ロクデナシっ^2   作:3148

25 / 46
白金研究所突入です、グレンとアルベルトとラケルの三人組です、こんだけおったら楽勝やろ(適当)

オリキャラはチート(敵キャラも含む)



課外授業 第六話

 「はっはっは、流石だな! プロジェクトリヴァイブ・ライフのデータだけでなく、それに必要な三要素まで集めてくるとは」

バークスがそう言葉にすると、リィエルの兄が恭しく頭を下げる。

「お褒めにあずかり光栄です」

三つの研究様培養器とルミアが繋がれ、研究が進んでいる様だ。

「素晴らしいですわ、所長」

エレノアがこの研究を褒めていると、所長も気は悪くないらしく。自慢げに背を伸ばす。

「おーい、そんな研究より……お客様みたいだぜ?」

ホーエンハイムが遠巻きに声を掛けると、不機嫌になる所長だが、遠隔魔術を駆使し、侵入者を見つける。

「軍用キメラを向かわせる、簡単には進めんだろう」

所長のその言葉に、エレノアは静かに消え入るように呟いた。

「さぁ、それはどうでしょうか」

 

 金網の下に幾つものキメラが蠢いている床の上を走り、グレンが呟く。

「悪趣味だな。やっぱりろくなことしてないじゃねぇか」

グレンのその言葉に、ラケルが返事をする。

「軍用キメラやプロジェクト・リヴァイブ・ライフに関係しているのはごく一部の人間だけです。一般の研究員は正規に正しい研究をしていますよ」

その会話を遮るようにアルベルトが話す。

「そこまでにしておけ、どうやら簡単に通す気は無いようだ」

三人の目の前に現れたのは、三匹のキマイラ。獅子の顔に、鷹の翼、虎の足に、尻尾に蛇が付いている合成獣だ。

「軍用キメラは研究が禁止されてるっつうのに、あのハゲは……」

やれやれといった様子で対処に当たろうとするグレンをラケルが制す。

「グレン教諭、アルベルト殿貴方方はこの先に備えて温存して下さい。ここは僕がやります」

血に飢えたキマイラの前に悠々と歩き始めるラケル。歩く度にカン、カンと音が響き、キマイラの様子がおかしくなっていく。

「本来の生態系は、幾億年と積み上げられてきた進化、生存競争の結果です。それを悪戯に混ぜ合わせてしまえば」

顔の獅子や、尾の蛇は威嚇をしている。だが、足が竦み動かない様だ。

「天敵に対する警戒心とそれを制御する脳が乖離してしまえば、正常な動きを取り戻すことすら困難になる。ましてや、攻撃性のみを追求し、本来の生体の完成度を下げてしまうだけのキメラなど廃れて当然」

ラケルは三匹の中心まで何事もないかのように進むと、三節の簡単な白魔術を発動させる。それに反応するのは、獅子の首のみ。元の体を取り戻すかのように今の体を砕き、崩し、自らを崩壊へと進ませる。そもそも生命体として短い寿命の存在なのだが、それを更に推し進めているのだろう。やがてつなぎきれなくなった首が床に転がり落ちる。

「……軍用キメラって、危険だから禁止になったんじゃなかったっけ?」

その問いに対し、ラケルが普段と変わらぬ表情で答える。

「例え危険であっても、有用性があるのであれば魔術は研鑽されてしかるべしでしょう。むしろ危険性のない魔術など存在しない。危険というのは、理解が出来ぬ一般人に対する方便ですよ、錬金術を担うものから不要と切り捨てられた産物です」

それに、アルベルトが問う。

「キメラという研究自体が、か?」

それについては、直ぐさま否定する。

「生態系や動植物の可能性を模索するキメラ研究と殺害を主とした目的の軍用キメラは違います。その違いが分からない未熟者を誤った道を選択しないように『禁止』されているに過ぎないのですよ」

遠回しに、という程でもないが、白金研究所で軍用キメラの研究が行われていること自体を否定している事が問うまでもなくわかる。そうしている間に、更にもう一体、キメラが現れた。

「アダマンタイタイ、か」

全長三メトル、高さだけでもゆうに人の背丈を超え、重さに至っては比較するべくもない。歩く度に床が揺れ、爪や背中の甲羅に生成されている鉱物には、名に恥じぬ硬度だ。

「流石にこれは……やるんだな?」

グレンが先頭に立つ前に、ラケルが正面から向かい合う。低く地下全体を振るわせるような雄叫びを上げながら突進してくるアダマンタイタイに、ラケルは片足を踏み出した勢いと同時に掌底を甲羅の前面部分にぶつける。

「地の震えよ 輝石を尽く振るわせよ 『暗剄』」

重く響き渡る音は、双者がぶつかり合い、互いのエネルギーが相殺したと言うことだ。

「嘘だろ……」

何トンあるか分からない巨体の突進を片手で受け止めた、それと同等のエネルギーを瞬時に生み出した、そのことに他ならない。

「いや、それだけではない」

アルベルトが驚愕に顔を歪める。甲羅や爪の一部が、震え音を鳴らしている。それは鳴り止むことなく、徐々に震えを増していく。

「共鳴現象か!?」

グレンの叫んだあと、増していく振動は限界を迎え、鉱石部分の崩壊という形で、共鳴現象は突如終演を迎える。体内外の重要な部分が破損し、最早生命活動すらまともに行えなくなったアダマンタイタイは、その巨体のまま、地に這いつくばるしかなかった。

「進化の過程で、こういった変異体は消滅していく。存在するとすれば甲殻や体内の重要器官の間を多重構造にし、外部の振動で共鳴を起こさない個体が生き残るはずです。そういった、偏った環境にしか適応出来ない生命体を研究しつづけることに、意味は無い」

倒れた合成獣を哀れむように一瞥し、先へと歩を進める。ラケルを追うようにグレンとアルベルトも歩み始める。

 

 バークスやエレノア、ホーエンハイム達がいる部屋では、遠隔魔術でラケル達の様子が見られていた。軍用キメラでは相手にならない現状に痺れを切らし、所長自らが動き出す。

「ふんっ、生意気な! 私自らが叩き潰してやる!」

そう言って通路に歩き出し、その奥へと姿を消していく。それを見送った後、ホーエンハイムが口を開いた。

「潮時じゃねぇの、エレノア?」

プロジェクト・リヴァイブ・ライフは既に完成していると言っても過言ではない。必要な素材と経過は完了している。あとは時を満ちるのを待つのみだ。エレノアの手元にある記録装置も、計画の全容を記録している。

「そうですわね、そろそろお暇させて頂きましょう。ホーエンハイム様はどうなさりますか?」

エレノアの言葉ににやりと笑い、残酷な笑みで返答する。

「ここに研究素材が来るんだ。待つしか無いだろう? 待ち遠しいくらいさ、狂おしいほどに」

言葉とは裏腹に、妖艶にくねらせるその肢体は、美しくまるで人ではない何かのようにも見える。

「そう……でしたね。それでは、御機嫌よう」

そう言い残し、エレノアは姿を消す。まるで闇に溶け入るかのように。

 




読了ありがとうございました。

軍用キメラの設定は独自のものです、多分禁忌としかされてなかった……はず(多分)

結果的に効率良く戦争に使われる事はあっても、研究の主目的としてはあってはならない、そんなお話でした。

キメラってロクアカ世界ではあんまり強くないのかな?
アニメ見る限りでは、よく分かんないです(小並感)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。