ロクデナシっ^2   作:3148

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まだ魔術競技祭は始まりません(タイトル詐欺

ラケル君がクラスメイトに認められるまで前編です、ついでにキャラ紹介的な感じで(キチガイっぷりを披露)

サムライソードは男のロマンです、異論は認める、だが私は謝らない!
他の武器が嫌いな訳じゃないよ、肉弾戦も好きだよ。
だけど、作成過程から好きなのは、やっぱり日本刀なんだよね(隙自語

ウェンディの挿絵を書いたので。

【挿絵表示】

何かコレ(キャラが)合わなくねぇか?


魔術競技祭 第二話

 「私に良い考えがある」

グレンにそう言われると、教室に向かうように指示されたシスティーナとルミア。今は講師が来るまで机に座っているが。

「嫌な予感しかしないわ……」

システィーナが頭を抱える。なんとかシスティーナを宥めるルミアも、内心複雑なのか、落ち着きの無い態度だ。

そんな会話をしていると、教室の扉が開く。

「おう、待たせたなお前ら」

グレンが堂々と入り、その後にラケルがついて行くように歩き、教卓の前で止まる。ラケルを見た瞬間に教室がざわつく。

「あ~、これから言うことをよく聞いて欲しい。直ぐには受け入れがたい事もあるかもしれないが、少しずつで良い、理解してくれ」

普段とは全く違う真剣な表情で語り始めるグレンに、クラスメイトは戸惑いながらも耳を傾ける。

「先日の事件の際、ラケルが敵を誘導したことは事実だ。だが、事件解決に協力したことを俺が証言する。そして何より、ラケルは偶発的に巻き込まれ、誘導せざるを得ない環境だった」

静かだった教室が、再びざわつく。グレンの意見を信用したとしても、ラケル自身が安全かどうかはまだ判断出来ないで居る。

「先生、仮にそれが真実だとしても、僕たちがそこにいる人間を信用する事は出来ません」

ギイブルがラケルを睨みながら言い放つ。

「まぁ、お前ならそう言うわな。ところが学園側にも色々と事情があってな、こいつを退学させられない理由が幾つかある。その一つがこいつ自身が凄腕の錬金術師だということだ」

「へぇ、第何階梯なんですの?」

答えを知りつつウェンディが問う。魔術師としての正式な登録がなければ、階梯の称号を得ることは出来ず、またラケルに正式な登録は行われていない。

「実際に登録されたら、まぁ、第五階梯になるんじゃないかな。つってもお前らは信用しないし、それがこいつが安全だって言う保証にはならん」

グレンが軽く発した言葉に全員が驚愕する。第五階梯とは常人が至ることができる域を超えた、ごく一部の天才のみが踏み込むことが出来る領域である。

「こいつがこのクラスに来た理由の一つに、俺と同等のポンコツでもあるってことだ。知っての通り、常識や倫理観の外側にいる人間で、ついでに俺の固有魔術が非常に苦手だ。即死レベルでな」

グレンが遠回しに『自分が居る限り安心だ』ということを口にすると、教室の困惑を無視して更に続ける。

「つまり、天才レベルの錬金術師が隣にいるわけだ。ぶっちゃけ、俺の知識を盗むよりこいつの知識を奪った方が良いぐらいだが、人にものを教えられるような人間でも無いからな。お前らにとっては危険ではあるが、教本にもなり得る存在だ、つまりこいつを利用しろ」

言葉を選ばないグレンに教室全体の混乱が頂点に達する。痺れを切らしたウェンディが言葉を放つ。

「っそもそも、その人が天才の錬金術師というのも信じられませんわ!」

その言葉を筆頭に、様々異論が飛び交う。自分の身を案ずるもの、驚異を感じるもの、困惑に踊らされるもの、様々だ。

「先生……確かに実力があるのは認めますが、第五階梯というのは私も信じられません。ウェンディの言うとおり、ラケルさんと共に……」

システィの言葉をグレンが途中で遮る。

「分かった分かった、お前らの言いたいことはよーく分かった!」

教室を静めさせる為に、大げさな芝居でグレンが前に出る。一同の注目を集めたところで発言をする。

「それなら、こいつの実力を測る為に、今日の一限目、錬金術の講義をこいつに任せてみようじゃないか!」

反対の意見が飛び交ったが、グレンは無視を決め込み、教卓から離れ、端の教師の机に着き、居眠りを始めた。

「あのロクデナシ講師……何考えてるのよ」

怒りで爆発しそうなシスティーナをルミアが宥める。

「まぁまぁ、案外上手くいくかもしれないよ?」

そういって、真面目に勉強する準備を始めるルミア。その姿を見て、渋々といった様子で同様に準備を始めるシスティーナ。クラスメイトの多くが困惑する中で、数少ない講義に耳を傾ける生徒だった。

 

 講義開始早々、黒板に錬金術の構築式を何も見ずに書き終える。

「え~と、先日グレン先生が説明した構築式、火、水、風を利用した、貴金属の変形・合成を現した図式になります」

説明に利用した部分を省略してはいるが、横三メトルに及ぶ黒板に埋め尽くされる陣とルーンの構成。単純に記憶できているのは錬金術に秀でているギイブルぐらいだろう。

「これを実際にこの教室で行おうと思います。ギイブルさん、手伝いをお願いできますか?」

露骨に嫌な顔をして、口を開き掛けた瞬間。

「ギイブル、やってやれ」

グレンが寝たままの姿勢で命令する。渋々と言った形で、従い教卓の前に立つ。

「それで、僕は何をすればいいですか?」

苛立ちを隠さず、怒気を込めた言葉をはなつが、ラケルは意にも介せず、説明を続ける。

「これから行う精錬は、サムライソードつまり刀を作成します。その為には、通常の鋳造と異なり、熱を加え、鉄を打つ行程をいれます」

教室全体が疑問符を浮かべる、意味が分からないと。

「何故そのような面倒な行程を経て、剣を作る必要があるのか、理解に苦しむね」

「それでは、ギイブルさん。あなたは純鉄を精製することが可能ですか? 靱性と強度に優れた玉鋼を打つ事は? そもそも鉄と炭素の複合比、不純物の排斥をどうやって行うつもりですか?」

その問いに、ギイブルは答えられなかった。答えを持っていないからだ、それでも反論したのは、彼の矜恃からだろう。

「そんなもの、知る必要があるか?」

「おや、知らずに錬金術を学ぶつもりですか。それは驚きです。混沌の源に辿り着くには、この知識は必要が無い、と」

グゥの音も出ないギイブルは、無言で準備を行う。

「火のルーンの調節をお願いします。温度は七五〇~八五〇度で、決して一五〇〇度を超えないように」

「……それだけか?」

それに返答をしないまま、鉄の塊を準備する。それを素手で持ち、ラケルが詠唱を始める。

「鋼鉄よ、たゆたう波のごとく、形を変えよ」

そう言うと魔術が発動し、鉄が平たい棒状に伸びる。それに応える様に、ギイブルが呪文を唱える。

「鋼鉄よ、赤熱せよ」

呪文と共にみるみる鉄が赤く染まり、熱を帯びる。

「風よ、鋼鉄を鋼鉄にて、打ちたたけ」

ガキィンと、鉄と鉄がぶつかり合う音が響き、火花が飛び散る。

「熱せ」

ギイブルの呪文で、再び鉄が赤みを帯びる。

「水よ、赤く昂ぶる灼鉄よ、静め給へ」

急激に鉄が冷やされ、表面に余分な炭素を含んだかけらが落ちる。

「熱せ」

「叩け」

「熱せ」

「冷やせ」

「熱せ」

「叩け」

「熱せ」

繰り返すこと九度、長く洗練された製鉄が作り出される。ラケルは慣れているためか、複数の魔術を平行で起動させても平然としているが、熱の魔術を使用しているギイブルは慣れない温度調節もあり、汗を流している。

「これで刀の心鉄と呼ばれる部分が準備出来ました。ギイブルさん、続いて棟金、刃金、側金もよろしくお願いします」

ギイブルは虚勢を張るが、引きつった笑顔を隠せなかった。

 




読了ありがとうございました。

因みに、ラケルがグレンの固有魔術を苦手とするのは

一、肉体を常に「一つの行動」に最適化する魔術を行使している
二、「一つの行動」にしか対応していないため、次の行動へ魔術で最適化する必要がある
三、最適化された肉体は、呼吸が出来ない、心臓や他の臓器が正常に稼働しない、異常な活動をする細胞等の特徴を持つことがある

上記の理由によって、グレンの固有魔術「愚者」の範囲内に入った場合、人としての最低限の活動が維持出来ない場合があります(ほとんど場合が死に至ります)
という訳で、「即死レベル」でグレンの固有魔術が苦手です。
正直説明が伝わらないのでは、という疑問もあります(震え声)
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