忍者で勇者ってもうこれわかんねぇな   作:鈍足ハイカー

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この話の落とし所を悩みました


十一話

「……………聖印"release(解放)"」

 

小さな呟きと共にヤマメの右手の甲が薄く輝く。濃い霧の中でも独特の光を放つそれは、相対すれば確実に目につくだろう。

 

「ッなんだそれは!」

 

再不斬は目の前の現象に困惑した。ヤマメの右手が輝き妙な威圧感を感じはするが()()()()()()()()()()()。それはこの忍びの世界、いやこの世界ではあり得ない様な現象だった。

 

「答える必要はない、時間の無駄だ。」

 

そしてヤマメの姿は()()()

 

 

「ッ!くっ」

 

ヤマメを見失った再不斬が見たのは腹に拳打を打ち込まれる自分の姿だった。相当の実力者である再不斬にも見ることさえ不可能な域の移動速度。例え写輪眼であってもその速度を完璧に捉えることは出来ないだろう。

 

「……………時空間忍術かッ!?」

 

その速度程の攻撃を喰らっても()()()()()()()()()()()()()()()。その為すぐに体勢を立て直しヤマメの行使した術の当たりを付けようとする再不斬だったが……

 

「違うよ………これはただ速く動いただけ。そして勝負は終わり。」

 

「…………なんだと………ッこれは」

 

再不斬が拳打を喰らった場所を見ると、なんと()()()()()()。その石化の範囲はだんだんと広がって行くのが良く分かる。

 

ヤマメは異世界から木の葉の里に帰還した後、暗部による監視をされる事が多かった。ヤマメは大概それを気にしない様にしていたのだが………ある時、陰湿に監視を付けられた時期があった。その監視はダンゾウ直属の暗部"根"と呼ばれる部隊だ。

 

余りに陰湿に監視をされたヤマメは憂さ晴らしでそのうちの一人を捕らえて様々な検証を行った。当然その後、記憶を処理して解放したのだが。

その検証でヤマメは自身が使う力、"魔力"と呼んでいる物についてある性質を発見した。

 

それはこの世界の人間に"魔力"と言う物を送り込むと()()()()のである。

 

ヤマメの知らぬ事ではあるが彼が"魔力"と呼んで使っている物は、この世界では"自然エネルギー"と呼ばれている物だ。

仙人と呼ばれる人間だけが使う事が出来るエネルギー。主にチャクラと混ぜて使っているのだが、ヤマメは純粋な"自然エネルギー"を扱う能力を勇者としての能力の一つ、"聖印"によって獲得しているのである。

 

「再不斬さん!」

 

「……………チッ、面倒だな」

 

「お前………再不斬さんに何をした!」

 

再不斬の水遁によって周囲にばら撒かれた水から氷の鏡が出現し、再不斬の仲間である例の少年が現れた。ヤマメは新たな敵が来たのを面倒だと思うと同時に多数の存在を感知した。

 

「…………面倒だから君にも少し寝ていてもらおう」

 

「!くッ」

"秘術 魔鏡氷晶"

 

数多の氷の鏡がヤマメの周囲に配置され少年、白の攻撃がヤマメに襲い掛かる。その速度は神速と言っても過言ではない。ヤマメとて聖印を解放していなければ避ける事は出来ないであろう。

 

「……ッ!」

 

まぁ当然の如く最初の一撃の時点で白が捕まり、そのまま地面に叩き落されるのだが……

 

 

 

 

 

 

 

---------------------

 

 

これどうしよう………全滅させちゃったけど。

隠すとかそう言う対処の次元を超えてるんですが……

やっぱり俺は戦闘中、頭がパーになっているらしい。

 

再不斬が落ちた事によって霧隠れの術による霧もだんだんと晴れて来ている。とりあえず再不斬の石化は解かないと………それにお客さんもいるらしいし。

 

ペチッペチッ

 

「おきてー、お客さん来てますよー」

 

「………………」

 

余りに緊張感の欠けるヤマメの行動に再不斬は絶句、いや相当イラついているらしい。こんな奴に俺は負けたのかと言った所だろう。

 

「だんまりもいいですが………アンタの雇い主さん来てますけど?」

 

「なに?」

 

感知範囲にいる百人以上の人間。それ程手練れと言うほどではなさそうだが、鬼人と言う二つ名が付くほどの忍に援軍を送ってくるとは考えづらい。おそらく最初から……

 

「どうやら貴方を消すつもりらしいですね。反抗的で使いづらい殺し屋は要らないとかが理由でしょうね。」

 

「……………」

 

「おそらく貴方が消耗している時を狙っていたんだろうけど、向こうからしたら大誤算だな。………別にあんたを殺してあいつらも抹殺するのもいいけど。ここは交渉しない?」

 

「…………ッチ、選択肢が二つに一つじゃねーか。何をする気だ?」

 

再不斬は少し考えた後、生存することを選んだ様だ。まぁ大きな野望もあるっぽいしここで死ぬ気は無いのだろう。

 

「じゃあ------って事で」

 

「…………本気で言ってるのか?」

 

再不斬は俺の提案にかなり驚いている、というより寧ろ困惑している。まぁ忍がやる事じゃないしな。下忍はやりそうだけど。

 

「もちろん!俺に妥協はありません。連絡は後ほど」

 

完全に霧が晴れたようだ。橋の向こうではカカシ先生たちが百人以上ものチンピラと思しき集団と相対していた。途中サスケェ!が仮死状態になっていたが………ある程度治療して放置しとこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はカカシ先生の前に()()()()()()()()()()()()()。集団の方はやっと獲物が来たかと言った感じで息巻いているが………世辞の句を読んだ方がいいんじゃないか?

 

「ヤマメ………お前」

 

カカシ先生が俺が二人を戦闘不能にした事に懐疑的な目を向けている。黒か白かで言えば真っ黒かと言わんばかりの疑いの目にもはや欺く事は不可能(寧ろ最初から無理ゲー)だと感じた。

 

「その辺は帰ったら報告します。」

 

 

「ふははは!まさかガキにやられてるとは思わなかったぞ!再不斬!おいそこのガキ!さっさとそいつをこっちに渡せ!」

 

あの集団のリーダー、おそらくガトーカンパニーの社長である人物が出てきて再不斬の身柄を要求してきた。リーダー自ら出てくるとは不用心だな。

 

「はい。お渡しいたします」

 

俺は素直に要求に応える事にした。カカシ先生は驚いたような顔をしているが当然だろう。この場を収めるには素直に再不斬を引き渡すのが一番だ。まぁ再不斬の方が暴れないとは限らんがなぁ(確信犯)。

 

「いけ再不斬!君に決めたッ!」

 

俺はガトーに再不斬を投げつけた。無論、再不斬には意識があるし別に動けない訳でもない。自分を始末するつもりの上司に投げつけられたら再不斬はどうするだろうか?

 

「ッ死ね!」

 

今の死ねはきっとガトーに向けて放った言葉なんだろう。決していきなり自分を投げ捨てた自分に向けての台詞ではないはず……まぁ言葉通り再不斬は懐から取り出したクナイでガトーの首を切り飛ばした。

 

「「「……………」」」

 

「は?」

 

「グッキル」

 

あまりの出来事に周囲が騒然としているが、再不斬は止まらない。更に"断頭首切り包丁"を手に取り、周囲の人間を殺戮していく。敵は逃げる奴もいたが再不斬の水分身によって処理された。

 

「…………そういうことね」

 

「まぁ、カカシ先生の想像通り雇い主の方が裏切るつもりらしかったので敵対する必要もないかな?と思いまして」

 

「納得いかねえってばよ!あいつらにサスケはッ」

 

「………サスケ生きてるよ?」

 

「へ?」

 

「ナルトォー!サスケ君は無事よ!ちゃんと生きてるわ!」

 

どうやらサスケは息を吹き返したらしい。向こうの小さい方の忍は殺しが得意ではないらしい。物騒なこの世界で中々、平和な精神を持っているようだな。

 

「とりあえず、………一件落着?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、タズナさんの家には橋が完成した後もサスケやナルトの傷が完治するまでにお世話になった。俺もその間に再不斬達との交渉の詳細について詳しく取り決めを行った。

 

交渉の内容、それは海産物の木の葉の里への運搬である。ガトーカンパニーが無くなった事により波の国からの輸入が適正価格によって行われると見込んだので親父が試したいと言っていた海産物系のラーメンの材料を運搬してもらう事にしたのだ。

 

 

 

これで一楽の新メニューが増えるぜ…………

俺のラーメン道に妥協の二文字はない。

 

 

 

 




というわけで再不斬、白生存ルート
まぁ偶に出てくるでしょう。
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