in the worldシリーズ All Prorogue 作:Belka0315
外伝のストーリーからですが、そのまま本編に続く流れにしたいです。
外伝ということで、ヒロインはもちろん凜祢です。
「デア・カイザー」――――――ラタトスク機関と同様、精霊との平和的解決を望み、世界で唯一の悪魔の存在の提唱及びリアライザーを一切使わない正規の武装組織の所持を行う企業だ。
本社をドイツに置くこの企業は、DEM社や各国の精霊を排除しようとする組織からは、完全に敵対している。
元々、悪魔退治を行っており、その存在をDEM社に知らせてはみたものの、人間とはこの目で確認しないと信用しないらしく、全く容認しようとはしない。
とにかく悪魔は主に災害時を狙って襲撃する。たまに平常時に悪魔が現界することもあるが、その数は少なく、わざわざ向こう側に出撃させる必要がない。災害時はその復興や原因調査で忙しいので、結果として悪魔を目撃させることは難しい。一回放置させようともしたが、積極的に人間を殺しにかかるので、みすみす人間を見殺しにも出来ない。デア・カイザーの一番の悩みどころである。
問題はもう一つ存在する。DEM社についてだ。
「DEM社の日本支部に外国人部隊と、大量の資金か…」
そう呟くのはデア・カイザーの社長、オリバー・フィリップスだ。
最近、日本支部から本格的に精霊の排除をしようという意見が多く、動きが活発化している、という内容だ。
恐らく、DEM社の「アイザック・レイ・べラム・ウェストコット」が手を回しているのだろう。
どうやら天宮市を戦火に包む事も構わないらしい。
「だが、我々もそれを見過ごすつもりはない…」
オリバーがいるのは、ドイツの本社ではない。ちょうど1週間前に再び再建した「日本支部」だ。
今回、その完成の挨拶でここに出向いたのだが、それは既に終わらせていた。
DEM社について思考を巡らせる中、ドアのノックの音が聞こえた。
「入りたまえ…。」
「失礼する。」
「やぁ、リカルド君。日本支部の完成おめでとう。」
「とは言っても、オレは扱いは「ワン・エース」だけどな。」
「ハッハッハ、そういえばそうか…」
「ワン・エース」は、軍事部門のトップエースのみに与えられる称号で、今のところ持っているのは、オリバーの他にフランツとリカルドともう一人のみである。
ワン・エースは所属を持たないため、どの支部でも「作戦行動の立案」、「分隊の作成」、「様々な最終決定権」を持つ。
戦闘スキルにオリバーはやや及ばない(それでも凄まじい戦闘スキルを持つ)が、作戦の考案、経営の手腕については右に出るものはいない。普段から司令も参謀もこなすのだ。
天宮市の活発化により、日本の株価が少しばかり上向きになったので、日本支部を作った―――というのは、もちろん建前だ。
そもそもDEM社が日本に目を向けたのは、来禅高校に違いない。精霊が高校にいるのだ。興味が無い方がおかしい。
一点に集まっているが故、殲滅するには正にうってつけのチャンスだ。
だが、そこにただ指をくわえて見ているようなデア・カイザーではない。ある種の警告―――それでも駄目なら、武力で抑えるスタンスでいるつもりなのだ。
「難しい顔してるな、DEM社か?」
「そうだ。ここをどうにか“無力化”、欲を言えば“同盟”することが出来れば、実質敵がいなくなる。」
デア・カイザーは、軍事部門にはネフィリムしかいないが、営業等を見ていくと、ネフィリムの他に天使や悪魔、人間が所属している。別に正体を隠しているわけでは無い。とはいえ、悪魔は度々現界してくるような怪物の姿ではなく、人間の姿で他と同様に人間らしく生きている。
「我々が望むのは、“支配”ではなく“対話”だ…。本来なら、武力無しでいきたかったんだが…」
「衝突は避けられない、か?」
「ああ、そうだ。」
「なんか、辛気くさい話ばっかだな。」
「そうはいっても、仕方が無いだろう…。」
「そう言えばさ、
お前から恋愛の話とか聞いたことが無いな。」
「唐突に何を言い出すんだね?君は…」
「なんか、お前にそういうのって無いのか?」
「君はどうなんだ?やっぱり、DEM社の〈アデプタス1〉かね?」
「まぁな、アイツとは敵同士なのに、若いくせに真面目くさった所が、なんか放っておけない感じなんだよな。」
「ほぅ、それは興味深い。」
「お前には、そういう奴がいないのか?」
「何故そう思うのかね?」
「じゃあ、逆に聞くが何故そんなに日本語が話せる?転生した際の補正でも無さそうだしな。」
「はぁ…、まあ、昔話にはなるし大分話が長くなるが、構わないかね?」
「別に構わん。」
「……あれは、もう今からかなり前の話になるな…。」
―――――――――――
私は転生した。前の世界で“戦争”をやり尽くした。常人には理解出来ないことだろう。楽しかった…。ただ、ひたすらに戦い、“勝利”する。そんな戦争が出来た私はなんて幸せなんだろうとも思えたくらいだ。結局は敗北だったが、元々はある者への復讐に近いものが目的でそれが果たされたのだ。これを勝利と言わずして、なんという?
転生したときは、子供だった。ここはフランツと異なる所だ。“鳶が鷹を産む”という言葉を知っているかね?
私はネフィリムだったが、両親は二人とも人間だった。あり得ない事だが、そんなことに構う余裕がいままで無くてね、調べる時間が無いのだ。
7歳くらいの時に、親がドイツへ戻るということを聞いていた。私もそうかと思っていたが、仕事の妨げにしたくないからといった理由で、親の友人である家庭に引き取られる事になった。
私はその家に遊びに行った事も無かったが、快く迎えてくれた。その家には、一人の娘がいた。私はドイツ語しか話せなかったが、そんな私を見て分かりやすいようにしたかったらしい。私に、
「リンネ」
とだけ言ったんだ。恐らく名前なのだろうと思った私は
「オリバー」
と返した。そしたら彼女は微笑んで、
「私が、オリバーに日本語を教えるね。」
と言った。当然日本語が分からなかった私は、疑問しか頭に残らなかった。
それが、「園神凜祢」との出会いだったな。
その後は、彼女に散々日本語のレクチャーを受けていたよ。
彼女の親も、私に何とかドイツ語で伝えようとしていて、今となっては悪かったと思っている。
1年くらいで、会話がこなせるようになった。ずっと近くで凜祢が教えてくれたからだろう。君に言っても仕方がないが、本当に感謝している。
その後は楽しい日々だったな。特に喧嘩をすることもなく、ずっと良好な関係だったんだ。園神家の人達と。凜祢は最後まで私に対して献身的だったな。
「何か、分からない言葉を言われたら、直ぐに私に言ってね。」
って言われたときには、
「流石に自分で何とかするさ。流石にそこまで迷惑をかけられないのでね。」
って返したくらいだったしな。
―――最後までってどういうことだ?
おや、ちゃんと聞いていたか、流石だ。それでこそ「ワン・エース」に相応しい。
―――で、どうなったんだ?
初めて会った時から6年、凜祢は亡くなったよ……。交通事故だ。
高速道路の対向車線から大型トレーラーが飛び出して来たんだ。後の調査で、タイヤがパンクしていた事が分かったがね。
凜祢と凜祢の両親は、即死だったよ。私だけは軽傷だった。多分ネフィリムだったからだろうな……。
葬式には参列した。涙は流さなかったよ。凜祢は涙を流す私をひどく嫌っていたようだったからね。
その後に私の両親も交通事故で死んだ。両親は、私にこの会社を継ぐように、ずっと前から言っていたらしい。
そこから2年は忙しかったよ。ネフィリムを集めて軍を作り、ディランとも交友を深めたりしてな。
――――21歳にしては外見は高校生っぽいけどな。
それは君もそうだろう。この姿で固定かもしれないし、ただ単に遅いだけかもしれない。
いろいろな武器の構想は、既に練っていたので作ったり、君達の知る通りディランに協力して貰っていた。
当時から膨大な資産が引き継がれていたから、財政に苦労は無かったがね。
ある意味、高校生っぽい見た目だったから今から話す事件が起きたのかも知れないな。
―――――まだ終わりじゃないのか。
とんでもない、まだ序章さ。本題は、今年の梅雨明けの事件なのだ。
まあ、それを話していこうじゃないか……………
ここで原作の範囲が終わったんで、一端終わりとしますが、また続く可能性も十分にあります。
オリバーのデータは、識別名と武器のみとします容姿などは、シルバ編の後書きを御覧ください。
識別名<インパクト>
ヴァルキューレ デュアル(二丁の拳銃で貫通性能、威力が高い。モデルはルガーP08)
レーラズ(レイピア。変形はしないが、バージルのようにデーモンパワーなどを纏わせる事ができる。)
ヴェルサンディ(スナイパーライフル。威力、貫通性能が高い。モデルはPSG1)
幻影剣
カオスボックス
属性:貫通
デビルトリガー:ハンティングショット(壁に対する威力の減衰がなくなり、全体の攻撃力が上昇。レーラズの使用時は、全ての攻撃の範囲が拡大する。)
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