人類の片翼   作:雪楓❄️

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お久しぶりです


更新が滞り続けていたのに、他作品を描き始めたりなどしていたらこの作品の更新がこんなにも遅くなってしまいました。
他にも、原作の方が胸糞悪い展開で書く気が起きなかったのもあるのですが…。
エレンのあの発言もそうですが、最近のエレンの行動はよく分からないのであまり続きが楽しみって感じじゃなくなってきてます……。


一応、この作品の落とし所は考えてあるのでそこまでは書き続けるのでどうぞよろしくです





11話

「……どうしたものかな…」

 

周りの巨人をミケに任せ、私自身は猿のような巨人と対峙することにした。だが、周りに高い木は殆どない上に自分の身体すら万全ではないこの条件の下戦うにはかなり分の悪い相手だった。

知性を持った巨人を今に至るまでにアニとエレンの2人を見てきたがエレンは勿論、あれだけの武術を嗜んでいるアニよりも隙が全くない。

先程、私がミケを助けに出てきたときは若干驚いたような表情をしたもののそれ以降は私から視線をずらさず周りの巨人の方へといったミケには見向きもしなくなった。

 

「……やるだけやってみますか」

 

一旦姿を視線から隠すべく立体機動に移った瞬間だった。

猿のような巨人は特徴的な長い手で地面を抉ると、それを握り潰し大きく振りかぶった。

 

「………なにをするつもり?」

 

嫌な予感だけが頭を過り、私は巨人が腕を振り切る前に立体機動で小屋の影に隠れた。

 

ズドォォォォン

 

危機一髪。

猿のような巨人はただ掴んだ土を投げただけだろう。しかし、その投擲は凡そ投げただけとは思えないほどの威力だった。

 

「…………まじ?」

 

簡単な話、巨人が人間と同じような身体の構造をしていた場合身体が何十倍もある巨人が投擲をすればそれこそ大砲のような威力になるのは想像するより容易い。

だが、今までそんな巨人はいなかったため誰もそんな攻撃手段があるということは想像もしていなかった。

 

(知性がある個体がいる時点で警戒すべきだったか…)

 

私自身は無傷だったもののあの投擲が直撃した建物が無傷で済むわけもなく、殆ど屋根が吹き飛んでしまった。

ただでさえ、周りに高い建物が存在しないのにこの状態はかなり不味い。

唯一、建物の周りに若干残っていた巨人も一緒に吹き飛ばしてくれたことは不幸中の幸いと言うべきだろう。

 

(……うーん。リヴァイがいればなぁ…)

 

最悪とも言えるこの状況だが、打つ手がない訳では無い。先程の爆撃のような投擲のおかげであの巨人は私の姿を見失っている。とはいえ、うなじを狙うには高さが足りない。

 

「……はぁ、仕方ないかぁ……。死んだらリヴァイの枕元に化けて出てやる」

 

軽く冗談を言い自分の気を紛らわせた私は、覚悟を決め地面を思い切って蹴り、地面スレスレの高さを立体機動で移動する。

あの巨人に気づかれることなく、奴を切り刻むために。

 

(……よし、予想通り)

 

建物から少し離れた所に見えたのは、あの特徴的な毛で覆われた足。そして、僅かに周りよりも毛が薄い膝裏。

私は奴が気が付くよりも早くアンカーを膝裏へと通すとその勢いに任せ、奴の膝裏の肉を削ぎ落とした。

 

ドスンッ

 

気が付かれた場合の恐怖心からか、少し焦ってしまったため少し浅かったものの奴を跪かせるには十分だったようだ。

私は、アンカーの刺さっている木に到着すると同時に思いっきりその木を蹴り飛ばす。

突然の自分の足の自由が効かなくなった巨人は驚きはしたものの、既に私の姿をその視界におさめていた。

 

「お前……」

 

「しゃべった!?」

 

はっきり聞こえたその言葉は目の前に居る巨人から発せられたものだ。知性がある巨人はエレンやアニ、鎧の巨人などを見た今では今更驚くことはないが、そんな知性のある巨人たちでも理解できる言葉を発する巨人はいなかった。

驚きを隠せなかった私は一瞬焦り、治り切っていない足に全体重をかけてしまった。

 

「………しまっ」

 

結果、木を思いっきり蹴ることは出来ず私は中途半端な勢いで空中へと飛び出した。

勿論、知性のある奴がそのタイミングを逃すことは無く、私に向けてその大きな手を振りかざした。

 

(………死ぬのかな)

 

このまま私はこの手に握り潰されて死ぬ。そんな回避のしょうがない未来が見えたからだろうか?それとも、2度目だからだろうか?死の恐怖が私を支配することは無くただその現実を受け入れようとした。

 

「………ソラっ!!」

 

幻聴だろう…。

私がその手に収まろうとしたとき、ここにいるはずのないリヴァイの声が聞こえたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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