原作とは多少異なります。
それでは今回もよろしくお願いします。
第1話
俺には、義理ではあるが中学1年の可愛い妹がいる。名前は和泉紗霧、俺が15の時だろうか...親父が再婚し俺の家に相手方、義理の母とその連れ子としてやってきた。銀髪碧眼の女の子で緊張でもしているのか、義理の母の後ろに隠れていた。
まぁ、仕方のないことだと思う。初めて会うし、違う環境でもあるからな。俺は妹になる女の子に、目線を合わせてなるべく優しめに「これからよろしく」と声をかけた。妹になる女の子も「よろしく、お兄ちゃん」と可愛い声で返してくれた。
そして、ここからまた新しい生活が始まると期待していたのだが...それは叶わず、しばらくして両親は他界し義理の妹はそれ以来、引きこもってしまい俺との会話はそれ以降ない。そして学校にも行っていないし、ここ2年ほど俺と顔すら合わせていない。俺としては、なんとか部屋から出てきて、俺に元気な姿を見せてほしいと願っているばかりである。
妹の説明が終わったところで、俺の紹介もしておこうと思う。
俺の名前は比企谷八幡。高校2年生だ。妹と2人暮らしをしている。
そして高校生の傍ら、小説家でもある。ペンネームは「Hachi」としてやっていて売り上げは家計を賄えるほどにはある。
と…まぁ、俺の説明はこれくらいにしておいて、俺はいつものように朝早く起きて、自分と妹の分の朝飯を作るためにキッチンに立ち料理を始めた。ちなみに俺の料理スキルは小6レベルだ。そんな事を思っていると
ドン! ドン! ドン!
と、上から大きな音がした。
「もう少しで飯が出来るから、ちょっと待ってろ」
俺はそう言って、朝飯を作り続けた。さっきも説明したが、妹は部屋に引きこもっている。そのため、いつも床を足で叩いて合図を俺に送っている。ここ一年ほど、そうしているため大体のことは床の叩き具合で妹が何を要求しているかなどが分かってしまっている。こんなことでしかコミュニケーションを取れないのは、お兄ちゃんとしては悲しい。なので俺はトレイの上に朝食と一緒に乗せてある、手編みのぬいぐるみに「一度でもいいのでお兄ちゃんに可愛い妹の顔を見せてください」と書いた紙を添えて2階にある、妹の部屋の前に置いた。
「朝食、いつものところに置いておくからちゃんと食べろよ」
俺はそう言い、自分の荷物を持って玄関に行き「行ってきます」とだけ言って、家を出て学校に向かった。
そして俺は、登校中にどうしたら妹の顔を見れるかを考えていると、後ろから声をかけられる。
「ハチ君、おはよう!」
「おう…高砂か。おはようさん」
こいつは、俺の同級生である高砂智恵。たかさご書店で働いていて、俺のラノベも置いてもらっている優しい女の子で中学からのクラスメイトで、俺が小説家であることを知っている数少ない人でもある。
「うん。それより、朝から元気ないね」
「それは、いつもの事だろ」
「それもそうだね…それと、ハチ君が書いたラノベの最新作読んだよ」
「そうか...」
「最終巻、面白かったよ。完結お疲れ様」
「それはどうも」
俺が書いてるラノベは学園モノでそれなりの売り上げを挙げている。今回の巻で完結した。内容は主人公が本物を得るために奔走する物語である。
「それと、もっと有名になって私の店を繁盛させて楽させてよね」
「なんでそうなるんだよ...でも、まぁ...高砂にはお世話になってるから俺の出来る範囲でな」
「うん…よろしくね。ハチ君」
「ああ」
そう会話して、俺と高砂は学校に向かった。
学校に着いて、俺は自分の席に向かう。学校では基本、1人でいることが多い。そっちの方が楽でいいからな。そんなことを考えていると担任先生が入ってきて、HRが始まった。
そしてその後も授業があったが、すんなりと終わり放課後になった。
そして、俺は自分のラノベが売れているかどうか確認すべく、たかさご書店に向かおうと教室を出たところで、うるさいやつに絡まれてしまった。
「は、はちま〜ん!」
「………」
「おーい。八幡」
「………」
俺は無視して、昇降口へと向かう。
なぜ、無視するかって?まぁ、察してくれると助かる。
「は、八幡。無視しないで...」
材木座、素に戻ってんぞ。だったら普通に俺のこと呼べよ。ほんと、こいつは変な意味で目立つから大きな声を出すのはやめてほしい。
「はぁ...何の用だ、材木座」
「よく、聞いてくれた!八幡よ」
「それはいいから、早く要件を言え」
「はい。新作の小説が出来たので読んでください。お願いします」
「いつも思うが、俺に読ませるんじゃなくてネットとかにあげろよ。いろんな人から評価もらえるし」
「いや、ネットの奴らは容赦がないのでな。酷評されたら我、死ぬぞ」
作家になる前に、自分のメンタル強化しろよ...
「そんなんでよく、作家目指せるな...まぁ、いいや。今回も読んで、感想だけ言えばいいのか?」
「うむ...それでよい。それでは頼むぞ。八幡よ」
そう言って、材木座はコートをなびかせながら去っていった。俺はその姿を見送ってから、材木座から受け取った新作小説を鞄にしまい当初の目的である、たかさご書店に向かった。
そして俺は、たかさご書店に着き自分のラノベが売れているかどうか確認した。かなり売れているようで本の数も少なくなっていた。そう確認していると、高砂に声をかけられる。
「ハチ君、朝ぶりだね」
「そうだな」
「今日はラノベの売り上げを確認しに来たの?」
「そんな感じだな」
「それにしても、よく売れてるよね、ハチ君が書いてる学園モノ。もう完結しちゃったけど」
「まぁ、イラストレーターのエロマンガ先生のおかげでもあるんだよなぁ」
そう。俺の書いてる小説にはイラストがもちろんあって、キャラ1人1人が可愛い。それが、売り上げを伸ばしていた。本当に感謝しきれない。やはりラノベはイラストが重要なのだと改めて感じた。
「そうだね…あ、ハチ君。そのイラストレーターのエロマンガ先生がやってるブログがあるよ」
高砂はスマホをいじりながらそう言った。
「どれだ?」
「これだよ。ハチ君」
そう言って、俺は高砂のスマホを見た。
「へぇ...こんなブログやってるのか。動画配信とか絵を描いたりしてるのか...」
「そうみたいだね。それと、ハチ君はエロマンガ先生に会ったことないの?」
「ないな。エロマンガ先生とは編集さんを通して仕事のやりとりとかしてるだけだしな」
「そっか...お、ハチ君。この後、エロマンガ先生が生放送で動画配信するみたいだよ。試しに見てみれば?」
「そうだな。じゃあ、みてくるわ。その前に、このマンガとラノベを買ってくわ」
「毎度あり〜!」
そう言って俺はヒロアカのマンガとラノベを買って、エロマンガ先生の生放送の動画配信を観るため、家に帰った。
...続く
ー 登場キャラ・軽い設定 ー
・比企谷八幡 (本作の主人公)
高校2年生で小説家でもある16歳。小さい時から執筆をしている。ペンネームは「Hachi」売り上げたお金は家計へと回している。義理の妹、紗霧と2人暮らしをしている。両親は両方他界している。妹とは1年ほど顔を見ていない。お互いに話すようになるとシスコン度が増す。学園モノの前は、短編で露出の多いバトルモノの作品を短期間で3巻まで出していた。この時もイラストレーターはエロマンガ先生だった。
・和泉紗霧
八幡の義理の妹で人気イラストレーターの「エロマンガ先生」でもある中学1年生。両親が他界してからずっと、部屋に引きこもっている。
八幡と話すようになってからは彼女の心に変化が現れる。ブラコン化にする予定。
・高砂智恵
高校1年生で八幡とは中学からの同級生。「たかさご書店」の看板娘として働いている。八幡とは、学校ではあまり話さないが自分の働いている書店ではよく話す。
・材木座義輝
小説家の八幡に自分の新作を読んでもらっている。自称、八幡の親友。
・他の登場キャラでは、俺ガイルサイドで戸塚、葉山グループも出す予定。
・エロマンガ先生サイドは原作通りに登場させる予定です。
ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
それでは次回もよろしくお願いします。