普通科、高校3年生!ヒーロー目指します!?   作:黒套院 時雨
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えっと…忙しかった…なんて言い訳にしかなりませんねすみません。

でもスケジュールカッツカツだったんよ…


第20話 真の英雄

「デク!見つけた!空気の異常な乱れ!その先の路地裏だ!」

「ありがとうございます!では!」

 

「それは水臭いよ!」

 

走り抜けようとする出久君に思わず私は声をかけてしまった。

一緒に行ったところで私が出来ることは少ないのに。

えぇい!覚悟を決めろ!私!

 

「……私達も行くってことよ!!」

「おぉ!?珍しくやる気だな!?」

 

「…っはい!!お願いします!」

 

はぁ…コス下に着てて良かったな…なんて思うとは思わなかったよ、もう…

 

──────────

 

「俺は…兄さんの……兄さんのようなヒーローに…」

「じゃあまずアイツを助けろよ。」

 

くっ…僕はここで死ぬのか…確かにあいつの言うことは正しい…僕にヒーローを名乗る資格など…

 

「じゃあな、死ね。正しき社会への供物。」

 

そうして降ろされた刃は僕を殺し、また次の犠牲者を産むのだろう。

僕は兄さんの仇すら討てなかった。

 

 

「──飯田くん!助けに来たよ!!」

 

なんで…君が…?

 

「なんでここに…?早く逃げろ…僕はもう…」

「何言っちゃってんだよメガネ!真面目さが取り柄みたいなもんだろ!?」

「そーだそーだ!有難く助けられとくといいよ!!」

 

「騒がしいガキが3人…ハァ……」

「必殺!スプーキーツイスター!」

 

なんで…大学生のお二人まで…僕の為なんかに…なんで…

 

「ハァ…そこの女…個性にかまけ、ろくに考えも無しか…始末する。」

「それはどうかな?近づかない方が良いと思うけどー?」

 

「ッ!?…なるほど…辺りに回転を無理矢理かける罠を張ったと言う訳か…」

「今だっ!」

 

竜田先輩から飛び退いたヒーロー殺しにここぞとばかりに攻撃を加えようとする出久君。しかしそれもヒーロー殺しに避けられてしまった。

 

「良い…お前には生かす価値がある。そこの小僧にもな。俺を一撃で仕留めるための動き…そういう魂胆があった…」

 

「だが、俺の仕事はこの腐った社会の矯正の為…って言うんだろ?それでそこのヒーローとこのメガネ君は殺す、そう言うんだろ?」

「ほう…?」

「大体一辺倒なんだよ…ヒーロー殺し、お前の過去調べたけどよ、多少の挫折とお前の偏見ばかりじゃあないか?」

 

「……お前に俺の何がわかる?」

「わからないし、わかりたくもないね。だから俺は俺の正義で動くようにお前はお前の正義で動くんだろ?」

「ハァ…お前のような奴が一番………嫌いだ」

「そりゃどうも。ところで時間稼ぎはこの辺でいいか?」

 

薄らと見える視界では今まさに出久君がヒーロー殺しに拳を喰らわせた。

 

「やったか!?」

「いえ、まだです!……!?」

「どうしたの、デクくん!?」

「体が…こんなかすり傷で…?いや、違う…血だ!」

 

「血か…正解だ…ハァ…」

「へぇ…切って付いた血を舐めると舐められた相手を動けなくするのか…面白いな。」

 

「…ハァ…笑っている場合か?」

「おっと…これは少しだけ油断した…かな?」

 

 

「血が付いていない…?」

「なーんちゃって、騙された?蜃気楼って言うんだけどさ。」

 

「…空気の壁、か。それにあの小僧…O型か。」

「おっと、俺の出番はこれくらいか!?」

 

路地裏に赤い炎が突如として放たれた。

この個性はまさか…!?

 

「緑谷、こういうのはもっと詳しく…って先輩…?」

「轟君!」

 

「なんで…君まで…僕の事はほっといてくれよ…」

「そうはいかねぇな、お前も大事な…仲間だ。」

 

 

「挙動が大雑把だ…ハァ…言われた事はないのか…?」

「くっ…」

 

「轟君!ごめん!」

 

緑谷君がまた血を舐められてしまった。

轟君が炎と氷で防ぐ、が、抜けてくるヒーロー殺しを先輩方が迎撃する。

 

「なんでそんなに僕の事を…!」

「俺が知ってるインゲニウムはもっとかっこよかった!テメーのなりてぇもんちゃんと見ろ!お前のなりてぇもんは何なんだ!!」

 

轟君……────そうだ、僕は…兄さんのような立派なヒーローに!

 

「退け、そのガキは所詮偽物にしかならん」

「退くかクソ野郎…!」

 

体が動く…!

 

「あいつの言うことは正しい…だが、」

 

 

「僕が折れたら───インゲニウムは死んでしまう。」

「論外。」

 

 

「轟君、僕のマフラーを排気筒を埋めないように凍らせてくれないか?」

「わかった、任せろ。」

「補助してやる!エア・ブースター!」

 

これなら…行ける!レシプロエクステンド!!

 

 

今は─────脚があれば良い!!!!

 

 

 

僕の蹴りと同時に出久君もヒーロー殺しに拳をいれた。

反撃の意志を示すヒーロー殺しに追い討ちをかけるように轟君の炎が焼いた。

 

「やったか!?」

「いや…やりすぎなレベルだろこれ…」

 

大気先輩が言った通りヒーロー殺しはボロボロで、とても立ち上がるような様子は見えなかった。

 

「武器を全部回収して縛らなきゃ!」

「じゃあ俺は何か探してくる。ゴミ捨て場だしロープぐらいあるだろ。」

 

ヒーロー殺し…ヒーローに対する脅威は去った…だけど僕は…本当のヒーローに近づけるのだろうか。

 

「飯田君?」

「ん、どうしたんだい?緑谷君。」

「あ…いや、ちょっと表情が…ってごめんね!?僕がなんか言える立場じゃないね…」

「ありがとう、緑谷君。僕は迷いながらでも自分の思い描くヒーローを目指すさ。」

 

兄さんのようなかっこいいヒーローに。

 

 

───────

 

「ご老人、貴方の強さを信じて頼みがある。これに書かれている座標に行ってくれないか、私の息子の友が戦っているそうだ。」

 

「───とか言いやがって…全く人使いの荒いヒーローじゃ。」

 

グラントリノは空を飛びながらエンデヴァーに示された座標へと向かっていた。

 

「この辺りか…急がにゃならんのう」

 

座標近くに降り立ち走っていると見慣れた姿をその目に捉えた。

 

「グラントリノ!?」

「小僧!待ってろって言ったろうが!!」

「グラントリノォ!」

「全く言うこと聞かねぇ所はそっくりだな!!」

「…すみません!」

 

だが、友を助けようとする。その心意気は「平和の象徴」に相応しいものだろう。

 

 

「おい!あれって……脳無か!?」

 

デクと一緒に居た大学生が空を飛ぶ脳ミソ野郎を見つけ声を上げる。

 

「轟のやつ…一体何してやがんだ!?お前ら!伏せろ!!」

 

片目が潰れたままのそいつはデクを掴むと空へと上がった。

マズイ!あまり高く上がられると俺のジェットじゃ届かねぇ…!

 

その時、縛られていたはずのヒーロー殺しが突如動き出し、脳ミソ野郎から滴り落ちた血を舐め跳んだ。

 

「偽物が蔓延るこの社会も…徒に(個性)を振りまく犯罪者も───」

 

瞬く間にヒーロー殺しは脳ミソ野郎を殺し、デクを抱え着地した。

それはまるでデクを助けたようにも見えた。

 

「粛清対象だ……ハァ……ハァ……」

 

「全ては正しき社会の為に……!」

 

 

 

 

──────ビル屋上──────

 

「オイオイオイ…ふざけんじゃあないよ…!」

 

双眼鏡で脳無の様子を見ていた死柄木は突如怒りを露にし、叫んだ。

 

「何殺されてるんだあの脳無!!なんであのガキ共がいる!!大学生もだ!!……ったく、言いたい事が追いつかないぜ、めちゃくちゃだ!」

 

首を掻きながら死柄木は震えた声で街を見下ろす。

 

「何で…何でだ…?何で思い通りにならない…!!」

 

死柄木は声を荒げまた叫ぶ。

 

「クソ!!!!やっぱり殺しておけば良かったか…?あの二人。」

「……死柄木、それ、高い物じゃなかったんですか?」

 

死柄木の手の中にあったはずの双眼鏡は塵と化していた。

 

「なんだよ黒霧……なんてことはねぇよ…これは投資だと思えばいい。」

「投資?一体何への?」

 

「ヒーローの居ない世界への、な。」

「ははは…投資ですか、投資にしてはそれは少しばかり…」

「みみっちいもんだよな、知ってるよそんなこと。」

 

やはり不思議な人だ。先生が気にかけるだけは…あるかもしれないな

 

 

 

 

 

「よし、帰るか、なんかもうどうでも良くなったわ…黒霧?」

「あっ…はい、帰りましょうか。」

 

底が浅いのか、底が知れないのか…一体どちらなんだろうか、この死柄木弔という男は。




駆け足な展開ですみません…もっと書き詰めたかったんですけどなかなか展開が降りてこなくて…駆け足なっちゃいました……

次回は…次回こそはもっと早く投稿します…(自戒)





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