人類の片翼   作:雪楓❄️

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中々、お気に入り数は増えませんがこの作品は楽しいので書き続ける予定です。

それでは本編!


3話

 

「……リヴァイ!!もっと急いで!」

 

「………わかっている…」

 

エルヴィンの命令によって、リヴァイ班は調査兵団の本隊から離れ先行して壁へと戻っている。

道中、出会う巨人は殆どが壁へと向かっており余程近付かない限りは人間を襲おうとはしない。

 

「………見えた!!」

 

「あぁ。エルド、お前らは壁の周りに群がってる巨人共を頼む。俺とこいつで中の様子を見てくる」

 

リヴァイが班全体に命令を下し、壁の中に入ろうとしたとき。

 

ドオォォン

 

リヴァイたちが入ろうとした穴は巨大な岩によって塞がれてしまった。

 

「………どういうこと?」

 

「……わからん。だが、急ぐ必要がありそうだ」

 

リヴァイはそう言うと立体機動に移り、壁を颯爽と駆け上がっていく。

 

「あっ、待ってよ!」

 

ソラもリヴァイから1歩遅れる形で立体機動へと移り、壁を駆け上がっていく。

 

 

 

(………チッ……あれはなんだ?)

 

先に壁上に辿り着いたリヴァイは壁の中の景色に疑問を抱いていた。

 

「………なにあれ?……巨人なの?」

 

先程ソラたちの進路を塞いだ大岩にもたれ掛かるようにして座っている一体の巨人と訓練兵が2人。そして、その巨人のうなじ辺りと融合している兵士が1人。

その周りには2体の巨人。

 

「………詳しいことはわからねぇが、取り敢えず助けるぞ」

 

「…うん」

 

ソラの返事とともに、2人は壁上から飛び降りる。

 

ズバァッ

 

落下の勢いそのままに、2人は2体の巨人のうなじを刈り取った。

 

(……自由の翼…?)

 

ボロボロの訓練兵はリヴァイとソラの後ろ姿を見て、そう呟く。

 

「…大丈夫?」

 

「………おい、ガキ共これは一体…どういう状況だ?」

 

ソラ、リヴァイの質問に、訓練兵はただただ呆然とするだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、漸く終わったね」

 

「……あぁ。」

 

ソラたちが訓練兵を助け出したあと、調査兵団と駐屯兵団の精鋭によって数日かけてウォール・ローゼ内に残っていた巨人は全て殲滅された。

 

「えっと、このあとは確か兵法会議だっけ?」

 

「あぁ。あのエレンとかいう餓鬼のな」

 

ソラたちが助け出したあと、エレンは巨人では無いかという嫌疑をかけられ幽閉されており、エレンのこれからの進退を審議する兵法会議がこれから行われる。

 

「こらこら、餓鬼とか言わないの。」

 

ソラはそう言いながら、リヴァイの前を歩く。

 

「……餓鬼だろうが…」

 

リヴァイも、ソラに反論するように呟きながらそのあとを追うようにして歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

審議所に着いた、リヴァイとソラはエレンの牢獄の方へは行かず、審議所で待機することとなった。

理由は特にないが、ただハンジとミケがエレンを迎えに行ったと言うだけの話。

 

(………なんでウォール教がいるんだか…)

 

兵法会議という名だけあって、普段は兵団関係者しかいない会議に今回はウォール教も存在していた。

 

ガチャ

 

そんな扉の開く音と共にエレンが審議所へと入ってくる。

 

(あれは、扱い酷いね。エレンが巨人化したらどうするつもりなのやら)

 

憲兵はエレンが入場するなり、乱暴に座らせる。

 

「さぁ、始めようか。」

 

そう言ったのは全兵団のトップ。ダリス・ザックレー総統。

 

(……あの人、いつまでやるんだろ)

 

ソラの見当違いの疑問を他所に、会議は進行する。

 

「エレン・イェガー君だね?君は公のために命を捧げると誓った兵士である……違わないかい?」

 

「はい」

 

ザックレーのある意味無情な質問にもエレンは即答する。

 

(……ひぇ、まぁ確かにそうなのかな?そう言えば、私はしてないからこうなった場合逃げられる?)

 

会議とは斜め方向へと思考を発展させていく、ソラである。

 

「…………君の生死も…今一度改めさせていただく。異論はあるかね?」

 

「ありません!」

 

(………うわぁ、彼凄いなぁ。私だったらあるけどね)

 

「……おい、少し落ち着いて聞いていろ」

 

一々、エレンの応答に感心を見せるソラを隣で見ていたリヴァイは痺れを切らし横っ腹をどついてみせた。

 

「……はーい。」

 

横っ腹をどつかれたことでソラも静かになり、会議も順調に進行していく。

 

「今回決めるのは君の動向をどちらの兵団に委ねるかだ。その兵団次第で君の処遇も決定する。憲兵団か…調査兵団か…。では、憲兵団から案を聞かせてくれ」

 

「憲兵団師団長ナイル・ドークより提案させていただきます。我々は…エレンの人体を徹底的に調べあげた後速やかに処分すべきと考えております」

 

この憲兵団の案にその場も静まる……ことはなかった。

 

「……くすっ」

 

たった一人。

思わず笑いを堪えることが出来なかった。

 

「………おい貴様!何がおかしい!!」

 

ソラの笑い声に反応したのは、師団長のナイルではなくその隣にいた一端の兵士であった。

 

「……いえ。ただおかしかったもので」

 

「……なにを!?」

 

ソラの嘲笑うかのような返答に更にその憲兵は怒りが増す。

それとは反対に、師団長であるナイルを筆頭に幹部は皆落ち着いた面持ちでことを見ている。

 

「あの、総統発言してもいいですか?」

 

今は一応、憲兵団の発言機会であり調査兵団であるソラが自由に発言するのは不味い。

そのため、ソラは念の為ザックレーに確認をとった。

 

「あぁ、許可しよう」

 

「どうも、ありがとうございます。…………よっと」

 

確認をとったソラはリヴァイを連れ、エレンの元へと歩き出した。

 

「それじゃあ、リヴァイ。考えてたことやって」

 

「……あぁ?……チッ……仕方ねぇな」

 

ドガッ

 

そんな鈍い音共にエレンの口から歯が飛び出した。

 

(………ごめんね、エレン)

 

ドガッ

 

ドガッ

 

ドガッ

 

リヴァイは手を緩めることなく、エレンを蹴り続ける。

 

「……もういいよ。」

 

「……あぁ。」

 

ソラが止めたことでリヴァイも蹴るのを辞めた。

 

「……おい、ソラ、リヴァイ……そんなことをしたら危険だ。恨みを買ってこいつが巨人化したらどうする」

 

「………くすっ。」

 

「貴様ぁ!!」

 

再びソラが笑ったことにより、先程まで冷静になりかけていた再び憲兵の頭に血が上った。

 

「……こいつが笑う理由も分からねぇのか?」

 

リヴァイは腹を抱えて笑い出したソラを横目に、憲兵団の方を向きそう言った。

 

「それは我々を馬鹿にして……」

 

「……ナイル、お前の部下は相当頭が悪いらしい。」

 

リヴァイの無情な言葉に、その憲兵は驚きを隠せないでいた。

 

「……ふぅ、久しぶりに笑わせてもらったよ」

 

「……お前は笑い過ぎだ、このアホ」

 

「アホって何よ!このチビっ子」

 

「あぁ?」

 

そして再び始まった夫婦漫才。

こうなってしまえば止められる人は限られてくる。

 

「ソラ、リヴァイやめんか。」

 

「あっ、ごめんなさい。」

 

そう、ザックレーである。

エルヴィンでも止められる可能性はあるが、面倒なのには変わりなく絶対に止められるのはザックレーのみである。

 

「すみませんね、時間かかっちゃって。それじゃあ、話させてもらいます。まずなんですけど、さっきリヴァイがエレンを蹴っている時言いましたよね?「やめろ」って。それはエレンが巨人化されたらどうするつもりなのかということなんでしょうけど、憲兵団の皆さんは解剖するんですよね?そんなことしたら、どうなるんでしょうね?巨人も見た事がない皆さんは」

 

ソラの言葉にエレンに対して罵声を挙げていたもの、ソラに対して苛立ちを覚えていたものも全員黙り込んだ。

 

「…それに、エレンには知恵がある。確か記録によると、ミカサを2度守ったとか。」

 

「だが、あの2人は幼少期に強盗を計3人殺傷している。そう考えれば、アッカーマン訓練兵が庇っているとも考えられる」

 

ソラへの反論にナイルは昔の事件のことを出した。

そして、それに乗っかるかのように先程まで黙り込んでいた者も水を得た魚のように罵声を飛ばす。

それもエレンだけではなく、ミカサにも。

 

「………うるさいなぁ。」

 

ソラのその一言で場は再び静まった。

 

「あなた達は何……?私に殺されたいの?いいよ?全員でかかってきなよ、一人残らずかっ捌いてあげるから」

 

ソラの目は本気だった。

普段は見せることない、殺意に満ちた瞳。

 

「おい……さっさと話を続けろ」

 

リヴァイだけが、この状態のソラに唯一臆することなく話しかけられる。

 

「……はーい。」

 

リヴァイに言われたことで、ソラは殺意を収め再び話し始めた。

 

「えっと簡単な話、巨人化したエレンをあなたたちで止められるんですかってことですね」

 

ソラの言葉に誰一人口を挟むことは出来なかった。

 

「ですよね。まぁ、私とリヴァイの敵じゃないですけどね。ウォール教の方々も神だのなんだの言う前に現実見た方がいいですよ。それじゃあ、長々失礼しました」

 

そう言って私は話を締め括り、元の場所へと戻った。

 

「……そうか。それでは、念の為調査兵団の案を伺おう。」

 

「はい。調査兵団13代団長エルヴィン・スミスより提案させていただきます。我々調査兵団はエレンを正式な団員として迎え入れ、巨人の力を利用しウォール・マリアを奪還します。以上です」

 

「ん?もういいのか?」

 

ザックレーがそう問い直すほど、調査兵団の案はシンプルだった。

 

「はい。彼の力を借りればウォール・マリアを奪還できます。何を優先すべきかは明確だと思われます」

 

エルヴィンの主張は最もであり、反論するものはいなかった。

 

「ちなみに、今後の壁外調査はどこから出発するつもりだ?ピクシス。トロスト区の壁は完全に封鎖してしまったのだろう?」

 

「あぁ…もう二度と開閉できんじゃろう」

 

トロスト区の扉は、エレンが岩で塞いでしまったため扉にすらならない。

 

「東のカラネス区からの出発を希望します。シガンシナ区までのルートはまた…一から模索しなければなりません」

 

調査兵団からすれば、この5年は無駄になってしまったが壁を守り抜いたことを考えればそれもなんとか気にならない。

 

「ちょっと待ってくれ。今度こそ全ての扉を完全封鎖するのではないのか!?【超大型巨人】が破壊できるのは壁のうち扉の部分だけだ。そこさえ頑丈にすれば、これ以上攻められることは無いというのに…そこまでして土地が欲しいか!?商会の犬共め!!お前らは出来もしない理想ばかり言って我々を破滅に陥れるだけだ。これ以上、お前らの英雄ごっこには付き合ってられない」

 

そう言いきったのは兵団所属の者ではなく、ウォール教の1人。

 

「……よく喋るな、豚野郎。土地が足りずに食うのに困ってる人間は、てめぇら豚共の視界に入らねぇと?」

 

リヴァイはソラが言う前に、全て言い切った。

 

「わ……我々は封鎖さえすればたすかると話しただけだ……!」

 

「良さぬか!この不届き者め!!神より授かりしローゼの壁に…人間風情が手を加えると言うのか!! 」

 

この発言には誰もが憐れみの目を向けた。

 

「………うるさいなぁ。あなたの意見なんて、誰も聞いてないの。なんなら、あなたが巨人を殺してくれるの?」

 

痺れを切らしたソラは、怒りを顕にすることなくただ静かにそう述べた。

 

「………総統、ご提案があります」

 

ソラによって沈黙に包まれた空気を、エルヴィンが破った。

 

「エレンの【巨人の力】には不確定な要素を多分 に含んでおり、その危険は常に潜んでいます。そこでエレンが我々の管理下に置かれた暁にはその対策としてリヴァイ兵士長とソラ兵士長補佐に行動を共にしてもらいます。彼らほど、腕の立つ者ならいざと言う時にも対応できます」

 

「ほう……出来るのかリヴァイ、ソラ ?」

 

「えぇ」

 

「殺すことに関しては間違いなく。問題はむしろその中間がないことにある…」

 

そう言うリヴァイと私に、とてつもない殺意を込めて睨みつけてくる視線が1つ。

 

(……ミカサか……後で謝ろう)

 

「……審議は尽くされたようだな」

 

「エレン・イェガーは調査兵団に託す。しかし…次の成果次第では再びここに戻ることになる」

 

ザックレーのその一言で、審議は終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ここの審議、どうやって短くしようかと考えたんですけど大事な部分多すぎて長くなってしまいました…ごめんなさい

これからも頑張って投稿するので、よろしくお願いします!


それでは
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