普通科、高校3年生!ヒーロー目指します!?   作:黒套院 時雨

18 / 22


今回!今までに無いくらいコロコロ話が変わります!
読みづらいかも知れませんがご了承ください…




第18話 話の展開と秋の空

「朧!あの野郎に近づかれるなよ!」

「あの野郎ってどっちのことっすか!?」

「ンなもんどっちもだ!俺達とあいつらの目的は違ぇ!いいな!?」

「…ッ!了解っす!!」

 

俺達を見て白い方がニタリと笑う。

 

「そう、僕達と君達では立場が違うからね。いやぁ…ヒーローってのは守るものが多いものだ…」

「最近各地で傷のないヒーローの変死体が見つかっているだろう?」

「あれは僕達の仕業さ。面白いだろう?」

 

各地で見つかってる変死体…!

怒りで我を忘れそうになる。

 

「あれはお前達の所為だったのか…!」

「ん、どうしたんだい?まるで深く悲しいことがあったような顔をして。」

「お前達だけは絶対に!許さない!!俺の!憧れたヒーローを!!お前達は!!!」

「あぁ、そうなのか。君の憧れのヒーローは僕達が殺してしまったのか。」

 

怒りに震える俺の肩に朧が優しく手を置く。

 

「冷静になるっす、今は3人の救出が優先っすよ。」

「分かってる…俺に合わせろ、朧。」

 

あいつらは許さない、だが今は仲間を助けなければ。

 

「俺がやれって言ったらお前の全力をぶつけるんだ。わかったか?」

「了解っす、ヘマはしないっすよ!」

「行くぞ!プラズマトラベル!!」

 

「くっ…聞いてはいたが速いな…」

「えぇ、本当に。」

 

俺はモノクロ野郎達の間を抜け、3人の近くへと来た。

 

「そんな急いで助けようとしなくてもお返ししますよ。」

「プリファトは楽観視し過ぎだ。」

 

黒い野郎の腕から真っ黒な液体がドボドボと溢れ出す。

その液体は触れた植物をたちまち枯らし、近づいた虫すらを落としていく。

 

「なんだ…その液体は…?」

「これが俺の個性。本来はここまで出力を上げることは無いのだが、早急にカタをつけたくなった。」

 

あれはヤバい、何がとかそういう理屈じゃない。

本能に訴えかけるようなそんな何かだ…!

 

「朧!少し早いがやれ!」

「でもまだ離脱してないっすよ!?」

「いいからやれ!俺が全部掴む!」

「ぐぅ…わかりました!絶対っすよ!」

 

「必殺!グラヴィヴァニア!!」

「体が浮く!?」

「厄介な個性ですね…!」

 

朧の個性は指定地点の重力をぐちゃぐちゃに出来る程の出力だ。

それで編み出したのが重力のかかる方向を操って叩きつける技。

どこぞのゲームに出てくる骨のキャラみたいだな。

 

「いいぞ朧!こっちも掴んだ!離脱する!」

「させるか、空気汚染…!」

「残念ながら届かないね!」

 

上へと体を弾き皆を運ぶ。

みんなは電気で括りつけて電磁浮遊させてある。

 

「朧!戦線離脱!後は…プロヒーローの出番だ。」

 

俺の目線の先には2人がいた。

俺達のヒーローが。

 

「俺達の生徒に手を出すとは…」

「バカもここまで来ると同情するね。」

 

「チッ…ヒーローか。面倒な…」

「ここは一旦引くよ、インベイド。」

「言われずとも。」

 

ヴィランの2人組は黒と白の砂塵を巻き上げ消えた。

 

「あっ…逃げられたか。」

「無理に追うと危険だし引いてくれて助かったよ。」

「確かにそうだな、ヒーローとしては残念だが。」

「仕方ない、今はヒーローとしての仕事より教師としての仕事さ。」

 

 

 

 

救急車を呼び、怪我をした3人を病院へ連れていくことになった。

そして病室前の廊下で先生達と話を…

 

「先生方、助かりました。」

「いや、すまない…来るのが少々遅くなってしまったよ。」

「それにしても5人中3人がやられるとはな…」

「警戒しておこう、エンデヴァーが戻ってくるまでは俺達もここに残る。」

 

先生達がいてくれるなら、次は捕えられるだろう…多分。

 

 

 

───────

 

暗い路地裏を2人で歩く。ガラの悪い連中が此方を見てくる。

 

「あのタイミングでヒーローが来るとはな。」

「そうだね───染禍(センカ)、止まって。()()()だ。」

 

「何もそんなに警戒しなくてもいいじゃあないか?」

「はは、そんな禍々しいオーラ感じて警戒しないやつなんていませんよ…でしょう?」

「クク…ハハハハ、確かにその通りだな!」

 

なんだこの男は…全く腹の底が読めない。

浄斗(ジョウト)兄さんが冷や汗を浮かべるなんて…

 

「いや、なに、君たちの闘いを見ていた、と、そういうだけだよ。」

「そうですか。」

「それにしても強力な個性だね。半径3m辺りの生物以外を自分の認識で掻き消せる『浄化』、触れた場所からジワジワとありとあらゆるものを汚染していく『汚染』…扱いづらそうではあるがね。」

「……何が言いたい?」

「やめろ、染禍。話の意図が分からないのですが、どういうことでしょうか?」

 

気味の悪い間が空く。

 

「いやぁ、なんでもないさ。忘れてくれ、老人の戯言さ。」

「そうですか。では、次はどのような事をしたらよろしいでしょうか?」

「そうだね…君達には弔を影から支援して欲しい。頼んだよ。」

 

一方的に要件を突きつけ去っていった。

 

「──なんで兄さんはあんな奴に従うんだ!?」

「自分の命が惜しいからさ。お前もそうだろう?」

「だけど!俺達の望みは!」

「分かってる、分かってるさ。」

 

それだけ言うと兄さんは歩き始めた。

まるで俺と同じ場所にいることを拒むかのように。

 

 

───────

 

「へぇ…保須って意外と栄えてるんだな…」

「俺はこの街でまだやる事がある。」

 

そう言ってステインとかいうクソ野郎はどこかへと去っていった。

 

「おい、黒霧。脳無だせ」

「ですが…何に使うのです?」

「決まってんだろ、嫌がらせだよ。」

 

「…だいたいさ、最初っから気に食わないんだよ、やってることみみっちいしよ。馬が合わねぇってやつだ…だからさ」

 

「踏み台にさせてもらうぜ、大先輩。」

 

脳無は3体、こいつらを使ってこの街を掻き回してやろう。

ヒーロー殺しなんて霞むほどの恐怖を

目の当たりにさせてやる。

 

「ところで死柄木、貴方は行かないのですか?」

「はァ?俺は怪我してんだぞ?だから脳無を使うんだよ。」

「あぁ、確かにそうでしたね。さて、では私達はここで見ていましょうか。」

「あぁ、そうだな。」

 

 

 

「あぁ、クソ。」

「どうしました、死柄木?」

「…何もしないってのは暇なもんだと思っただけだ。」

 

「……そうですか」

「なんだよ、その反応は…あぁクソ…いってぇなぁ…銃の次は刃物かよツイてねぇ…」

 

黒霧の野郎今俺を笑ったか…?

まぁ、どうでもいいが。

 

 

 

───────

 

「あー…暇だぁ…」

「まぁ確かに暇だな…」

「暇だねぇ〜…」

 

皆が帰省している中、桐崎・闇雲・深観の3人は宿舎にて…

 

ダラダラしていた。

 

 

「いや、ちょっと待って!なんでこんなにダラダラと暇な時間を過ごしてるの!?」

「なんでって…そりゃ、お前と深観は家が近すぎるから帰る意味ないっつってここに残って、俺は家が遠すぎるから帰れないから残ってんだろ?」

「うんうん!桐崎君が残ったのはちょっと想定外だったけど…まぁいいか。」

「───…深観とお前を二人きりにするとお前が死にそうだしな。」

 

こちらに向かってニコッと微笑んだ心露を見て何故か悪寒がした。

喰い殺される…そんなような恐怖だ。

 

「……なるほどな、で、あれ、どうする?」

 

俺は宿舎の窓を指す。その先には────

 

「えーっと…何あれ?」

「さぁ?俺には白い塊が蠢いてるようにしか見えないが。」

「いや、白い塊が蠢いてるんだけどね?」

 

と、不意に心露の携帯の着信音が鳴り響く。

 

「あ、玉己ちゃんからだ。もしもーし!あ、うんうん…へぇー!…そうなんだ!…うんうん!…それで?…わかった!じゃあねー!」

 

「なんだったんだ?」

「あぁ!うん!えっとね…」

 

突然心露が窓を開け、その白い塊を部屋の中に入れた。

 

「ばっ…!お前!何やってんだ!?」

「待って待って!この子は玉己ちゃんのペットの白玉君だよ!」

「白玉…?餅か?」

「狐だって!カァワイイねぇ〜君は〜よしよしよしよし〜!」

 

そう言われてみると…何となく狐っぽい…?

狐か…うん、狐だ。あれ、狐ってこんなデカいか…?

 

 

 

 

この後白玉君を3人で甘やかしてもふもふして可愛がった。

いっぱい食べさせたのが原因か、白玉君の体重が増えてて帰ってきた狐神さんに怒られました…




タマキ「白玉ちゃーん!」モフッ
シラタマ「キューン」ムニッ
タマキ「あれ、白玉ちゃんもしかしてじゃが…?」

〜体重計へ〜

タマキ「白玉ちゃん…太ってるのう…」
シラタマ「キューン!」

タマキ「ふぅ…これは怒っていいかの…?」

〜お説教タイム〜

3人「すいません…甘やかし過ぎました…ほんとに申し訳ないっす…」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。