忍者で勇者ってもうこれわかんねぇな   作:鈍足ハイカー

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皆さんお待ちかねの展開が始まります。


十五話

第二試験開始早々、面倒な事になった。()()()()()()。それだけならまだ許容範囲だったのだが………

 

「視線がキモいんだよ……クソがッ」

 

恐らくこう言う視線を()()()()()()()()と言うのだろう。非常に()()で気持ち悪い。最早俺の精神にダメージを与えてから捕らえるつもりなのか………?

なんだろう?ふざけて言ったが否定できないな……

 

「面倒だ………隠れてないで出て来いよ」

 

これで出てこないなら相当性格が終わっている。()()()()()()()()でこれ程に不快感のある奴は初めてだ。出てこないなら()()()()()()()()()かしなければならない。

 

「……あら、感知タイプだったのかしら?それだけじゃ無いわね、あなたの異常性は」

 

()()()は地を這うようにして出て来た、人間であるという事を疑いたくなる様な動きで俺の目の前に現れた。

成る程()()()()()()と言うが、コイツにそんな名前を付けた人間を殺したくなるな。

 

「………()()()か。全く、神の加護も疑いたくなるよ本当に」

 

「神?そんなものを信じているのかしら、珍しいわね。私の事を知っているのも面白いわ、()()()()誰にも見せていない筈なのに」

 

そういえば、この世界は仏教が主流だったな。まぁ、仏の存在は()()()()()から信じる事も出来ないけど。

 

「少なくともお前の様な奴が存在する事の方が有り得ないね。………とりあえず木の葉に来た目的は?」

 

「そうねぇ……()()()若い子を見に来たのよ。あなたみたいな子もいる事だし収穫は多いわね」

 

俺もめでたく標的か………良し、殺そう。

ホモでは無いらしいが、コイツは生かしておいて俺の得になる様な事がない気がする。問題は殺せるかどうかだ、最悪だがどうやら奴は俺が危惧していた魔力持ちらしい。

 

「"剣よ"…………見物料を貰おうか。」

 

()()()()の形態では無理だな。殺すならやはり本来の形の方がいい。俺が意識すれば既に手元には西洋剣が握られていた。

 

「あら、何を払えというのかしら?」

 

「もちろん、お前の命だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ヤマメが相対するのは、この木の葉の里において伝説の三忍と呼ばれた人間の一人だ。例え凶悪な世界の戦争を生き抜いて来たとしても経験の面では負けている。

 

"『威殺居合』改無音"

 

故に()()()()()

 

 

圧倒的な脚力によって瞬時に、そして最早海産物配達係と化した、ついこの間の敵から教わった『無音殺人術』を使い背後に回り。首を切り飛ばした。

 

「……チッ、人じゃねえな」

 

魔力を使っていなくても、今のは確実に首を切り飛ばした筈。ヤマメはその事実を理解していながら()()の生存を悟っていた。

 

「………すごいわね。それ程の力どこで身につけたのかしら?」

 

切った筈の大蛇丸の首が一人でに動き体へと繋がった。血は出ているがそれも直ぐに止まり完全に元の状態へ戻ってしまった。

ヤマメは知らない事だが、大蛇丸の()()()()()体は今の攻撃でかなり寿命を減らした。

 

「…………ラーメン屋の息子なら当然だ」

 

「真面目に答える気は無いみたいね。」

 

ヤマメは生理的嫌悪から大蛇丸から離れた位置に移動していた。逃げる訳では無いが、絶対に近寄りたくは無い。ヤマメは遠距離攻撃に徹する事にした様だ。

 

勇者殺法一式『魔回転聖剣投擲』改

 

ヤマメが一対多の時によく使った技だ。膂力の限りに聖剣を回転多めで投げるシンプルな技だが、その速度は異常の一言に尽きる。例え致命傷を回避できたとしても四肢のうちの一つが消えている事が普通にある。

 

一対一でなら回避は結構される技だ。なら何故今使ったのか。

 

"聖剣影分身の術"

 

ヤマメが投げた聖剣が速度そのままに()()()。異世界においてこの聖剣より硬い物は無いと伝えられている剣が。狂った速度で大量に飛び交う、悪夢の様な技だ。

 

「これは………猿飛先生の……」

 

しかし大蛇丸もただ攻撃を喰らうだけでは無い。

高速で印を組んで忍術を放つ。

 

"風遁 大突破"

 

大蛇丸の口から嵐の様な風が吹き荒れる。いくつかの聖剣は散らされ、大蛇丸に当たるはずだった剣も大蛇丸を逸れてそこら中に散らばった。

 

「"剣よ"………そっか、アンタも三代目の弟子だったか」

 

ヤマメは会話をしながら聖剣の()()()()()手元に戻した。こうやって離れていても手元に転移される能力も聖剣の物だ。

 

「そうよ?殺しづらくなったかしら?」

 

「いいや、()()?」

 

「……………アナタ本当に子供かしら?もう少し躊躇いって物がある筈よね」

 

「なら、そう思ったまま俺に殺されろ"聖印"解放。『起点を聖剣から聖剣へ繋げ』"evil jammer(破邪結界)

 

影分身で増やした聖剣が輝き、大蛇丸を中心に方陣を描く。ヤマメの持つ聖剣の本体からリンクを繋ぎ結界を作動させる。媒体はこれ以上ない程に上等な物だ。その効果は………

 

「ぐぁぁぁぁッ!?これは……仙術ッ?」

 

「仙術……ね。いい事を聞いた。それにしても逃げられたか……面倒な事をする。」

 

「何を………ッ」

 

動けない肉塊に用はない。

ヤマメは聖剣で動けない大蛇丸を()()()()()()。これで大蛇丸は死んだ様に見えるだろう。しかし奴は生きている。

 

「クローンか………」

 

いつの間にか大蛇丸のクローンに入れ替わっていたのだ。大蛇丸のオリジナルの術?かは分からないが、本人は消えない影分身だと言っている様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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これならこの結界も本体にはさほど意味をなさないだろうな。あれは悪意やそれに準ずる物を祓う結界だ。奴のは悪意ではない。()()()()。奴は好奇心のまま行動している、厄介な奴だ。

また暴れているか監視される様なら殺すか。

 

 

 

それにしても()()()()()()

漁夫の利を狙ってくる奴が来る可能性が高い。巻物とかは取ってないけど逃げた方がいい。

 

剣を西()()()から、()()()()()()()に変化させる。この形は俺がある程度手加減をする為の形態だ。

 

俺の戦法の殆どは力押しなので、どちらかと言うとスピードで切るタイプの武器である刀、そしてリーチが短く、小手先で軌道を変えられる()()()に変化させるのが手加減には最適だと思った。

 

クナイに関してだが、俺は戦闘中は聖剣以外の武器を使う事が出来ない。厄介な事だが、戦闘中にそれ以外の武器を手に取って使おうとした瞬間にその武器が壊れる。

 

聖剣の能力、と言うより呪いの様なものだ。

その結果普通にクナイを買っても使えないし、拾っても、敵から奪った物だとしても使えない。

 

帰還後は聖剣との交渉の末、練習や授業中は自分以外の武器を使っても壊さないという所まで譲歩させた。

 

まぁ、この呪いもうまく使えばかなりの切り札になり得るのだが…………

 

思考が逸れたな。

さっさと逃げよう。

 

この試験、さっさと終わらせるつもりだったけど、大蛇丸って言う不確定要素がいるなら話は別だ。

俺の魔力感知に現在一人だけ反応がある。しかしこれは大蛇丸では無いだろう。先程消えた大蛇丸の位置としては()()()()。つまりこれは妖怪 団子狂いだろう。

 

大蛇丸の反応が無いのは恐らく魔力感知を阻害する術でも使っているのか?もし、仙術と言うのが魔力を操る技術だとしたら有り得ない事では無い。

 

そして向こうが魔力感知を使ってくる可能性もある。

 

"jamming(阻害)"

 

これで良し、暴れ回らない限り奴に魔力の存在がバレる事は無いだろう。そろそろ飯の調達でもするか。

 

 

 

 

 

 

 




大蛇丸と軽めの戦闘。
影分身で聖剣が増える、増える。
主人公は仙術の存在を知った
(露骨なパワーアップフラグ)

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