普通科、高校3年生!ヒーロー目指します!?   作:黒套院 時雨

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うぐっ…辛い(´・ω・`)
楽しいから続けますけど!


第3話 伸び代は誰にでもあるもの

「…どうしてこうなったんだ?」

 

おかしい、俺は確か勉強をする約束をしていたはずだ。

それなのに何この状況?なんで心露は俺に馬乗りになってんの?

きっと原因は…なんだったろうか。

 

 

 

 

 

──1時間前

 

時刻は10時、約束の勉強会の為に俺は心露の家に来ている。

正確には家の前だが。

 

ピーンポーン…と、気味のいい音が鳴る。

 

「あら、黒套君!いらっしゃい!勉強会、今日だったかしら?」

「こんにちは…ってまだ起きてないんですか?今日だって言ったのに…」

「起きてるは起きてるんだけどねぇ…部屋にいるからどうぞあがって?」

「あ、はい。お邪魔します…」

 

家の中に入り心露の部屋の扉を開ける。

部屋の中には着替えの途中であろうタンクトップ姿の心露がいた。

 

「…………へ?」

「…は!?え!?あわっとぉ!?」

 

驚き過ぎて変な声が出てしまったが扉は急いで閉める。

ナンデ キガエテ ナイノ?

 

 

暫く部屋の前で待っていると扉が開いた。

 

「黒套…なんかゴメンね?」

「いや、気にしてない!断じて気にしてない!」

「そうなの?冷や汗出てるけど…?」

 

そりゃ幼馴染とはいえ仮にも女子の着替えを見てしまったら焦るだろ!?焦らずご褒美だなんて言えるのはよっぽどの変態だろ!?

 

「なるほど、黒套は変態じゃない、と。」

「そうそう、俺は変態じゃ…ってサラッと心の中を読むんじゃない!」

 

ハプニングはあれど勉強会の始まりだ、そう思っていたのに…

 

「私の着替えを見た責任、取ってよね…!」

「…………は?」

 

入ろうとした俺は腕を引っ張られ床へと倒れ込み仰向けになる。

その上に心露が馬乗りに…と。なるほど、思い返してみたがさっぱり行動の意味がわからないな。

ふぅ、左手だけでよくやったもんだ。

 

「なーんて、冗談だけどねっ!」

「そうでないと困るな、色々と。」

「この鈍感朴念仁め」

「何か言ったか?」

 

心露は俺に向かってべーっと舌を出して抗議するような目をしてきた。一体俺が何をしたっていうんだ。

というか心露の気持ちに気付かない訳がない──読まれてたら不味いな、やめとこ。

 

「さ、勉強しよっかー!」

 

勉強会が漸く始まる、…始まるよな?え?始まってくれるよな?勉強しようって言ってからボードゲーム出し始めたけど始まる?これ始まる?待ってチェス!?チェスやるの!?

 

 

その後?…いい戦術の勉強(チェスバトル)ができましたよ、ええ、本当に。帰ったらちゃんと勉強しなきゃな…勉強会どこいったんだよ…

 

 

 

 

 

──翌日の朝

 

結局勉強せずに寝てしまった…策略に嵌った感が凄いんだけど!

 

「おはよぉー!起きてるぅー!?」

「朝から五月蝿い…」

「心の底からの声!染みるなぁ!」

 

全く何言ってんだよ…こっちは勉強しないと不味いってのに!

 

「まぁまぁ、怒んないの怒んないの!また今度一緒に勉強しよ?」

「あ、というか心露ってさ、個性どういう感じで使ってる?」

 

おっと、今の質問は支離滅裂過ぎたか?いや、でも天気の話から肉が好きか聞いてる訳じゃないし大丈夫だろ。

 

「うーん…個性ねぇー…あ、そうだ」

「んなぁっ!?顔近い…」

「目をよーく見ててね?」

 

心露の目の色が赤から青に変わっていく…?え?目の色変わってたの?

 

「そ、変わってたの!でね、個性をどう使ってるかって話だけどね、私は体の一部分、ううん、なんて言うのかな…体の延長線上にあるような…うーん…なんて言えば良いのかな…」

「わかった、わかったから!ちょっと1回離れて!近すぎる!恥ずかしいから!」

「…………………」

「なんで無言で抱きついた!?はーなーれーろー!!」

「やーだー!!黒套だってこんなにも可愛い女の子に抱きついて貰えて嬉しいでしょぉー!!!」

 

左手だけで必死にしがみつく心露を剥がしにかかる。ぐぐぐ…力が強い…!左手だけか?これ!ぜんっ…ぜん剥がれない…!

ふと硬い感触を感じ脇腹を見るとそこには金具、え?金具?

 

「ふふふっ!必死に金具剥がそうとしてた!あははっ!」

「ぐぐぐぅ…」

 

ぐうの音も出ない…しかし負ける訳にはいかない!

 

「心露さぁ!もっと羞恥心を持てよ!男子高校生に抱きついて、その…当たってたんだぞ!?何がとは言わないけど!」

「いいんだよー!こんなこと黒套にしかやらないからー!」

 

さりげなく恥ずかしい事を言いおって…ってあれ、心露さん?顔が赤くなってないですか?

さりげなく言っちゃった一言が恥ずかしかった?恥ずかしかったのかな?

「…黒套。」

「ん、どした?」

 

何故か殴られました、何故でしょうか。

 

 

 

 

「はいみんなおはよーぅ、ホームルーム始めるぞーって闇雲、顔、どうしたんだ?」

「聞かないでください、痛いんで…」

「お、おう…なんか知らんが頑張れ?」

 

痛い、意外とジンジンする…え、待って凄い痛い!

 

「あ、そうだ闇雲、今日お前はヒーロー科の圧縮補習あるからなー」

「うげ、圧縮補習かぁ…担当は誰すか?」

「聞いて驚け、雄英からお前の為だけに来てくれたって訳じゃないが、今回の講師はなんと、みんな大好きエクトプラズム先生だ。」

「んなっ!マジか!」

 

行かねば、これは這ってでも行かねば!まぁ行かなきゃいけないんですけども。

 

 

 

 

 

 

 

 

────補習

 

え?授業の時間の話?寝てるだけの話聞きたいのか?

 

「ソコノ男子生徒、ナニヲボーットシテイル。」

「すみませんっでしたぁー!」

「デハ、補習ヲ始メル。今日ノ補習ハ…」

 

そう言うとエクトプラズム先生は個性で分身を作り出し…ん?多くない?補習受けてるの5人に対して20人って多くない?

 

「君達ニハ一度ニ四人ト戦ウ、所謂一対多戦闘ノ演習ヲ行ッテ貰ウ。」

「え?」

「各自最初ニ説明シタ場所ヘ別レテ演習ヲ開始セヨ。」

 

言ってることが無茶苦茶過ぎる!?だけど雄英ではきっと更に難しい事をやっているんだろう…やるからには全力で!

 

「開始地点ヘト着イタナ、デハ始メル。」

「お願いしますっ…!」

 

開始と同時に攻撃が始まる…って一対多はやった事ない!やっべ!

エクトプラズム先生…強え!分身をここまで繊細に動かせるとは…!

 

「ドウシタ?攻撃シテコナイノカ?」

「しますよ、ええ、しますとも。元々俺の個性は一対多戦闘向きですからね!」

 

「外套、襲麒!からの、2段黒爪!」

 

出したコートを地面に向かって撃ち出す。反動で上へと体があがる。

これならいける!

 

「外套、廻転!6段黒そ…いや、黒士無爪!」

 

黒爪を細くして量を撃ち出す…必殺技の名前は今決めた!

この技なら上からアドバンテージを取って戦える!

 

「フム、甘イナ、敵ノ動キヲ予測セヨ、勘ガ足リヌ」

「計画通りですよ、套移動(スリングマント)!からの…黒煌流星(ダークコメット)!」

 

空中から一気に地面にコートを突き刺し下へと戻る、エクトプラズム先生が上へ跳んできたのを見計らって。

それに加えて黒煌流星で捕縛にかかる。

 

四人全員捕まえたッ!

 

「オ見事ダ、トテモ編入シタテトハ思エンナ。」

「どもっす」

 

手を抜いてくれてたにしても大変だった…まだまだ見直す点が多いなー!

 

「終ワッタヨウダナ、デハ講評ニ移ルトシヨウ。」

 

講評で1番評価されていたのはタキシードのコスチュームのやつだった。何でも完封だったらしい。

 

 

 

 

大学受験まであと3ヶ月──

 


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