in the worldシリーズ All Prorogue   作:Belka0315

5 / 9
フランツというのは、HELLSINGの大尉の名前(オリジナル)です。公式で名前が明かされてなかったので、オリジナルの設定を加えてしまいました(オリバーも同じです)。苦手な方には、申し訳ないです…

HELLSINGの方々も入ったカオスな作品をお楽しみ下さい…


このストーリーのヒロインは美九です。


Franz in the Lonely World

男は無口だ。だが、単に無愛想な訳ではない。

 

長年戦争の世界にいたフランツは、ついには自分で口を開いて言葉を話す事が出来なくなってしまったのだ。

 

転生したのは、天宮市の空間震から半年経った時だ。

目が覚めたら、医務室らしき場所で自分はそのベッドの中にいた。

 

死んだ自分がこんなところにいるなんておかしい。そもそもここは何処なんだろう…。

 

傷は無かったらしく、苦もなく立てたフランツは、自分がいる施設について調べるべく、外に出た。

 

 

外の空気は、忘れもしないドイツの空気その物だった。

 

何故、帰ってきたのだろう…、と思っていたが、そもそもそのために外に出向いた事を思い出す。

 

どうやらただの病院ではないらしく、隣には社屋があった。入口の所に人がいた。

声を掛けようにもどうすることも出来なかったが、相手から掛けてくれた。

 

「アンタは新しく来たあの患者だな?」

 

「…………」声が出せないので、頷く事にした。

 

「社長がお前に会いたいらしいから、着いてきてくれ」

 

「…………」

 

もしかしたら何かが分かるかも知れないと判断したフランツは、再び頷き、着いていくことにした。

 

――――――――――――

「社長室」と書かれた部屋に案内されると、男は

 

「社長、連れてきたぞ」

と言った。

すると向こうから。

 

「分かった。連れてきた者だけ部屋に入りたまえ…。」

という声が。

 

「だ、そうだ。ということで俺はおいとまさせて貰うぞ。」

 

「…………」

 

頷いたフランツは、社長室のドアを開けた。

 

「やあ、遅かったじゃないか…。」

 

社長らしき男がそこにいた。

黄色がかった茶髪に、眼鏡をかけ、右と左で目の色が違う男が…。

 

何処と無く、自分がよく知る男に雰囲気が似ていた。

だが、それを口に出すこともできない。

 

それを悟ったのか、男は、

 

「これを渡しておく。これで会話ぐらいはできるはずだ」

 

と、キーボードらしき物を渡した。

 

左腕に取り付け、起動すると。立体画面が写し出された。キーボードで文字を打つと、画面に表示されるようだ。

 

早速聞きたかった事を打ち込んでいく…

 

『最初に聞きたいが、「少佐」で間違い無いんだな?』

 

答える男。

 

「そう言う君は、やはり「大尉」かね?」

 

と聞いてきた。

 

『ああ…』

 

と打ち込むフランツに男は、

 

「久しぶりだね、大尉。「第二次ゼーレヴェ作戦」以来じゃないか。」

 

『何故少佐がここに…?』

 

「それも含めて、説明しよう…」

 

そういって話し始める男。

 

「まず、聞きたいことはあるかね?」

 

『ここは何処なんだ?』

 

「此処…、というよりはまず、この世界はあの戦争の一夜を過ごした世界ではない。世界観も何もかも異なる。君は「パラレルワールド」を知っているかね?」

 

『イマイチ、といった所か』

 

「この世界は、そういったある種の確率の世界だ。「吸血鬼」がいない代わりに、「精霊」や「悪魔」、「天使」、そして「ネフィリム」がいる。かくいう私もネフィリムだ。」

 

割りととんでもないことをさらりという男。

 

 

『前の世界では人間だったのにか?』

 

「私は前の世界に比べると、姿が異なるが、君は同じ姿だ。どういう事か分かるかね?」

 

『つまり、「生まれ変わった」ということか?』

 

「正しくその通りだ…。が、少し外れがある。実は、君もネフィリムの能力が使える。」

 

『俺にか?』

 

「そうだ。君にも使える。原因は分かっていないがね…」

 

『俺は、何をするべきなんだ…?』

 

「そうだなぁ、いずれはこの世界も「戦禍の渦に巻き込まれる」に違いない。」

 

『何故、そう言い切れる?』

 

「我々のみ、精霊を殺すことに表立って反対しているからだ。」

 

『ここは何なんだ…?』

 

「ここは、多様なサービスを提供する企業「デア・カイザー」の本社で、私はその社長兼CEO兼軍事部門の総司令、「オリバー・フィリップ」だ。」

 

『で、精霊の殺害に反対している、ということか?』

 

「そうだ、「フランツ・ヴォルフ」君」

 

『俺の名前を…?』

 

「勿論覚えていたさ。表立って言うのは初めてだがね。話を戻そうか。」

 

「君には、悪魔狩りを任せたい。あまり世間には知られていない仕事だがね。」

 

「その他は…、「来るべき時」まで休暇を取っていてくれて構わない。給料もちゃんと出す。訓練するのも自由だ。どうだね?」

 

選択肢なんて無かった…

 

『分かった…。引き受ける』

 

「では、再び頼むぞ、「大尉」。」

 

 

そうして二人は握手を交わした。

 

 

―――――――――――

 

フランツは無口だ。表情もほとんど出さない。

 

が、半年経った今、趣味は出来た。

 

それは「音楽」。切っ掛けは、とあるアイドルのライブを自分を社長室につれていった「リカルド」という男に見に行こうと誘われ、着いていくことにした時だった。

 

美しかった。人を引き寄せる歌に、今まで音楽に関心が無かった自分でさえ感動した。

 

以来フランツは「宵待月乃」のライブにほぼ毎回行くようになった。最前列で。

もうすでに日本に住んでいて、ネフィリムの能力でワープホールを形成して、ドイツで訓練するという日々だった。

そんな日々が3年続いていた。

 

が、ある日の新聞記事を見たとたんに、やや眉をひそめた。

それは、スキャンダルの記事だった。

 

所謂「売春行為」で出来た子どもがいた等、無茶苦茶な内容だった。

 

(いきなりこんな内容…、誰も信じないだろう)

 

と思っていたが、テレビのニュースを見た瞬間、目を丸くした。

そこには、ファンだった人達が、中傷の記事を書いているといったものだった。

 

(………所詮、人間の信用なんて「そんなもの」か)

 

表情には一切出ていなかったが、呆れ果てていた。

 

今日が予約していた「サイン会」だという事を思い出したフランツは、事務所のビルへ向かった。

 

 

 

サイン会でも本人に向かって中傷を吐く奴がいて、物凄くイライラ(それでも表情には出ていない)していたが、ようやく自分の番になった。この時、何時もなら最初に貰うのだが、今日は最後だった。というのも少し長く話すことが出来るのではないかと思ったからである。

 

予想通りだった。多分いつも通りのファンが来ることを想定していた様だが、いつもの十分の一くらいしか来ていなかったので時間がかなり余ったのだ。

 

そこで、フランツは可能性にかけて、宵待月乃に少し話をしないかと提案した。すると宵待月乃は

 

「いいですよぉ、ここだと何ですしぃ、レストランにでも行きますかぁ?」

 

とやや伸ばした声で、承諾してくれた。

 

 

 

――――――――――――

 

レストランに着いてまず月乃はフランツに

 

「いつも最前列で見てくれる人ですよねぇ、ありがとうございますぅ。」

 

と言ってきた。フランツは

 

『元々、知り合いが誘ってくれたのを見て感動した。アンタの歌は素晴らしい。とても綺麗だ。』

 

と返した。

 

すると月乃は、

 

「何で文面で…、聞くことじゃ無かったですねぇ…」

 

『長年戦場に居すぎた「失語症」とでも行っておこうか。』

 

「私もですぅ…」

 

『…どういう事だ?』

 

「最近嘘のスキャンダルに巻き込まれて、皆の前で歌うのが怖いんですぅ…」

 

悲痛な表情で語る月乃。

 

『…詳しく聞かせてくれないか?』

 

「実は…、」

 

語り始めた美九。どうやらテレビ出演などを断ってから、こんなことになっているようだ。

 

『断ったのは、嫌だったからか?』

 

「はい、私は皆の前で歌を歌うだけでよかったですからぁ…」

 

『なるほど…』

 

「下らないですよねぇ…ただそんなことのためにファンを巻き込むなんて…」

 

言葉は反射的に出た。

 

「そんな事はない………ッッ!」

 

すると月乃は笑って

 

「声が…。やっぱり出せるじゃないですかぁ。」

 

『一体どうしたというのか…』

 

「自分の事で疑問に思うなんて、面白い人ですねぇ。良い声でしたよぉ。」

 

『……まあ、話を戻すか』

 

『俺は、お前のライブを楽しみにしている。』

 

「私の…?」

 

『ああ、俺はお前の「ファン」だからな。宵待月乃』

 

「私の本当の名前は、「誘宵美九」ですぅ。」

 

『フルネームをファンにバラして平気なのか?』

 

「ええ、貴方は味方だって信じてますからぁ。」

 

 

 

その後は、注文した物を食べながら、他愛もない会話をして、月乃は事務所に戻った。

 

 

 

―――――――――――

 

 

そのライブの日、フランツはやはり最前列にいた。

 

(月乃は…、大丈夫か…?)

 

そこで、ステージの幕が上がり、月乃がやって来る。

ファンだった連中の暴言がヒートアップした。

 

「…………っ」

 

やはり声が出ないようだ。それに調子に乗ったのかさらに中傷がヒートアップした。

 

そこで、フランツは、端末の立体映像のサイズを最大にした。

 

書いたことは、

『お前がやりたいことをすればいい。お前は今日、そのために立っているのだろう?』

 

そして、

『俺は、お前が何をしようと受け入れる…』

 

だった。

 

月乃はマイクで言った。声が出るようになったのだ。

 

[私は、今まで嘘のスキャンダル記事によって、自殺を考えた事があるくらいに、傷つきました…。でも、私は「一人の優しいファン」に救われ、元気を貰い、このステージに立ちました。今日私が立っているのは、そんな優しいファンの人にに感謝の歌を捧げるためです!!]

 

そこで、月乃の歌が始まった。自分のために歌ってくれる、「アイドル」の歌が。

 

 

 

――――――――――――――

 

〈宵待月乃が失踪。『自殺』か〉

 

そんなニュースが流れたのは、そのライブの3日後の記事だった。

 

(もうその事件から、1年か…)

 

あれから1年、宵待月乃の謎の失踪から過ぎ去った。

 

来禅高校に去年から通っている。

 

そろそろ「天央祭」のシーズンになった。フランツは、知り合って長いリカルドと、「ジ・オーダー」に協力していた。今回はバンドのグループとしてステージで、ライブをするということになったのだが…。

 

下見に来ていると、一人の歌が聞こえてきた。

 

それを聞いたフランツは、

 

「なッ!お、おいフランツ!」

 

ステージに駆け込んだ。

 

そこにいたのは、

 

 

(…誘宵…美九)

 

忘れる筈もない、「歌姫」の姿だった。




長文で失礼しました。

フランツの紹介をします。

フランツ・ヴォルフ

識別名<ウルフ>

容姿・性格:HELLSINGの時と変わっていない。

属性:爆発

武器:フォッケ&ウルフ(前の世界で使っていたのをバージルが使っているので、オリバーに手配してもらった代理品。多様な弾を装備でき、セミオートと三点バーストが使える。イメージは、VP70(ストック付き))
ストレーニア(籠手。爆発の力で拳のスピードを加速できる)
スウェート・ショップ(コンバットナイフ。デア・カイザーのウェポンの一つ。エンジェルパワーで2つのブーメラン、デーモンパワーで、大型の剣に)
ブーム・バヨネット(グレネードランチャーがアンダーバレルにあるアサルトライフル。イメージは、G36)
ラケーテン・マイン(近くに来ると、催眠ガス弾を撒き散らす地雷)
幻影剣

デビルトリガー:ブラストアーマー(爆発の力でダメージを軽減させ、周囲の敵を吹き飛ばす)

因みに獣化は任意のタイミングでできる

こんな感じでしょうか。


感想をお待ちしています!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。