために存在する。内部の危険人物を外に出さない役割もある。割り方常識人の集まりである。
☆
「ワォ~~ン♡ あ゛ん!お゛ん!お゛お゛ぉぉおおおおおん♡♡♡」
妖怪の山には発情した白狼天狗達の嬌声が響いていた。
「発情期*1にしては早いですし、規模もおかしい。栗の花も既にシーズンは終わっている。……何かが起こっている?」
白狼天狗は発情期のオオカミのフェロモンに当てられて発情が誘発されることがあるが、妖怪としての格が上がる程獣からの影響は受けにくくなるためレアケースとなる。なお白狼天狗に発情期はなく年中発情可能である。
また、妖怪の山には化け物めいた大きさの栗の木があり、花期の6月辺りは周囲が盛り場に成り果てる。
射命丸文はその謎を明らかにすべくアマゾン奥地へ向かった。
☆
常識はあっても抗えないものはあるようだ。
聡明な読者の皆様は既にお気付きのことだろう。白狼天狗が乱れる理由、それは鋭敏な嗅覚で霊夢から漂う霊夢汁の匂いを嗅ぎつけてしまったからだ。
一度身を清めても僅かな残り香だけで洪水を起こしかねない特濃生命力は、当然布で拭いただけでは処理できたわけがない。例え人間には感知できなくとも、妖怪なら無意識の内に影響を受けるだろう。嗅覚の鋭い種族に至っては、生の霊夢汁など最早暴力である。生真面目な白狼天狗たちが水龍敬ランドの住人と化してしまったのは仕方のないことだ。
「日を改めればいいとでも思った? 無駄よ、そもそもこの山の連中にマトモな奴はいないの」
雛による妖怪の山のイカれたメンバー紹介が始まった。
「河童といえばこの謎言は外せないわね」
『やっぱり新鮮なキュウリは上の口で食べるに限るぜ』
上の口という言い回しからも察したことだろうが、河童がキュウリを下の口にぶち込んでトゲで怪我をするのはよくあることで、最早ある種の通過儀礼と言って良い。キュウリを味わう新たな手法を求める欲望と好奇心が原因である。あくまで極一部に限られる話ではあるのだが、キュウリを用いて得られる性的快感を条件付けることで普通にキュウリを食べるだけで快感を得られるようになったと主張する者もいるらしい。
「人間が襲われる件については、ステルス迷彩で隠れ潜んで男の尻子玉をアレして強制的にトコロテンさせるヤバイ奴らよ」
霊夢は括約筋が締まるのを感じた。
これに関しては詳しく書かない。言ってることが分からなくても調べなくていいと思う。
山の妖怪の性癖・危険性の解説はその後も続き、話の長さと情報量の多さに霊夢は阿求と代わってほしくなった。妖夢ならとっくに聞くのを止めて聞き流しているに違いない。しかし、自分が山へ来た目的である山の神様について言及されないので霊夢は質問してみることにした。
「山の神様について聞きたいんだけど」
山の神様というワードが出た瞬間に雛の目からハイライトが消えた。
「ふふふ、聞きたい?……聞きたいの?」
厄い。雛の周囲へ噴き出す様に身に纏う負のオーラが増した。霊夢は思わず後退る。
どう見ても含むところがあると伺えるというのに、滔々と滑り出した語り口は、その平静さが逆に不気味だった。
☆
――神を語るには逸話や伝承について語らなければならない。
ここでは諏訪大戦を取り上げるとしよう。
『諏訪子の王国の元に大和の神々が侵略してきた。王国を訪れた大和の神とは、神奈子であった。勿論、諏訪子は抵抗し当時最先端であった鉄製の武器を持って戦った。しかし、神奈子は細い植物の蔓をかざすと、諏訪子が持っていた大量の鉄の輪*2は、たちまち錆びてボロボロになってしまった。その神力の差に敗北を確信した諏訪子は、潔く降参し王国を明け渡した。』*3
これが表向きの歴史書に語られる諏訪大戦だ。しかし、神話とは往々にして寓意や暗喩を多分に含むものである。
古代より男子は希少であり、諏訪子は神であるにも関わらず、いや神であるからこそ男とは縁がなかった。神と交わるには人の身は脆弱過ぎたのだ。己の欲望をカエルさんスタイルで杭打機の様にピストンすれば人間など簡単に壊れてしまう。希少な男子をそのような危険に晒すわけにはいかなかったのだ。諏訪子の民達を守りたいという思いが溢れる欲望を鉄の意志で押さえ続けていた。
ここまで言えばお分かり頂けるだろう。
洩矢鉄の輪のメタファー、それは諏訪子の
この点を押さえると『細い植物の蔓』『鉄の輪は、たちまち錆びてボロボロになってしまった』これらが示唆するものが理解できる。
『触手拘束プレイ*4に興奮し緩んだ諏訪子のナカへ神奈子の
これが諏訪大戦の真実である。
☆
「つまり、八坂神奈子は触手拘束張り型レイプで相手を侵略する邪神だったのよ!!!」
説明の要点を叫んで締めた雛の目は死んでいた。無論霊夢も同様である。
「れいむ、おうちかえゅ」
霊夢は神社へ帰ることにした。
妖怪の山は魔理沙がなんとかしてくれるだろう。たぶん。
☆
一方そのころ、守矢神社では神奈子と天狗の頭領である天魔の間で秘密の交渉が行われていた。
実際に行われているのは交渉とは名ばかりのルール無用のステゴロである。
肉と肉がぶつかり合ったとは思えない打撃音が響き空気を震わせる。低級の妖怪では場に満ちるプレッシャーに飲まれて逃げる事すら叶わないことだろう。
「デカイのでゴリゴリするのが気持ちいいだろぉおおおおお!!!」
「健気に腰を振るショタこそが最高だろうがぁあああああ!!!」
誰にだって譲れない物はある。これは性癖を懸けた宗教戦争。己が魂を込めた拳による語り合いだ。
そちらとは対照的にお供として付いて来た早苗とはたては交換した資料を読みふけっている。
「男の娘……素晴らしい……こういう世界があったんですね!幻想郷も捨てたもんじゃないですね!」
「これが外の世界のスケベブック……男同士でとかヤバイわ……」
着々と異文化交流が進んでいた。
交渉で何を話し合ったのかは一般公開される事はなかったが、結果はお互い山に住む者として友好関係を築く事になった、と山の妖怪たちに通達された。
結論を言うと巨根の女装ショタ同士がまぐわる薄い本が厚くなることになった。
東方のあべこべ作品はブルーオーシャンだから皆も書こう?
ウチもやったんだからさ