お待たせ致しました。第2話です。
それでは、今回もよろしくお願い致します。
「とりあえず、静かにしろ。授業時間中だ」
「「はい!!」」
「遅れてすまない。前任のヒューイ先生に代わり、今日から非常勤講師ではあるが...2-2の担任を受け持つことになったハチマン=フィーベルだ。よろしく頼む」
「よろしくお願いします!」
(目は怖いけど、かっこいい先生じゃない?)
(ヒューイ先生よりイケメンじゃない!?)
「何で、お兄ちゃんがここにいるの!!!」
「そこの白猫、静かにしろと言っているだろ」
「白猫!?」(久しぶりにお兄ちゃんと再会したのに、その言い草はないでしょ!!!)
ここでは家族との関係ではなく、先生と生徒だ。そこの区別はしっかりしないとな。でも、とっさにシスティーナを白猫と呼んでしまったな。
「とりあえず、自己紹介はこれぐらいにする。何か質問などはあるか。時間は余りないので3人までとする」
「はい!」
2-2の生徒のほぼ全員が一斉に手を挙げる。俺は座席表を片手に誰にするかを決める。
「そこのメガネっ子...リン=ティティスでいいか?」
「はい。えっと...システィーナさんと先生は本当に兄妹なんですか?」
「それは本当だ。だからと言って学校内での授業やテスト等で妹に贔屓などは絶対にしない。お前ら同様、一生徒として正当に扱っていくつもりだ。これでいいか?」
「はい...ありがとうございます」
「次に質問したい奴は?」
またもほぼ全員が手を挙げる。
「次はそこのインテリネガネ...ギイブル=ウィズダンでいいか?」
「合っていますよ。僕からの質問は先生になる前の職業は何をしていたか...です」
「オフレコで頼むぞ。俺の前の職業は帝国軍宮廷魔導師団に10年間所属していた」
「帝国軍宮廷魔導師団!!!」
「10年も....」
俺の一言でクラス内からどよめきが起こる。
「さすがにこれ以上、軍にいるのも嫌になったから辞めてきた」
「え〜!!!」
「それで先生に?」
「本当は家でゆっくり、のんびり過ごしたかったんだがセリア教授が、この学校の非常勤講師に俺を推薦してな。働くことになったんだ」
「そうだったんですね」
「次で最後の質問だが、他に質問したいやついるか?」
「「はい!」」
誰にしようか.....ルミアのやつ、目をキラキラさせて俺をずっと見てる...やっぱりあの時の事を覚えてるのか?まぁ、いい...当ててやるか。
「最後は....ルミア=ティンジェル。お前の質問を聞こうか」
「はい。ハチマン先生は彼女とかいますか?」
「は?」
「「それ、知りたーい!!」」
ルミアが質問をした後、女子たちが騒ぎ出す。
(お兄ちゃんに...彼女...いるわけないよね...)
「彼女はいたことはないが、それに近い存在の人はいた」
(近い存在の人がいたんだ...意外)
「その人は帝国軍宮廷魔導師団に所属している人ですか?」
「していたが、もう亡くなった。ある事件に巻き込まれてしまったせいで」
グレンが1番落ち込んでいたな。俺とグレンはすごく世話になった人だったからな。俺もこの死を受け入れるのに数日間かかった。
「思い出させてすみません。先生」
「気にすんな。もう吹っ切れてる。これで自己紹介タイムは終わりだ。残りの時間は自習とする。その様子を俺は見て回るからしっかりと自習をするように」
この後は自習にし、俺はクラス内を見て回りどのような授業を受けていたかを確認する。
(普通に教科書通りの授業を受けてきたのか...あんまり役に立ちそうな事は書いてないな。ただ魔術を上手く使えるようにするための参考書だな)
キーンコーンカーンコーン
「今日の授業はこれまでとする。次の授業は教科書を使わない」
「何をするんですか?」
「また自習とする。その間にお前らにどう魔術の授業をするかを考える時間に充てるためだ。昼飯の後の授業はちょっとした魔術の講義を行うつもりなのでそのつもりでいるように」
「はーい!」
「それじゃあ、休憩に入れ」
そして...次の授業も自習とし、その時間で俺は昼休みの後の授業の準備をした。
昼休み....
「ほー。学校の飯にしては豪華なもんだな。食堂も広いし」
俺の時代より大きくかつ豪華になっている。
「どこで飯を食うかな....」
「あっ!ハチマン先生!!」
「ルミアか...」
「ここ空いてるので、一緒に食べませんか?」
「いいのか?」
「はい!」
「それじゃ...失礼して」
「あっ!お兄ちゃん!」
「なんだ、システィーナか」
「なんだじゃないわよ!!10年ぶりにお兄ちゃんと再会したのにあの対応はなんなのよ!!」
「しょうがないだろ、授業中なんだから。あの対応が正しいんだよ」
「それはそうだけど...」
「まぁ、授業中以外だったら相手してやるから許してくれ」ポン
「分かったわよ...」
「それより、システィーナ」
「何?お兄ちゃん」
「お前、可愛くなったな」
「ふぇっ!!いきなり何よ!」
「何って...思ったことを言っただけだが...」
「急にそんなこと言われても、その...反応に困るっていうか...」(そういうのは2人っきりの時に言ってほしいっていうか)
「ルミアもそう思うだろ?」
「はい。システィは可愛いです」
「ルミアまでやめてよ」
「ルミアはシスティーナの友達でいいんだよな?」
「はい。システィは友達であり親友です」
「そうか。これからも可愛い妹をよろしく頼む」
「頼まれました!」
その後も、システィーナとルミアと共に喋りながら食事を摂る。その際、ルミアはシスティーナの家、即ち俺の家で居候しているとのことだった。
「じゃあ、俺は午後の授業の準備をしに行くから、先に行くわ。システィーナとルミアも遅刻しないで教室に戻れよ」
「分かってるわよ」
「あの私も先生の手伝いに行ってもいいですか?」
「いいのか?」
「はい!是非、お手伝いさせてください」
俺はルミアと共に職員室へと向かった。
「なんか、ルミア...お兄ちゃんがいる時といない時の反応が全然違う...」(お兄ちゃんがいるとなんかすごく活き活きしてる...なんか複雑...)
「悪いな。プリントを持ってもらって」
「これぐらい構いませんよ」
俺は職員室から授業で使うプリントを取り、ルミアに持たせて2-2の教室に向かった。
「そうだ。ルミアに聞きたかったことがあるんだが...いいか?」
「ハチマン先生、私も聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
「いいぞ」
「聞きたいこと、一緒に言ってみませんか?」
「まぁ、別にいいけど」
「「ルミア(ハチマン先生)は3年前の女の子(3年前、私を助けてくれた魔術師さん)だよな(ですよね)?」」
「え?」
やっぱりあの時の少女はルミアだったか。またの名をアルザーノ帝国第2王女、エルミアナ=イェル=ケル=アルザーノ。軍に所属している際、「天の智慧研究会」にルミアが狙われているとの情報も入っていた。その際に母親、現アルザーノ帝国女王、アリシア7世からもし娘に何かあったら助けてほしいとのお願いを受けた。俺は当時、アリシア7世の部下だったのでこれを承諾し、命を懸けてでも守ると誓った。その中で学校内でルミアを近くで守ることが出来る。本当に良かった...
「やっぱり...ハチマン先生があの時の魔術師さんだったんですね」
「ああ...」
「会えてよかった。あの時のお礼がずっと言いたかったんです。本当に助けてくれてありがとうございました」
「お礼なんていい。ルミアには怖い思いをさせてしまったんだからな」
ルミアの目の前で5、6人を殺すとこを見せたんだからな。お礼を言われる筋合いはない。
「あの時は本当に怖かった。でも、ハチマン先生が言ってくれたある約束の言葉で私は救われたんです」
「あれか...まだ追っ手が来るって時にルミアが恐怖のあまり泣き止んでくれなかったあの時か」
「はい。【まだ、敵が沢山いる。お前がこんな状態じゃ...このやばい状況は変わらない。だから泣き止んでくれ。そうしてくれれば俺はお前が死ぬ時までずっと俺がお前の味方でいて守れる範囲でお前を守ってやる。今のお前は人を信じれない状態であるとは思うが、せめて俺だけは信じてくれ。信じてくれるのならお前の安全は保証する】そう言ってくれました」
「そんな恥ずかしい事、言ってたのか俺...」
「恥ずかしい事なんかではありません。誇ってください。こんなセリフを言える人なんでほぼいませんよ。私はその言葉をあの日から信じ続けながら魔術の勉強をしてきました。いつか、私の恩人に私の成長した姿を見せるために」
「そうか」
「でも、こんなに早く再会できるなんて、私は幸せ者ですね」
「俺もこんなに早くあの泣き虫の女の子に会えるなんて思わなかった」
「もう私は泣き虫の女の子じゃありませんよ?」
「ああ、そうだな。逞ましく成長してるのが分かる。あそこからよくここまで頑張ったな。ルミア、偉いぞ」ナデナデ
「ありがとうございます。これからも私のこと、近くで見守ってくださいね?ハチマン先生」
「ああ...約束だからな。ルミアのことは命を懸けてでも守り抜いてやる。もちろん妹のシスティーナも守るがな」
「はい。約束ですからね、ハチマン先生」
「おう」
俺とルミアは新たな約束を交わし、2-2の教室へと向かっていったのだった。
....続く
ここまで読んでくれた方々、ありがとうございます。
次回もよろしくお願い致します。