人類の片翼   作:雪楓❄️

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えー、先に謝ります。
今回も戦闘シーンはございません…。
本当にごめんなさい。

ただ今回も割と重要な回なので、よろしければ読んでいってください。

それでは、本編どうぞ!



5話

ハンジがエレンの元に訪れた翌日。

あれだけ苦労して、捕獲した2頭の巨人が同時に殺されるという事件が起きた。

もちろんハンジは発狂し、日頃の冷静さを失うほど。

犯人の捜索は即座に行われたが、残念ながら犯人へと繋がる手掛かりすらも掴めないままただ時間だけが過ぎていった。

 

 

そして、今日は今期の訓練兵たちの所属兵団の決定の日である。

ソラやリヴァイは、特に仕事はないためわざわざ見に来る好奇心でもない限りはいつも通りの日常を過ごすこととなっているのだが…好奇心という点である意味ハンジをも上回るのがこの人物である。

 

「……ねぇ、リヴァイ。今期はどれぐらい入ってくれるのかなぁ?」

 

「……知らん。それに何故俺がここに連れてこれたか説明しろ」

 

エレンの監視はエルドとグンタがやってくれているため、リヴァイはやることもなく紅茶でも飲んで落ち着いた時間を過ごそうとしていたが、ソラに見つかりここまで引っ張ってこられたのである。

 

「ん?リヴァイだって気になるでしょ?例えば……ほら、ミカサとかさ。同じアッカーマンだし、何かとよく睨まれてるし?」

 

「……………興味無い。俺は帰るぞ」

 

「今一瞬迷ったよね?それじゃあ、見ていかないと」

 

ここを立ち去ろうとしたリヴァイだったが、ソラにフードを掴まれてしまい逃げるに逃げられなくなってしまう。

 

「……その4年で調査兵団の7割程が死んだ。4年で7割だ」

 

ソラとリヴァイがごちゃごちゃしている間に、エルヴィンによる演説が始まっていた。

 

「うわぁ、エルヴィン厳しいこと言ってるね」

 

「当たり前だ。そんな生半可な覚悟で、調査兵団に入ってきたところで巨人共の餌に成り下がるだけだ」

 

リヴァイとソラ。

この2人がいなければ、調査兵団の死者率はもっと跳ね上がっていただろう。

 

「………それにしても、今回はこれだけか」

 

「…………多い方だろう」

 

エルヴィンの演説が終わり、その場に残ったのは二十数名。その中には、南方訓練兵団のよく知った顔がチラホラ。

 

(………彼らを誰一人として死なせないようにしよう…)

 

目の前の覚悟に満ちた敬礼を見て、ソラはそう決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練兵たちが所属兵団を決定してから、1ヶ月。

これが、エレンを連れていく初めての壁外遠征となる。

 

(…………本当に来るのだろうか)

 

ソラは作戦会議の時に、エルヴィンに言われたことを思い出していた。

 

 

 

 

「えっ、わざわざそれを見越しての作戦ってこと!?」

 

「あぁ、そうだ。奴らがエレンを狙っているとすれば、このタイミングを逃す手はない。」

 

エレンを初めて壁外遠征へと連れていく今回は、確かに奴らにとって格好のタイミングである。

 

「………うーん、分かったけど。私でも足止め出来ない場合はどうすれば?」

 

「…………簡単な話だろ。お前で足止め出来なきゃ調査兵団が壊滅するだけだ」

 

「リヴァイの言う通りだ。ソラで足止めも出来ない相手ならば、その時は調査兵団は太刀打ち出来ないだろう」

 

傍から見ればとても酷な話ではあるが、それだけソラの実力は高い。

そのソラですら、足止め出来ない程の相手が来てしまったら最早どうすることも出来ない。

 

「まぁやって見るよ。その代わり、ちゃんとやってよね?リヴァイもミケも」

 

「あぁ。お前こそ、しくじるなよ」

 

 

 

 

(……まぁ来たらぶった斬るだけ…)

 

ゴゴゴゴゴゴ

 

「団長!!間もなくです!」

 

「いよいよだ!!これより人類はまた1歩前進する!!」

 

エルヴィンは掛け声によって、調査兵たちを鼓舞する。

 

「「「「「「「オオォォォォォ!!」」」」」」」

 

「第57回壁外調査を開始する!前進せよ!!」

 

調査兵団は開門と共に勢いよく飛び出していく。

 

「………あれ、ソラさん行かなくていいんですか?」

 

ペトラは、いつもならば援護班の手伝いに一旦離脱するはずのソラが隊列の中にいることに疑問を感じた。

 

「……うん。今回はエルヴィンから行くなって命令だからね」

 

ソラの言葉にペトラは心底申し訳なさそうな顔になる。

 

「そ、そうだったんですか。ごめんなさい」

 

「ううん。それより、オルオみたいに舌噛むからまた後でね」

 

ソラはそう言うと馬の速度を落とし、班の最後尾へと着いた。

 

 

 

 

 

(………うーん、平和だ)

 

エルヴィンが考案したこの索敵陣形のおかげで、かなりの広範囲の索敵をカバー出来、尚且つソラたちリヴァイ班がいるのが陣形の中央の後ろであるため巨人に出くわすという方が難しいのである。

 

(………あれは?)

 

ふと、右翼側を見ると黒い煙弾が打ち上がっている。

そして、その数分後にはかなりの数の煙弾が空へと打ち上がる。

 

(………やっぱり来た)

 

エルヴィンの思惑通り、エレンを攫うために奴らが来た可能性が高い。

案の定、それらの煙弾を見たエルヴィンの判断は進路変更。

つまり、作戦通りということだ。

 

「口頭伝達です!!右翼索敵壊滅的打撃!!右翼索敵一部機能せず!!以上の伝達を左に回して下さい!」

 

(……これで確実か)

 

右翼索敵が壊滅するほどの被害を被ったということは、何らかの原因があったということ。

つまり、それは知性をもった巨人が何らかを仕掛けた可能性が高い。

 

「聞いたかペトラ。行け」

 

「ハイ!」

 

リヴァイはペトラにそう命じ、そのまま陣形の進路にそって班を率いる。

ソラはその間にリヴァイの隣にまで馬を走らせ、並走するような形をとる。

 

ドォォォン

 

それは先程までよりも、明らかに近くから聞こえたものだった。

 

「黒の煙弾!?奇行種が!?」

 

「エレンお前が撃て」

 

「ハイ!」

 

リヴァイは混乱しかけているエレンに煙弾の指示をして、落ち着かせた。

 

「なんてザマだ…やけに陣形の深くまで侵入させちまったな」

 

「だね。流石にやばいと思う」

 

ソラとリヴァイですらも、危機感を覚える状況。

そんな中で焦りもせず平静を保てる兵士など存在するのだろうか。

 

「………取り敢えずは、あそこまで辿り着くって所かな?」

 

先程から、幾ら煙弾が上がろうともエルヴィンは東から進路を変えようとはしない。

目的地の旧市街地は南にあるというのに。

 

「……あぁ。死ぬなよ」

 

「誰にもの言ってんの。帰ったら紅茶よろしくね」

 

「………帰ったらな」

 

リヴァイとソラの会話は、他のものには聞こえないほど小さなものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルヴィンの目論見通り、索敵陣形は巨大樹の森まで到着。

[中隊のみ森へと入り、他の隊は迂回し巨人を森へと侵入させるな。]

それが、エルヴィンが下した命令であり班長以下の兵士には伝えられていないことである。

 

「兵長!!副兵長!!」

 

「……なに?」

 

結果、何も伝えられていない兵士はエレンのように混乱するのが関の山。

 

「何って、ここ森ですよ!?右からも何か来てるのに、どうやって巨人をかいひしたりするんですか?」

 

「……エレン、わかってるなら騒がないで。そんなこともう出来ないに決まってるでしょ?」

 

いつもは出さないようなソラの低い声に、リヴァイ以外全員が驚きを隠せなかった。

 

「な!?…なぜそんな……」

 

「周りをよく見ろ……、この無駄にくそデカい木を…立体機動装置の機能を生かすには絶好の環境だ。そして考えろ、お前のその大したことない頭でな。死にたくなきゃ必死に頭回せ」

 

ピリピリしているソラに代わって、リヴァイが出来るだけ冷静にエレンに返答する。

 

そして…、その原因が現れるまでそう時間は要さなかった。

 

「お前ら、剣を抜け。それが姿を現すとしたら一瞬だ」

 

(………本当においでなすったよ)

 

後ろを振り返れば、直ぐに姿が見える。

そう錯覚するほど地鳴りのような足音は近くまで迫っていた。

 

 

 

 

リヴァイの指示により、抜刀したまま馬を走らせること数分。

今回の全ての元凶がすぐ真後ろまで迫っていた。

 

「兵長!!立体機動に移りましょう!!」

 

ペトラの焦った声だけが響く。

すぐ真後ろまで迫っている巨人にたいして、増援は来る気配もなくただ接近を許し続けているからだ。

今この状況で、冷静なのはソラとリヴァイだけ。

 

「…………さて、あとはよろしくね?リヴァイ」

 

「あぁ。」

 

1番先頭をリヴァイと共に走っていたソラは急激に馬のスピードを落とし、最後尾に着く。

 

「ソ、ソラさん!?」

 

驚き声を上げたのはペトラだけだったが、リヴァイ班全員が状況を飲み込めず唖然としている。

 

パシュッ

 

その音と共に、ソラは立体機動へと移り謎の巨人と対峙した。

それは一瞬のことで、誰も状況を飲み込めないまま馬だけが前へと進む。

 

「兵長!!ソラさんが!!今なら間に合います!ソラさんのサポートを!!」

 

ペトラは状況も飲み込めないまま、ソラがたった一人であの巨人と対峙したことだけが理解できた。

それは他の班員も同じ。

 

「兵長!!」

 

「兵長!」

 

ペトラだけではなく、全員が声を上げる。

だが、リヴァイはそれらに返答することなくただ前を向き前進し続けた。

 

 

 




次回は絶対に戦闘シーンありますので。
あと、多分次回から一人称になるかもしれないのでご了承ください


感想お待ちしております。
それではまた次回〜
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