名無し   作:名無しのR

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 最近お気に入りが増えて上機嫌です。皆さん有難う御座います。こんな拙い作品ですがどうぞ宜しくお願いします。


豪雨

 遠征が終わり、僕は酒場に向かっていた。打ち上げをするらしい。

 

「そう言えば時雨たんは味を感じないらしいけど酒場で楽しめるん?」

「はい。一応、以前に食べたことがある料理なら記憶から味を感じられますから知っている料理を食べます。あとは栄養摂取です」

 

ロキに言う。そして酒場の前に着いた。ロキが先頭になって入っていく。

 

「ロキ・ファミリアか、、」

 

周囲の冒険者が唖然と眺めているなか、僕達用に用意された大きなテーブルの一番隅の席に座った。何時ものように横にアイズが座る。ロキが音頭をとり、一気に騒がしくなる。取り敢えず、エルフのウエイトレスにパンにコンソメスープを頼んだ。

 

「時雨たんの知ってる料理ってそれだけなん!?」

「そうですね。大体これしか食べませんでしたから」

 

 大体極限まで薄いコンソメスープとカビの生えたパンだった。が、運ばれてきた料理のパンとコンソメスープは記憶と全く違う味だったようで何も感じられない。するとウエイトレスが僕に話しかけてきた。

 

「酒場に来て、それだけしか頼まないっていうのは少々変わっている。何か理由が有るんですか?」

「僕、味と言うものをほとんど感じ無いんですよ。ただ昔に食べたことがある料理なら味を覚えているので味わえるのですが、コンソメスープもパンも、昔食べた物とは味が違い過ぎて、、」

「それは口に合わなかったということでしょうか?」

「いえ。その逆です。僕が昔食べたコンソメスープは水みたいに薄くて、パンはカビが生えたている物でした」

「酷い環境ですね」

 

ウエイトレスはそれ以上は何も聞かないかった。間もなくして店主の大きな声が聞こえた。

 

「そりゃあ聞き捨て成らないね。あんたを美味しいと言わせる、極上の料理を出してやるよ!!」

 

僕を指差して言った。それから30分くらい待たされて料理が出てきた。そこにあったのはスープだったが先程までのとは違う。スプーンで掬って口に運んだ。

 

「、、、おい、、、しい」

 

 味を感じる。失っていた味を感じる。物凄く興奮した。そして一気に食べ終えた。

 

「店主さん。有難う御座います。ご馳走さまでした」

「お粗末様よ!!」

 

店主に礼を言って、スープの余韻に浸っていた時だった。

 

「そうだ!!アイズに時雨!!あの話してやれよ!!」

「あの話?」

 

二人で首を傾げる。

 

「今日の昼間、ミノタウロス逃がしちまったときよぉ、駆け出しって感じのヒョロくせぇガキが居たんだよ!!」

 

少しまずいかも。そこに本人がいる

 

「いやー。笑ったぜ!!壁に追い込まれてアイズが殺したけど、ミノタウロスのくっせえ血を全身に浴びてトマトみたいになっちまってよぉ、、ックックックック、、ヒャッヒャヒャ!!」

 

ベートがこの話をしはじめてからずっと食事をする手を止めている。

 

「なぁアイズ。俺とそのトマト野郎、番にするならお前はどっちを選ぶ?」

 

いきなり何を言い出しているんだろう。首を傾げるアイズにベートは怒鳴った。

 

「だから、トマト野郎に愛してるだの、抜かされてもお前はそいつを選ばないって話だよ!!アイズ・ヴァレシュタインは雑魚じゃ釣り合わない」

「どちらにしてもそんな事をいうベートさんは嫌です。それに私は、私は時雨のことが好き、、です」

 

好意を持たれていることは嬉しいことだ。ベートは不機嫌そうき舌打ちをした。

 

「ったくああいうのがいるから冒険者の品位は下がるんだよ」

 

冒険者の品位、か。

 

「冒険者の品位、ですか。少なくとも貴方が言えたことでは有りませんね」

「ああ?もっかい言ってみろよ」

「耳遠いなぁ。だから貴方みたいな人がいるから冒険者の品位が下がるって言ってるんですよ?聞こえました?」

 

ベートさんは僕の胸ぐらを掴んで壁に叩きつけた。

 

「暴力でしか物を解決出来ない。冒険者は脳まで筋肉で出来ているような馬鹿の集団だ、と言われますが、貴方の様な人のことを指しているようですね」

 

さらに叩きつけた。

 

「喧嘩だったら外でやりな!!」

 

店主の人の声が響いた。

 

「うるせぇ!!糞犬が!!」

 

笑えてくる。

 

「糞犬、、自己紹介有難う御座います」

 

ベートさんに胸ぐらを掴まれたままベートさんの股間を蹴った。痛がるベートさんの首根っこを掴んで店から引きずり出した。

 

「やめぇ。二人とも。酒が不味くなる」

 

ロキの言葉をスルーして店から出た。そして軽く殺気を放った。瞬間、酒場の冒険者の全員が武器の柄に手を乗せた。恐怖で気絶した人もいる。ただ全員が武器を抜かないのは、圧倒的な今恐怖で抜けないからだ。すると酒場からベートさんが馬鹿にしていた冒険者が出てきて走っていった。ダンジョンに向かうようだ。暫くダンジョンを見つめてからベートさんをまた見た。

 

「テメェ!!!」

 

ベートはゆっくりと立ち上がって殴りかかってくるが、カウンターを決める。次にベートさんの腹を思い切り蹴った。動かなくなったベートさんを見る。口からは泡を吹いて気絶していた。

 

「落ちましたか」

 

店主の人から縄をもらって縛ったあと、起こした。

 

「御早う御座います?」

 

リヴェリアさんがベートさんの頭を踏んで、全員が笑う。その光景を見つめていると、ベートさんを踏んでいたリヴェリアさんが来た。

 

「あの冒険者を追わないのか?」

「僕はベートさんがあの冒険者を貶したことを怒ったのではないです。もし、ベートさんの言葉を聞いて悔しく思ったなら、強くなって自分で仕返しするべきだと思います。だから僕が追う意味はないと思います」

 

僕があの時、ベートさんが、アイズ・ヴァレシュタインには雑魚じゃあ釣り合わない。と言ったときに訪れた異様な感覚は何だったんだろう。それが紛れもない嫉妬だったのは知る由も無かった。




 酒場の回のテンプレを少し無視してみました。

ベート、ベルを貶す。
   ↓
オリ主、切れる
   ↓
オリ主、ベートに勝利
   ↓
ダンジョンに行ったベルを追う

っていうのを少し壊してみたんですけど、どうです?
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