安定のご都合主義です。
それでは今回もよろしくお願い致します。
深雪と別れた後は教室でSHRを行なったのち、体育館に移動し始業式が始まる。始業式のラインナップとしては校長の講話と生徒会長からの話の2つである。生徒会長の話はいいとして、校長の講話はくだらない話かつ長い。大抵の場合、身の上話とか勉強の話、進路の話しかしない。そんなのは学年集会の時にやってもらいたいものである。
「それでは、校長先生からお話をいただきます」
そして、校長の講話は俺の予想通りで身の上話、勉強の話をメインで30分話していた。ほとんどの生徒は寝ている。まぁ、ためになる話もしていないからなぁ...
「最後に生徒会長からお話をいただきます」
校長先生の講話の後は生徒会長からの話を聞く。すると校長先生の講話の時とはうって変わり、ほぼ全員起きて聞く態勢に入っている。まぁ、無理もないだろう。総武高校の生徒会長は近年、女子生徒かつ美少女が務めている。その影響もあってか年々、受験人数が増えているらしい。
「生徒会長の七草真由美です。新入生の皆さん、改めて御入学おめでとうございます。初めての高校生活で不安なこともあるかと思いますが、悔いのない3年間を過ごしてくださいね。そして、2年生は上級生、先輩という意識を常に持って2年目の学校生活を送ってください」
生徒会長は一呼吸おき、体育館全体を見渡す。その際、俺は七草先輩と目が合った。俺は一応、軽く会釈をする。それを見た七草先輩は笑顔だった。
「そして3年生の皆さんは最上級生となり最後の部活、受験も控える大事な1年になります。この1年もより勉学や部活動に励み、悔いのないように最後の高校生活を送ってください。以上で生徒会長挨拶を終わりたいと思います」
七草先輩が話し終わると体育館中から拍手が沸き起こった。その後は生徒指導の先生から話があったのち始業式は終わった。
始業式の後は各自の教室でHRを行う。俺のクラスは自己紹介が行われた。俺の番での自己紹介は察してくれると嬉しい。
HRの後は授業等はないので、昼に各自解散の流れとなった。
「ヒッキー!部活行こう!」
「は?お前、平塚先生から聞いてないのか?今日は奉仕部無いぞ」
「あっ!そうだった」
「ったく、ちゃんと覚えとけよ」
「ごめんごめん。じゃあ、一緒に帰ろう!」
「いや、帰る方向違うだろ。雪ノ下と一緒に帰れば?」
「ゆきのんとも一緒に帰るよ。途中まで一緒に帰らない?」
「いや、悪いが....俺は妹と一緒に帰るから」
「え?ヒッキーに妹がいるの!?初耳!」
「まぁ、言ってないからな。それより、由比ヶ浜が初耳という言葉を知っていたのが意外だった」
「私の事、バカにし過ぎだからね!」
実際に由比ヶ浜はバカだからなぁ....
「じゃあヒッキーの妹ちゃんとも一緒に帰ろう!!」
「いや、帰らないから。お前らはゆるゆりしながら2人で帰れよ」
「いいから、一緒に帰るよ!」
「おい、待て。制服を引っ張るな」
俺は由比ヶ浜に引きずられ、雪ノ下のクラスへと向かう羽目になった。
「お待たせ、由比ヶ浜さん。あら?比企谷くんも一緒なのね」
「由比ヶ浜に強制されてな」
「そう....」
「それより、ゆきのん!聞いてよ」
「なにかしら?由比ヶ浜さん」
「ヒッキーの妹がこの学校にいるんだって!」
「そうなの?全然、知らなかったわ」
「だよね!なんで私達に教えてくれなかったの!」
「言う必要ないからな、別に」
言ったとしても妄想で妹を作るのはやめなさいとか言われそうだからな。言うわけがないだろう。
「まぁ、言う言わないは比企谷くんの自由だものね」
「だから、今からヒッキーの妹ちゃんと一緒に帰ろうと思ったの」
「それで比企谷くんが一緒なのね。納得したわ」
「じゃあ、行こう!」
そして、俺達は俺の妹である深雪のクラスである1-Aに向かった。
「呼んでくるから、ここで待っててくれ」
「うん」
「分かったわ」
俺は由比ヶ浜と雪ノ下を1-Aの廊下前で待っているよう伝え、俺は1-Aの教室に入る。中にはまだ人が数人ほど残っていた。その中に深雪の姿もあった。友達と会話しているようであった。話しかけずらい...
「深雪、少しいいか?」
「あっ!お兄様!」
「友達と会話中にすまんな。一緒に帰ろうと思って声を掛けたんだが...」
「もう少しでお話が終わるので待ってていただいてもいいですか?お兄様」
「分かった。教室の外で待ってるから」
「はい!」
俺は教室の外で待つことにした。
「あれ?ヒッキーの妹ちゃんは?」
「友達と話してるみたいだからもう少しかかるらしい」
「そっか」
「比企谷くんの妹さんが来るまで待ちましょうか」
由比ヶ浜と雪ノ下は談笑し、俺はスマホを見て深雪が来るのを廊下で待った。
しばらくして...
「お兄様!お待たせしました!」
「おう、もう大丈夫か?」
「はい!なので、お兄様と2人っきりで帰りましょう!」
「そのことなんだが、連れがいるんだが」
「どちらにいらっしゃるのですか?お兄様」
「後ろにいると思うぞ。おい、由比ヶ浜、雪ノ下。来たぞ」
「あ、この子がヒッキーの妹ちゃん?可愛いね」
「あ、ありがとうございます...えっと」
「私の名前は由比ヶ浜結衣!ヒッキーとは同じ部活なんだ!」
「ヒッキーというのはお兄様のことですか?」
「うん!いいあだ名でしょ?」
「そ、そうですね...」
深雪の顔が引きつっていた。これはやばいかもしれない。
「由比ヶ浜さん、私も自己紹介したいのだけれどいいかしら?」
「ごめんね」
「由比ヶ浜さんがいきなりごめんなさいね。私は雪ノ下雪乃。2-Jに在籍しているわ。比企谷くんとは同じ部活で部長をしているわ。これからよろしくね、比企谷深雪さん」
「はい。こちらこそ自己紹介が遅れてすみません。1年の比企谷深雪です。お兄様がいつもお世話になっております。こちらこそ、よろしくお願い致します」
「ええ、よろしく」
「それと、少しお兄様と2人でお話がしたいのでお兄様をお借りしていいですか?」
「ええ、大丈夫よ」
「お兄様、ちょっといいですか?」
「と、どうした?」
なんか深雪の表情が暗い感じがするのは気のせいか?それとなんかすごい冷気を感じるんだが....
「何故、お兄様は部活動のことを深雪に黙っていたのですか!!」
「それはだな....」
「しかもあんなに可愛い先輩方と....理由次第では深雪はお兄様を許しませんよ」
「.........」
なんと説明していいのか分からず、俺は理由を答えられずにいた。
「そうですか...お兄様が何も仰らないのであれば....」
「あれば?」
「ちゃんと説明してくれるまで、お兄様を家には帰させませんから覚悟してくださいね」
「マジかよ....」
俺は深雪にどう説明しようか迷うのだった....
誰か助けて.....葉山!!!
無残にも比企谷八幡の心の叫びは葉山隼人の元に届かなかった。
...続く
ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
魔法科高校の劣等生サイドでは生徒会長枠として七草真由美を登場させました。副会長には城廻先輩という形にしています。八幡と七草先輩との関係は今後、明らかになります。
次回もよろしくお願い致します。