期間が空いた理由?
勉強してました(大嘘)
「では……ここに残った全員に……"第一次試験"合格を申し渡す!」
あれ?
俺は現在混乱していた。中忍試験の最初の筆記試験で書くこと書いたけど最後の問題は試験の終盤に試験問題が聞かされると聞いていたので時間まで寝ていたのだが………いつの間にか合格になっていた。
な、何を言っているのかわからねーと思(ry
「一次試験の目的は------------」
試験官の特別上忍の語った試験の目的などを聞いていたが、カンニング前提の試験だったのか。試験中妙に騒がしいと思ったよ……
特別上忍の有難いお話によると、情報収集は大切であるって事と、仲間と共に勇気を持って困難に立ち向かえるかって事らしい。
俺は完全に試験の意図を理解できてなかったと言う事だろう。特に何も考えず問題をやって寝ただけ。まぁ、情報収集能力に限ってはかなりあるし、勇気という面でも勇者の俺が問題があるとは思えないけど。
「……ん?」
バリンッ!!
衝撃的だった。
窓側から誰かが突っ込んで来る気配がしたので目を向けると、窓ガラスを割って例の奴が突撃して来た。魔力の精製を止めてるから探知できる訳では無いのだが、生憎
妖怪 団子狂い
「私は第2試験官、みたらし アンコよ!」
名前はみたらし アンコ。
帰還後、里の中で唯一魔力を持った人間だったので監視や挑発をしていたのだが、調べた結果白だと判断していた女だ。その後、監視外で会うことがあったのだが、それから奴は俺の中では妖怪 団子狂いと呼ぶ事にしている。
「
「今回は優秀そうなのが多くてな」
「まぁいいわ。あんた達、ついてらっしゃい」
俺たちは妖怪に連れられ第2試験の会場に移動する事になった。現状、俺の中では団子狂いには《ナニカ》の内通者である疑いが掛かっている。次の試験………見極める機会があるかもしれない。
会場を出て連れてこられたのは巨大な森の前だった。樹木もかなり大きく成長している。昔からある物なのだろうか……
「ここが第二の試験会場、第44演習場。別名『死の森』よ」
そりゃまた大層な名前だなぁ。
「あら?よく見たらあんたラーメン屋の奴じゃない。例の物作ってくれた?」
「作れる訳ないです。あんたの頭にはそれしかないんですか?」
俺は遂に妖怪に見つかってしまったらしい。別に隠れていたわけでもないので見つかってもしょうがないけどな。
「そう?できると思うけど。……
「醤油ラーメンでも食ってろ」
これが奴を団子狂い呼びする理由、事あるごとに俺に団子ラーメンなる物を作る事を強要して来るのだ。確かに俺は王道とは言えない様なラーメンを作るのは得意だがそこまで道を外れたつもりはない。
「話が逸れたわね。ここが死の森と呼ばれる所以はすぐに実感する事になるわ」
「そんなに脅したって全然怖くないってばよ!」
その言葉を聞いたナルトは自信ありげに話している。妖怪の性格を考えると…………
ナルトへ向けてのクナイの投擲、直撃はしないが頬を掠めた様だ。流石に試験前に殺したら問題になる。試験中でもダメだと思うけど。
そしてナルトの背後に回って脅しの言葉を吐いている。
更にとてつもない事が起こった。なんとクナイを拾った受験者が試験官にクナイを届けたのだ。
そこまではおかしくないが………なんとクナイを《長い舌》で持ってわざわざ殺気を出しながら試験官の背後に回って。
「クナイ……お返ししますわ……」
「……気持ち悪っ!?」ギロ
睨まれてしまったが仕方ない事だろう。まさかあそこまでキモい行動をした後に、オカマ言葉を発したのだ。最早ただのグロ映像だろう。
「どうやら今回は血の気の多い奴が集まったみたいね……フフ楽しみだわ。それじゃあルールを説明するわね」
第2試験はサバイバルの試験らしい。
半径10キロの巨大な森の中心にある塔を目指してサバイバルをする。ただサバイバルするだけでは無いらしいが……サバイバルらしく食料も自給自足、毒虫や猛獣も多い為死亡者も出るらしい。
各チームに一つずつ巻物が配られる。種類は天と地の二つのうちのどちらか。スタート地点は各チーム全て別の場所から。合格条件は天か地の巻物を持って全員揃った状態でゴールする事。俺は1人なので多少は有利だろうな。
逆に失格の条件は制限時間、5日以内に巻物を持ってゴールに到達できない事。そしてチーム内に死者や再起不能者を出した時、最後に巻物の中身を見た時。
中忍になれば班員を持つことがあるし、機密の資料を届ける事もあるから必要な試験ではあるのか……
「最後に追加ルールよ。27チーム中、13チームに天の巻物が、そして13チームに地の巻物が配られる」
「?それじゃあ数が合わないじゃないですか」
「そう!最後の1チームはハンデ、いやシードと言うべきか各自に任せるけど巻物を二つ最初から持ってるわ。」
27チーム中1チーム………何か嫌な予感がするんですが。
「ここにいる一楽 ヤマメは一人での参加になるわ、彼だけに限ってはゴールすれば合格。一人である事を考えれば妥当な条件ね。そして全てのチームにおいて彼の巻物を狙えば確実に両方の巻物が手に入るわ。」
…………全ての奴らに積極的に狙われる訳か。俺は一人だしチームの所より倒し易いと思われるし、わざわざ巻物を誰が持っているかというのも確認する必要もない。
もしも第2試験が毎回これをやっているなら一人のみの試験と言うのは特例中の特例とカカシ先生が言っていたのも理解出来る。合格は難しいし、これを部下に受けさせる担当上忍とかただの鬼畜だろう。
「うわぁ………」
この会場の全員から格好の獲物を見つけたと言わんばかりの目で見られている。勇者もやっていたがこんな事は初めての経験だ。新しい何かに目覚めそう………
冗談はさておき、俺の場合は戦闘を避けて逃げるのが最も堅実に合格する方法だろう。この森で10キロ進めばいい話だ。どんなに険しい森だとしても1日あれば到達可能だろう。
「じゃあ、各自死んでもいい様に契約書を書いて。巻物を受け取りに行きなさい。」
巻物を受け取る時に職員の人に同情的な視線で見られた。
異世界から帰ってきてからいろんな人に妙な視線を向けられるなぁ。そろそろ妙な視線対する耐性が付きそうだ。
「皆、担当の者についてそれぞれのゲートへ移動!これより30分後に一斉スタートする!ヤマメ。あんたの担当は私だ」
「今日は厄日か………」
「喧嘩売ってんの?買うわよ?」
「買わないでください。お願いだから」
この人マジで大人気ない。この前も団子ラーメンを作らせようと割とマジの殺気を出して脅してきやがったからな。警察を警察を呼んでくれ、いや寧ろこの人警察側だったな。内通者の疑いあるけど。
「…………なぁ、あんたって誰かのスパイだったりする?」
「………どうしてそう思った訳?」
こういうのは直接聞くのが早い。直球に聞いて相手が反抗してくれば黒、例え本当の事を話さなくても仕草や反応から嘘を見分けて、判断材料に出来るからな。
「んー、あんたからは妙な気配がする、かな?」
「……………そう。違うわよ。」
反応からすると………妙な気配については思い当たる事があるらしい。スパイの方は判別出来ない、仮にも特別上忍だから簡単には表情に出ないか。逆考えればに妙な気配についてはかなり深刻な問題なのだろう。
「ついたわ。あなたみたいに特別枠で試験を受けた子は大体ここで死ぬけど…………あんたなら大丈夫そうね」
「生き残っても、団子ラーメンは作りませんよ?」
「残念ね。そろそろ試験開始よ、いってらっしゃい」
そうして第2試験が始まった。
俺はまだ知らない。この第2試験で最も会いたくない奴に出会う事を。
中忍試験
筆記はやる事なかった
死の森は………変態がいるから。
次回、変態と勇者の邂逅