普通科、高校3年生!ヒーロー目指します!?   作:黒套院 時雨

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心情って凄い難しいの!疲れるの!



第2話 甘い覚悟と苦い思い

俺は高校生探偵闇雲黒套、俺は幼馴染の深観心露と来ていた遊園地で怪しげな黒ずくめの男達を見かけ追いかけ、取り引きの現場を見ていたが取り引きに夢中で背後から迫るもう1人の男に気が付かなかった!──

 

「黒套、例え頭の中でも怒られるからその辺でやめといた方がいいよ?めちゃうろ覚え丸出しだし…」

「やっぱダメか…」

「そもそもそれ原作すらジャ○プじゃないよね?」

「えーっと…サ○デーだったかな?」

 

ガラガラと扉が開き担任が入るのを確認、がしかし喋るのは止めない。

 

「闇雲…ヒーロー科への編入取り消すぞ?」

「ふぁっ!?やめて!?座りますからァ!」

 

俺のヴィラン撃退から1週間…心露は退院して授業を受けれるレベルまで回復した。まぁ腕は包帯でぐるぐる巻きだけど。

大方他の人に傷跡を見せたくないのだろう。

 

「んじゃ、今日のホームルームは以上、お前ら受験生なんだからしっかり勉強しろよー」

 

今日も楽しい睡眠学習が始まるぜ!

 

「黒套、寝てたらついうっかり編入取り消しちゃうかもしれんからなー」

「………」

 

そうか、遂に担任まで深層心理の個性に目覚めたか…

 

「黒套違う、あんたがわかりやすいだけ。」

「くっ…なんでだ!どうしてなんだァ!」

「あははっ!おっかしぃ!」

「…やっと笑顔になったな。」

「ふっふーん、それももう既に読んでますぅー」

 

それでもいい、笑えればきっと前に進める、そうだろ?

 

「そうだね、ありがと黒套。」

「はてさてなんの事やら…」

 

全くもって何を言ってるか検討もつかないな、うん。

 

 

 

 

 

 

…やってしまった、いや、いつも通りと言ったらそうなのだが…

え?俺がいる場所?職員室だけど何か?目の前には担任がいますよ?

察して下さい…今日の朝に言ったこと冗談じゃなかったとは…

 

「で、どうする、闇雲。」

「どうすると言われますと…授業態度を改めます、としか言いようが無いですが。」

「反省0?え?もうちょい反省してると思ってたよ?」

 

担任が深く息を吸い、そして思いっきり息を吐く。

 

「あっづぁっ!?」

「いや、本当はね?荒っぽい手は使わないようにしてたんですけどもね?あんまりにも授業態度悪いじゃん?」

 

担任の個性何なのこれ!?吐く息が一瞬すっげぇ熱かったんだけど!?

 

「聞いてるか?もっかいブレス喰らう?どうするよ、なぁ闇雲。」

「いえ、しっかりと授業を受けさせていただきます!」

「まぁお前がそう言うなら信じるけどさ、ヒーローは甘くないし、ヒーローになるのは難しい事だ。俺は1人の人間としてお前を応援している、だから余り抱え込みすぎるなよー」

 

それだけ言うと担任は帰っていいぞと、俺に促した。

応援されてんのか、俺。

帰り道、心露と帰れるだろうか、何でもいいから話しがしたい。

 

「いいよ!一緒に帰ろうか!黒套は荷物持ちねー!私右腕動かないから!」

「…個性の使用は禁止だぞ?」

「使ってるか使ってないかの差がわかんないから、私の個性は。」

 

全く、ずるい話だな。

 

 

 

 

 

「あ、ねぇねぇ今朝新聞見た?」

「帰り道にする話なのか?」

「えー?まぁいいや、でね、新聞に載ってた記事がすごいの!」

「何がどう凄いんだよ、それに興奮し過ぎ。」

 

こんなにも興奮するなんて、まぁ大方ヒーロー志望の少年がヘドロみたいなヴィランに襲われたあの話だろう。

 

「すごいね、よくわかったね!私が話そうとしてた事!」

「何年一緒だと思ってんだよ。」

 

心露は俺がそう言うとそっか、そうだよね…と黙ってしまった。

俺の発言のどの辺が地雷ポイントだったのだろうか、理解出来ん…

 

 

 

 

 

 

──翌日──

 

「勉強がさっぱりわからん!」

「わっ急に大きな声だね、どうしたの?」

 

大した事じゃない、英語の小テストが散々だっただけだ。一緒にやらされた数学の小テストは完璧だったけど。

 

「具体的には何点だったの?」

「え?聞くの?」

「あー…何となく察したからもういいよ…」

「そう言う心露はどうだったんだ?」

 

静寂、聞いちゃダメだったのか?いや、これはつまり──

 

「……私はまぁ、天才ですから?」

「その間はなんだ。」

「…英語はできたけど数学が…まるでダメ。」

「…きっとみんなそんなもんだな。」

「こんなんじゃ受験受からないよ…」

 

あ、そうだ。一応聞いてみるか。

 

「なぁ、心露。」

「ん、どしたの?」

「勉強しよう。2人で。」

「あんたは英語、私は数学?」

「そういう事」

「乗った!」

 

と、いうわけで土日に勉強が確定しました。…何年ぶりだろうか、2人で勉強なんて。

 

「あ、そうそう黒套!この前のヘドロみたいなヴィランの話なんだけどさぁ!オールマイトがぶっ飛ばすちょっと前に襲われてた子の友達が助けに走ったんだって!きっと考えるより先に体が動いたんだろうね!かっこいいよねー!」

「…なんだよ、俺だって助けたじゃないか」

「?何か言った?」

「いや、なんでもない。」

 

覚悟が甘い、そんな事ずっと思ってた。

もっと技を磨けば、努力をしたら、そんな事わかってる!

俺は、俺は、俺は!

心のどこかで思ってたんだ、自分はヒーローにはなれないって。

夢を見たかったんだ、子供の頃の小さくて大きな夢を。

 

俺は俺を呼ぶ心露を置いて1人で走って帰ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────

 

走って帰っていっちゃった…私の言葉のあとから急に心に影が差したけど…大丈夫かな?

 

「心配しなくても黒套は立派なヒーローになれるのに。」

 

私は自分の右腕を見る。動かない腕を。

黒套がこの腕にコンプレックスを抱えてるのなら私は黒套の隣を歩けない。だけどヒーローはそういう仕事だ。喜びの分だけ悲しみがある。辛いのは黒套だけじゃない。そう言いたかったんだけど…

 

「やっぱり私じゃ力不足だなぁー…ていうかさ、ナイーブ過ぎなんだよー黒套はー!私を助けてくれたのは黒套なのに!私にとっては最高の…」

 

 

「超かっこいいヒーローだよ、黒套。」

 

なーんて言っても気付かないし、全く鈍感なんだから!

 

進路希望の紙を少しだけ見て私は家へと帰る歩みを早めた。




先生の個性は「ブレス」です。火を吐いたりだとか色んなブレスをぶちまけれる個性です。強くはないです。
あ、ちなみに前回出てきたヴィランの個性は「筋力3倍」です。3倍の筋力、それに耐えうる体になる、と、ただそれだけです。

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