普通科、高校3年生!ヒーロー目指します!? 作:黒套院 時雨
保須での1日が終わったあと、私達は陰璃先生に怒られていた。
「あのさぁ!僕、授業で言ったよね?もう…問題起こして!誰が責任取るの!?君達は一応うちの大学の生徒なの!うちの大学は公言してるの!生徒において責任を取るって!怪我なかったからいいものの!ったく…で、どっちが言い出したの?」
「う…すみません俺です…」
「私もつい熱くなっちゃいました…」
はぁ…と、大きな溜息をつき陰璃先生は傍にあった椅子に座った。
頭を抱え、ボールペンを3本崩し口を開いた。
「まぁ今日はこれでやめとくけど、僕の監督不行届で受理されたけど!いや、大分危なかったけど!!次からは気をつけるようにね?流石に次は庇うのキツイ」
「「すみませんでした…」」
反省したなら帰ってよしとの御達しで陰璃先生の部屋から出ていこうとした時に不意に呼び止められた。
「あ、そうだ竜田、ちょっと深見呼んできてくれないか?」
「え、あ、はい」
何の話かな、まぁ関係ないかな…とか思い扉を開けるとそこには作業服にスチームパンクチックなゴーグル?を頭に付けた女の子が立ってた。
「お、来たか発目!例のアレ、もう完成したのか?」
「えぇ!私のドッ可愛いベイビーが…あ、いや、でもまだ改良の余地はもちろんありますがサポートを完璧にこなすという点ではもう完成品であると言えまして!どういう仕組みになっているのかと言いますとまずここのジェネレーターが─────」
うん、何言ってるのかさっぱりわかんない。え?なにあのマシンガントーク、早口言葉かな?
「深く考えずに心露ちゃん呼んでこよう…うん…きっと考えたらダメなやつ…私にはまだ早い…」
「はーい!呼んだ?マキちゃん!」
目を閉じながら歩いていたら明るい声が聞こえ、目を開けると心露ちゃんがそこに立っていた。
「わ、ちょっとびっくりした…あ、そうそう陰璃先生が呼んでたよ」
「そっか!ありがとね!すぐ行くよ!」
そう言うと心露ちゃんはパタパタと走って行ってしまった。
「いや…元気だなぁ…」
「俺からするとマキも十分元気だぞ?もっと自信を持て!ハッハッハッ!!!」
いや、爽良は元気すぎるけど…
「うーん…そっか!そうだよね!!」
深く考えるのは良くないからね、仕方ない!!
──────────────
「陰璃先生お呼びですかー?っと…」
扉を開けると何故か居た明ちゃんと陰璃先生がニヤリと笑った。
「へっ?明ちゃん?……え?」
「来ましたね!深見心露さん!!貴女のためにドッ可愛いベイビーを作ってきましたよ!!コレです!サポート用アーマー、その名も…」
「アームレプリカント、だ。」
「ちょっと!違いますよ!このベイビーの名前は擬似再現型腕部再構成装置ですよ!?」
「長いし覚えづらいだろう…?」
「ムム!確かに!!じゃあアームレプリカントでいきましょう!」
突如始まったマシンガントークによる発明品の紹介。それはどうやら私の為の発明品のようだった。どう見ても金属の四角い塊なんだけど…
「えっと…?イマイチ事の顛末が掴めないんですけど…?」
「左腕、動かないままだと色々たいへんだろうから発目にサポートアイテムを開発してくれるように頼んだんだ。」
「そうなんです!そして生まれたのがこのベイビー!!ドッ可愛いでしょう!?これは傑作とも言えるのでスフフフフフフフフ!!!」
うん、1度明ちゃんの心覗いてみたくなったなぁ…なんとなく凄く。
「さて、では早速試着といきましょうか!!ささ、早く着けてみてください!着け方はすごく簡単ですので!!」
「えぇ…?どうやって…?ひゃっ!?」
恐る恐る触れた金属の塊はブゥンと怪しげな音を立てた瞬間変形、浮遊し私の左腕に装着された。
なんというか…触ったのは右手なのに左に着くの凄い違和感…
「流石、私のドッ可愛いベイビー!!!装着挙動もバッチリでスフフフフフフ!!!」
「おぉ…四角い見た目からは想像出来ないほど滑らかな…いや、目立つなこれ。」
「ですね…ギラッギラしてますもんね…」
そう、着けた感想なんだけどこれ、凄いギラギラしてる…凄い研磨技術だと思うけどこれ塗装して欲しかったなぁ…
「ムムムムム!!確かに少し素材を磨き過ぎましたかね!久しぶりの傑作の予感がして張り切り過ぎました!!!」
「あはは…ありがとね、明ちゃん」
「それでですね!そちらは戦闘用でして、普段から左腕を動かしたい場合はこちらの樹脂製のものを用意したんですが!こちらもなかなか良い出来でですね!…あ、もしよろしければ戦闘用の方、塗装しましょうか?」
「うん、お願いできるかな!」
「おまかせください!色は…」
「ツヤ消しの黒でお願いできる?」
「ふむふむ…そうすると関節パーツの色味が若干インパクトに欠けますね…あ、そうだ関節パーツをゴールドチタンに変えて────」
ありゃりゃ、明ちゃんの世界に入っちゃった…
そういえばこれどうやって外すんだろ…
あ、なんかちっちゃい穴の奥にボタンがある…
「ここかな…?わっ!?」
ガシャンと音がして変形し、また四角い箱の様な状態に戻り地面に落ちた。
よく出来てるなぁ…凄い…
「あ、忘れてました、樹脂製の方は変形機構は搭載していませんが、瞬間装着は健在ですよ!」
そう渡された樹脂製の義手は金属製の義手より滑らかでより人間の腕に近い触り心地をしていた。
「着け方は…あ、ボタン、さっきと同じみたいだね」
カチリと、子気味のいい音が鳴り浮遊、私の左腕に装着された。
「不思議な感じ…何だか他人の腕を取り付けたみたいな…」
「お、いい感じに装着出来てるな。今日から慣れるために着けたまま行動するといい。」
「あ、そうでした!もし故障、不具合、その他相談がありましたら気兼ねなくご相談を!ベイビーには伸び代がありますから!!では!!」
それだけ言うと明ちゃんは金属製の義手を抱え走り去って行った。
「はぁ…嵐みたいな奴だな…パワーローダー先生の苦労が伺えるよ…」
「えぇ…本当ですね…」
本当にパワーローダー先生は大変なんだろうなぁ…時々げっそりした顔でサポート科の棟内歩いてるもんなぁ…
と、その時勢いよく扉が開いた。
「ハードワーク!ここに発目が来てないか!?」
「あぁ、発目ならついさっきここを出て行ったが…」
「クソッ!発目ぇ!どこに行きやがったぁ!発明が爆発寸前なんだよぉぉぉ!!!!」
噂をすればなんとやら…苦労をこの目で見てしまったなぁ…
次回!…の展開はまだ考えてないのでまた遅くなりますね…すみません…