普通科、高校3年生!ヒーロー目指します!?   作:黒套院 時雨

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えーっと、もう最後に投稿したのが半年以上前ですね…多分。
遅れてすみません…って誰も読んでないか…なんて。

えぇ、受験勉強の合間に書いているのですが…大詰め!ってのが中々多くて、思いの外書けませんでした、えぇ、全くもって言い訳ですね。

ではどうぞ


第22話 ヴィラン連合の目覚め

保須の事件の翌日…俺はいつもの様に黒霧と話していた。

 

「クソ、見ろよ黒霧。どいつもこいつもヒーロー殺しってよ…俺達はオマケ扱いだ、…全く笑えるよなぁ!」

「随分と荒れていますね死柄木。まぁ…珈琲でも飲んで落ち着いてください…あ、砂糖入れますか?」

「いや、砂糖は要らねぇよ…あぁ、そう言えばなんかさっき連絡が来てたがなんだったんだ?」

「いや何、ブローカーの義爛より人材派遣のお誘いですよ…会うだけ会ってみましょう。」

「チッ…面倒くさ…いつ来るんだそいつら。」

 

そう黒霧に聞いたところでドアがノックされた。

黒霧が微笑み、今ですかね。と呟いた。

 

「よーぅ…と、なんか機嫌悪いのか?まぁ、いいや。黒霧、連れてきたぜ、ほら、入った入った!」

 

サングラスをかけ、悪趣味極まりない服装の男が人を連れてきた。2人…か。

 

「本当にこんな奴に協力していたのか?怪しいな。」

 

「トガです!ステ様がいたんでしょう!?私も入れてよ、ヴィラン連合!」

 

「…黒霧、今すぐこいつらをつき返せ、揃いも揃って俺の嫌いな人種だ。」

 

そう言いながら死柄木は持っているグラスを粉々にした。

 

「本当にお前がヴィラン連合のリーダーなのか?」

 

「お前はそのガキですらできてる事ができないのか、名前を名乗れよバカか?」

 

「…チッ、今は荼毘で通してる。」

 

「通すな、本名を言えよ。破綻してんのか?」

 

不味い、死柄木がキレる。止めなければならないな…

 

「ったく、どいつもこいつもヒーロー殺しって…鬱陶しいんだよ…」

 

ゆらりと死柄木は立ち、2人に自身の()()を突き出した。

それに感化された2人も同様に燃える手とナイフを…突き出した。

やれやれ、私が止めなければならない。

 

「そこまでです、死柄木弔…少し頭を冷やしてください。」

 

「なぜ止めた、黒霧…」

 

ギロリと睨まれた、おぉ怖い。

だがしかし、義爛の紹介と言う手前、このまま返すのもしのびない。

 

「考え直してください。今の我々に必要なのはなんなのか。その為にすべき事はなんなのか、を。」

 

「…五月蝿い。そんなこと……いや、少し頭を冷やしてくる。」

 

 

 

 

 

 

あぁ、俺は何がしたいのだろう。

頭を過ぎるのは過去の思い出。

誰も助けてくれなかった。誰も、誰も、ヒーローでさえも。

俺には居場所が無かった。

誰かが助けてくれる、誰かが!ヒーローが!

そう言うだけの大人を何人も見た。

手を差し伸べてくれたのは先生だけだった。

『もう大丈夫、私がいる。』

あの人はそう言ってくれたんだ。

あぁ、そうだ。俺はあの人のように、あの人がそうであったように。

 

「この超人社会を全部、全部だ。」

「壊してやろう。」

 

 

 

あぁ、ここは…ショッピングモールか。

はは、こんな社会でみんな笑っていやがる。

 

「ここで誰かが暴れたら。そう考えて怯える…そんな思考も無いのか。」

 

そんな折、アイツを見つけた。

 

「はは、丁度いい。1人になった所で話を聞こうか。」

 

俺はそう思い、丁度1人になった緑谷出久に近づいた。

 

 

 

 

 

──────緑谷出久サイド──────

 

「さて、と。麗日さんも行っちゃったし…僕は何を見ようかな…?」

 

特に何も考えず辺りを歩こうと踏み出そうとした時。

 

「あぁ!雄英の!サインくれよ!確か体育祭でボロボロになってた奴だよな!?」

 

凄いな雄英…やっぱり色んな人が見てるんだ…

 

「んで保須事件の時にヒーロー殺しと遭遇したんだっけ?すげぇよなぁ!」

 

違和感がある。何か、何かが引っかかる。こいつから離れろと。

 

「いや、本当信じられないぜ。こんなとこでまた会うとは!ここまで来ると何かあるんじゃないか?運命…因縁めいた何か…なんてな。」

 

「お前は…!」

 

「まァでもお前にとっては雄英襲撃以来になるか。お茶でもしようか、緑谷出久。」

 

死柄木弔、ヤツだった。

何故ここに、いやそれよりもヒーローに連絡ッ!

 

「あぁ、まァ待て。ヒーローに連絡…なんて考えるなよ。そんな素振りを見せたら…そうだなァ…暴れるか。少なくともここにいる人達の半数は道連れに出来そうだ。」

 

「くっ…何が目的だ…!答えろ死柄木…!」

 

卑怯だ、僕ら以外の全員が人質な訳だ。

僕はなされるがままに死柄木に首を捕まれ近くのベンチへと座った。

 

「目的、ね…さっき言ったろ?話をしようと思ったんだ。まったり話そうじゃないか…」

 

「そんなことっ…!」

 

「大体何でも気に入らないんだけどさ、今1番腹が立つのはヒーロー殺しだ。」

 

「なっ…!?仲間じゃなかったのか…?」

 

こちらに目も合わせずに死柄木は淡々と話を続ける。

 

「世間じゃ仲間だってな。でも俺は認めちゃいない。問題はそこだ。」

 

「ほとんどの人がヒーロー殺しを注目する。雄英襲撃も、保須で放った脳無も……全部奴の話題に喰われた。誰も、誰もだ俺を見ようともしない。」

 

なァ、と同意を求めてくるが…生憎僕はそんな状況じゃない。

 

「はは、強ばるなよ。あァ、話の続きだ。いくら能書き垂れてもさ、結局奴だって気に入らない存在を壊していただけじゃないか。」

 

「俺と何が違うと思う?なァ緑谷。」

 

「何が違う…?違うだろ……僕は、…お前の事は理解も納得も出来ない。だけどヒーロー殺しは納得は出来ないけど理解は出来たよ…僕も、ヒーロー殺しも始まりは……オールマイトだったから。」

 

「へぇ、それで?」

 

「僕はあの時救けられた。少なくともあいつは壊したいが為に壊してたんじゃない…自分の事を…徒に投げ出したりもしなかった。やり方は確かに間違ってたけど…お前と違って、理想に生きようと…そうしようとしてた…んじゃないかと思う。」

 

僕がそう告げた瞬間、周りの空気が緊張した。殺気だ、おぞましい程の。

 

「ふふ、はは、あぁ、なんかスッキリしたな。点が線に…そんな感じだ。なんでヒーロー殺しがムカつくのか、なんでお前が鬱陶しいのか。わかった気がする。」

 

ニタァ、と不気味な笑みを浮かべ、死柄木は納得した素振りを見せた。

 

「全部、全部……オールマイトだ…!そうか、そうだよな。結局はそこだ。悶々と考えていた俺が馬鹿らしい…!」

 

「こいつらがヘラヘラしてんのも、オールマイトがヘラヘラ笑ってるからだよなァ…!」

 

僕の首を掴む力が増し、首が絞まる…!

 

「救えなかった人間なんていなかったようにヘラヘラ笑ってるからだよなぁ!!あぁ!話せてよかった、良いんだ!ありがとう緑谷!俺は何も曲がらない!」

 

苦しい…しかし逃れも出来ない…!

 

「暴れんなよ、死にたいのか?民衆も死ぬぞ?」

 

─────…!!!

 

「皮肉だよな、ヒーロー殺し…ステインか。お前の対極にある俺を生かしたお前の理想、信念…全部俺の踏み台になる…!」

 

グッ…このままじゃまずい…!!

 

「デクくん?」

「出久君、どうした?」

 

麗日さんと…闇雲先輩…?

 

「友達じゃあなさそうだが…?」

「手、放して?」

 

巻き込むわけにはいかないッ!

 

「なっ…何でもないから!大丈夫だから!来ちゃ駄目…!」

 

死柄木は反対の手をポケットから出し…

 

「連れがいたのか、ごめんごめん。じゃあ行くわ、追ったりしてきたら…わかるよな?特にそこの大学生…その貧相な布じゃ無理だ。」

 

「チッ…奴は何者だ…?出久君、大丈夫か?」

 

麗日さんと闇雲先輩が駆け寄ってきてくれる。

有難いが、一つだけ、聞きたい…!

 

「待て、死柄木…!『オール・フォー・ワン』は何が目的なんだ…!」

 

「「死柄木…!?」」

 

死柄木は行こうとした歩みを少しとめた。

 

「さァ?知らないな。それより気をつけとけよ、次会う時は殺すと決めた時だろうからな。」

 

そう言って死柄木は人波に消えていった。


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