それでは、今回もよろしくお願いします。
ピピピッ...ピピピッ......ピピピッ....ピピピッ...
「うーん...」
目覚まし時計が鳴り響く朝、俺は起きようとするが...顔に何やら柔らかい感触があり、何か窮屈な体勢で俺は寝ており起きれなかった。とりあえず、目を開けてどのような状況、状態なのか確認した。
「むぐっ...」
どうやら俺は深雪の胸に頭を埋めている状態だった。苦しい...けど温かくて柔らかい...ってそうじゃない!どうにかして、起きなければ!俺のアレ(理性)がヤバくなりそうになる。
俺は深雪を起こさないようにスッと胸の辺りから退く。
「んっ....」
深雪は一瞬、ビクッとなりそのまま起きるかと思ったが、起きることはなくそのまま寝返りを打ち、眠りを続ける。相変わらず深雪の寝顔は可愛い。疲れが吹っ飛ぶぐらいに。守りたい、この笑顔...
「ふぅ...起きるか」
俺は部屋を出て洗面所で顔を洗った後、リビングに向かった。
両親は朝早くから仕事なので、もう居なかった。社畜は大変だなと思いつつ俺はポットに水を入れ沸騰するまで待ち、温かいコーヒーを飲む。
「落ち着くなぁ...」
1人で呟きながら、コーヒーを飲んでいると...
「お、お兄様!」
「ん?どうした深雪」
「なぜ、お兄様だけ先に起きたのですか!起きたのなら深雪も起こしてください!」(お兄様とおはようの挨拶がしたかったのに...)
「いや、起こすのは悪いと思ってだな...」
「そんな事はありません。深雪はお兄様と一緒に起きたいのです」
「そうか。でも深雪の寝顔が可愛くて起こしたくなかったんだよ」
「...その言い方はずるいです」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもありません、はぁ...お兄様は鈍感です」ボソッ
なんか、聞き取れなかったが深雪がなんでもないというなら大丈夫だろう。
「まぁ、いいや。それより、朝飯作るから深雪は学校の支度でもしてこい」
「もう、学校に行く準備は制服着るだけで後は済ませてあります。それと朝飯は深雪が作ります。お兄様の手を煩わせることをさせる訳にはいきませんから」
「いいのか?」
「はい!深雪はお兄様のお役に立ちたいんです」
「わかった。じゃあ、朝飯は深雪が作ってくれ」
「はい!」
そう言って深雪はリビングに向かい、朝食の準備を始めた。俺は良い妹を持ったなとつくづく思ったのだった。
「〜♪」
リビングで料理をする深雪は終始、笑顔だった。
なんかこういうのって新婚夫婦みたいな感じだよな。まぁ、俺にはそんな相手が出来るわけないが...
「お兄様!朝食が出来ました」
「おう」
「「いただきます」」
そして、俺は深雪が作った朝食を食べる。
朝食メニューは一汁三菜と健康的なものだった。
「お兄様、美味しいですか?」
「ああ、美味いぞ。深雪はいいお嫁さんになれるぞ」
「そうでしょうか?」
「ああ、お兄ちゃんが保証する」
「ありがとうございます。でも、深雪はお嫁には行きませんよ」
「そうなのか?」
女の子というのは少なからずお嫁さんに憧れるものだが、深雪は違うらしい。まぁ、深雪がお嫁に行くとなれば俺は少なからずショックを受けるだろう。数年は立ち直れるか分からないだろうな...
「深雪はお兄様とずっと傍にいたいのでお嫁には行きません」
「そうか。ありがとな」ナデナデ
「...っ!はい!」(お兄様の手は温かくて気持ちいいです)
俺と深雪はその後も話しながら楽しい朝食のひとときを過ごした。
そして朝食を摂ったのち、俺と深雪は学校に行く準備をし家を出た。
「〜♪」
深雪はご機嫌で俺と手を繋ぎながら歩いている。
「学校が楽しみなのか?」
「はい!それもありますけど、何よりお兄様と同じ高校に通えるのが嬉しいんです」
「俺も深雪と一緒の学校に通えるのは嬉しいぞ」
「それは良かったです」
そんな事を話しながら、総武高校に向かった。その道中に...
「あの2人、仲がいいわね」ヒソヒソ
「カップルとかかな」ヒソヒソ
「お似合いね」ヒソヒソ
「「あんな、可愛い子と登校なんて羨ましい!!そこ代われ!!」」(心の中の声)
周りの女子高生たちは八幡と深雪の登校姿を遠くから見てヒソヒソと話しており、男子高生達は羨望の眼差しで八幡達を見ているのだった。
数分歩いた後、総武高校に着く。
「それじゃあ、お兄様。また昼休みに」
「おう、深雪は授業頑張れよ」
「お兄様もちゃんと数学の授業を受けてくださいね」
「わかってるよ」
そして、深雪は1年の教室に向かっていった。俺も自分のクラスに向かいますかね。俺はクラス表を確認し、自分の教室へと向かった。
その際...
「お、比企谷じゃないか」
「おはようございます、平塚先生」
「うむ、それで、今日の奉仕部だが...始業式のため活動はないから部室には行かなくていいぞ。もちろんこの事は雪ノ下と由比ヶ浜には伝えてある」
「分かりました」
「それじゃあ、私は朝の会議があるから失礼する」
「はい」
そう言って、俺は平塚先生と別れ自分の教室に改めて向かったのだった。
...続く
ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
それでは、次回もよろしくお願い致します。