ロクデナシっ^2   作:3148

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オリジナルの話です。

ラケルとホーエンハイムの目的は一体なんなのか?
それは作者にも分からない!(適当)


ロクデナシ教師とロクデナシ錬金術師 第一話

 「おはよう、ルミア」

「おはよう、システィ」

学院には、平和が戻ってきた。レオンについての問題も表面上は収まり、いつも通り魔術へと打ち込む日々へと戻る。

「あ、先生」

二人が歩いていると、一枚の紙を睨みつけて考え込んでいるグレンが見えた。朝時間よりも早く来ていること自体稀なのだが、真剣な顔つきということも合わせて、異常というしかなかった。

「何かあったんですか、先生」

心配そうにシスティーナが声を掛ける。漸くグレンも気付いたのか、紙をしまって二人に振り返る。

「ん、ああ、なんでもねぇよ。とっとと教室にいけ」

そういうと、グレンは自室に戻っていく。

「ねぇ、システィ……」

「うん、多分」

思い当たる節があるのだろう、二人とも。

 

 教室でグレンを待っていると、疲労しているウェンディの姿を見つけた。

「ウェンディ、大丈夫?」

それに対し、ゆっくりと二人の方を見る。

「……あぁ、ちょっとね」

そう言って、直ぐにうつぶせになる。それに対して、テレサがフォローを入れる。

「ごめんね、ラケルの運送業のほうで手伝ってるの。やっぱり私達だけだとむずかしくて……」

そう答えたテレサの顔色も良くない。詳しく聞くと、ラケルの父親がいなくなったラケルの代わりに務めていたようだがすぐに滞っていることがテレサとウェンディに発覚。ギイブルにも手伝って貰い、なんとか業務が進むようにはしているのだが、安定しているとは言い難い。

「ほとんどラケルの残したマニュアルに沿って動いてるだけですの。トラブルは私とテレサの方でもみ消してはいますが……メリットがなくなれば直ぐにでも打ち切りですわね」

協力会社からすれば、急に運送が止まるというのは困るため、多少の支援はでるだろう。しかし、そう長続きはしない。それまでに対応を考えなければならない。

「私達でも、出来る事をしましょう」

システィがルミアに告げる。不安そうな感情を押し殺し、首を縦に振る。

 

 放課後授業が終わった後に、システィ、ルミア、リィエルでラケルを助ける為の作戦会議を始める。勿論、何の手がかりも無いため碌に進みはしないが。

「兎にも角にも、手がかりを探さないと」

と言うことで、初日は地道な聞き込み、市内の調査という形になった。各人思い思いの場所を調べるものの余り結果は良いとは言えない。

「……今日はここまでね」

日も暮れ、システィが全員に告げ、各自帰路につく。次の日も同様に探し続けるが、結果は芳しくない。

「……効果的じゃ無い」

誰もが理解していたが、三日目にしてリィエルが声に出した。むしろ飽き性なリィエルにしてはよく耐えた方かもしれない。

「確かに、このまま続けても、結果が出るとは限らない。どこか違う場所を……」

そう呟くと、一カ所思い当たる場所があった。

「意外と簡単に許可が出たね」

ラケルの部屋の合い鍵を借りラケルの部屋を訪れる。置いてある物は実験に使う物、魔術書が置いてある本棚、後は魔方陣くらいのものだ。

「簡素な部屋……何か分かるかな」

そう言って、魔術書を始め、各人で探し始めるが、特別手がかりとなるものを見つけられない。何かあるのかもしれないが、このメンバーでは、解読するのに時間が掛かりすぎて時間が足りないのだ。結局この日も成果は得られないまま、日が暮れる。

「……今日も駄目ね、引き上げましょう」

疲れが見える表情でも気を張って皆に指示をだすシスティ。翌日も同様にラケルの部屋を調べていると、グレンの姿が現れる。

「おい……流石に止めとけ。これ以上は時間の無駄だろ」

時間の無駄、それは各人が感じていた事だったが、それでも誰一人彼を探す努力を止めようとはしなかった。

「そうだ! グレン先生、何か持ってましたよね。あの時隠した紙は、何かラケルに関係あるものじゃないんですか!?」

システィが詰め寄ると、グレンは依然として態度を変えない。

「関係ない。それにお前達ももうやめろ。遊び半分で首突っ込んで良い話じゃ無いぞ」

その言葉に、システィがグレンの襟首を掴み締め上げる。

「遊び半分なんかじゃない! 手遅れになれば……また、失うかもしれないんですよ!?」

疲労故か、グレンを掴む腕にも力が入っていないように見える。グレンも、その言葉に自分の至らなさに気づき、それでも言葉を続ける。

「遊びじゃ無いなら、尚更だ。馬鹿一人捜すために、お前達を危険にさらせるか。セリカや他の先生も動いてるし、俺だって何もしてないわけじゃ無い。いいか、お前達が何も出来ない、っていうつもりもないし、子供だからじゃない。俺が守り切れないかもしれないから、関わって欲しくないんだ」

そうグレンがシスティーナに語る。その言葉は真摯で心からの言葉に聞こえる。だが、それでもシスティーナは調べるのを止めようとはしない。

「おいっ、聞いてたか白猫」

「放してっ!」

乱暴に振りほどいた手は、グレンの腕を傷つけた。滲む血とシスティーナの目に浮かぶ涙、その意味を理解出来ないグレンにシスティーナが叫ぶ。

「グレン先生の言っている事が正しい事は分かります! でも、正しいからと止められないから、何かあってから貴方の所為に出来ないから、行動しなかった自分を……許せないから」

溢れる涙を袖で拭い、行き先の無い怒りと背後に忍び寄る恐怖に耐えられない少女の姿があった。

「すみません、少し頭を冷やしてきます」

「……白猫」

グレンの横をすり抜けるように、ラケルの部屋から出て行くシスティーナ。

「先生、システィの事は任せて下さい。私が……私がついてますから」

システィーナの後を追って、ルミアがラケルの部屋から出る。

「何やってんだ、俺は」

ラケルの捜索が難航しているのは、システィーナ達だけではない。グレン達もまた、足取りを掴めないでいる。

「グレン、こっちは何も分かっていないに等しい。何か手がかりがあるなら、私達で分かることがあるなら情報を共有すべき」

自分から意思表示をすることが珍しいリィエルに、反射的にグレンは尋ねた。

「ウェンディやテレサは分かるんだが……どうして、お前や白猫も躍起になるんだ?」

勿論、クラスメイトが失踪したという大事ではあるものの、多くの生徒は必要以上に関わろうとはしない。理由の一つに接点が少なすぎて関わりづらいということもあるのだが、よっぽど関係が深い人間で無ければ積極的にはなり得ない。

「私は、一度助けられている。グレンやラケルから見れば違う様に見えているかもしれないけれど、彼の選択で私はグレンを切らず済んだ。それと、過去と向き合う事が出来た、借りを返せるというなら行動に移す」

リィエルは自分の意見を述べた上で、話を続ける。

「システィは、目の前で誰かが居なくなるのが耐えられない、そう言っていた。ウェンディやテレサを見る度に苦しそうな表情をしていた。ラケルを見つける事で助けられるなら、私はそうしたい」

「馬鹿野郎……」

システィーナは恐らくレオンを失った自分と姿を重ねているのだ。もう少し時間空けば、冷静に判断出来るかもしれないが、立て続けとなると、そうはいかない。彼女が言っていたとおり、レオンを助けることが出来なかったシスティーナは、次同じことになる可能性がある限り、何もしないということは出来ない。仮にそれが比較的に良い選択に見えたとしても、だ。

「今俺達が分かっている情報はこれだけだ」

そういってポケットから、一枚の紙をとりだす。

「魔方陣?」

巨大な円の中に更に円が五つ入ってる形だ。円の中には様々な文字や記号が描かれている。

「ああ、ラケルが目的としているのが、この魔術の実現、ってとこまでは分かってる。そんで魔方陣の解析もほとんど終わってる」

それを聞いてリィエルは疑問府を頭の上に浮かべている。

「だが、これで何が出来るのか、何が目的なのか、さっぱり見えてこない。火、雷、水、土、風の五属性の魔術なのは見りゃ分かるんだが、実際に魔術を起動させても、いまいち何が起こってるのか分からん」

各属性の魔術が次第に規模を大きくしていくが、いずれ頭打ちになる。となると、そこが魔術の結果になるはずなのだが、何も起こらない。それ故にこの魔方陣が正しいのかどうか、精査がグレン達で行われている所になっている。

「目的が、分からない?」

リィエルがそう話すと、グレンは頷く。

「ああ、ここまであっけなく分かったんだが、目的が分からなきゃ、その先が追えない。色々当たっては見てるし、この部屋もその一つだったが……」

ラケルの部屋について、探しているリィエル達も分かるとおり、直接的なヒントにはなり得ない。何か切っ掛けがあれば、繋がるかもしれないが。

「ラケル……目的。確か、ラケルが私のことを調べてた、ような?」

そう言われて、白金研究所のことについて思い出す。リィエルというよりは、リィエルが生み出される課程に使用された固有魔術のことだが。それで何かに気付き、グレンは動きだし、ラケルの部屋の魔術書を幾つか取り出し、調べ魔方陣の紙に書き込んでいく。

「……おいおいおい、なんてこと考えつきやがる」

頭を掻き、どうやら真相に辿り着いたようだ。

「……グレン?」

「ちょっとセリカに報告してくる。それと他の連中にも、だ。学園の外に出てくるから、白猫達にはここで待つように伝えてくれ、頼んだぞ」

そういうとグレンは足早に学園の外に出ようとする。

 

 「くそっ、こう言う時に限って繋がりにくい……街がやべぇってときによ!」

グレンが学園の外に出て、人通りの少ない路地でセリカに通信をしていると背後から人影を感じた。

「どうしたグレン、何か分かったのか?」

その姿は、リィエルの同僚のアルベルトだ。長身の男で、グレンの元同僚で今回の調査にも関わっているはず。

「アルベルト……じゃねぇな、誰だ?」

グレンがアルベルトを睨みつけると、アルベルトが意外そうな顔を浮かべる。

「どうした? 考えすぎで頭がおかしくなったのか?」

おかしくなった親友を気遣うように話しかけるが、グレンは警戒を解かない。

「アルベルトなら俺がセリカと通信できることを知ってる。俺がセリカに伝える事なら……それを何かと問うことは、あいつなら絶対に無い。上下関係に厳しいアイツなら、絶対にな」

その発言を聞いて、魔術を解くとエレノアの姿が現れる。

「あらあらそれは……アルベルト様にとんだ失礼をしてしまいましたわ」

エレノアはそう呟くと、グレンと相見える。グレンも固有魔術のザ・フールを隠し持ち魔術を唱える体勢を整える。

 




読了ありがとうございました。

はい、システィーナがレオンに対して罪悪感を抱いた場合こうなるかな、と思いました。
そういえば、アニメしか見てないから分からんだけかも知れないけどね(笑)

よく分からないけど、間違いかも知れないけど、行動する、そうしていく間に泥沼にはまっていくヒロインが見たいです(愉悦)
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