更新は遅いかもですが、これからもよろしくお願いします。
……今回は少し短めかもです。
「う~ん……どうするかなぁ」
俺は今、
風見鶏に行った次の日の朝、俺は昨日と同じように清隆より早く目を覚ました。
休日に早く目を覚ましてしまったということで、せっかくなので授業が始まる前に英語の勉強をしようと図書館島へ行くことにした。
なので清隆に『出かけてくる』と
「俺……ボート貰ってないんだよなぁ」
そんな独り言が空を切る。
なぜこんなに悩んでいるかいうと、俺には図書館島に行く方法がないからだ。
地下にいる一般人向けの船で行こうと思っていたのだが、船の時刻表を見るとリゾート島へは船も結構な本数が出てはいるらしいのだが、それに対し図書館島への船の本数は少ない。次の船までは一時間以上もある。
なので生徒用のボートが凄く羨ましくなったのだ。
けれど、ない物を羨ましく思っても行けないことに変わりはない。
朝早く起きたのに一時間もどこかでだらだらと過ごすのは、凄く損をした気分……というか損だ。
「――そうだ!」
こんな時こそ魔法を使えばいいんだ! ……と思ったのだが。
「……俺の魔力じゃ、図書館島まで絶対に飛べないよな」
人を宙に浮かす魔法は魔力をかなり必要とする。
物を下から念力のように持ち上げるとか、風を使い宙に飛ぶなどいろいろと方法はあるのだが、どれも人の体重を支えるにはそれなりに魔力が必要となり、それを図書館島までとなると今の予科一年ではほとんどが無理かもしれない。
(――となると、新しい魔法を創るしかないか)
そう考え、頭の中に魔法を創るために必要な事を思い浮かべる。
魔法を創るのに大切なことはたったの2つ。
1つ目は『イメージのしやすさ』――これが思いの力を原動力とする魔法にとって、簡単に使えるかを決める。
2つ目は『効果の限定』――魔法というのは、効果を限定すればするほど簡単になっていく。つまりは魔法に制約を付けるってことだ。清隆
この2つが出来ていれば、魔法使いなら誰でも魔法が創れる。
(……まずは『イメージのしやすさ』、か)
魔法で図書館島まで飛んでいく……または他の方法をとるか。……さて、どうしたものか。
泳いでや歩いて行くにしても、俺の魔力の量じゃ図書館島まで魔法を継続して使えない可能性がある。できることなら少しくらい力を込めてでも早めに図書館島に行ける魔法が理想だ。
スピードを求めるなら瞬間移動なんかが一番早いけど……そんなの、清隆ほどの魔力があったって図書館島まで――しかも自分自身を移動させるなんてのは、いくら効果を限定させても無理だろう。
いや、開錠の魔法のように一回だけしか使えないように限定すれば…………無理だな。俺に瞬間移動なんてどう考えても出来るイメージがしない。
ならどうするか。……そもそも空を飛ぶことのできない人に、『空を飛ぶ』というイメージは難しすぎるのだ。
もっと空を飛ぶなら人間に出来る動きにしないと。例えば……歩く、とか。
そうだ。歩くことにしよう。『空中を歩く』。
イメージの基本は出来た。あとはスピード。――これは足を速くする魔法を創って、それを組み合わせよう。そうすれば空中じゃなくても、素早く動けるし。
効果の限定は、靴を履いているときだけにしよう。帰りも使いそうだし。
靴の底に風の魔法か何かで足場を固定すれば、あとは簡単に空中で歩けると思う。
なんせ『歩く』という動作は、人間の中で最も基本的な動作だ。つまりそれは、同時にイメージがしやすいということを意味する。
「よし、だいたいできたな」
試しに靴にさっき考えた術式の魔法をかけ、階段を上るイメージで足をあげる。
そして――
「おお!」
足を落とすと、ちゃんと空中に足が止まった。どうやら空中に浮くことには成功したらしい。
しかしこのままでは意味がない。
なのでそのままイメージした階段を歩く。
(……思ったよりも魔力の消費が少ないな)
歩いた感想はそんなものだった。これなら問題なく図書館島に行けそうだ。それどころか、歩いてでも行けるくらいだ。
おそらくここまで魔力の消費が少ないのは、俺が考えていた以上に『歩く』という動きは人間にとってイメージしやすかったらしい。
――つまり俺は今、『空中を歩く』魔法を完成させたわけだ。
効果は靴を履いている時だけだが、靴を履いていれば普段から速く走れる。多分、本気を出せば時速でいうと60kmくらいは出せるんじゃないだろうか。
それに加えて空中も歩けて、しかも確信は持てないが地上で走るのと同じくらいのスピードは出せると思う。当然、消費する魔力も増えるけど。
「……これ、なんかヤバくないか?」
俺は素直に感じたことを口に出してしまった。
何がやばいかというと……それはもちろん今創った魔法のことだ。
創った後にいうのもなんだが、自分でも驚くほどに魔法の
魔力の消費も少ないし、使い方もかなり簡単だ。魔法の初心者でも練習すればすぐに出来るようになるレベルに。
『ならいいじゃないか』――と思うかもしれないが、実際の所はかなりマズイ。
なぜなら、普通は空中に浮くにはそれなりに実力が必要なのだ。
それがいとも簡単に浮いて、ましてやほとんど魔力を使わず素早く動けるなんて、そんな魔法は存在しないはずだ(俺が知る限りでは)。
つまり、こんな魔法を予科一年生が使っていたら、俺が創ったとは思われないかもしれないけど、少なくとも面倒なことになりそうだ。……具体的になにが起こるかは想像できないけど。
(……とりあえず図書館島に行ってから考えよう)
そう考え、俺は誰にも見られないうちに図書館島へ走るのだった。
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