ロクデナシっ^2   作:3148

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魔術連帯戦の話です(前半)

石を投げろ!
落とし穴を掘れ!
よし、皆丸太は持ったか!?(錯乱)


レオン参上 第四話

 ウェンディの合図で次々と魔術でつくられた石や砂の塊が投擲される。次々と降り注ぐ石つぶて達は、まるで雨のようにレオン側の陣営をむしばんでいく。

「成る程、最新の戦術を組み込めないのであれば、古ぼけた遠距離戦に持ち込もう、という魂胆でしょうか」

レオンは冷静に状況を分析しつつ、指示は変えない。投石攻撃での被害はほぼゼロに近い。その為の防御役であり、三人という比較的少ない範囲のカバーであれば、専念すれば難しい事では無い。勿論、消耗がないということはないが、投石攻撃ほど魔力を消費することは無いだろう。

「せ、先生! レオン先生!?」

遠隔魔術により、レオンに連絡が伝わる。

「成る程、こんな手駒までもっていたのですね」

手元の映像には、砂煙の中、リィエルが各部隊を強襲している。投石の意図は砂煙を起こし、視界を遮ることでもあったようだ。

「構いません、全速力で砂煙を抜けなさい。その為のスリーマンセルです」

各部隊に突破力と継戦能力、そして生存性能を持たせるための部隊編成だ。一個人への対応で無闇に戦力を削るのであれば、早々に突破してしまえばいい。

「……おや?」

部隊が前線を上げようと進軍する中、レオンは違和感を覚えた。

 

 ウェンディが作戦指揮をとり、投石魔術を使用したクラスメイトはマナをほとんど使い切り、その場でへたり込んでいる。

「思ったより早かったようですわ。テレサ、お願いいたしますわ!」

ウェンディが指示を出すと、テレサ率いる浮力制御部隊が一斉に魔術を解除する。

「投石で地面が凹凸になり、砂煙で視界も遮られました。さぁ、貴方方の立っている場所は、本当に地面ですか?」

リィエルという単独強襲兵がいる中、視界の悪い砂煙を進軍するのは厳しい。しかし、指示通りに動き、周囲に警戒を怠らず進み続けるレオンの生徒達は優れていると言っても過言では無い。だがしかし、視線は周囲に向けられていて、足下には向いていない。まさか、自分たちが立っているのが、魔力で作られた足場とも知らず。

「凹凸併せて三十センチメトル程度で充分。足を取られて転び、漸く投石の衝撃と巻き上げられた砂と石の上を歩いていた事に気付いたときには手遅れ、己の四肢すら信じられず、地を這うしかできないでしょう」

ふふふ、と邪悪な笑みを浮かべるテレサ。

「テレサって、こんなキャラだっけ?」

ルミアが少し引きながら疑問に思う。そんな中、ウェンディからギイブルへ、指示が飛ぶ。

「Aの十八、二十七、Bの二、三十六、Fの二十二、Hの六、Kの十二、Nの十五」

ウェンディの手元には碁盤の目のように戦で区切られている戦場の地図が書かれている。探査魔術により把握した敵の位置だ。素早くギイブルが反応し、他の隊員達も同様に唱える。

「地よ 水よ 降り注ぐ灰よ 創世の御手によりて 再び形を得よ」

 

 部隊で行動しているレオンの生徒達は、何人かはこけていたが、ほとんどがよろけるだけで済んでいた。ただ、足を止めざるを得ない状況で追撃の魔術が襲いかかる。

「な、なんだこれ?」

投石の石と砂、他にも様々なものが混ざり合い、隊員達の四肢に絡みつき固まる。体勢を崩していたものほど接着面は広く、動きが制限される。

「くそっ、これじゃ前に進めない!?」

ほぼ全部隊が足止めを食らっている中、再度レオンから連絡が来る。

「動けない者は、己で対応し後方支援へ。それすら出来ないものは、救助にあたれ。それ以外で動ける者でスリーマンセルを再編成し、前線をあげる」

クラス全員に伝わるその指示に、動揺が伝わったが、直ぐさまレオンがフォローを入れる。

「相手は大規模魔術でほとんどの部隊が行動不能状態だ。ここから先の戦闘は、グレン先生のみと考えて良い。さあ、勝利をつかみにいくぞ!」

全員を鼓舞するその声に、生徒達は応える。だが、いまだ、視界が晴れきらない中、どこまで進軍できるかは分からない。

 

 レオンが指示を出し終えると、違和感を正面に感じる。部隊では無い、単独だ。

「やあやあやあ、我こそはマグヌス家が一人、ラケル・マグヌスなり。軍用魔術の使い手レオン殿、相手にとって不足無し、推して参る」

砂煙の中、誰一人気付かれること無く一直線に敵陣最奥部まで、ラケルが駆け抜けていた。

 




読了ありがとうございました。

最先端の技術対古めかしい戦術は何かロマンを感じると思います。
ただ、ロマンが描けているとは言ってない。
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