人類の片翼   作:雪楓❄️

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色々、試しつつ書いていたのですがやはり一人称が1番描きやすいのでソラ視点でこの作品は進んでいくと思います!


更新は遅いですが、よろしければ見ていってください!

それではー、本編へレッツラゴー


8話

 

迫り来る巨大な足を避ける術を見い出せない私は、ただその足を受け入れることにした。

ただ一つだけ、今まで何度も見た蹂躙されていく仲間の立場になってわかったことがある。

 

(………やっぱり死ぬのって怖いんだ)

 

死に際になっても思い出すような走馬灯もなく、それこそ調査兵団に入った当初はいつ死んでも構わないとすら思っていたのに、今自分の死というものに直面して初めて怖いと思った。

 

(…………ごめんね、リヴァイ。紅茶、一緒に飲めなくて。ペトラたちにも悪いことしたなぁ)

 

心の中でリヴァイとの約束を破ったこと。

私を置いていったと後悔するであろう部下達に謝りながら私は目を瞑りその瞬間を待った。

 

 

 

だが、いつまで経ってもその瞬間は訪れずただ時間だけが過ぎた。

 

(…………ありゃ?)

 

あれほどまで死ぬ決心をしていた手前、いざ何も起こらないと逆に不安になるものである。

私は恐る恐る閉じた瞳を開き状況を理解した。

 

「…………リヴァイ。それに………ミカサ?」

 

私の視界に入ってきたのは、たった2人で女型を圧倒している調査兵。そして、女型の巨人の私に振り下ろすはずだったであろう足は膝の筋を切られ最早身体を支えることすらままならない状態になっていた。

 

「…ソラさん、少し失礼します。」

 

私が唖然としていると、リヴァイが女型の注意を引き付けている間に私はミカサによって抱きかかえられた。

 

「……ずらかるぞ。これ以上無駄な被害を増やす訳にはいかねぇ」

 

リヴァイは私の顔を見るなり少しほっとしたような表情を見せたあと、いつもの表情に戻りミカサに命じる。

ミカサはエレンを狙った相手を許せないのか、跪いている女型の巨人を一瞥すると渋々頷いた。

 

 

 

 

 

「………ところで、ミカサはなんであそこに?リヴァイならまだしも。」

 

絶賛ミカサに抱きついている状態で本隊の方へと運ばれているため少し恥ずかしくなり唐突に思っていた疑問をぶつけてみた。

リヴァイが来てくれた理由は大方わかるのだが、ミカサがあの場にいた事には疑問を抱いていた。

ちなみに、なんでミカサが私を運んでいるかというとリヴァイじゃ小さすぎて私のことを運べないから。

 

「そ、それはですね………帰還命令が出たので馬の方に戻ろうと思ったら突然光が見えてそれで嫌な予感がしたので…」

 

ミカサはそこまで言うと少し頬を赤らめて顔をそむけた。

 

「………なるほど。エレンが心配になってそこへ向かったら威圧感的なチビに捕まった上、エレンではなくこんな奴を助けることになってしまったと…」

 

ミカサがそんなことを思っていないとは分かっているが、半分ほどは事実であるため少し嫌味っぽく言ってみた。

 

「い、いえ…そんなことは…」

 

ミカサは珍しく焦ったような表情で否定する。

普段殆ど感情を表さないだけあって、こういう状態のミカサはかなり可愛らしい。

 

「……おい…テメェら……はしゃぐな。もうじき本隊に追いつく」

 

リヴァイの言う通り、目視出来る範囲に本隊がいる。

自分だけハブられたのが気に入らなかったのか、リヴァイは若干不機嫌になっているが。

 

「ありゃ怒られちゃったね」

 

「………はい」

 

私は一応助けてもらった恩があるのを思い出し、静かにミカサに抱きついていることにした。

 

 

 

 

 

 

 

「ソラさんっ!!」

 

本隊の所に到着するなり、ミカサごと抱きしめるペトラ。

壁外であることなど忘れているかのように警戒心はない。

 

「よし、よし。ペトラ、後は壁に帰ってからね」

 

私はペトラの頭を空いている方の手で撫でて、ミカサに荷馬車へと降ろしてもらう。

 

「ありがとね、ミカサ。お陰で助かった」

 

「い、いえ。良かったです、間に合って」

 

ミカサはそう言って顔を背けると自分の隊列の方へと駆けて行った。

 

「………それにしても、自分の馬にすら乗れないとは…」

 

「仕方ないですよ、その足じゃ」

 

私の誰にも聞かれないであろう呟きに答えたのはペトラ。

何故か、馬に乗らず私の隣に座っている。

 

「………ペトラ?なんでそこに居るのかな?」

 

「それが右翼側に居た何人かの馬が死んでしまったそうなのでソラさんの護衛も兼ねて私が荷馬車に乗ることになったんですよ」

 

ペトラの言う通り周りを見渡してみると、余っている馬は私の愛馬のみで他は全部誰かしらが跨っている。

確かに荷馬車では逃げきれない巨人もいるため、今の私では護衛が必要なのも否めない。

 

「……それじゃあよろしくね、ペトラ」

 

「はい!!」

 

私はペトラの元気のいい返事を聞いて少し安心することが出来た。

 

「総員!カラネス区に帰還せよ!!」

 

エルヴィンの掛け声とともに、全隊が一斉に駆けカラネス区へと帰還を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラネス区までの帰還は比較的安全に行う事ができた。

だが、カラネス区に帰還した私たちを迎えたのは祝福ムードではなく悲壮感に満ちた嘲笑うかのような視線。

 

(………仕方ないのかな)

 

私たち調査兵団は壁外調査に出た朝と比べれば半分とまではいかないが7割ほどまでその数を減らしている。

 

「………あ、あれは……」

 

私の隣に座っていたペトラだが、前方に何かを見つけたようで急いで駆け寄って行った。

 

(……どうしたんだろう?)

 

かなり気になるところではあるが、残念ながら立ち上がることすらままならないため泣く泣く諦めた。

 

(………めんどーだなぁ)

 

あれほど啖呵を切って出ていった壁外調査の結果がこの有り様では、憲兵団やウォール教に何を言われるのか火を見るより明らかである。

 

(まぁ、面倒なことはリヴァイたちに任せて私はゆっくりさせてもらいますかね。丁度、動けそうにないし)

 

私は少ししてから戻ってきたペトラに連れられるまま、救護班の元へ連れていかれ怪我の処置をしてもらった。

救護班曰く、数十日大人しくしていれば傷は治るとのことらしい。その事をエルヴィンに言った結果、ペトラを監視役に付けられたことには不満だが。

 

 

 

 

この壁外調査の数日後、エルヴィン含め調査兵団の幹部とエレンが中央へ招集されることが決定。

私は、怪我を理由に逃げようとしたが残念なことにわざわざ迎えを寄越すと言われてしまったため逃げることは叶わないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





それではまた次回
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