ロクデナシっ^2   作:3148

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今回で魔術競技祭の前置きは終了です。
長かったラケル君の魔術講義も終わりですね(暗黒微笑)

凄腕の魔術師は、やはり人間として逸脱しているのかもしれない(諦観

テレサさんの挿絵を追加しました。

【挿絵表示】

講義中にこっそり答を教えて欲しそうにしているテレサの絵です(真顔)


魔術競技祭 第三話

 教室の端に椅子を並べた簡易ベッドの上で、ルミアがギイブルに対して治癒魔術を施している。

「……慣れていないだけだ。僕だって、あれぐらいのことは」

息も絶え絶えだが、意識もあり、マナの消費も欠乏症に至るほどでは無い。マナの扱いが上手く、錬金術に長けているのは間違いなく、普通の魔術師であればラケルについて行くことすら不可能だろう。

「はい、心金、棟金、刃金、側金を重ね、鍛接していき、刀の形になります」

一方、ラケルは涼しい顔で、刀の精錬を続けている。

「この段階で刃先を三角に切り落とし、叩いて調節していきます。その後、刀身全体の形を調整し、表面の汚れ、削り跡を落とせば刀身は完成します」

そう言いながら魔術を行使し、行程を経て、緩やかな反りを持つ、直刃の刀が誕生した。

「こういった特定の行程を経て錬成するものを、本人の魔術特性などを用いて短縮する魔術も固有魔術と呼ばれるものになります。どちらにせよ、行程をしっかりと理解しなければ精錬に失敗するか、欠陥品になります」

ウェンディが動揺を隠せず、声を荒げる。

「七十二の魔術を平行発動するなんて、ありえませんわ! 何かのトリックに違いありません!」

「その位置からでは見えない部分がありましたね。正確には九十八の魔術式です、平行と言っても常に発動し続けている訳ではありませんし、使い回しも多いですよ」

ラケルが見当違いな訂正をした後、グレンが怠そうに話す。

「ウェンディ、お前偉いなぁ。俺は三十超えた時点で数えるのを止めたわ」

教室にいる全員が絶句する。勿論、魔術を続けて行うこと、平行して施行することは訓練次第では可能である。一つ一つが単純であれば、数を増やすことは容易かもしれない。だが、先ほどの精錬で行った工程数は常人に行える範疇にはなかった。それでもシスティーナが手を上げ尋ねる。

「ラケルさん、あなたの錬金術への練度は理解出来ました……ですが、先ほど行った錬金術が私たちの学ぶ事とどう関係があるのですか?」

一見すれば、挑発的にも聞こえるが、その意図はそれだけではないのだろう。緊張に引き締められたシスティーナの表情がそれを雄弁に語っている。

「私もまだ、真理にたどり着けない未熟者です。故にクラスの方々と道を違えることが当然あります。しかし、その方法の一つに現実にある物質を突き詰めて理解する。理解しているということは、復元する事が可能で有り、また発展に繋がります。理解する工程の中で復元を試み、仮説通りにならないトライアンドエラーもまた、真理にたどり着く為の一工程です」

そうして、息をのむシスティーナが、ラケルに問う。立場と質問を変え、彼に答えを求める。

「貴方は……魔術を何のために学ぶのですか?」

「真理にたどり着く為、混沌の渦へと踏み出す為です」

グレンが臨時講師として着任したときにシスティーナが出せなかった答えを、平然と口にする。そして、己がそこに至らないこと、そしてこれから努力を続ける事に微塵の躊躇いも見せない。その姿を見て、システィーナには、これ以上彼の資質を問う必要がなくなった。

「ありがとう、これからもよろしく、ラケル」

システィーナの言葉と共に、他のクラスメイトも徐々に彼の能力を認めていく。その中、ラケルは、ギイブルへと近づく。

「……なんだ?」

治癒魔術により、起き上がる程度の体力を取り戻したギイブル。しかし、未だに体調は良くないように見える。

「銘を」

切っ先を持ち、鍔元をギイブルに向ける。それは、決して自分自身だけで作った訳では無いという証を、刀に刻む行為になる。

「……くそっ」

火の魔術を用い、文字を刻む。彼の矜恃が拒んだのか、銘には一文字しか刻まれなかった。それに対し、言葉も無く、手早く白木の柄を通し、留め金を取り付け、留め金を隠すように白木を平坦になるように取り付け、魔術で接合する。予め用意してあった白木の鞘と合わせ、刀の完成である。

「これで、刀の精錬が完了となります」

そうラケルが告げると、グレンが感嘆の声を漏らす。

「そうですね、折角なので切れ味を試してみましょう」

ラケルはそう言うと、刀を腰だめに構え柄に手を添える。クラスメイトが気付いたのは刀を翻し、留め金が音を鳴らした瞬間、グレンですら抜いた事に反応出来なかった。そうして、教室の柱に対して刀を振り抜くと、鞘に刀を沿わせて収める。

「えっ、何が起こったの?」

システィーナが呟く。他のクラスメイトも何が起こったか分かっていない様子。

「流るる力よ、摂理の法則に逆らい、浮かび給へ、浮かび給へ」

唱え終えると、の中間部分三十センチメトル程、真横に動き出した。

「うそ……」

「ど、どうなってるの……?」

そうしてグレンが説明する。

「……今の二太刀で柱を切り裂いて、浮遊魔術で動かしている、ってことだろうが」

引きつった笑顔が収まらない。最早人間業では無いその技術に、驚きを隠すことが出来ないようだ。

「はい、浮遊魔術で柱の一部を抜き取っている状態です。残された柱部分の上部にも切断前と同等の反力を加えているので、倒壊する事もありません」

そう言って力を調整すると、教室全体がミシミシという音が鳴る。

「えっ、ななななななにこれ!? 大丈夫なの?」

ラケルが再び力を調整すると、音は収まる。

「はい、塑性範囲内の加重レベルで減力しただけですので大丈夫です。人工的に作られた物に関しても、正確な知識があれば、様々な角度からアプローチが出来る。そして、一見不可能に思えることでも、出来るようになります、人間にはその力があります。その証拠が、歴史です」

そう言うとクラスメイトが息をのむ。今まで何も思わずに使っていた物、築き上げられた魔術という歴史、その先人達の偉大さに、改めて衝撃を受ける。

「あの、質問してもいいですか……?」

意外にも大人しいテレサがラケルに声を掛ける。

「はい、勿論」

流石に教卓に立つ最早異常とも呼べる錬金術師におびえは隠せない。だがそれでも、声を振り絞る。

「そ、その柱……どうするんですか?」

「戻します」

ラケルが端的に返事をする。

「は……はぁ!?」

隣に座るウェンディが驚きに叫ぶ。一度切断した柱を戻すなど、理解が出来ないと言わんばかりだ。

「ふむ、戻す行程も説明した方が良さそうですか?」

ラケルがグレンに尋ねると、出来るだけ分かりやすく説明してくれ、と半ば諦めたような口ぶりで返事をした。

「では、まずこのままだと遊びが無いため少し現状柱上部を持ち上げます」

そう言うと近くの壁や窓の辺りがミシミシと悲鳴を上げるが、やがて収まる。

「これで一〇ミリメトル現在の角石よりも広くなりましたので、元のように納めます」

そうして、切った跡以外は正常に戻ったように見えるようになった。

「一応現状でも上部の加重に耐えられる程度の強度はありますが、それでは横からの加重や脆性破壊に繋がるので、再接合していきます」

浮遊魔術を解くと、再び詠唱を始める。

「解けゆく砂よ、小さき岩塊よ、大いなる水との結合により、流るる力を支えとし、再び地と天をつなぐ、柱となれ」

柱の切れた部分がじわりと溶け、凝固し、再び一本の柱として形作る。

「な、何をした!?」

ギイブルが簡易ベッドから起き上がり、その柱に注目する。その目には確かに、修復された柱が立っていた。

「接合部分を再度セメントペーストに分離させ、水和反応でコンクリート柱を結合しました。まぁ、ほかの部分と劣化の差がありますので強度の差は出てはいますが、必要耐力以上ですので、あと五年は大丈夫でしょう」

まれに起こる大地震でも無ければ、とラケルは付け足す。教室には最早、ラケルの実力を疑う者は居なくなった。

 

 数日後、再びラケルの錬金術の授業の講義が開かれる。

「それでは、今回は人工ダイヤモンドの精製を行っていきましょう」

そう呟くと、なにやら大量の魔術方陣が描かれた怪しげな壺と黒く艶めく石を取り出した。コトリと置くと約十センチメトル程度の壺を教卓の真ん中に置き、魔術式を黒板に書き出す。基本的にはありふれた魔術式を書き綴っていくがその量と必要な精度が、ラケルの異常さを現していく。

「えー、魔術式にあるとおり、壺の中には六角形の水の塊を作成するように魔術を発動させています。各六層における風と水のルーンに寄るエネルギーベクトルの操作、炎のルーンにおける断熱により、必要な圧力と熱を保った状態になっています」

確かに、ラケルの言っている事は理屈の上では正しく、恐らくその通りだろう、とクラスメイトは思うだろう。しかし、壺の中の深淵は覗き込むにはあまりにも暗く、まるで引きずり込まれてしまう錯覚を起こしてしまう。

「この中に、黒鉛、つまりダイヤモンドの元となる炭素を主とした材料とニッケルを入れ一日間掛けて圧縮、折出します」

実際に完成した物は明日以降、お見せします。そう言って鉛筆の芯のような石と鉱石を壺の中に落とす。音も無く沈み込んでいった指先ほどの大きさのそれは、最早その姿を見ることは叶わない。

「ラケルさん、壺に近づいて見ても良いですか?」

ウェンディが手を上げて発言する。ラケルもグレンも了承すると、ウェンディがゆっくりと歩み寄り、壺の外装を周囲からジロジロと睨みつける。

「……水で圧力を掛けるのに、外部に反発するエネルギーを正方形の反対側に均等に変換することで加速度的に圧力を掛けてるのですね。因みに圧力と熱はどれほどになっているのですの?」

「熱は千五百度、圧力は五ギガパスカルを維持しています」

眺めているウェンディの動きが止まり、汗が伝い床に落ちる。

「……パスカルって、どれ位なのかな?」

ルミアが呟くと、システィーナが震える声で答える。

「大気中の地表面が一気圧、つまり約十万パスカルね。それ以上はちょっと、私もわからない」

ずれた眼鏡を修正し、ギイブルが付け加える。

「ギガは基本単位の十の九乗だ。十万パスカルは、零点零々々一ギガパスカル。単純比較の対象では無いけれど、大凡五万倍の圧力、という計算になる……な」

想像できない数値が現れ、恐れおののくクラスメイト達、唯一分かっていることは、あの壺の中に入ってしまえば、ぺしゃんこ等という生易しい表現では済まなくなると言うことだけである。

「本当に、頭が痛くなりますわ……」

ウェンディが呟き、上から覗き込もうとした瞬間、ラケルがウェンディにタックルする。

「ぐぇっ」

仰向けに押さえつけられたウェンディがカエルが潰されたような声を出す。

「い、一体何の……」

「いや、今のはウェンディ、お前が不用心だぞ」

ウェンディの言葉を遮るようにグレンが喋る。そのグレンも、ウェンディの動きに反応して椅子から立ち上がっている。ラケルが被さるのを止め、座ってウェンディに説明する。

「申し訳ありません、ウェンディ殿。もしあのまま眺めることで髪の毛の一本でも壺の内部に入ってしまえば、最悪命を落とすケースもあり得ましたので……」

「……え!?」

「一本だけ抜ければ良いけどな。引っ張られて他の部分も連鎖的にひき摺り込まれたら、どこまで持ってかれたか分かった物じゃないぞ」

ぼりぼりと頭を掻き、失念していた事をばつの悪そうに呟く。

「布をかぶせて縛り、蓋をしておきます」

ラケルがそう言うと、グレンがそうしてくれと告げて、再び教席につく。その後は、壺について触れられず、魔術式についての解説でその日の講義が終わった。

 

 放課後、ラケルが教室を出て廊下を曲がると、テレサと出くわした。

「ねぇラケル君、少しこれから時間あるかな?」

唐突な誘いだが、表情一つ変えずに返答する。

「ええ、構いませんよテレサ殿」

そういうと、学院内にあるカフェ、から少し離れた休憩室で互いに飲み物を購入し、腰掛ける。

「ちょっと今日の講義の事で気になった事があってね、質問しても良いかな?」

テレサがラケルに問う。ラケルはどうぞ、と返した。

「もしあの時、私が手を上げていても、壺を見ることは出来たかな?」

それに対して、ラケルは答える。

「勿論、現在研究室で保管していますが、閲覧が希望であれば誰でも見ることが可能です」

それに対し、笑顔で頷くテレサ。

「それじゃあ、もし私が壺に近づくとき、警告してくれた?」

その言葉に、一瞬戸惑いを見せるラケル。

「そうですね、テレサ殿が壺を見る場合であれば、近づく際に注意喚起をしていた……と思います」

もしもの話だから、そんなに深く考えなくて良いよ、と告げるテレサ。しかし、ラケルは違和感を感じたのか、首を傾げている。

「最期にもう一つ、壺を覗き込んだのが私だったら、あんな風に助けてくれた?」

テレサはラケルの瞳を覗き込む様に話す。まるで瞳の奥にその答えがあるとでも言わんばかりに。

「……いいえ、違う方法をとっていたと思います」

あの時、突き飛ばす訳でも、魔術で触れさせない訳でも無く、身を挺してウェンディを助けた理由は、ラケルにも分からない。尚且つ、倒れたときに後頭部に手を添え、衝撃から守ろうともしていた。ウェンディで無ければ、その答えと理由は、ラケルにも分からないようだ。

「素直でよろしい。それじゃあ私はウェンディと一緒に帰るから、また明日ね」

飲み終えたカップをゴミ箱に放り込み、手を振って休憩室を出る。ラケルの手元には半分ほどに減ったコーヒーが、音も無く僅かに波を立てていた。

 

 「それでは、錬金術の講義を始めます」

生徒が生徒に講義をして、それを講師が見守る環境。異常とも言えるその環境にクラスメイト達は随分と馴染んできた。特定の者に至っては、今日は何を教えて貰えるのか、と心待ちにしているものがいるほどだ。

ガラリ――

突然に教室の扉が開く音。

「アルフォネア教授」

「げっ、セリカ……」

流れるように靡く金髪に目を奪われる。ラケルは普段と変わらず平坦に、グレンは動揺してセリカを見つめる。セリカは何も語らず、黙々と、端麗な文字でいつかロクデナシ教師が書いた言葉を黒板に浮かばせる。

「……じ、自習?」

事態が飲み込めていないシスティーナが零す。それに応えるかのようにセリカは咳払いをして、その口を開いた。

「突然ですまない。急な用件が入って、このば……グレンとラケルを借りなければならなくなった」

本日の講義は自習にはなるが、後日セリカが直接補修に来ると言う。それにルミアが疑問に感じたのか、手を上げ意見があることを示す。

「どうした、ルミア・ティンジェル? 私の補修では不満か?」

セリカの悪戯っぽい笑みに、困惑した表情になるが、言葉を選び喋るルミア。

「いえ……むしろアルフォネア教授にご指導頂けるのは大変有り難いです。ただ、その二人が呼び出されると言うことは……」

言葉にするのは難しいのだろう、もしも最悪の返事が返ってきた時のショックは計り知れない。

「安心しろ、ルミア。本当に野暮用だ、講義を邪魔するのも申し訳ない位にな。それでは、早めに終わらせてくるよ」

ルミアには女神のような微笑み、二人には阿修羅の様な怒りの面でセリカは出て行った。

「……本当に大丈夫なんでしょうね。あのロクデナシ二人は?」

嫌み半分でシスティーナが呟いた。

 

 そこは校長室、グレンとラケルは正座をさせられ、正面には腕を組んだセリカが立つ。ちなみに校長も同室してはいるが、本を読みまるで話が聞こえないとでも言いたげな姿勢だ。

「さて……貴様ら二人が何故ここに呼ばれたのか分かるか?」

そうして、ラケルとグレンは顔を見合わせ、同時に口を開く。

「「分かりません」」

ガガンッ

セリカの鉄拳が二人の頭部にたんこぶを作る。

「ラケルが錬金術の講義をしていることに決まっているだろう」

セリカの言葉に、ラケルが言葉を返す。

「しかし、講師監督の下生徒が講義を進行する事に関して、特に規定を設けられていないはずですが」

ラケルの言葉は正論だった。生徒中心に講義を進めることは少ないが、向上心の為に生徒に講義の進行を務めさせる事は異例ではなかった。そうして、グレンがその言葉に同意すると、セリカが鬼のような形相で睨みつける。

「ラケル、それは正論だ。確かにお前達の講義の形式自体は責められるものではない」

講師の態度についてはその限りでは無いが、とセリカは付け足す。しかし、それは本題では無いと言う。

「問題は講義の内容の方だ。日本刀の精錬、ダイヤモンドの結晶の作成、どちらも固有魔術に匹敵するほど精緻で訓練を必須とする、それを易々と生徒に伝える事の是非についてだ。ちなみに、今日は何を講義しようとしていた?」

それにはラケルが答える。

「白魔術に頼らない肉体強化についてです。筋繊維の強化、骨材の伸縮作用の追加、皮膚構造の多層化による追随性能、汗腺から体液分泌と形態変化による外骨格の構成、一連の行動を雷のルーンにおいて神経系制御、これらを纏めて肉体強化として講義とする予定でした」

それに付け加えて、グレンが口を出す。

「俺もチェックしたけど、基本魔術の応用のみで構成されている。むしろ教科書に載ってる方がグレーゾーンなくらいだ。ルーンについての理解を深める事、それを応用する……つまりは固有魔術に辿り着く為には良い内容だと思うんだが」

そこまで聞いて、セリカが額を抑える。どうやら何を言えば良いのか、言葉を選んでいる様子だ。

「……確かに、お前達の言っている事は、正しい。生徒達には良い刺激になるかもしれないし、魔術師として大成するには避けては通れない道だろう」

そこで一拍を置いて付け加える。

「だが、一歩間違えれば大怪我に繋がる内容だ。教室の中でならば、講師の目が届くから最悪の状況にはならないだろうが、一歩外に出て、誰も見られない所で事故を起こしてみろ、誰が責任をとるんだ」

そうして二人に答えを問うセリカ。グレンとラケルは目を見合わせて同時に答えた。

「「本人」」

 

 たんこぶを二つに増やした二人が、そろって教室へ足を向ける。

「……何が間違っていたんでしょうか?」

ラケルが呟く。先ほどのセリカとの会話の中で、基本的には正論しか言っていなかったはずだ、と。

「何がって、そりゃあ……」

グレンが面倒くさそうにポケットに手を突っ込み、あくびをしてから答える。

「人間として、間違ってるんだろ」

「……あぁ、成る程」

得心がいった、という表情でラケルは変わらず速度を変えず歩き続ける。

 




読了ありがとうございました。

日本刀も金剛石も肉体強化も書くのは楽しかったですが、一番書きたかったのは多分最後のセリカの説教ですね(笑)

俺は悪くねぇ! に対して「間が悪い」とか「頭が悪い 」とかって返したくなる中2病患者なので、ごめんなさいです(。・ω・。)ゞ
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